Technical Information コンクリート用膜養生剤 リポテックス C-1000 < ご注意 > お取扱に際しては 弊社 SDS をご参照頂くようお願い申し上げます 機能化学品第 1 事業部 130-8644 東京都墨田区本所 1-3-7 TEL 03-3621-6671 FAX 03-3621-6557
1. はじめにリポテックスC-1000は アクリル樹脂を主成分とする樹脂膜系のコンクリート養生剤です コンクリート表面に散布することにより 水分の蒸発を抑制し 初期 ~ 中期材齢での乾燥収縮を低減するとともに 保水効果により 気中養生下における強度の増進効果を有しています また プライマー効果を有しているためセメント系仕上げ材料の接着性状に悪影響を及ぼしません 2. リポテックスC-1000 の養生効果コンクリート表面に散布されたリポテックス C-1000は時間の経過により乾燥固化して水不溶性で透明なアクリル樹脂の膜を生成します この膜がコンクリート内部の水分蒸発を抑制し 乾燥収縮の低減効果を示すと共に 保水効果を高め 乾燥に伴う強度低下を低減する働きをしています 無処理 水分蒸発量大 水分 リポテックス C-1000 処理 水分蒸発量少 リポテックス C-1000 生成膜 コンクリート 3. リポテックス C-1000 の用途 リポテックス C-1000 の主な用途と標準使用量は以下の通りです 用途 標準使用量 散布時期 スラブ面 - 2 倍希釈液 200g/m 2 レイキ前 壁面 ( 現場打設 ) 壁面 ( 湿潤状態 ) トンネル二次製品 3 倍希釈液 200g/m 2 脱型直後 壁面 ( 乾燥状態 ) 二次製品 ( 蒸気養生 ) 消波ブロック 5 倍希釈液 300g/m 2 脱型後 各用途におけるリポテックス C-1000 の性能試験結果を以下に示します 4. スラブ面での適用性 4-1. 基本性能リポテックスC-1000をスラブ面に使用した場合を想定し 下記に示すコンクリート配合 (27-18-20N 相当 ) を用い リポテックス C-1000 2 倍希釈液を表層に練りこんで以下の試験を行った W/C S/a 単位量 (kg/m 3 ) (%) (%) セメント 水 細骨材 粗骨材 混和剤 53.5 48.3 339 181 873 935 3.39
養生効果の確認としては 1 コンクリート表面からの水分蒸発量 2 コンクリートの長さ変化 ( 表面ひずみ ) 3 コンクリート圧縮強度について測定した また 実際の現場における適用性評価として 4 コンクリート表面強度への影響 5 仕上げ材料への影響についての確認を行った それぞれの試験方法を以下に示す 1 コンクリート表面からの水分蒸発量 (ASTM C156 参考 ) ASTM C156( コンクリート用膜生成液体養生剤の水分保持力の標準試験方法 ) を参考とし 調整したコンクリートを5mm 篩により粗骨材を除去した後 得られたモルタルを φ200mm 高さ110mm の型枠中に打設し 表面をリポテックスC-1000で処理した その後温度 20 湿度 40% の室内において5m/sec の風が表層に当たるようにして静置し 経過時間毎に重量を測定し その変化分を水分蒸発量とした 2 コンクリートの長さ変化 JIS A 1129( コンクリートの長さ変化試験方法 ) に準拠して測定を行った 打設面 ( 上部の型枠が無い部分 ) について所定のリポテックス処理を行った後室内で静置した 翌日脱型後 仕上げ面以外の面にリポテックスを塗布したのち基長を測定した また 同時にひずみゲージを用いて表面のひずみを測定した 3 コンクリート圧縮強度 JIS A 1108に準拠して測定を行った 尚 養生剤処理および養生についてはコンクリートを型枠に打設した直後に表層 1~2cm 程度に養生剤を練りこみ仕上げを行った後 型枠内で所定の期間 20 室内で気中養生を行った 4 表面強度リポテックスC-1000 で処理したモルタル ( 調整したコンクリートを 5mm 篩で篩分けしたもの ) を4 週間気中養生を行い 奥田式 ( ロット式 ) スリヘリ試験により表面強度を測定した 5 仕上げ材料への影響 (SL 材 ) スラブ打設時に表面をリポテックス C-1000で処理したコンクリートを気中で 2 週間養生後 表面を市販のプライマーおよびSL 材で仕上げを行った SL 材施工後 4 週間気中養生を行った後 建研式接着強さ試験で付着強度を測定した 水分蒸発量 長さ変化
表面ひずみ 圧縮強度 表面強度仕上げ材料への影響 (SL 材付着強度 ) 100% 4 破断面分布 80% 60% 40% 20% 0% SL 材界面下地接着強度 フ ライマー無フ ライマー有フ ライマ無 無処理 フ ライマ有 リホ テックス 3 2 1 0 接着強度 (N/mm 2 ) 4-2. 散水養生との比較コンクリート標準示方書 ( 日平均気温 15 以上 ) およびJASS5( 普通ポルトランドセメント : 計画供用期間標準 ) に定められている5 日間の湿潤養生を行う場合 散水養生と リポテックス C-1000 養生および両者の併用による散水期間の短縮 (3 日 ) について性能を比較した 尚 比較項目は水分蒸発量 長さ変化 圧縮強度とした 結果を以下に示す 水分蒸発量長さ変化 長さ変化率 ( 10-4 ) 0-1 -2-3 -4-5 -6-7 無塗布散水養生リホ テックス 0 10 20 30 経過時間 ( 週 )
圧縮強度 圧縮強度 (N/mm 2 ) 50 40 30 20 4 週 1 週 10 無処理 散水養生 リホ テックス散水 + リホ テックス 5. 壁面 ( 脱型後表面含水状態 ) への適用性リポテックスC-1000を脱型後の壁面に使用した場合を想定し リポテックス C-1000 3 倍希釈液を表面に散布して以下の試験を行った W/C S/a 単位量 (kg/m 3 ) (%) (%) セメント水細骨材粗骨材混和剤 53.5 48.3 339 181 873 935 3.39 養生効果の確認としては 1 コンクリート表面からの水分蒸発量 2 コンクリートの長さ変化 3 コンクリート圧縮強度について測定した また 使用性の評価として 4 仕上げ材料への影響についての確認を行った 1~3については 基本的に 4-1と同様の試験を行った また 4の試験方法は以下の通り 600mm 600mm 150mm の模擬試験壁を打設し 翌日脱型を行った 脱型直後に散布器を用いて 表面にリポテックスを散布し 2 週間気中養生を行った 養生終了後 市販のタイルモルタルを施工し タイル (95mm 45mm) 貼付けを行い 引き続き 14 日間気中養生を行った後 タイル引っ張り試験を行った 各試験結果を以下に示す 水分蒸発量長さ変化
圧縮強度仕上げ材料への影響 ( タイル ) 6. 消波ブロック ( 脱型後表面乾燥状態 ) への適用 リポテックスC-1000を脱型後表面がやや乾燥した壁面に使用した場合を想定し リポテックス C-1000 5 倍希釈液を 表面に散布して以下の試験を行った W/C S/a 単位量 (kg/m 3 ) (%) (%) セメント 水 細骨材 粗骨材 混和剤 49.5 45.5 350 173 788 962 3.850 養生効果の確認としては 1 コンクリート表面からの水分蒸発量 2 コンクリート圧縮強度についての確認を行った 試験方法は 基本的に 4-1と同様で行った 各試験結果を以下に示す 水分蒸発量 圧縮強度 S28-1.15.07