概要 ウォッチドッグタイマ内蔵システムリセット I は 電源電圧の瞬断や低下などの異常を瞬時に検出して リセット信号を発生する電源電圧監視用 I です ウォッチドッグタイマが内蔵されており 各種マイコンシステムに フェイル セーフ機能を持たせることができます 特徴 電源電圧 : =.5~7 リセット検出電圧 : L :.0% 外付け抵抗により検出電圧の調整が可能 出力遅延ホールド時間 WD タイマリセット時間設定比 = 30: WD タイマ監視時間独立設定可能 WD タイマ機能停止設定可能 MOS 構造 パッケージ : TSP8 / DIP8 外形 B D 端子配列 / 端子機能説明 3 4 8 7 6 5 PIN 端子名称 端子機能. 出力遅延ホールド時間設定用コンデンサ接続端子. W ウォッチドッグ監視時間設定用コンデンサ接続端子 3. K クロック入力端子 4. グランド 5. 電源 6. ウォッチドッグタイマ機能イネーブル端子 (Active Low) 7. SADJ リセット電圧調整用抵抗接続端子 -- 8. リセット出力端子 (Active Low ) ブロック図 5 SADJ 7 D D EG ontrol 8 D3 EF WDT Enable eset Enable K 3 W ontrol W W 00kΩ 00kΩ 4 6 検出電圧ランク Device Name L PKG Status Device Name L PKG Status B-03 3.0 TSP8 MP D46 4.6 DIP8 MP B-46 4.6 TSP8 PLAN er.08-0- - -
絶対最大定格 ( 指定なき場合には T a = 5 ) 項目記号条件定格値単位 電源電圧 8.0 電圧検出器入力電圧 SADJ 8.0 クロック入力電圧 K (*) 8.0 -- 入力電圧 出力電圧 --- (*) 8.0 8.0 -- 出力シンク電流 --- I 0 ma 消費電力 P D TSP8 (*) 470 DIP8 (*3) 500 mw 動作温度 T opr - 40 ~ + 85 保存温度 T stg -40 ~ +5 (*) : 電源電圧が 8 以下の場合は 電源電圧と等しくなります (*) : 基板実装時 76.mm4.3mm,6mm( 層 F-4) で EIA/JEDE 準拠による (*3) : 単体時 推奨動作条件 ( 指定なき場合には T a = 5 ) 項目記号条件範囲単位 電源電圧.5 ~ 7.0 電圧検出器入力電圧 SADJ 0 ~ クロック入力電圧 K 0 ~ 入力電圧 0 ~ 電気的特性 < ボルテージディテクタ部 > ( 指定なき場合には = L+0.3, T a = 5 ) 項目記号条件最小標準最大単位 リセット電圧 L -.0 % - +.0 % ヒステリシス電圧 HYS_S HYS_S = H (*4) - L 63 90 7 m 電圧検出器基準電圧 TS 0.95.00.05 電圧検出器基準電圧温度係数 TS / T a T a = - 40 ~ + 85 - ±00 - ppm/ 出力遅延ホールド時間 T P = 0.0µF.9.5 3.5 ms 電圧検出時 端子充電電流 I D = 0.05 3 4 5 µa 復帰後リセット解除 端子スレッシホールド電圧 TD W = 0.05 0.95.00.05 ( *4 ) H : 復帰電圧 < ウォッチドッグタイマ部 > ( 指定なき場合には = L+0.3, T a = 5 ) 項目記号条件最小標準最大単位 クロック入力閾値レベル TK 0.6 0.9. クロック入力パルス幅 T KW 0.05 - - ms クロック入力周期 T K 0. - - ms ウォッチドッグタイマ監視時間 T WD W = 0.0µF.5.0.8 ms W 端子充電電流 I W W = 0.05 3 4 5 µa ウォッチドッグタイマリセット時 W 端子スレッシホールド電圧 TWH = 0.05 0.95.00.05 クロック検出時 W 端子放電電流 I WL W = 0.5 30 39 48 µa 充電切り替わり時 W 端子スレッシホールド電圧 TWL = 0.05 0.8 0.0 0.3 ウォッチドッグタイマリセット時間 T W = 0.0µF 0.063 0.083 0.7 ms タイマリセット時 端子充電電流 I W = 0.05 45 60 75 µa タイマリセット解除 端子スレッシホールド電圧 TW W = 0.05 0.48 0.50 0.53 ウォッチドッグタイマ機能停止 端子スレッシホールド電圧ウォッチドッグタイマ機能停止解除 端子スレッシホールド電圧 TWDIS.6 - TWEN 0-0.3 - - er.08-0-
< 出力部 > ( 指定なき場合には = L+0.3, T a = 5 ) -- 出力電圧 (L 出力時 ) -- 出力シンク電流 (L 出力時 ) -- 項目記号条件最小標準最大単位 STL I ST I --- --- 保証最小電源電圧 OPL -- ( *5 ) pu : プルアップ抵抗 --- = 0.5mA, SADJ = 0-0. 0.4 = 0.5, SADJ = 0 5 0 - ma = 0.4, pu (*5) = 330kΩ - 0.8. < 総合特性 > ( 指定なき場合には = L+0.3, T a = 5 ) 項目記号条件最小標準最大単位 消費電流 I SS ウォッチドッグタイマ動作時 - 70 50 µa er.08-0- - 3 -
タイミングチャート 3 4 7 8 5 6 9 H L HYS_S OPL K TD TW TWH W TWL TP TWD 動作説明 出力遅延ホールド期間 初期化状態 この状態では が復帰電圧 H (= L + HYS_S ) 未満 ( < H ) となっています 端子と W 端子の電圧はそれぞれ =0, W =0 であり = L となります が復帰電圧 H を超えた時 端子のコンデンサ を電圧検出時 端子充電電流 I D (TYP:4A) で充電し が上昇します W 端子電圧は W =0 であり = L を保持します なお が復帰電圧 H より低下すると の状態に戻ります 3 端子のコンデンサ電圧 が復帰後リセット解除 端子スレッシホールド電圧 TD (TYP:) に達した時 = L から H に変化します このとき = H になった時から = H までの時間が出力遅延ホー ルド時間 T P になります TW 図. の動作説明図 ( タイミングチャート ) また コンデンサ を放電し 端子電圧は =0 となります そして W 端子のコンデンサ W を W 端子充電電流 I W (TYP:4A) で充電開始し電圧 W が上昇し始め ます この状態より リセット電圧 L が検出可能となります - 4 - er.08-0-
ウォッチドッグタイマ監視期間 4 クロック K 立下りエッジ検出の待ち受け状態 3 の状態よりコンデンサ W を充電電流 I W で充電し 電圧 W が充電切り替わり時 W 端子スレッシホールド 電圧 TWL (TYP:0.05) 以上でクロック K 立下りエッジが検出可能となります 5 クロック K 立下りエッジを検出した場合 クロック K の立下りエッジを検出するとコンデンサ W は充電電流 I W の充電からクロック検出時 W 端子放 電電流 I WL (TYP:36A) の放電に替わり 電圧 W は下降します そして 電圧 W がスレッシホールド電 圧 TWL になると充電電流 I W の充電に切り替わり 電圧 W が上昇します 6 クロック K 立下りエッジを検出しない場合 コンデンサ W を充電電流 I W で充電している状態で クロック K の立下りエッジを検出せず 電圧 W がウ ォッチドッグタイマリセット時 W 端子スレッシホールド電圧 TWH (TYP:) に達すると = H か ら L に変化し コンデンサ W を放電し W 端子電圧は W =0 となります そして タイマリセット時 端子充電電流 I W (TYP:60A) でコンデンサ の充電を開始し電圧 が上昇し始めます クロック K の立下りエッジ検出のない状態で W 端子電圧 W がスレッシホールド電圧 TWL からスレッシ ホールド電圧 TWH になるまでの時間がウォッチドッグタイマ監視時間 T WD になります ウォッチドッグタイマリセット期間 7 端子電圧 がタイマリセット解除スレッシホールド電圧 TW (TYP:0.5) を超えるまで 充電電流 I W でコンデンサ の充電を開始してから電圧 がスレッシホールド電圧 TW に達するまで = L を保持します 電圧 がスレッシホールド電圧 TW を超えると = L から H に変化してコンデンサ を放電し 端子電圧は =0 となります そして コンデンサ W を充電電流 I W で充電し始めてウォッチドッグ タイマ監視期間に戻ります = L を保持している時間が ウォッチドッグタイマリセット時間 T W になります リセット電圧 L の検出 8 電源電圧 < リセット電圧 L となった場合 ウォッチドッグタイマ監視期間およびウォッチドッグタイマリセット期間において 電源電圧 がリセット電 圧 L より低下した場合 = L となり 端子と W 端子においてはコンデンサ W を放電して =0, W =0 となります 動作は の初期化状態に戻ります ウォッチドックタイマ監視動作の停止 9 ウォッチドッグタイマ機能イネーブル端子 = H に設定した場合 = H にするとウォッチドッグタイマ監視動作を停止することができます = H このとき コンデンサ W を放電し W =0 にしますが 電源電圧 > リセット電圧 L であれば を保持します = L または 端子をオープンにするとコンデンサ W の充電が開始されウォッチドッグタイマ監視 動作に戻ります なお ウォッチドッグタイマリセット期間に = H に設定したときには ウォッチドッグタイマリセット 時間 T W 経過後にウォッチドッグタイマ監視動作停止に入ります ウォッチドックタイマを使用しない場合の端子処理は = H クロック入力端子(K)= またはOPEN クロック監視時間設定用コンデンサ接続端子 (W)=OPEN としてください er.08-0- - 5 -
部品定数設定方法 リセット時間設定用コンデンサ リセット時間設定用コンデンサ により 出力遅延ホールド時間 T P とウォッチドッグタイマリセット時間 T W を 設定します 出力遅延ホールド時間 T P は 電源 が復帰電圧 H 以上になり 端子より電圧検出時 端子充電電流 I D が 出力してからコンデンサ の充電により 端子電圧が復帰後リセット解除 端子スレッシホールド電圧 TD に達するまでの時間となります したがって T P は次の式で表せます T I P TD <> D 式 <> よりコンデンサ の値は次のようになります I D TP <> TD 充電電流 I D は 4A(TYP) スレッシホールド電圧 TD は (TYP) なので コンデンサ は次の式で簡易的 に計算できます 6 4 TP 0 [F] <3> 時間 T P の単位は [s] コンデンサ の値が決まると ウォッチドッグタイマリセット時間 T W が決まります ウォッチドッグタイマ監視時間 TWD が経過し 端子よりタイマリセット時 端子充電電流 I W が出力してか らコンデンサ の充電により 端子電圧がタイマリセット解除 端子スレッシホールド電圧 TW に達するま での時間が T W となりますので 次の式で表せます T I W TW <4> W 充電電流 I W は 60A(TYP) スレッシホールド電圧 TW は 0.5(TYP) なので 時間 T W は次の式で簡易的に 計算できます 0 0 6 T W [s] < 5 > なお 式 <3> と式 <5> から 時間 T P と時間 T W の関係は以下のようになります TP TW [s] 30 < 6 > TP,TW [ms] 000 00 0 0. TP TW 以上より コンデンサ の値と時間 T P, 時 間 T W の関係は図 のようになります 0.0 0.00 0.0 0. 0 [μf] 図. コンデンサ の値と各時間 T P,T W の関係 - 6 - er.08-0-
クロック監視時間設定用コンデンサ W クロック監視時間設定用コンデンサ W により ウォッチドッグタイマ監視時間 T WD を設定します コンデンサ W を W 端子充電電流 I W で充電している時に K 端子におけるクロック信号の立下りエッジを検出す ると クロック検出時 W 端子放電電流 I WL によるコンデンサ W の放電に切り替わります そして W 端子電圧 が充電切り替わり時 W 端子スレッシホールド電圧 TWL になると 充電電流 I W によるコンデンサ W の充電に切 換ります この充電に切換ってから W 端子電圧がウォッチドッグタイマリセット時 W 端子スレッシホールド電 圧 TWH になるまでの時間がウォッチドッグタイマ監視時間 T WD になります したがって T WD は次の式で表せます T I WD W TWH TWL <7> W 式 <7> よりコンデンサ W の値は次のようになります W TWH IW TWL T WD <8> 充電電流 I W は 4A(TYP) スレッシホールド 電圧 TWH は (TYP) スレッシホールド電 圧 TWL は 0.(TYP) なので コンデンサ W は次の式で簡易的に計算できます W 5 T WD 0 6 [F] TWD [ms] 000 00 0 <9> 時間 T W D の単位は [s] 以上より コンデンサ W の値と時間 T WD の関係は図 3 のようになります 0. 0.00 0.0 0. 0 W [μf] 図 3. コンデンサ W の値と時間 T WD の関係 注意点 コンデンサ W の放電波形は図 4 のようになり コンデンサ W の値が大きくなるにつれて放電時間は長くなってゆきます ウォッチドッグタイマリセット時間 T W 以内にコンデンサ W の放電が完了しないと 次のウォッチドッグタイマ動作に不具合が発生します この不具合を発生させないためにコンデンサ の値はコンデンサ W の値に対して /5 以下にならないように設定して下さい 出力波形 W 端子電圧波形 T W T W (a) W 完全放電時 (b) W 不完全放電時 図 4. ウォッチドッグタイマリセット時間 T W と W 端子の電圧波形 er.08-0- - 7 -
リセット電圧設定用外付け抵抗, W 3 W K ESE T 8 SAD J 7 6 pu K マイコン 4 5 図 5. 外付け抵抗によるリセット電圧設定アプリケーション回路 図 5 のように外付け抵抗, でリセット電圧 L を設定する場合 I 内部のリセット電圧設定用抵抗の値を考慮 する必要があります I 内部のリセット電圧検出回路を含めた部分を図 6 に示します 抵抗 と を接続した場合のリセット電圧 L および復帰電圧 H は次のようになります リセット電圧 L ( トランジスタ M :OFF) L D D D3 D D3 D 復帰電圧 H ( トランジスタ M :ON) H <> D D D D EF EF <0> リセット電圧 L と復帰電圧 H からヒステリシス電圧 HYS は次のようになります ヒステリシス電圧 HYS_S HYS _ S D D D3 D D3 D 所望のリセット電圧 L を設定するときの抵抗 と の値の決め方を説明します EF <> まず 予め抵抗 の値を決めておきます このとき 式 <> よりヒステリシス電圧が決まります 式 <0> から導いた抵抗 を求める次の式にリセット電圧 L と抵抗 の値を当てはめると抵抗 が決まります なお 抵抗 D ~ D3 は定数として扱い それぞれの値はリセット検出電圧ランクによります 電圧 EF は電圧検出 器基準電圧 TS と同等なので EF = [] とします D D D 3 D D 3 D L SADJ <3> D D D3 M EF 図 6. リセット電圧検出回路部分 - 8 - er.08-0-
x-03 の場合 x-03 のリセット電圧 L の初期値は 3.0 で設定されています I 内部のリセット電圧検出部分における抵 抗 D ~ D3 の値は表 (4.6 品は表.) のようになっています この値を式 <0> から式 <3> に適用すると次のようになります なお EF = [] とし 抵抗の単位を [k] とします リセット電圧 L 09 L [] 48 表. リセット電圧検出部の I 内部抵抗値 [x-03] D 48 k D 00 k 9 k D3 <4> 復帰電圧 H 00 H.09 [] <5> 48 表. リセット電圧検出部の I 内部抵抗値 [x-46] D 480 k D 30 k 3.34 k D3 ヒステリシス電圧 HYS_S HYS _ S 0.09 48 [] <6> 抵抗 の算出 0.5 09 48 L [k] <7> er.08-0- - 9 -
使用上の注意点 電源ノイズに対する取り扱い電源にノイズが乗り 電源電圧 が瞬間的にリセット電圧 L 以下になることにより リセット信号 (= L ) が出る場 合があります 電源ノイズによりリセット信号が出るときには SADJ 端子と グランドとの間にフィルタ用のコンデンサ S を挿入して下さい なお コンデンサ S を挿入した場合 図 8 に示すように SADJ 端子の電圧の立上りはコンデンサ S により遅くなり SADJ 端子電圧が電圧検出器基準電圧 TS = (TYP) に達してからコ ンデンサ の充電が開始されるので 出力遅延ホールド時間 T P は による計算結果より長くなります コンデンサ S を挿入した場合の出力遅延ホールド時間 T P は以 下のようになります コンデンサ S による遅延時間を T DP とすると TS D D T DP ln D <8> D D となります D D S <9> したがって コンデンサ S がない場合の出力遅延ホールド時 間を T P0 とすると T P T DP TP 0 <0> 式 <> より T で計算できます P 0 I D TD S 端子電圧波形 SADJ D D D3 M 図 7. 電源ノイズに対する対応方法 SADJ 端子電圧波形 端子電圧波形 出力波形 S による遅延 T DP T P0 ( S なし ) T P ( S あり ) 図 8. コンデンサ s 挿入時の各電圧波形 EF リセット電圧設定用外付け抵抗, を用いた場合は 抵抗 D と D を次のように置き換えて計算します D D D, D D D < 注意事項 > このデータブックの掲載内容の正確さには万全を期しておりますが 掲載内容について何らかの法的な保証を行うものではありません とくに応用回路については 製品の代表的な応用例を説明するためのものです また 工業所有権その他の権利の実施権の許諾を伴うものではなく 第三者の権利を侵害しないことを保証するものでもありません - 0 - er.08-0-