ISA 日本支部年次総会記念講演会 工業用無線規格 ISA100.11a とその実用 2014 年 7 月 4 日 ( 金 ) ISA100WCI 日本支部支部長長谷川敏支部員中嶋信二 田邊悟 小田和則
本日のお話し ISA100.11a は ISA100 委員会で標準化された工業用無線規格です ISA100.11a 規格に準拠した ISA100 Wireless ネットワーク機器は 既に世界中の生産現場に導入され実用されています 国内では相次ぐ産業事故や エネルギー効率改善の要請から 産業プラントのプロセスや生産設備の監視強化が求められており ISA100 Wireless などの無線センサネットワークの利活用が期待されています 本講演では 工業用無線規格 :ISA100.11aの最新標準化動向及び その実用例を紹介します さらに 上述の国内の取り組むべき課題として挙げられるプラントの監視強化と保全業務効率改善に注目し 異なる保全関連機器を提供する専業ベンダが なぜISA100 Wirelessを選択し 製品化を進めているのかを紹介いたします 2
目次 ISA100WCIとは? なぜ無線? ~ 国内生産現場での無線の価値 ~ 工業無線技術の要件 ISA100.11a 規格の特徴 最新標準化動向 実際の生産現場での実用例 なぜISA100 Wirelessなのか? 振動センサ ガス検知器 スチームトラップ 3
ISA100WCI とは? ISA100 Wireless Compliance Institute ( 略して ISA100WCI) ISA100 Wireless を導入するユーザーや製品開発するベンダーを支援するための非営利組織であり 以下のサービスを提供します 技術的支援とツールの提供 相互運用性確保のための規格適合試験の実施と認証作業 市場認知度向上を目的とした普及 教育活動を実施 ISA100WCI は ISA100 無線技術の実装と導入に必要な時間 コスト リスクの低減をミッションとして上記支援活動を行っています 4
ISA 標準化組織と ISA100WCI の関係 標準化 ISA : International Society of Automation ( 国際計測制御学会 ) Standard & Practice ( 標準化部門 ) 実装技術開発 普及 認証 ASCI Automation Standards Compliance Institute (ISA の非営利子会社 ) WG3 ISA100.11a WG16 Factory Automation SP 18 Alarm Management WG8 Users WG17 Zigbee SP 50 Fieldbus SC12 Convergence WG18 Power Source SP 84 Safety WG14 Trust Worthly SG19 Nuclear SP 99 Cyber Security WG15 Backbone Backhaul WG21 People & Asset track SP 100 Wireless ISA100 WCI ISA100 Wireless Compliance Institute (ASCI 傘下の ISA100 無線技術認証団体 ) ISA100 WCI(Wireless Compliance Institute) は ISA( 国際計測制御学会 ) 傘下の非営利コンソーシアムです 5
WCI 会員企業 6
なぜ無線? 7
高圧ガス事故集計データ http://www.khk.or.jp/activities/incident_investigation/hpg_incident/pdf/jiko2512graph.pdf 8
http://www.khk.or.jp/activities/incident_investigation/hpg_incident/comb.html 9
無線計装の導入効果 初期導入コストの削減 ケーブル配線コストの削減 ケーブル配線経路設計 コンヂット配管 ケーブル引き込み ジャンクションボックス マーシャリングボード 工期工程の短縮 運転コストの削減 監視範囲の拡大 移動体設備への設置 現場点検作業の削減 現場巡回点検 監視 安全 安定操業 監視の強化 設備の状態監視 環境監視 プラントライフサイクルコストの削減 10
無線計装によるプロセス監視と設備健全性診断 制御 監視 機器管理 診断解析 Gateway どんな無線ネットワークが求められているか? タンク 熱交換器 ポンプ 回転機 バルブ 配管 パイプライン タンク 塔 プロセス : レベル 温度 圧力 摩耗 腐食 固着 振動腐食 減肉 破断亀裂 漏洩 火災 11
計測展 2013 TOKYO WCI アンケート結果 12
ISA100.11a 規格策定時のユーザーの要求 7. 拡張性 8. グローバル 9.QOS( 通信品質管理 ) 10. マルチプロトコル 6. 多機能 5. マルチスピード 4. オープン 無線センシングの技術要件ユーザーの声 11. コントロール対応 3. 電力管理 2. 無線通信の信頼性 1. セキュリティ 出展 : USA Department of Energy and ARC User survey 工業用無線は 全ての要求を同時に満足する必要があります 13
ISA100.11a 無線ネットワーク I/O デバイス ルータ セキュリティマネージャ バックボーンルータ システムマネージャ ゲートウェイ 14
ISA100.11a 規格の特徴 様々な現場ニーズを解決する優れた技術を備えています 1. ISA100は工業用の無線技術を体系的に扱っているファミリー規格 2. モニタリングからコントロールまでの幅広い用途に適用可能 3. 高いセキュリティ機能 ( 暗号化 認証による盗聴 改ざん 成りすまし防止 ) 4. 信頼性の高い無線ネットワーク ( メッシュ 経路二重化 Chホッピング ) 5. IPアドレッシング ( 将来性と拡張性のあるIPv6 対応 ) 6. バックボーンルーティングによる拡張性と柔軟性を備えた無線ネットワーク 7. 非中継機能による低コスト機器の提供 ( バッテリー長寿命化 ) 8. マルチプロトコル対応 (FF, HART, Profibus, Modbus, OPC, etc) 9. WCIによる相互運用性の保証 : マルチベンダー環境の実現 15
どんな無線技術? IEEE 802.15.4 2.4GHz ISM 帯 ( 免許不要 ) 電池駆動:3~10 年動作 伝送距離:100~600m(LOS) 低伝送レート:250kbps 16
工業用無線の信頼性技術 : メッシュ ネットワーク 障害物の回避 : 経路冗長化技術 17
工業用無線の信頼性技術 : チャネル ホッピング 干渉の回避 : 通信周波数 (Ch) 変更技術 送信電力 mw 時間 : 10msec/Div 18
ISA100.11a の特徴的な信頼性技術 二重化 Gateway と Duocast 19
ISA100.11a の大規模ネットワーク Process Overview Graphics Field Control Station Field Wireless Management Station Field Wireless Access Point 20
ISA100.11a による無線制御 21
実流水位レベルの無線制御デモ Peer to Peer 通信とポジショナ内の PID 機能ブロックで水位制御 @Hannover Fair 2013 22
工業用無線関連の標準化動向 IEC/TC65/SC65C ( 工業用ネットワークシステム ) IEC 62591: WG16 (WirelessHART) Ed2. 審議中 IEC 62601: WG16 (WIA-PA: China) Ed2. 審議中 IEC 62734: WG16 (ISA100.11a) CDV 可決 WG17: Wireless Coexistence ( 共存管理 ) ISA100 委員会 ISA100.11a: Wireless systems for industrial automation: 完了 IEC 審議中 ISA100.15: Wireless Backhaul Backbone Network : 技術レポート発行完 ISA100.18: Power Source ISA100.20: Common Network Management ISA100.1: ISA100 Road Map Study Group ETSI ( 欧州電気通信標準化機構 ) ERM/TG11: EN 300 328 V.1.7.1 V1.8.1 (2015 年 1 月施行開始 ) Data transmission equipment operating in the 2,4 GHz ISM band and using wide band modulation techniques: 欧州における 2.4GHz 帯の無線通信機器に関する標準化 23
2014 年 IEC 規格承認の見込 FDIS 投票 24
25 http://www.isa100wci.org/documents/isa100 Wireless Overview.aspx
実用例 防火用水タンクのレベル監視 26
実用例 回転機器の振動監視 27
実用例 危険ガス漏洩検知 28
なぜ ISA100 Wireless なのか? ~ 専業ベンダーの視点から ~ 1. 振動センサ 2. ガス検知器 3. スチームトラップ 29
1. 振動センサ 30
無線式振動計システム構成 振動センサ DCS 数値データ 状態監視装置 数値および波形データ マネージャゲートウェイ モータ ポンプ
取付 設置実績 水平ポンプ 振動センサ 32
取付 設置実績 垂直ポンプ 振動センサ 33
システム導入事例 全体図 振動センサ 50 60 m GW 80 120 m 120 200 m 34
システム導入事例 特殊例 振動センサ 35
事例紹介 振動センサ 試験導入した縦型ファンにて軸受故障が発生 軸受破損 2 週間前に兆候を検知 36
事例トレンドデータ ( エンベロープ処理済み ) 振動センサ 37
事例 FFT トレンド 振動センサ 38
事例スペクトラム 振動センサ 39
破損軸受写真 振動センサ 40
2. ガス検知器 41
ガス検知器の市場 ガス検知器 石油精製プラントや半導体工場などで使用されています 用途としてはガスの濃度測定をはじめ爆発事故 酸欠事故 中毒事故の防止など作業現場における安全管理をサポートしています 42
ガス検知器の特徴 ガス検知器 表示 制御部 2 ガス濃度を上位システムに知らせる ガス検知部 GAS 1 ガスを検知 43
ガス検知器の設置事例 ガス検知器 44
なぜ 無線化なのか?( 市場の期待 ) ガス検知器 1 省配線による工事費削減設備新設の配線工事や配線の老朽化による再工事の費用を削減できる 2 災害発生後の復旧性ガス検知器のケーブルレス化により地震 津波等の災害発生後の復旧を迅速に行える 3 設備メンテナンス時の安全管理強化設備メンテナンス時の爆発事故防止のため 一時的にガス検知器の台数を増やして安全管理を強化できる 45
ガス検知器の技術的要求事項 ガス検知器 1. ガス検知の確実性 ( 通信の信頼性 ) 漏洩したガスをセンサで確実に検知し 上位システムに知らせることができるメインの通信経路で問題が生じた場合 別の経路で継続して通信ができること ( 冗長化 ) 2. 警報遅れ ( 応答速度 ) 警報設定値濃度の 1.6 倍のガス濃度にて 30 秒以内に警報を発信 一般高圧ガス保安規則関係例示基準 46
ISA100.11a によるソリューション ガス検知器 1. ガス検知の確実性 ( 通信の信頼性 ) Duo cast による冗長化 Primary Secondary 経路設定 Gateway Backbone Router を含めたシステム全体の冗長化が可能メイン経路に問題が発生しても通信を継続でき 信頼性を確保 47
ISA100.11a によるソリューション ガス検知器 2. 警報遅れ ( 応答速度 ) スター接続による更新周期の高速化 アラート機能による即時通信 更新周期管理 要求時間内での情報伝達が可能また 明確な時間管理により通信状態をモニタリングできる 48
3. スチームトラップ 49
スチームトラップとその市場規模 スチームトラップ スチームトラップとは? 機器 配管などからドレンを自動的に排出する自力式のバルブの総称 (JIS B 0100 バルブ用語 ) 市場規模 国内石油精製プラントでは 約 10,000 台町のクリーニング屋でも数個 蒸気を使用するところでは必須のバルブ 50
蒸気主管に設置されたトラップ ( 例 ) スチームトラップ 51
なぜ無線化? スチームトラップ 1. 個数が多い 2. 不定期に不良になる 3. 詰まれば生産できず 漏れれば蒸気ロス 国内では 1 信頼性の高い ( 省エネタイプで長寿命 ) トラップを採用 2 年 1 回の全数診断 ( 改正省エネルギー法推奨 ) 海外では 1 トラップの定期診断が定着していない 2 不良個所の特定が広大な敷地 or 厳しい天候であれば困難 52
スチームトラップのモニタリングに 求められる技術的要件 スチームトラップ 1. 設置台数が多いため ( モニタリング対象が多いと ) AP/Gateway の数も膨大になる 2. 工場全域に渡って設置されているため拡張性が重要 3. 通信距離の長さも重要 4. 地面に近いところに設置されるため 通信の信頼性向上や 耐薬品 / 堅牢な構造であることが望まれる 5. 着脱が容易なことが望ましい (4 5 共に周辺配管工事等で損傷のリスク大 ) 53
なぜ ISA100? スチームトラップ 1. 自社開発の通信プロトコルでは 周辺機器の進化のスピードに対応できない 2. エンドのユーザの意向を仕様に反映している 3. 今後 AP/Gateway 等のハード開発の加速が見込める 4. 海外でのニーズが高まると考えられる中 設置台数が多い石油精製 石油化学工場の新設は アメリカ 中東で期待 Foundation Fieldbus の採用 が増えることが予想される ; FF との親和性 (Publish/Subscribe) 54
Best in Class Solution 55
http://www.isa100wci.org/ ISA100 Wireless Solutions Summit 2008 56
ご清聴ありがとうございました ISA100.11a A framework for innovation 本資料で使用されている会社名 商品名等は 各社の登録商標または商標です 57