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課題 低コストを目指した適正本数 施業体系の解明 ( 平成 7 年度繰上完了報告 ) 九州森林管理局森林技術 支援センター 目的スギ ヒノキの植栽本数は これまで概ねhaあたり3, 本程度植栽されているが 木材価格の低迷や近年の主伐 再造林の拡大等に伴い 一層の更新コスト削減が必要となっている この試験地は低コスト化を目的として 植栽密度の違いによる造林木の成長量の変化や 植栽密度に対しての適正な保育方法について解明するため取り組んだものである 試験地概要 () 場所 宮崎森林管理署高岡森林事務所部内楠見国有林 37 へ 林小班 ( 図 -) () 概況 面積及び植栽本数 スギ 6.ha 6, 本 ヒノキ 3.ha 8, 本合計 9.ha,3 本 樹種別 植栽密度別面積 植栽密度 スキ ヒノキ 計,5 本 /ha.9.5., 本 /ha.65.55.,5 本 /ha.75.5. 3, 本 /ha.. 3. 3,5 本 /ha.6.7.3 計 6. 3. 9. (3) 開発期間平成 6~35 年度 ( 平成 7 年度繰上完了 ) () プロット設定スギ : 調査プロット (3m 3m 5 箇所 ) 対照プロット (3m 3m 5 箇所 ) ヒノキ : 調査プロット (m m 5 箇所 ) 凡例植栽本数界スギヒノキ天然更新区調査プロット対照プロット 5 本 /ha 天然更新区 本 /ha (5) 調査事項 5 本 /ha 植栽密度別の成長量調査 根元直径 胸高直径 を成長休止期に調査した スギ ヒノキとも各プロット 本を選木し調査 3 本 /ha したが 平成 8 年度に台風被害を受けたため成長量等データの正確性を期すため H5 年度に調査本数 35 本 /ha を追加し補完調査を実施した 図 - 試験地設定概要図 - -

植栽密度別の形質調査 根曲がりと幹曲がりについて 5 段階評価 ( 図 - 参照 ) し 評価値 3 以上を正常木と判定した 3 保育作業に係る功程調査 ) 下刈作業スギ植栽箇所は 調査プロットを全刈 対照プロットを筋刈で実施し ヒノキ植栽箇所は 全プロット全刈で実施した 功程の算出にあたっては 所要時間をプロット毎に計測し 一日あたりの労働時間を6 時間として haあたりの人工数に換算し算出した プロット数及び調査面積 樹種 作業方法 面積 調査プロット数 備考 スギ 全刈.9 5 各植栽密度 箇所 スギ 筋刈.9 5 各植栽密度 箇所 ヒノキ 全刈. 5 各植栽密度 箇所 ) 除伐作業 除伐作業は全刈のみで実施し 功程は下刈作業と同様に算出した 統計処理スギ ヒノキ別の植栽密度別成長量の分布については 一元配置分散分析 (Tukey) で実施し 解析には統計解析アドインソフトの Excel 統計 を使用した (6) 年度別施業履歴 実施年度 H7. 月 H7~ H H6~ H8 H3~ H5 H7~ H7 作業種 地拵え下刈除伐除伐成長量調査 植付 (9 回 ) 3 結果と考察 () 植栽樹種 植栽密度別の成長量について本試験地では 樹種別密度別に 箇所の区域を設定し スギは調査プロットと対照プロット内の調査木 本について ヒノキは調査プロット内の調査木 本について 根元直径 胸高直径 を計測した 分析にあたっては 各調査地が広範囲にわたるため立地確認として上層 ( 上位 5 本平均 ) を使い地位を検討した結果 スギでは,5 本 (3.88m), 本 (3.3m),5 本 (.m) 3, 本 (.8m) 3,5 本 (5.38m) ヒノキでは,5 本 (. 7m), 本 (.m),5 本 (.m) 3, 本 (.37m) 3,5 本 (.93m) となり スギ3,5 本 ヒノキ3, 本で地位が高いと考えられた - -

スギ肥大成長植栽密度別に根元直径 (H7~ H6) 及び胸高直径 (H6~ H7) を計測した結果 初期成長の段階では顕著な差は見られなかったが 平成 6 年以降 ( 植栽後 年経過時 ) から成長差が見られた H7 調査時点では,5 本 /ha 箇所で高い値 ( 植栽密度と比例傾向 ) となり 他の植栽密度箇所と比較して有意差が見られた しかし 個体差においては,5 本 /ha 箇所が最も大きくなった ( 図 -,3 表-) cm 6. スギ植栽密度別根元直径 胸高直径の推移 3 cm スギ植栽密度別胸高直径の比較 H7 調査.. 8. 6... 5 平均 平均 5 平均 3 平均 35 平均 5 5 根元直径 根元直径 根元直径 根元直径 根元直径 根元直径 根元直径 胸高直径 胸高直径 胸高直径 胸高直径 (cm) (cm) (cm) (cm) (cm) (cm) (cm) (cm) (cm) (cm) (cm) H7.3 H7. H8. H9. H. H. H6. H6. H. H5.5 H7. 5 平均.67.79.88..38. 5.37. 6.83.59.8 平均.68.75.93.3.6..85 3.57 5.6 9.5. 5 平均.6.7.8.9.3.73. 3.7.96 8.99.7 3 平均.65.79.93.6.58. 5.3.5 6.55.6.9 35 平均.6.75.9.3.7.3 6.3.73 7..99.66 5 5 本 本 5 本 3 本 35 本 図 - スギ植栽密度別根元直径 胸高直径の推移図 -3 スギ植栽密度別胸高直径の比較 中央値 + 標準偏差 表 - 有意差判定 m. 8. 6... スギ上長成長 肥大成長と同様に初期成長の段階では差は見られなかったが 平成 6 年以降 ( 植栽 後 年経過時 ) から成長差が見られ H7 年調査時点では 3,5 本 /ha,5 本 /ha の順で高い上長成長を示し 他の植栽密度箇所と比較して有意差が見られた 個体差 では,5 本 3, 本 /ha 箇所で小さくなり, 本 /ha 3,5 本 /ha 箇所では大きく なった ( 図 -,5 表 -) スギ植栽密度別の推移 H7.3 H7. H8. H9. H. H. H6. H. H5.5 H7. 5 平均.6.5.65.8.5.37 3.57.86 8.8 9.3 平均.5.56.7.93.5. 3.5.5 6.33 7.83 5 平均..5.63.79..9 3.7. 6.6 7.96 3 平均.6.55.69.93.7.7 3.93 5. 7.7 8.97 35 平均..5.7.97.7.58. 6.3 9.3.63 図 - スギ植栽密度別の推移図 -5 スギ植栽密度別の比較 中央値 + 標準偏差 5 平均 平均 5 平均 3 平均 35 平均 8 6 8 6 m スギ植栽密度別の比較 H7 調査 5 本 本 5 本 3 本 35 本 - 3 -

3 スギ平均単木材積及び生存率 各植栽密度別の平均単木材積は,5 本 /ha と3,5 本 /ha 箇所で高い値となったが 個体差の幅も大きい結果となった 生存率では 全ての箇所で8 割以上となり3,5 本 /ha 箇所が最も高い値となった 一方,5 本 /ha 箇所が最も低い値となり枯死の割合が多く見られたが その原因として 幼齢期の被圧や下刈による誤伐 また 台 風被害等が考えられた ( 図 -6,7) スギ植栽密度別平均材積の比較 m3 H7 調査.5.5..35 % 9% 8% 7% 枯死 不明.3 6% 生存.5 5%..5..5 5 本 本 5 本 3 本 35 本 % 3% % % % 5 本 本 5 本 3 本 35 本 図 -6 スギ植栽密度別平均単木材積の比較図 -7 スギ生存率 H7 年度調査 中央値 + 標準偏差 スギ試験地では 低密度植栽の,5 本 /ha 箇所において 肥大成長 上長成長ともに高い値となり有意差も見られた 原因として 生立本数が少ないため個々の成長が促進されたものと考えられた また 3,5 本 /ha 箇所おいても 上長成長が高い値となり有意差が見られる結果となったが 他の植栽箇所と比較し緩傾斜であったことに加え 方位や土壌等々の地況的要因 ( 地位 ) が成長に影響したものと考えられた なお, 本 /ha の箇所においては 肥大成長 上長成長 平均材積が他密度と比較し低い位となったが H8 年度に襲来した台風による局所的被害が成長に影響を与えたものと推察された ヒノキ肥大成長 初期成長段階より3, 本 /ha 箇所が他の植栽密度箇所と比較し高い値を示したが H 年以降より,5 本 /ha 箇所で大きな肥大成長が見られた H7 年 月の調査結果においては,5 本 /ha 箇所が高い値となり個体差も小さくなり 殆どの植栽密度別箇所と比較しても有意差が見られ 植栽密度と比例する傾向が見られた ( 図 -8,9 表-) cm 8. 6. 5 cm H7 調査.. 8. 6.. 5 5 3 35 5. 根元直径 根元直径 根元直径 根元直径 根元直径 根元直径 根元直径 胸高直径 胸高直径 胸高直径 胸高直径 (cm) (cm) (cm) (cm) (cm) (cm) (cm) (cm) (cm) (cm) (cm) H7.3 H7. H8. H9. H. H3. H6. H6. H. H5.5 H7. 5.6.99..5.3 5.3 9. 6.89 9.69.86 5.87.6..53.8 3.3.37 8.88 5.8 7.9.76.87 5.6.9.37.95.65 3.6 9.7 6. 8.7.77 3. 3.67.9.8.76 5. 6..93 7.53. 3.3.9 35.66.9.5.3 3.9.5 9.3 6.9 9.8.6 3. 5 5 本 本 5 本 3 本 35 本 図 -8 ヒノキ植栽密度別根元直径 胸高直径の推移図 -9 ヒノキ植栽密度別胸高直径の比較 中央値 + 標準偏差 - -

表 - 有意差判定 5 ヒノキ上長成長ヒノキの上長成長については 植栽密度別での顕著な差は見られなかったが, 本 /ha 箇所が最も低い値となった, 本 /ha 箇所については個体差が大きく また 他の植栽密度箇所との有意差もあり スギ同様に台風による局所的被害が成長に影響し 低位になったものと考えられた ( 図 -, 表-) ヒノキ植栽密度別の推移 m. 6 5 8. 5 6. 3 35. 8. 6 H7.3 H7. H8. H9. H. H3. H6. H. H5.5 H7. 5.5.77.99.9.7.8 5. 6. 9.8 9.75.55.78.97.5.77..7 5.5 7.5 8. 5.53.73.86.8.6.89.3 5.93 8.37 9.33 3.55.85.6.78.76 3.3 5.68 7. 9.33.3 35.57.8....5 5. 6.6 9.5 m H7 調査 5 本 本 5 本 3 本 35 本 図 - ヒノキ植栽密度別の推移図 - ヒノキ植栽密度別の比較 中央値 + 標準偏差 6 ヒノキ平均単木材積及び生存率植栽密度別の平均単木材積では,5 本 /ha 箇所で高い値となり 個体差では,5 本及び3, 本 /ha 箇所で大きい結果となった 生存率では 低密度箇所ほど低い値となったが 植栽間隔が広くなったことで雑灌木等の生育が旺盛になったことが影響したものと考えられた ( 図 -,3) ヒノキ植栽密度別平均材積の比較 m3 %.5 H7 調査 9%. 8% 7%.5 6% 5% 枯死 不明. % 生存 3%.5 % % % 5 本 本 5 本 3 本 35 本 5 本 本 5 本 3 本 35 本 図 - ヒノキ植栽密度別平均単木材積の比較図 -3 ヒノキ生存率 H7 年度調査 中央値 + 標準偏差 ヒノキ試験地では 低密度植栽箇所で肥大成長が促進され 上長成長では植栽密度 別での成長差は見られないことがわかった - 5 -

() 植栽密度別の形質について形質については 幹曲がり (A) と根曲がり (B) について調査し 併せて形状比を算出した 幹曲がりについては ( 図 -) に示すように mにおける矢高 A を計測し その程度によって 5 段階で評価し 根曲がりについては 根元をどの程度切り捨て B なければならないかによって 5 段階評価とした 図 - 形質調査の方法 スギ形質 根曲がりは低密度箇所で多く見られ 幹曲がりは,5 本 /ha 箇所で多く見られた 下刈時のつる類の割合では 3,5 本,5 本 /ha で大きく 幼齢期のつる類の影響 と 台風被害等が形質に影響したのではないかと推察された ( 図 -5,6) % % 9% 9 8% 8 7% 7 ススキ 6% 枯 不明 6 ササ 5% 5 5 雑灌木 % 3% 3 3 つる類 % % % 根曲根曲根曲根曲根曲幹曲幹曲幹曲幹曲幹曲 5 5 3 35 5 5 3 35 全刈筋刈全刈筋刈全刈筋刈全刈筋刈全刈筋刈,5,5,,,5,5 3, 3, 3,5 3,5 図 -5 スギ形質図 -6 地床植生割合 (H9 下刈時 ) スギ形状比 スギ形状比 形状比については 高密度箇所ほど比率が 7 8 8 87 大きくなる傾向となり 個体差については顕 8 6 7 著な差は見られなかった ( 図 -7) 5 平均 平均 5 平均 3 平均 35 平均 図 -7 スギ形状比 中央値 + 標準偏差 ) 3 ヒノキ形質 根曲がりでは, 本 /ha 箇所で多く見られ 幹曲がりでは,5 本 /ha 箇所で形質の 値が高い個体が多い結果となったが 明確な傾向までは見られなかった 地床植生割 合においても殆ど差はなかった ( 図 -8,9) % 9% 9 8% 8 7% 6% 5% 枯 不明 5 7 6 5 ススキササ % 3 雑灌木 3% 3 つる類 % % % 根曲根曲根曲根曲根曲幹曲幹曲幹曲幹曲幹曲 全刈全刈全刈全刈全刈 5 5 3 35 5 5 3 35,5,,5 3, 3,5 図 -8 ヒノキ形質図 -9 地床植生割合 (H9 下刈時 ) - 6 -

ヒノキ形状比ヒノキについても スギと同様に高密度箇 ヒノキ形状比 所ほど比率が大きくなる傾向となり 個体差 9 8 7 6 68 73 73 77 については 高密度箇所ほどバラツキが大き 6 5 くなる傾向となった ( 図 -) 3 5 平均 平均 5 平均 3 平均 35 平均 図 - ヒノキ形状比 中央値 + 標準偏差 ) (3) 施業方法別の功程比較下刈については H8 年度 ~ H 年度に 回実施し スギは各密度別に全刈と筋刈プロットを設定 ヒノキは全刈で実施した 除伐については H6 年度に 回実施し それぞれの人工数を算出しとりまとめた なお 下刈 除伐ともにプロット内を ( スギ.9ha ヒノキ.ha ) を 名で作業を行い 所要時間を計測した ( 図 -) 図 - 樹種 植栽本数別人工数 スギのプロット内作業功程 下刈では 各プロットとも筋刈箇所が効率的な結果となったが 植栽密度別では高密度箇所ほど効率が良い傾向となった 下刈後に実施した植生量調査 ( 刈払面積 5m 5m) では 箇所毎に違いが見られた 図 -, 束..8.6....8.6. 図 - スギ下刈作業植生量調査 除伐では 下刈を全刈で実施した,5 本 /ha 箇所で効率が良かったが 密度別による影響は見られず 下刈作業の違い ( 全刈 筋刈 ) による除伐作業への影響は出ていないが トータルで作業功程を比較した場合 全刈では,5 本 /ha 箇所 筋刈では3, 5 本 /ha 箇所で作業効率が良い結果となったが 作業功程の影響として 作業条件 ( 林地傾斜 ) や作業者の人為的なものが考えられた ヒノキのプロット内作業功程 下刈 除伐ともに作業功程にバラツキが見られ 密度別による傾向は見られなかったが 作業功程をトータルで比較した場合, 本 /ha 箇所で効率が良い結果となったが 原因として 下刈後に調査した植生量の影響も考え 束..8.6....8.6. 5 全刈 全刈 5 全刈 3 全刈 35 全刈 られた 図 -,3 図 -3 ヒノキ下刈作業植生量調査 - 7 -

3 コスト比較 ( 試算 ) スギ造林作業に要した功程量を植栽密度別に比較した結果 植付では植栽本数の違いによる差が大きくなり 下刈では低密度箇所でかかり増しとなり 除伐では顕著な差は見られなかった ( 表 -3) 平成 7 年 月 ( 植栽後 年 ) 時の森林現況を植栽密度別に見てみると 林分密度管理図の収量比数曲線 (Ry) の数値に差が生じる結果となり,5 本 /ha 箇所ではスギ伐期 年時の数量比数の ha 当たり本数に近く 他の植栽密度箇所については 今後 年以内には間伐等が必要と考えられた ( 表 -) 植付から除伐までの造林コストと併せ 今後の保育作業をトータルで試算すると 植栽密度が高い箇所ほど初期に係る植付本数及び植付作業の経費がかかり増しとなり 更に保育間伐を実施することでコストの差が大きくなる傾向となった ( 表 -5) 表 -3 プロット別造林作業功程量 プロット別造林作業功程量 プロット植栽植栽植栽地拵植付下刈除伐計調査対象区別樹種本数面積功程量功程量平均功程量平均功程量功程量 調査フ ロット ( 通常作業 ) 対象フ ロット ( 省力作業 ) スギ スギ,5.55 8.6 9.5 8.8 7..,.35 8.6.9 9. 5.7 6.3,5.7 8. 5. 7..6 5. 3,. 8.6 8. 7.6.7 55.3 3,5.5 8.7. 7.7 5.6 5.9 平均 8.6 5. 8. 6.8 8.9,5.35 8.6 8.6 8. 7..7,.3 8.8. 6.7 7.9 7.6,5.8 8.9.3 6. 7. 6. 3,. 8.8 9. 6.5 6.9 5. 3,5.5 8.9. 6.9 6.8 53.7 平均 8.8 5. 6.9 7. 8.3 表 - 森林現況 H7. 月現在 及び今後の施業予想 H7 年 月現在今後の施業間伐 ( 予想 ) プロット植栽植栽生存率調査対象区別樹種本数生存本数径級単木材積蓄積 /ha Ry 年度間伐率間伐後本数,5 8%,9.8 9.3.93 3.59,9 調査フ ロット ( 通常作業 ) スギ, 85%,7. 7.83.5 9.6 H36 9%,,5 9%,5.7 7.96. 99.7 H3 9%,6 3, 86%,588.9 8.97.56 5.79 H7 3%,8 3,5 93% 3,38.66.63.77 9.9 H7 9%,3 今後の施業については 間伐要領 (6 熊計第 59 号 ) より試算 表 -5 植栽密度別 造林コストの比較 単位 : 千円 植栽 植栽 地拵植付苗木代 ( 裸苗 ) 下刈 (5 回 ) 除伐 ( 回 ) 保育間伐計造林経費 樹種 本数 単価 必要経費 単価 必要経費単価 ( 円 ) 必要経費 単価 必要経費 単価 必要経費 単価 必要経費,5 98 96,,, 6 8,5,7 スギ,5 33 33 6 6 5 75 6 6,6,8 8 8 3, 396 9,738,98 3,5 6,836,6-8 -

まとめ 成長量と形質等について肥大成長及び形状比については スギ ヒノキとも,5 本 /ha 箇所で優位な傾向 ( 植栽密度に比例 ) が見られ 上長成長では植栽密度の違いによる差は見られなかった 形質については スギでは高密度箇所で評価値が高くなり ヒノキでは顕著な差は見られなかった 施業方法について植付では植栽本数が造林コストに大きく影響し 下刈から除伐までは 埋土種子やぼう芽等による下層植生の繁茂による影響を受けやすいことから 植生に応じ全刈や筋刈等を組み合わせることで低コストにつながるものと考えられた また 保育間伐の実施については コスト削減に大きく影響するため成長状況等を勘案した施業計画が重要であるとともに 除伐実施時に造林木の不形成木等を含めて除去することにより作業の省略が期待できる 3 今回の試験結果から低密度植栽は 成長状況において大きな影響は見られず 苗木代等の縮減と植付けなど保育経費の削減が見込まれる また 主伐 再造林により植付面積の拡大により苗木不足が懸念される状況下においては 低コスト造林を実施するうえで有効な手法と考えられる ただし 形質では 評価値が低い個体が多い傾向となったことから継続した調査が必要と思われた また 保育作業 ( 下刈 ) では 作業功程が掛かり増しになる傾向が見られたことから 現地に応じた作業時期 方法などの確立が必要である 今後は エリートツリー等の初期成長の優れた苗や苗高が高い大苗などを活用し 併せて低密度植栽を組み合わせることで 下刈回数の削減など初期にかかる造林コストの低減が期待できることから 植栽する地域の気候や林況に応じた適正本数を確立するとともに 形質や保育作業の改善を念頭におき 木材需要等を考慮した施業体系の確立に努めていきたい - 9 -