別記様式第 4 号 ( その 2) 教育研究業績書 ( 用紙日本工業規格 A4 縦型 ) 研究分野 氏名鹿島繭 研究内容のキーワード 教育上の能力に関する事項事項年月日概要 1 教育方法の実践例 2 作成した教科書, 教材 3 教育上の能力に関する大学等の評価 4 実務の経験を有する者についての特記事項 5 その他 1 資格, 免許 職務上の実績に関する事項 事項年月日概要 2 特許等 3 実務の経験を有する者についての特記事項 埼玉県仏教絵画調査報告書 平成 5 年 3 月 埼玉県内にある仏教寺院を 埼玉県教育委員会が主導して 悉皆調査を行い それを報告したもの 1 日約 3 ヶ寺 最終的に約 100 ヶ寺以上の調査を終えた 毎回調査対象が初めて記録されるものばかりで これまでその全容がまったく知られていなかった埼玉県内の仏教絵画が明らかとなった ( 共同調査 ) 相模原市仏教絵画調査 平成 21 年 4 月 ~ 平成 24 年 9 月 相模原市にある仏教寺院の悉皆調査を相模原市教育委員会の依頼をうけて行った 調査報告は平成 27 年に刊行予定の市史で提出が決まっている
著書, 学術論文等の名称 ( 著書 ) 共著の別 発行又は発表の年月 1. 絵巻物総覧 共著平成 6 年 3 月 研究業績等に関する事項 発行所, 発表雑誌等又は発表学会等の名称 角川文庫 概 要 ( 全体概要 ) 日本に現存する絵巻が どのくらい存在して 各々がどこに所蔵されていて その内容がどのようなものであるかを記した辞書的な本 ( 担当部分概要 ) これまで日本のどこに どれくらいの 絵巻 が存在するかを網羅した書籍等の決定版は出版されていなかった しかしながらこの種のデータの集積は 1 人の研究者が短期間に完成できるようなものではなく 長い年月をかけて 多くの絵巻研究者が蓄積した成果である また 絵巻 の研究は 日本美術史という領域を越えて 近年は歴史研究者等にも活用されている 研究の発展には 第 1 次資料の所在を示す本書は必須のものである 224 頁 ~225 頁 ( 共著者 : 宮次男 眞保亨 鹿島繭他 32 名 ) 2. 絵画の教科書 共著平成 13 年 7 月 日本文教出版 ( 全体概要 ) 絵画の概念 絵画制作の実際 その教育に至るまで 絵画 に係わる あらゆる言葉を解説した本 ( 担当部分概要 ) 社会人を対象に 絵画を描くときの入門書 教科書として編纂された 執筆者は 画家 版画家 美術史家 美術館学芸員 絵具研究家 美術教育者など 53 人があたっている 単なる技法書ではなく 芸術諸領域に言及して構成されているのが特徴である 142 頁 ~145 頁 ( 共著者 : 小澤基弘 渡辺晃一 鹿島繭他 53 名 ) 3. 芸術学の視座 共著平成 14 年 6 月 ( 学位論文 ) 1. 弘法大師伝絵巻 白鶴美術館本について ( 修士論文 ) ( 論文 ) 平成 5 年 3 月 勉誠出版 筑波大学 ( 全体概要 ) 東洋美術 4 編 日本美術 9 編 近代美術 9 編 近代美術とミューゼオロジー 5 編の 27 編からなる論文集 ( 担当部分概要 ) 女子美術大学紀要 30 号での論文を発展させた内容になっている 説話絵巻における時間と空間の問題を論じている 129 頁 ~145 頁 ( 共著者 : 眞保亨 内藤榮 鹿島繭他 27 名 ) 弘法大師伝絵巻 の十巻本の中でも 元応元年制作の年記を持ち かつコンディションのよい状態で現存する作品である 今後 弘法大師伝絵巻 の全体像を浮き彫りにするに先立ち まず 10 巻に及ぶ絵巻の内容がどのようなものであるかを調査した論文 1. 弘法大師伝絵巻 十巻本について 平成 6 年 1 月 MUSEUM 東京国立博物館 514 号 24 頁 ~35 頁 弘法大師伝絵巻 の中で最も遺品が多く 類本が流布したと考えられる十巻本は 室町時代以降に制作された稚拙な画風によるものが多く 現存諸本に善本が少ないこともあって その研究はあまり進んでいるとはいえなかった 本論では その作品群を系統別に分類 整理し 4 系統に分類することができた
2. 平安時代における檜扇について 平成 6 年 3 月 平安時代に制作された檜製の扇は 神社に奉納されたり 仏像の像内納入品であったり 宗教的意義のもとで伝えられたものが 藝叢 そのほとんどである 一方 平安時代の筑波大学芸術学系芸術人々の様子を描いた絵巻の画中に描かれて学研究室 10 号いる檜扇は 人々にとって非常に見近な日 23 頁 ~44 頁用品であったことが分かる 本論では 現存する檜扇と 絵画の中で描かれた檜扇という2つの側面からみて その性質を論じている 3. 三大寺本系高野大師行状繪について 平成 6 年 5 月 佛教藝術 毎日新聞社 214 号 39 頁 ~58 頁 弘法大師伝絵巻 のうち 最も質の高い作品であるが 現在は断簡となって 美術館や個人の所蔵となっている 諸家に分蔵されるこれらの作品に関して そのいくつかの作品については既に論文が書かれているが 本論では 失われてしまった制作当時の状態を 現存の作品を繋ぎ合わせていくことで復原し 全体像を把握しようと試みた 4. 弘法大師伝絵巻 行状図画及び秘密縁起の成立周辺 平成 7 年 3 月 学位論文筑波大学提出 鎌倉時代以降に制作された高僧伝絵巻の中でも 特に作品の多く現存する 弘法大師伝絵巻 を取り上げ まったく未整理に近い状態にあった作品群を系統別に分類 整理し分析することによって 弘法大師伝絵巻 が系統的に発展した道筋を明らかにした 5. 絵巻における説話画の特性 時間と空間からの考察 平成 12 年 3 月 女子美術大学紀要 30 号 19 頁 ~29 頁 説話画の中で 異なる時間や異る場所で起こったできごとを 一瞥できる絵画画面の中に表現することを 異時同図法 といってきた しかしながら ながらくこの言葉には 矛盾があることが指摘されていた 本論では その解決をみた 4 類型に分類できる法則にそって 絵巻 の持つ特殊な画面形態の中で この法則がいかに使用できるか ( また できないか ) を論じた ( その他 ) 学会発表 On The KOBODAISHI DEN EMAKI Ten-Volume version 平成 4 年 6 月 The Forth Japan American Workshop on Japanese Art History for Graduate Students (Jaws 4)Columbia University 隔年ごとに行なわれている 日米の日本美術史を専攻する大学院生のための人的交流を目的とした研究発表の機会 開催地がアメリカであったため 英語による口頭発表 及び質疑応答となった 約 1 週間のプログラムの間に 15 名による研究発表と 美術館 個人コレクターの所蔵作品の調査等を行った 弘法大師伝絵巻十巻本について 平成 4 年 12 月 美術史学会東支部例会於 : 学習院大学 弘法大師伝絵巻 十巻本の論文発表に先立ち その内容の重要な箇所を口頭発表した ほぼその全容が分からなかった作品群を系統別に分類 整理し 4 系統に類型化することができたことが最大の成果であった 1. 弘法大師伝絵巻 高野大師行状繪について 平成 6 年 4 月 三大寺本系高野大師行状繪についての論文の内容を口頭発表したものである 作品筑波大学藝術学美術史が大量に現存する 弘法大師伝絵巻 のう学会ち 最も質の高い作品であるが 現在は断於 : つくば美術館アル簡となって 美術館や個人の所蔵となってスホールいる 本論では 失われてしまった制作当時の状態を 現存の作品を繋ぎ合わせていくことで復原しようと試みた
公開講座 1. 歌絵 絵と和歌がおりなす物語 平成 8 年 5 月 杉並区大学公開講座女子美術大学平安時代後期に隆盛をみた王朝文学の影響をうけ 絵画 書 工芸作品の中に 文字を散らして 主題である詩や和歌を暗示させる 葦手 という表現がうまれた 明治時代以降現在に至るまで 美術の領域の中から書 ( 詩 和歌 ) が取り残されてしまったが 実際日本の絵画は 書と一体であった ここでは 書 ( 詩 和歌 ) と絵画の融合の軌跡を 作品を取り上げながら述べた 2. 絵画の見方 1 日本絵画の奏でる音を聴く 3. 絵巻物にみる女性の死生観 4. 絵画の見方 2 日本絵画の時間と空間について 5. 絵画の見方 4 日本絵画の中の庭園 6. 絵画の見方 5 絵巻における人物表現について 7. 日本美術に表現された女性について 平成 9 年 5 月 平成 9 年 10 月 平成 9 年 11 月 平成 11 年 11 月 平成 12 年 10 月 平成 13 年 11 月 9 日 11 月 16 日 11 月 30 日 12 月 7 日 12 月 14 日 (5 回 ) 杉並区大学公開講座女子美術大学鎌倉時代から室町時代にかけて 禅宗寺院 ( 特に五山 ) において 盛んに制作された詩画軸について論じた 詩画軸は そこに描かれている絵画を鑑賞するだけでなく 詩も一緒に読むことで深い理解に繋がる 特にここでは 風にそよぐ松の音や湿った空気の中に響く鐘の音など とかく絵画はみるものだと考える中で あえて聴くこともできるのだといった世界に触れた 杉並区大学公開講座女子美術大学平安時代後期 末法思想に包まれた人々を不安に陥れた地獄の世界が如何なるものと考えられていたか 特に女性を中心に述べた 現存する 地獄草紙 や源信の説く 往生要集 から具体的な地獄像を浮き彫りにした また その対極にある極楽がどんなに素晴らしいところと考えられていたかについても触れた 杉並区大学公開講座女子美術大学アニメーションのような動画であれば 経過する時間も空間の移動も容易に表現できるが そこに現実の動きを有さない 絵巻 や 洛中洛外図屏風 といった絵画の中で それらがどのように表現されているかについて論じた 杉並区大学公開講座女子美術大学日本の住宅の中にいわゆる 庭 という意識がいつごろから発生し また絵画の中にその 庭 がどのように表現されているかを論じた 庭 はときには 宗教的な意図がそこに含まれていたり あえて狭い空間の中に大自然の縮図としての枯山水が存在したり また権力や富の象徴として広大な庭園が考えだされた 絵画をビジュアルな資料として 憩いや癒しの場としての 庭 の在り方を述べた 杉並区大学公開講座女子美術大学 絵巻 における人物の顔の表情というと 源氏物語絵巻 に登場する女性の 引目鉤鼻 に代表されるような 一見何を感じているのか分からない表情を思い浮かべる しかし一方で 喜怒哀楽をあらわに表現する人々が 絵巻 には多く描かれている 絵巻 に書かれた詞書を参考にしながら そこに登場する人々の身振りをも含めた感情表情について概観した 相模原市市民大学女子美術大学 5 回の連続講演の内容は 女性の恋愛表現の違い 華厳宗祖師絵巻と道成寺縁起絵巻 人生の絶頂期に忍び寄る死の影 九相詩絵巻に見る女性の死 肖像画を描かせたのは誰? 女性を描いた肖像画 男と女の力関係 浮世絵の中の女性 女性画家の存在 である 女性を描いた もしくは女性が描いた日本絵画について論じた
8. 藝術文化講座 佛教絵画鑑賞 9. 日本美術に描かれた季節と自然 日本美術と星 10. 近世江戸時代の佛教絵画 禅画の魅力 白隠と仙崖 11. 国宝 源氏物語絵巻 鑑賞の手引き 12. 東洋美術にみる月の表現 13. 東洋美術にみる神仙思想の造形 14 韓国の美術 - 高麗仏画 15. 韓国の美術 - 朝鮮王朝期の絵画 16. 紫式部日記絵詞 17. 京都五山禅の文化 18. 国宝源氏物語絵巻 を読む 平成 16 年 5 月 6 日 5 月 20 日 5 月 27 日 (3 回 ) 平成 16 年 6 月 平成 16 年 10 月 平成 17 年 7 月 平成 17 年 9 月 平成 17 年 10 月 平成 18 年 12 月 平成 18 年 12 月 平成 19 年 6 月 30 日 7 月 7 日 平成 19 年 7 月 12 日 7 月 19 日 平成 20 年 8 月 2 日 8 月 9 日 相模原市大野台区民館講演 3 回の連続講演の内容は 空海と高野山 展鑑賞の基礎知識 佛教絵画の見方 曼荼羅について である 東京国立博物館で開催された 空海と高野山 展に因んで 平安時代の佛教絵画の名品の価値について論じた 杉並区大学公開講座女子美術大学太陽 月 星が日本美術にいかに表現されたかを 具体的な作品を例に論じた また 中国美術や韓国美術などとも比較し これらの国々からの文化的な影響についても触れた 杉並区大学公開講座女子美術大学日本でよりむしろ欧米で圧倒的に高い評価を得てきた 2 人の禅僧の描いた禅画について論じた 国内外のコレクターが所有する 各々の生涯にわたる作品について触れた 杉並区大学公開講座女子美術大学科学的な調査が東京文化財研究所によって行われ この成果に基づいて復元模写が行われた 現在残る 国宝 源氏物語絵巻 がどのようなものであるかを論じた 天文の夕べ講演会杉並区立科学館中秋の名月にあわせた講演 月が美術作品の中で いかに表現されてきたか 杉並区大学公開講座女子美術大学不老不死の神仙は 古代の中国人にとって憧れであった 銅鏡 青銅器 陶器などの図像に表現されている これらの造形をおった 杉並区内大学公開講座於 : 女子美術大学日本に数多く存在する 韓国の高麗時代に描かれた仏教絵画について論じた 儒教国家というイメージのある韓国だが 高麗時代には国教が仏教であったため 仏画が描かれた 日本において 一般的に知られていない韓国の絵画について考察した 杉並区内大学公開講座於 : 女子美術大学高麗時代以降の韓国の絵画を概観し 日本や中国の絵画との共通点や差異などについて論じた 杉並区内大学公開講座 紫式部日記 を絵巻にした 紫式部日記絵詞 から 平安時代の女性の生活を論じた 有職故実など 絵画に描かれている公家の装束についての考察を行った 大野台公民館文化藝術講座相模原市立大野台公民館東京国立博物館で開催される 京都五山 展に先立ち 展覧会を鑑賞するにあたって 必要と考えられる事柄について論じた 杉並区立井草地域区民センター 源氏物語 を絵画化した 国宝 源氏物語絵巻 の各場面の内容と 平安時代の貴族の生活について論じた また 近年行われた復元模写についてもふれた