42 91 160 256 381 535 719 929 1,162 1,414 1,680 1,956 2,239 2,524 2,809 3,091 3,367 冬場は成績が低下しやすい 冬場管理 育成率低下増体 (DG) 低下? 廃棄率増加 要求率 (FCR) 悪化 なぜ成績が低下する? 理想的な舎内環境が作れない なぜ理想的な環境が作れない? 外気温が低い ( 寒い ) トリが弱る 大腸菌症など 舎内温度 低くなりやすい 温度 換気不足しやすい不適切になりやすい 換気 舎内温度が低下すると 最適生産温度帯 700 600 500 エネ 400 ル 300 ギー 200 100 0 エネルギー摂取量維持エネルギー 発育 体重 寒 維持 体の維持により多くのエネルギーが必要 発育に使用できるエネルギーが減少 DG FCR 悪化 冬 寒いとエネルギー不足となり 成績低下最適生産温度帯に近づける ブロイラー鶏舎の環境コントロール 2010 より 1
舎内温度が低くなりやすい要因 加温 : 入雛前の加温と床面温度の確保 良いスタートを切るために入雛時の温度確保は必要不可欠 冬場は温度が安定し難いため 少なくとも入雛 2 日前に加温開始 加温不足 攪拌不足 保温不足 餌付け時は床面温度 28 以上を〇確保 床面温度が低いとヒナが冷える 発育不良 ガード端まで暖まっていないと 分布が不均一となりバラツキ発生 加温 : ガード拡張先の加温 ガード拡張先は拡張前に加温開始 環境のバラツキを軽減し トリの拡がりをスムーズにする トリのバラツキ軽減 20 10 拡張先 拡張先のブルーダー点火 加温 : 全期間通じて夜間に注意 夜間の最低温度をチェック 予想より温度が低い場合は外気の影響または過換気 温調だとファンが稼動し難い 換気不足で大腸菌症発生 必要であれば廃温後も再加温 保温 外気の影響による舎内温度低下を軽減 舎内の熱を外に逃がさない 不適切な保温方法 低い位置 ( トリの高さ ) から冷たい外気が入り込む 舎内温度を確保しやすい 換気がしやすい 断熱材 分布のバラツキ トリのバラツキ 隙間塞ぎ ビニール張り ブルーダーにヒナが集まる 中央のヒナは蒸れる 低い位置から冷気が入り トリが避けている 2
どこが温度低下しやすい? 壁際 扉付近 鶏舎外側 保温 : ビニール張り 換気扇付近 鶏舎内側 特に下半分 画像 : ジョージア大学 サービスルーム 保温 : ビニールは両側張る ビニール 冷気 片側だけだと結露を起こす 床面悪化 トリの冷え 側壁の外側と内側の両方張る 床面悪化 空気の層 保温 : 扉付近の対応 サービスルームあり サービスルームと飼育域との間もしっかりとビニールを張る サービスルームなし ガードを活用し 隙間から入る冷気が直接トリに当たらない様にする 保温 : 未使用部分のビニール張り 大戸 ハネ戸 換気扇 使用しない部分は使用時までしっかりと塞ぐ 保温 : インレットからの隙間風 ウィンドウレス鶏舎ではインレットも要注意 開閉の繰り返しや老朽化によって完全に閉まらない 冷たい隙間風の流入 温度低下 床面悪化の原因 定期的に隙間が出来ていないことを確認 3
集中育雛 育雛時 温度確保が困難な場合 集中育雛 が効果あり [ 方法 ] 育雛域を狭くする ( 約 200~250 羽 / 坪 ) 〇メリット 温度を確保しやすい 餌水へのアクセスがしやすい デメリット ガード拡張が少しでも遅れるとヒナが蒸れる 攪拌 : 暖かい空気を利用する 暖かい空気は天井に溜まっている 画像 : オーバーン大学 攪拌して有効利用 トリも暖かい空気を生産している トリは約 2.8 kcal/ 時間 /kg ( 約 11.6 kj) の熱を産生する 1 kg のトリが 10,000 羽いれば 28,000 kcal/ 時間 (7,000kcal のガスブルーダー 4 台分 ) 育種改良により体重増加 熱産生量も増えている kcal/ 時間 /10,000 羽 10,000 羽当たりの熱産生量 (2014 vs 1996) 120,000 100,000 80,000 60,000 40,000 20,000 0 2014 1996 0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 22 24 26 28 30 32 34 36 38 40 42 44 46 48 50 日齢 ブロイラー鶏舎の環境コントロール 2010 より 攪拌 : 扇風機やファンの活用 首振り扇風機やファンを活用し 暖かい空気と混ぜる 攪拌 : 均一な環境を作る 排気側の方が暖かくなりやすい ( トリの熱が排気側に移動するため ) 冬場はトリが暖かさを求めて排気側に寄りやすい 攪拌して均一な環境を作る 風の向き 3Hz 5 7 8 10 ファンの活用例 [ 循環 ] ファンで空気を循環させる 風は確実にリレーさせる 餌付けから実施する [ 順送 ] インバーターで鶏舎後方に向かって徐々に Hz を上げる 前後の温度差を減らすことができる 4
50 100 200 300 400 500 600 700 800 900 1,000 1,200 1,400 1,600 1,800 2,000 2,200 2,400 2,600 2,800 3,000 3,200 3,400 3,600 その温度は正しいですか? 温度計が壊れている 1 箇所だけ温度計を設置 なぜ理想的な環境が作れない? 外気温が低い ( 寒い ) 舎内温度 低くなりやすい 換気不足しやすい不適切になりやすい 1 箇所だけで温度を判断しない 複数箇所 ( 少なくとも前中後 ) に温度計を設置 温度 換気 酸素不足 換気に失敗すると 腹水症 ホコリ増加 大腸菌症 有毒ガス増加 呼吸器病 湿度上昇 床面悪化 必要な換気量は増えている 換気量 (m 3 / 時間 / 羽 ) 2.0 1.8 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 最低換気量 2016 1996 DG 低下 育成率低下 廃棄率増加 体重 (g) 最低換気量 トリに十分な酸素を供給し 空気の質を維持するために必要な 1 時間当たりの空気量 よく見られる換気失敗例 入気が落ちる トリが直接冷える 床面が悪化する 密度高 床面悪化による影響 分布の不均一化 局所的に密度増加 [ 密度高 ] トリが苦しい [ 密度低 ] トリが冷える トリのバラツキ トリが寒がる 換気を増やしにくい 換気不足 床面悪化 悪化した床面の上に座る 接触性皮膚炎 採食に来たトリが踏む 傷増加廃棄率増加 5
なぜ入気が落ちる? 静圧不足 静圧をかけて暖かい空気と混ぜて湿度を除去する 湿度の除去 ~ 空気の性質を利用 ~ 温度が 11 上がると湿度は約半分になる 湿度 100% 湿度 50% 0 11 湿度 25% 22 より多くの水分を含むことができる 空気線図 : 日本省エネ建築物理総研 トリから多くの水分が排出される 条件 飼育羽数 :10,000 羽 出荷日齢 :48 日齢 飲水量 : 飼料摂取量の 2 倍 飼料摂取量 : 成績目標 2014 無鑑別 l 5,000 4,500 4,000 3,500 3,000 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 トリからの水分排出量飲水量水分排出量 日齢 総飲水量 121,700 l 総水分排出量 80% ( 糞便 50% + 呼気 30%) 97,360 l 鶏舎内から水分を排出しなければならない 静圧が弱い 入気が落ちる 静圧が強すぎる 入気が天井付近で混ざらずに落ちる スモークテスターで確認 静圧管理 最低換気レベルを達成する為の適正な鶏舎内気圧目安 鶏舎幅気圧 (Pa) 水柱インチ (i/w) 10m -10.0-0.04 12m -12.5-0.05 14m -15.0-0.06 15m -17.0-0.07 18m -20.0-0.08 開放鶏舎で静圧を作る 換気の確保 : サイクルタイマー サイクルタイマーなし ( 温調のみ ) の温度推移 換気が出来ていない 設定温度 サイクルタイマーありの温度推移 〇換気が出来ている 側壁入気部付近に順送ファンを設置 風をリレーさせる 入気の落下を防げる サイクルタイマー + 温調 サイクルタイマー 昼夕夜朝 夜間も確実に換気が出来る 6
サイクルタイマー設定時間の算出方法 最低換気量は体重を使用する ( 日齢ではない ) 条件 :8 日齢 体重 200g 10,000 羽羽当たり換気量 :0.215m 3 / 時間 / 羽 ( 最低換気量表参照 ) 換気扇能力 :300m 3 / 分 1 台稼動総必要換気量 :0.215 10,000 羽 =2,150m 3 / 時間総稼働換気扇能力 :300m 3 / 分 60 分 =18,000m 3 稼働時間割合 :2,150 18,000=0.119 (11.9%) 5 分 (300 秒 ) サイクルのタイマーを使用すると 300 秒 0.119=35.8 秒 換気扇稼働時間 :36 秒停止時間 :264 秒 換気の確保 : 瞬間換気 [ 方法 ] 10 日齢以降 日中に 5~10 分間カーテンを大きく開ける 徐々に回数を増やし 4~5 回 / 日開ける [ 効果 ] 換気量を増やせる トリに刺激を与え 採食を促進させる 28 26 26 24 22 短時間であればすぐに温度は戻る 換気の確保 : 換気扇の状態 カバーに埃 まとめ 冬場に理想的な舎内環境に近づけるために カバーへの埃の付着やファンベルトの劣化 ファンの能力が低下 予定した換気量が確保できない ベルトが切れる寸前 ベルトが伸びている 舎内温度のコントロール 加温 温度確保に加温は不可欠! 廃温後でも必要なら加温 保温 トリに直接冷気を当てない! 特にトリの高さ ( 鶏舎下部 ) からの冷気侵入に注意 攪拌 温度ムラを減らす! 舎内の熱を有効活用 複数の温度計で確認 換気のコントロール 静圧 冷気を直接トリに当てない! 天井の暖かい空気を有効利用 換気量 最低換気量を確保する! サイクルタイマーの使用や瞬間入気など ファンの能力を最大限引き出す 7