但馬水産技術センターだより 漁況情報 (G1 号 ) 平成 年 8 月 28 日兵庫県立農林水産技術総合センター但馬水産技術センター発行 ハタハタ アカガレイ エチゼンクラゲに関する情報について ( 平成 年度底びき漁期前調査結果 ) 平成 年 8 月 6 日および 8 月 19~23 日に但馬沖 ~ 島根県日御碕沖の水深 18~3m( 図 1 表 1) で 漁業調査船 たじま により, トロール網試験操業を実施しました 結果の概要は以下の通りです 1 ハタハタ ( 秋漁 ) に関する情報 大山沖から隠岐東方漁場にかけてまとまった入網がありました ( 表 1 図 2) 1 網当たり入網重量は大山沖では前年にばないものの 183kg/ 網と高水準でしたが 全域平均では 4kg/ 網と過去 9 か年の平均的な水準となりました ( 表 2 図 3) 漁獲物は 全体としては体長 14cm 前後の 1 才魚が最も多く 2 才魚 (16cm 前後 ) 3 才魚 (19cm 前後 ) がこれに続いています ( 図 4) 以上のことから 漁場については大山沖 隠岐東方を中心に形成されると見られます 漁獲物は小型の 1 才魚を中心に中型の 2 才魚 大型の 3 才魚が比較的多く混じるでしょう 漁獲は解禁直後は昨年より少ないと見られますが 期間を通じては近年の平均的な水揚げが期待されます ( 図 ) 2 アカガレイ ( 秋漁 ) に関する情報 アカガレイの入網は但馬沖 ~ 大山沖においてまとまって認められました ( 表 1, 図 6) 大型雌個体は水深 以深で 中小型個体は但馬沖 大山沖の 21 24m で入網しました ( 図 7-1, 2) 但馬沖 ~ 大山沖での入網量は前年をやや下回りました (86%) 以上のことから秋漁は但馬沖から大山沖にかけて漁場が形成されるでしょう 漁獲量は前年をやや下回る可能性があります 3 エチゼンクラゲに関する情報 24 点中 13 点 ( いずれも大山沖以西 ) で入網し 特に日御碕沖水深 21~27m では 1 曳網当たり入 48~ 7kg(~3 個 傘径 8-11cm) の入網がありました ( 表 1, 図 8) 大量に来遊した 29( 平成 21) 年に比べると少ないものの 昨年 一昨年よりは多く 操業への影響が懸念されるレベルと考えられます 海域によってはクラゲ抜き等の対策が必要かもしれません 大型クラゲ出現情報 (JAFIC) (http://www.jafic.or.jp/kurage/index.html) や出現予測 ( 水研センター ) (http://www.fra.affrc.go.jp/kurage/frayosoku21.html) が公開されています 引き続き最新の情報収集に努めて下さい 4 その他の情報 8/2 21 に隠岐北方から西方において 最大 2.9 ノットに達する北東方向への強い流れが観測されました 以上 操業の参考にして頂ければ幸いです お問い合わせ先 : 兵庫県但馬水産技術センター ( 担当 : 大谷 ) TEL:796-36-39 FAX:796-36-3684 email:nouringc_tajima@pref.hyogo.lg.jp ホームヘ ーシ :http://www.hyogo-suigi.jp/tajima/index.htm
平成 年度底びき漁期前調査結果資料 1) 調査の目的底びき解禁前のハタハタ アカガレイ エチゼンクラゲ等の分布 体長組成等に関し 情報の収集と提供を行う 2) 調査日時平成 年 8 月 6 日 ( 但馬沖 ) 平成 年 8 月 19~23 日 ( 大山沖 ~ 日御碕沖 ) 3) 調査海域但馬沖から日御崎沖にかけての水深 18~3m 海域 ( 図 1 参照 ) 4) 使用船舶 兵庫県新漁業調査船 たじま (199 トン ) ) 調査内容 1トロール試験操業図 1に示した計 24 点において 底びき試験操業を実施 ( 但馬沖から大山沖で27m 定点をに変更 ) 使用漁具 : 着底トロール網 袋網 8 節 袖先間隔約 28m 間口高さ約 2.2m 曳網方法 :3knot 3 分 ( 約 1. マイル ) 曳き 2 海洋観測定点における STD による海底までの水温, 塩分観測と 網に取り付けたセンサーによる海底水温の計測を実施 3 魚探反応の収録トロール曳網時の魚探反応を収録 隠岐北方 D24 D21 D18 D17W F27 F24 日御碕沖 F21 F18 隠岐東方 E24 E21 E2 E18 C24 C18 C21 C3 大山沖 図 1 調査海域図 K3 KT3 K3 KH3 K27 K24 K21 K18 但馬沖 132 E 133 E 134 E 1 E
表 1 定点別魚種別入網状況 月日 曳網平均曳網開始位置魚種別入網重量 (kg) 海区開始エリア操業点番号曳網北緯東経アカカ レイソウハチヒレク ロノロケ ンケ エチセ ン番号ハタハタハ イ類エヒ 類時刻水深度分度分 ( マカ レイ ) ( イテ ) ( ヤマ ) ( ト キ ) クラケ 8/6 6:47 K3 322 36. 134 42. 897.4 22.3...8 13. 68.7. 8:28 K3 32 36.6 134 34.9 897.4 4.4 1..3.6 6.9 98.9. 1:18 KH3 3 4.6 134 23. 896.4 71.4.6 1.3 3.1.1 44.3. 8/ 16:1 但馬 KT3 298 36.8 134 48.1 8191. 46..9.2.7.1 31.8. 14:1 沖 K27 267 7.8 134 4.1 897 9.1 49.9. 3.7 2.6 3.4 34.1. 13:12 K24 232 2.6 134 41.1 886.. 1.6 2.4 17.4. 7.. 11:39 K21 26 48.6 134 37. 889 3.1 62.4.4.8 7..1.. 1:1 K18 181 46. 134 37. 886.. 1.2.1.... 8/23 7: C3 319.6 134 4.7 8197.1 22.8 6. 6. 9.1.2 9.6 21.7 8/19 13:9 大山 C24 236.8 133 7.6 8291 6.3 99.3 42.6.7 16.8.2. 3. 14:48 沖 C21 211 4.8 133 2.9 8291 39.9 93. 16.8.6 19.9.3. 2.3 16:42 C18(19) 194 3.2 133 4.1 8294 164.4.9.2.1 4.9.2.. 8/21 14: E2 249 36 17.7 133.1 8284 128.3 6.4. 2.4 6. 1.3.9 1.1 12:3 隠岐 E24 243 36 22. 133 46.3 8284 29.8.4. 3.2 7..4.1. 1:23 東方 E21 29 36 19.3 133 43.6 8284. 3.7..2 17.2 1... 8:26 E18(17) 168 36 13.3 133 34.8 828 2.2..6..1.. 7.9 8/2 6:43 D24(23) 23 36 44.9 133 7.8 8378 6. 2.9. 9.7.3 2.1 11.2 9.8 8:37 隠岐 D21 36 39.3 133.2 8378 1.1 3.6..2 18. 1.. 1. 1:2 北方 D19 19 36 32.1 133 1.3 8379 31. 6.7. 11.6 17.4.4. 29.7 13:1 D17W 177 36 24. 132 6.4 8484 1.2.... 1.1.. 8/22 12:38 F27 273 3.7 132 26.4 891.1 3.4 7.6 17. 1.2.3 12.7 73.6 11:6 日御 F24 247 2. 132 27.8 891.4.8. 2.7 6.1. 1.6. 9:33 碕沖 F21 216. 132 3.2 8497 2. 1.4.4 2.4 6..3 9.1 48. 7:4 F18 178 47.6 132.7 8498 2.4. 3.7 31.8 4..6. 19.2
表 2 エリア別 1 曳網当たりハタハタ入網量 18m ハタハタ kg/ 網 3 1 ( 曳網水深 166-m 袖先間隔比で補正 ) 単位 :kg 年 \ エリア 日御碕沖 隠岐北方 隠岐東方 大山沖 但馬沖 平均 - - 7. (1) - 13.8 (3) 27.9 26-7.4 (3) 48.4 (1) - 3.9 (3) 38.7 27-181.9 (3) 17.1 (2) 29. (1) 4.3 (3) 19.1 28 - - - 17.6 (2). (2) 4. 29 7.6 (3) 29.9 (3).3 (3) 34.3 (2) 3.8 (2) 2.4 21 1. (3) 76.8 (3) 42. (3) 14.9 (3) 3.7 (3) 27.8 211 13.6 (4) 9.9 (2) 1.3 (3).9 (3) 9.1 (3) 1.8 212 1. (3) 8. (3) 22.2 (3) 288.1 (3) 9.1 (3) 117.2 213 1.2 (3) 11.3 (3) 33. (4) 182.6 (3) 1.9 (3) 4.2 ( ) 内は操業点数 3 132 E 133 E 134 E 1 E 図 2 ハタハタ入網重量の分布 (kg/( 網 ) 3 2 2 1 1 26 27 28 29 21 211 212 213 kg/ 網 日御碕沖隠岐北方隠岐東方大山沖但馬沖平均 年図 3 1 曳網当たり入網重量の年推移 ( 調査船 網の違いは袖先間隔の比で補正 )
213 年 212 年 頻度 (%) 頻度 (%) 211 年 頻度 (%) % 1% % % % 213 年 C E エリア計 (:8727 :8222 8222) (:13663 :1374 1374) (:82 :976 976) 1 才魚 2 才魚 3 才魚 % 6 8 1 12 14 16 18 2 22 24 体長 (mm)( % 計 1% 212 年 C E エリア計 % 6 8 1 12 14 16 18 2 22 24 体長 (mm)( % 計 1% 211 年 C E エリア計 計 アカカ レイ kg/ 網 6 12 2 7 % 6 8 1 12 14 16 18 2 22 24 体長 (mm)( 図 4 近年のハタハタ体長組成 ( 隠岐東方 ~ 大山沖 ) 132 E 133 E 134 E 1 E 図 6 アカガレイ入網重量の分布 (kg/( 網 ) 9-1 月漁獲量 ( トン ) 6 4 3 2 1 y = 286x + 1772 R² =.363 4.2kg.. 1. トロール平均入網重量 kg/ 網 ( 水深 166-m 袖先間隔で標準化 ) 図 調査平均入網重量と 9-1 月のハタハタ漁獲量との関係
4 3 2 1 水深 3m N= 4 1 1 2 2 3 3 4 4 6 4 水深 N= 6 3 2 1 1 1 2 2 3 3 4 4 4 3 2 1 水深 N= 111 1 1 2 2 3 3 4 4 4 3 2 1 水深 27m N= 14 1 1 2 2 3 3 4 4 ( 尾 ) 度数 ( 6 4 水深 24m N= 32 3 2 1 1 1 2 2 3 3 4 4 4 3 水深 24m N= 19 2 1 1 1 2 2 3 3 4 4 ( 尾 ) 度数 ( 6 4 水深 21m N= 292 3 2 1 1 1 2 2 3 3 4 4 4 3 2 1 水深 21m N= 32 1 1 2 2 3 3 4 4 6 4 水深 18m N = 36 3 2 1 1 1 2 2 3 3 4 4 4 3 2 1 水深 18m N = 図 7-1 定点別アカガレイ体長組成 (213 年大山沖 ) 図 7-2 定点別アカガレイ体長組成 (213 年香住沖 )
ハ イ類 kg/ 網 18m ソウハチ kg/ 網 1 4 1 エッチュウハ イ ( 白バイ ) エソ ホ ラモト キ ( 赤ハ イ ) ツハ イ 132 E 133 E 134 E 1 E 132 E 133 E 134 E 1 E ヒレク ロ kg/ 網 2 1 3 エチセ ンクラケ kg/ 網 1 1 132 E 133 E 134 E 1 E 132 E 133 E 134 E 1 E 図 8 その他主要魚種等の入網重量の分布 (kg/ 網 )