太陽エネルギー新利用システム技術開発研究事業 ( 事後評価 ) 第 1 回分科会資料 資料 7-5 新エネルギー技術開発研究太陽エネルギー新利用システム技術開発研究空気集熱式ソーラー除湿涼房システムの研究開発 委託先名オーエム計画株式会社 原簿 P.ⅴ-1 1 概要 < 研究開発の背景 > OMソーラーシステムは空気集熱式太陽熱暖房 換気 給湯システムである 施設建築 ( 宿泊施設 病院などを除く ) は給湯需要が少ない 施設建築では夏季の集熱空気を利用せず屋外に排気する 日本の夏季は高温多湿で 冷房負荷中に潜熱負荷が比較的に大きい 通常のデシカント空調機は大型 重量 高価である < 研究開発の目的 > 施設建築を対象に夏季の集熱空気を有効利用する 既存のOMソーラーシステムを用いるデシカント空調システムとする 小型 軽量 安価なシステムを目指す できる限り 再生可能な自然エネルギーを利用する 除湿冷房 ではなく 乾燥による涼しさを感じる 除湿涼房 を目指す 原簿 P. ⅴ-1 2
研究課題と目標 < デシカント再生技術に関する研究 > 建物の冷熱源の調査 : 建物内で利用可能な冷熱源の潜在量の調査 デシカント モジュールの開発 : 圧力損失 15mmAq(147Pa) 以下 再生 分以内 除湿 分以上 デシカント モジュールの試作 設置実験 : 原価 13 万円以下 晴天日に 5 時間以上 湿度 %(8% 6%) 削減 < ハンドリング ( 制御部含む ) に関する研究 > デシカント ハンドリングボックスの制御アルゴリズムの開発 : 動作制御完成 デシカント ハンドリングの性能評価 : 原価 145 万円以下 風量 CMH 湿度 %(8% 6%) 削減 < 集熱パネルの高効率化に関する研究 > 集熱パネルの集熱性能向上に関する研究開発 : 現行より集熱量 % 向上 オーバーヒート対策機能の研究開発 : 集熱温度制御システムの構築 集熱パネルの性能評価 : 晴天日に集熱温度 8 以上を 6 時間継続 原簿 P. ⅴ-1 3 研究成果 : 建物の冷熱源の調査 目標 : 建物内で利用可能な冷熱源の潜在量の調査 ( 達成度 : ) OM ソーラーハウスの特徴であるベタ基礎の土間コンクリートに蓄えられる冷熱量を調べた結果 真夏日の昼間に換気回数.5 回 /h の外気を約 冷やして室内に供給でき 日積算取得冷熱量は ~MJ/day であった 原簿 P. ⅴ-2 温度 [ ] 38 36 34 32 28 26 24 22 18 16 14 12 6 年 温度 [ ] 取得冷熱外気床吹出 6 12 18 6 12 18 6 12 18 6 12 18 6 12 18 6 12 18 6 12 18 8 月 12 日 (Sat) 8 月 13 日 (Sun) 8 月 14 日 (Mon) 8 月 15 日 (Tue) 8 月 16 日 (Wed) 8 月 17 日 (Thu) 8 月 18 日 (Fri) 8 月 19 日 (Sat) 38 36 34 32 28 26 24 22 18 16 14 12 7 年 -.2 6 12 18 6 12 18 6 12 18 6 12 18 6 12 18 6 12 18 6 12 18 7 月 19 日 (Thu) 7 月 日 (Fri) 7 月 21 日 (Sat) 7 月 22 日 (Sun) 7 月 23 日 (Mon) 7 月 24 日 (Tue) 7 月 25 日 (Wed) 7 月 26 日 (Thu) 2.8 2.6 2.4 2.2 2 1.8 1.6 1.4 1.2 1.8.6.4.2 -.2 2.8 2.6 2.4 2.2 2 1.8 1.6 1.4 1.2 1.8.6.4.2 取得冷熱 [kw] 取得冷熱 [kw] 4
研究成果 : デシカント モジュールの開発 目標 : 圧力損失 147Pa 以下 再生 分以内 除湿 分以上 ( 達成度 : ) 通常 OM ハンドリングに組み込める形状とし 高温集熱時に 分でデシカントモジュールの再生が完了し 除湿性能は 分以上維持できるデシカントモジュールを開発した また 最大風量時の圧力損失は 1Pa 以下であった [ ] 9 第 1テ シカント入口 再生 集熱空気 8 7 6 5 第 1テ シカント出口 再生 6: 7: 8: 9: : 11: 12: 13: 14: 15: 16: 17: 18: 19: 特許出願中 原簿 P. ⅴ-4 ハンドリング全体の圧力損失 5 研究成果 : デシカント モジュールの試作 設置試験 目標 : 原価 13 万円以下 晴天日に 5 時間以上 湿度 % 削減 ( 達成度 : ) 設置試験目標の晴天日に 5 時間以上継続して導入空気の相対湿度を % 削減することが実現できた また 今回の試作費から計算すると ハンドリング 1 台のデシカントモジュールのコストは約 7 万円であった [%] 1 8 ハンドリングB 出口 ( 再生時 ) ハンドリング入口ハンドリングA 出口 ( 再生時 ) -% 以上 6 6: 7: 8: 9: : 11: 12: 13: 14: 15: 16: 17: 18: 19: ハンドリング A 出口 ( 除湿時 ) ハンドリング B 出口 ( 除湿時 ) デシカントハンドリング1 台 =137 万円通常 OMハンドリング1 台 = 1 万円デシカントモジュール1 台 = 7 万円 実物件導入 好評 : 世界初 原簿 P.ⅴ-5 6
研究成果 : デシカント ハンドリングボックスの制御アルゴリズムの開発 目標 : 動作制御完成 ( 達成度 : ) 再生運転時の第 1デシカントモジュール出口の空気相対湿度と再生制限時間を用いた本システムを有効利用する制御アルゴリズムを開発した 特許出願中 8 6 ハンドリング A( 再生時 ) ハンドリング B( 再生時 ) [%] 6: 7: 8: 9: : 11: 12: 13: 14: 15: 16: 17: 18: 19: ハンドリングA( 除湿時 ) ハンドリングB( 除湿時 ) 第 1 デシカントモジュール出口の空気相対湿度 原簿 P. ⅴ-5 7 研究成果 : デシカント ハンドリングの性能評価 目標 : 原価 145 万円以下 風量 CMH 湿度 % 削減 ( 達成度 : ) 最終的なシステム性能は除湿 % 以上であり 風量は約 CMH であった 今回の製作原価は約 137 円であった 相対湿度 [%] ハンドリングB 出口 ( 再生時 ) ハンドリング入口ハンドリングA 出口 ( 再生時 ) 1 -% 以上 8 6 6: 7: 8: 9: : 11: 12: 13: 14: 15: 16: 17: 18: 19: ハンドリングA 出口 ( 除湿時 ) ハンドリングB 出口 ( 除湿時 ) 総制作費 =55 万円 ハンドリング 4 台 強制排気ファン 2 台 風量 15 ハンドリング A ハンドリング B ハンドリング 1 台 =137 万円 [m 3 /h] 5 6: 7: 8: 9: : 11: 12: 13: 14: 15: 16: 17: 18: 19: 原簿 P. ⅴ-6 8
研究成果 : 集熱パネルの集熱性能向上に関する研究開発 目標 : 現行より集熱量 % 向上 ( 達成度 : ) 現行パネルの黒色波形鋼板に選択吸収膜処理を施すことで 集熱効率が% 向上した ( ソーラーシミュレータ ) また 屋外設置実験でも集熱量が% 以上増加した ( 社屋敷地内の試験場 ) 現行 高性能 現行 高性能 集熱効率 η t 25 集熱量増加率 現行パネル集熱量 高性能パネル集熱量 5 高性能パネル [MJ/day] 15 [%] 現行パネル 5 3/15 3/18 3/21 3/24 3/27 3/ 4/2 4/5 4/8 日積算集熱量と高性能パネルの集熱量増加率 ソーラーシミュレータの性能実験屋外設置実験 ( 社屋敷地内の実験場 ) 原簿 P. ⅴ-6 9 研究成果 : オーバーヒート対策機能の研究開発 目標 : 集熱温度制御システムの構築 ( 達成度 : ) 強制排気ファンを設けて 集熱パネル ( 屋根 ) のオーバーヒートを防止するシステムと集熱空気温度による制御方法を開発した 集熱温度制御 集熱空気温度 集熱面日射量 [W/m 2 ] 1 1 8 6 8 6 6: 7: 8: 9: : 11: 12: 13: 14: 15: 16: 17: 18: [ ]
研究成果 : 集熱パネルの性能評価 目標 : 晴天日に集熱温度 8 以上を 6 時間継続 ( 達成度 : ) 集熱面積を増やすことで 目標集熱量を確保し 晴天日に集熱空気温度 8 以上を 6 時間継続させることが実現できた 集熱温度 8 以上 : 約 6 時間 8 [ ] 6 6: 7: 8: 9: : 11: 12: 13: 14: 15: 16: 17: 18: 19: 晴天日における集熱空気温度 ( 実証試験場 ) 11 研究成果 : 実証試験結果 太陽熱利用除湿冷房システムの運転時 ( 本システム + エアコンによる空調 ) と停止時 ( エアコンによる空調 ) の比較により 冷暖房エアコン消費電力量の % 程度の削減効果が見られた 夏 [kw h/day] 25 15 5 日積算エアコン消費電力量 ( 9:~17:) -36% 13 21 OM ( 除湿涼房 ) 運転 ON OM ( 除湿涼房 ) 運転 OFF 冬 [kw h/day] 日積算エアコン消費電力量 ( 9:~17:) 25 15 5 -% 29 17 OM( 暖房 ) 運転 ON OM( 暖房 ) 運転 OFF 比較対象日は気象条件及び室内温熱条件が類似している日である 12
研究成果 : 省エネ試算 本システムの省エネ効果は 冷房時 36% 暖房時 %( 実証試験結果 ) であり 一般事務所ビルに導入した場合 ハンドリング 1 台当り.4kL/year の原油節約が推測される 冷暖房エネルギー削減推定 ( 一般事務所ビル換算 1 ) 年間 57.6GJ 原油削減推定年間 1.5kL( 年間.4kL/ 台 ) 1: 省エネルギーハンドブック IBEC 2: 冷暖房省エネ率 =% 3: 原油換算 :38.7MJ/L CO 2 排出係数 :2.649kg-CO 2 /L 原油削減推定年間 45kL CO 2 排出量削減推定 年間 4ton( 年間 1ton/ 台 ) 年間 物件ハンドリング4 台 / 物件 CO 2 排出量削減推定 年間 1ton 13 研究成果 : 普及活動 国内論文発表 1. 日本太陽エネルギー学会 / 風力エネルギー協会講演論文集 6~8 2. 日本建築学会大会学術講演梗概集 8 3. 日本太陽エネルギー学会論文集 8-9( 予定 ) 国外論文発表 ( 予定 ) 1.EuroSun 8( ポルトガル リスポン )( ) 2.RE8( 韓国 釜山 )( ) 特許特許出願 :1 件 ( 審査中 ) ハンドリングボックス及び制御方法 新聞発表親建新聞 ( 親建ハウジング ) 8.1. 雑誌 1. ソーラーシステム 7.5 2. 建築設備と配管工事 8.4 講演会 見学会 展示会 1.OM ゼミナール 7.2.27~28 2.OM 経営者会議 7~8 3.OM 施設見学会 7.8. 4. 環境対応型太陽エネルギー利用シンポジウム 8 in 厚木 8.1.19 5. 日本太陽エネルギー学会研究講演会 8.716 6.NEDO 成果報告会 8.7.31 その他 1.OM Report 8.3 2.OM 計画ホームページ http://www.omplan.co.jp 3. 国内外からの見学 14
研究成果 : まとめ 本研究開発では 施設建築を対象に通年で太陽エネルギーが有効利用できるシステムを開発し 実用化できた 弊社の施設建築事業として 普及を進めていく ( 施設建築への自然エネルギー利用提案により 年間 物件にOMソーラーが採用されている ) 今後は 住宅用を開発する予定である ( 年間 1, 戸の戸建住宅にOMソーラーが採用されている ) 15