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KT 法マネジメント ( 副題 1: マネジメントの客観性と論理性 ) ( 副題 2: 思考と判断の見える化 ) 1. 四つの思考領域 2. 原因究明 (PA) のプロセス 3. 意思決定の (DA) プロセス 4. リスク分析 (RA) のプロセス. 状況分析の (SA) プロセス 6. 研修プログラムの構成 7. 研修実施企業 環境企画 主宰松村眞 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 1 1. 四つの思考領域 1 判断の三つのルート 知識 情報 直感 論理 直観 判断 結論 直感 : 個人の趣向の分野 ファッションや芸術など 感性 の分野論理 : 三段論法に代表される 論理 の分野 ビジネスで直面する大半の分野で有用直観 : ひらめき の分野で 特定の人が特定の分野で発揮できる豊富な知識と経験が 個人の頭脳に蓄積された結果 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 2 1

1. 四つの思考領域 2 四つの思考領域 1 なにが起きたのか? 2 なぜ問題が生じたのか? 3 どうすればよいのか? 4 まずいことはないのか? 状況を整理して課題を明確にする状況分析 (SA: Situation Analysis) 不都合な事実の原因を究明する原因究明 (PA :Problem Anarysis) 適切な手段を選び行動する意思決定 (DA:Decision Anarysis) 予想されるリスクに対処するリスク分析 (RA:Risk Anarysis) 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 3 1. 四つの思考領域 3 KT 法マネジメントの経緯 C ケプナー (Dr. Charles Kepner:1922-) 米国ランド研究所で NASA の組織開発と幹部教育に従事 0 人以上の管理職者と面談し 彼らが結論を導く思考課程をヒアリング 4 領域について 結論を導くのに共通の思考過程を経ていることに気がつく そのプロセスを誰でも理解できる方法論として文書化 思考と判断は目に見えない頭の中の作業 その過程を可視化した できる人間 切れる人間 の思考過程を 誰もが利用できる形に一般化した トリゴー (Dr. Benjamin Tregoe:1927-200) C ケプナーの思考過程を KT 法 と呼ばれる管理者研修プログラムに展開 両氏は KT 法 を普及させるため 198 年に KT 社を設立 以降 半世紀以上にわたって世界中に KT 法の研修プログラムを提供 1973 年に日本法人を設立 ホンダを始め多くの企業がマネジメント研修に採用 現在は日本能率協会も 同じコンセプトの研修プログラムを提供 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 4 2

1. 四つの思考領域 4 4 領域の関連性 状況分析 (SA) 原因究明 (PA) リスク分析 (RA) 意思決定 (DA) 問題が発生すれば原因の究明が必要になり 原因が明確になれば対策を選定する 対策を選定すればリスク分析が必要 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 1. 四つの思考領域 ステートメント作成 ( 課題化 ) ステートメント作成 ( 課題化 ) は 4 領域に共通の重要な概念 なにを どうする のか示す課題 ( タイトル ) の表示 ステートメントの構成は 対象 ( 主語 ) と述語 ( 語尾 ) 具体性の要求 : 対象を示す主語は具体的でなければならない 行為を意味する述語 ( 語尾 ) も具体的でなければならない 述語例 : 調査 立案 設計 製作 周知 連絡 実施 配送 販売 購入など 検討 レビュー 評価など抽象的な述語は 具体的な行為について関係者が同じ認識を共有している前提が必要 具体的な表現を厳しく要求されると 小さな課題しか扱えないように見えるが 大きな課題も結局は複数の小さな課題に分解しなければ解決できない 会議などで大きな議題が掲げられると 討議が解釈の議論に費やされ 容易に結論に向かわない 関係者の共通認識には具体化が必要 ステートメントの表現方法は 四つの領域ごとにそれぞれ決まったルールがある ステートメントの概念と表現の原則は 会議の議題設定にも有用 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 6 3

1. 四つの思考領域 6 2 種類の質問 管理者は現場にいないが 判断して結論を導く立場 情報入手のためには質問の能力が大切 必要な質問をする能力より 不必要な質問をしない能力が重要 質問能力は日常のマネジメントでも大いに役に立つ 下記 2 種類の質問を 状況に応じて使い分ける プロセス質問 : 目的が明確な質問 その質問で何を判断しようとしているのか事前に意識されている必要最小限度の質問 コンテンツ質問 : 1 対象の内容について 必要な知識を得るための質問 2 好奇心が動機の必要以上の質問 思いつきの質問 コンテンツ解答 : 必要以上に詳細な解答や説明 ( 技術者に多い ) 日本人は質問訓練が少ない 質問を恥とする文化背景 聞くは一時の恥 知らざるは一生の恥 は欧米にはない 質問は必要な行為 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 7 2. 原因究明のプロセス 1 手順 1 問題の課題化 (PA ステートメントの作成 ) 2 事実関係の確認 3 相違点の整理 4 変化の抽出と整理 原因の推定 6 推定原因の検証 7 推定原因の実証 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 8 4

2. 原因究明のプロセス 2PA ステートメント PA ステートメントの構成主語 : なにが ( 製品であれば品目や型式 販売なら部門や店名など ) 述語 : どうした ( 不良 クレーム 欠陥 異常など ) 語尾 : 原因究明例 :A 製品性能不良発生の原因究明 B 販売部門売上げ低下の原因究明 C 部品納期遅延の原因究明 D 冷凍食品への農薬混入の原因究明 PA ステートメントの要件 1 単一対象 単一現象 ( ステートメントに and を入れない ) 2 因果関係がある場合は 根源的な問題を PA ステートメントに設定する A 部品が破損 ( 根源的問題 ) B 製品の納期遅れ C 販売部門にクレーム発生 3 対象の特定化 ( 対象の種類や範囲を大きくせず なるべく限定 特定化する ) 適切に設定された PA ステートメントは 情報収集の範囲を限定する効果がある 関連する情報か否かは PA ステートメントに立ち返ると識別しやすい 討議の逸脱や直接関係のない議論を防ぐのに有効 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 9 2. 原因究明のプロセス 3 事実関係の確認 3W1 の側面と IS IS/Not ( 下記は事例 ) 4 側面 What When Where ow uch 確認事項 対象 現象 年 月 日 時間帯 状況 条件 地域と場所 数量 増減傾向 広い 狭い 発生パターン 夜間製造時 原料加工時 S 工場 A 棟 練り製品製造ライン 製品の % 一定比率 定常的 発生事実 (Is) A 加工食品 C 添加物の基準超過混入 2014 年 8 月 比較対象 (Is Not) B 加工食品 D 添加物の基準超過混入 2014 年 7 月 昼間製造時 原料搬入時 A 棟の隣接棟 揚げ製品製造ライン 製品の 1% 増加中 突発的 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞

2. 原因究明のプロセス 4 相違点の整理 -1 4 側面 発生事実 (Is) 比較対象 (Not) 相違点 What When Where A 加工食品 C 添加物の基準超過混入 2014 年 8 月 夜間製造時 原料加工時 S 工場 A 棟 練り製品製造ライン B 加工食品 D 添加物の基準超過混入 2014 年 7 月 昼間製造時 原料搬入時 A 棟の隣接棟 揚げ製品製造ライン 梱包材料が紙でなく樹脂 熱処理時間が短い 添加物が多い 添加作業が人手 C 添加物は危険性が低い 作業員の大幅な交替 工場の温度と湿度が高い 生産量が約半分 作業員も約半数 加熱処理 自動空調管理の水準高い 勤務シフトが違う 調理温度が 0 以下 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 11 2. 原因究明のプロセス 相違点の整理 -2 ow uch 製品の % 一定比率 定常的 製品の 1% 増加中 突発的 異常に多い 繰り返し発生 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 12 6

2. 原因究明のプロセス 6 変化の抽出と整理 -1 4 側面 What When 発生事実 A 加工食品 C 添加物の過剰混入 2014 年 8 月 夜間製造時 原料熱加工時 比較対象 B 加工食品 D 添加物の過剰混入 2014 年 7 月 昼間製造時 原料搬入時 梱包材料が樹脂 熱処理時間が短い 添加物が多い食品 作業が自動でなく人手 過剰でも危険性低い 作業員の大幅な交替 工場の温度と湿度が高い 生産量が約半分 作業員も約半数 加熱処理 相違点 変化なし短縮したなしなしなし新採用なしなしなしなし 時期 2014.3 2014. 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 13 2. 原因究明のプロセス 7 変化の抽出と整理 -2 Where ow uch 周辺環境 S 工場 A 棟 練り製品製造ライン 製品の % 一定比率 定常的 気温上昇 添加剤仕入会社の変更 原料仕入会社の変更 空調設備更新 ( 両工場 ) 勤務シフト変更 A 棟の隣接棟 揚げ製品製造ライン 製品の 1% 増加中 突発的 空調管理の水準が高い 勤務シフトが違う 調理温度が 0 以下 異常に多い 繰り返し発生 なし変更なしなしなしなし 2014.7 2014.7 2014.6 2014.4 2014. 2014.7 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 14 7

2. 原因究明のプロセス 8 原因の想定 1 熱処理時間を短縮したので 前工程の添加剤投入量確認を省略した 2 添加剤が多いので 間違って不適切な量を投入した 3 危険性が低い添加剤なので 作業員が投入量確認を怠った 4 新採用の作業員が 取り扱い要領に習熟していなかった 勤務シフトの変更で 夜勤担当の特定作業員が間違って混入した 6 新添加剤購入会社の投入量表示が間違えやすい記述だった 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 1 2. 原因究明のプロセス 9 推定原因の検証 事実関係 1 2 推定原因 3 4 6 4 側面 発生事実 (Is) 比較対象 (Is Not) 添加剤投入量確認省略 添加剤の投入量間違い 作業員の投入量未確認 新採用作業員の未習熟 特定作業員の混入ミス 新投入量表示の誤解釈 What A 加工食品 B 加工食品 C 添加物の基準超過混入 D 添加物の基準超過混入 When 2014 年 8 月 2014 年 7 月 夜間製造時 昼間製造時 原料加工時 原料搬入時 Where S 工場 A 棟 A 棟の隣接棟 練り製品製造ライン 揚げ製品製造ライン ow uch 製品の % 一定比率 製品の 1% 増加中 定常的 突発的 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 16 8

2. 原因究明のプロセス 推定原因の実証 1 現場観察による実証 : 事実関係の確認で得た情報 変化の情報 推定原因を現場の観察で確認する 2 実験による実証 : 推定した原因から 得られた事実が再現できるか実験で確かめる 3 結果による実証 : 推定した原因を除去する対策を実施し 問題が解消するか確認する 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 17 2. 原因究明のプロセス 11 原因究明プロセスの適応性 原因の種類単一原因複合原因重合原因 特徴 1 個の推定原因だけが事実関係と矛盾せず 他の推定原因はすべて事実関係と矛盾する すべての推定原因が事実関係と矛盾し 複数の原因が複合すれば矛盾しない 複数の推定原因が事実関係と矛盾しない 単一原因対策 対策 複合原因を推定して 事実関係と矛盾しないか検証する 各原因の影響の大きさを考慮した重点対策が必要 プロセスの適用性 1 慢性的な問題 : 時間軸の変化が緩慢で不透明 2 一品生産型プロジェクトの問題 : 比較対象を見出しにくい 3 全く未経験な問題 : 時間も場所も固有 比較対象はないに等しい 程度の情報 (ow uch) も固有なので このプロセスに適していない 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 18 9

3. 意思決定のプロセス 1 意思決定のプロセス 意思決定者の四つの質問 1: 何を決めるのかね? 2: ねらいは何かね? 3: ほかに方法はないのかね? 4: まずいことはないのかね? 意思決定のプロセス 1 決定事項の明確化 (DAステートメントの作成) 2 目標の列挙とウェイト付け 4 選択肢 ( 候補案 ) の起案 選択肢 ( 候補案 ) の評価 6 リスクの評価と対策の選定 7 総合評価 第 1の質問に対応第 2の質問に対応第 3の質問に対応第 4の質問に対応 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 19 3. 意思決定のプロセス 2 DA ステートメント DA ステートメントの構成 目的表現 : のための 決定事項 : の 課題表現 : 選定 目的が自明のときは省略してもよい表記必須表記必須 例 :A 地区販売強化のための戦略商品の選定 B 製品コストダウンのための C 部品メーカーの選定本社ビル建設会社の選定 DA ステートメントの要件 1 単一目的 ( ステートメントに and を入れない ) 2 適切な決定次元の選択 ( 決定事項の階層構造 ( 上位 中位 下位を考慮 ) 3 大きな決定問題は分離と分解で具体性を高める ( 複数課題になってもよい ) 4 可否問題は避ける 決定の次元を上げて複数選択肢の同時処理にする 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 20

3. 意思決定のプロセス 3 目標の分類 WANT 目標 主目的 副次効果 ( 副作用 ) 限界条件なし 語尾は定性的な表現 ( 大小 高低など ) 目標 UST 目標 制約条件 ( 人 物 金 時間 ) ターゲット 限界条件あり 語尾は定量的表現 ( 以上 / 以下 / 以内など ) 必須要件 例 : 利益が大きいコストが安い波及効果が大きい危険性が小さい 例 : 利益率が % 以上売上増加が 20% 以上予算は 0 万円以下達成期間は 4 ヶ月以内 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 21 3. 意思決定のプロセス 4 WANT 目標のウエイトづけー 1 例 :A 家電製品の新規製法の選定 UST 目標群 WANT 目標群 利益率が % 以上 売上増加が % 以上 予算は 0 万円以下 達成期間は 4 ヶ月以内 コスト分野 利益率が高い 売上げ増加が大きい 経費が少ない 達成期間が短い 原料費が安い 販売費が少ない 流通コストが小さい ウェイト 計 0 (1) () () (8) (2) () () 注 : ウェイトのトータルを 0 として配分 評価コメント 選択肢 1 6 % 12 % 90 万円 3 ヶ月 相対評価点 積算評価点 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 22 11

3. 意思決定のプロセス WANT 目標のウエイトづけー 2 品質分野 性能が優れている 耐久性が長い 故障が少ない 保守サービス分野 部品交換が容易 修理しやすい 交換部品代が安い 計 30 (1) () () 計 20 () () () 評価コメント 評価コメント 相対評価点 相対評価点 積算評価点 積算評価点 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 23 3. 意思決定のプロセス 6 目標の再確認と確定 1 WANT 目標に UST 目標が含まれているかどうかの確認 原則として WANT 目標には 定性的な表現に変えた UST 目標を含ませる 相対評価に使うには意味が同じでも WANT 目標に設定する必要がある 2 各 WANT 目標が独立した項目かどうかの確認 たとえば 利益が大きい と 収益性が高い という目標は 表現が違うが同じ意味 したがって両方とも WANT 目標に含まれていると ウェイトが過重になってしまう 利益が大きい という目標の代りに 売上げが大きい と 利益率が高い とすれば独立した目標になる WANT 目標を多く設定すると 一つの目標が他の目標を含む情況が発生しやすいので 一つずつ内容を確認して明快な表現を採用する 3 目標の網羅性の確認する 協力会社の選定なら生産能力やコスト競争力だけでなく 財務基盤の健全性や経営の安定性など 経営に必要なソフトの分野も目標に加える 4 ウェイト付けが適切かどうかの再確認 ウェイト付けは 選択肢の相対評価よりも最終決定に大きな影響を与える このため なるべく実情に詳しい上級管理者に判断を求めるのが望ましい ウェイト付けに意思決定者の意向がもっとも強く反映されると考えてよい 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 24 12

3. 意思決定のプロセス 7 選択肢 ( 候補案 ) の起案と評価 -1 例 :A 家電製品の新規製法の選定 U S T W A N T 目標 利益率が % 以上 売上増加が 20% 以上 予算は 0 万円以下 達成期間は 4 ヶ月以内 利益率が高い売上げ増加が大きい経費が少ない達成期間が短い原料費が安い販売費が少ない流通コストが小さい Wt 1 8 2 コメント 選択肢 1 6 % % 90 万円 3 ヶ月 相対評価 8 4 3 積算 7 0 0 64 20 20 1 コメント 選択肢 2 7 % 12 % 90 万円 3. ヶ月 相対評価 7 6 7 積算 60 2 80 14 0 2 コメント 選択肢 3 8% 1 % 9 万円 4 ヶ月 相対評価 4 3 3 積算 40 1 40 6 2 0 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 2 3. 意思決定のプロセス 8 選択肢 ( 候補案 ) の起案と評価 -2 W A N T 目標 性能が優れている耐久性が長い故障が少ない 部品交換が容易修理しやすい交換部品代が安い Wt 1 コメント コメント 選択肢 1 相対評価 8 2 1 積算 120 0 0 20 0 コメント コメント 選択肢 2 相対評価 3 4 2 積算 2 30 0 20 コメント コメント 選択肢 3 相対評価 7 9 8 積算 7 3 0 90 40 0 総合評価 0 639 694 716 選択肢 3 カ 最有力採択候補になる 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 26 13

3. 意思決定のプロセス 9 採択案のリスク評価と対策 P はリスクの発生確率 S は影響の大きさ評価は高中低 ( ) 採択選択肢 想定リスク ( 結果の予想 ) 利益率が計画より低い売上げ増加が計画より小さい達成期間が計画より長引く経費が予算を超える予期した性能が得られない 評価 P S 想定リスク対策コスト管理を徹底する販売体制を強化する人員増加を準備しておく予備費を準備しておく技術支援策を準備しておく P 再評価 S ー ー 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 27 4. リスク分析のプロセス 1 リスク分析の手順 1 リスク分析の課題化 (RA ステートメントの作成 ) 2 実施計画の確認 3 重大領域 ( リスク顕在化の時間帯 ) の想定 4 将来問題の想定と 発生確率および影響の評価 将来問題の原因想定と寄与度の評価 6 予防対策の選定 7 発生時 ( 影響軽減 ) 対策の選定 8 総合評価 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 28 14

4. リスク分析のプロセス 2 RA ステートメントの作成 初めにリスク分析の対象を明確にした表題を記載する 書かなくてもわかるだろう という判断は好ましくない 目に見える形 で表現することが 課題の具体化と目的意識の共有に有効 RA ステートメントには 原則として目的 対象 行為が含まれ 語尾は リスク分析 とする ただし目的が明確で 関係者の目的意識が共有されている場合は 目的表現を省略しても構わない 例 1: A 顧客向け B 製品の販売に関するリスク分析例 2:A 社への部品発注に関するリスク分析例 3:( 受注拡大のための ) 営業組織変更に関するリスク分析例 4:( 生産性向上のための ) 事業部制導入に関するリスク分析例 : A 工場への新生産管理システム導入のリスク分析例 6: 全社定年制延長のリスク分析例 7: 生産部門における非正規社員増加のリスク分析 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 29 4. リスク分析のプロセス 3 実施計画の確認 リスク分析は実施計画が作成されていることが前提 実施計画は厳密である必要はなく 段取りの概略が想定されている程度で十分 A 顧客向け B 製品の販売に関するリスク分析 の実施計画は 下記のように時系列で示す行動計画になるであろう B 製品説明書の作成 B 製品販売部門の選定 B 製品販売計画の立案 ( 時期 数量 顧客部門など ) 販売担当者のプレゼン資料作成 販売活動の実施 販売実績評価 ( 数量 収益 波及効果など ) 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 30 1

4. リスク分析のプロセス 4 重大領域の想定 重大領域の抽出 : 実施計画中のリスクが顕在化しやすい時間帯 未知や未経験の作業が実行される時間帯 複雑な作業が求められる時間帯 関係企業や関係部門との緊密な協調が必要な時間帯 責任体制が不明確な作業が実施される時間帯 外部要因 ( 気象条件 交通情況など ) の影響が大きい作業の時間帯 重大領域の表現 : から まで とか から 1 ヶ月 のような表現が多い の運転開始時 のように特定の条件を設定することもある 重大領域は複数存在する場合が多い その場合は一つずつ想定する 新組織導入後の 1 ヶ月 B 製品販売後の 3 ヶ月 設備 の試運転時 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 31 4. リスク分析のプロセス リスクの時間差 リスク要因の発生とリスク顕在化 ( 重大領域 ) の時間差 重大領域はリスクが顕在化する時間帯であって リスク要因が発生する時間帯ではない 不適切な設計が設備故障の原因だとしても 重大領域は設備稼動時であって設計時ではない 一般的にリスクの原因は実施計画の上流で発生しやすく その結果は下流で顕在化しやすい このため重大領域は実施計画の下流に多い 実施計画 上流 ( 原因が発生しやすい時間帯 ) 下流 ( リスクが顕在化しやすい時間帯 ) 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 32 16

4. リスク分析のプロセス 6 将来問題の想定 将来問題は重大領域に発生する可能性がある 好ましくない現象 漫然とした不安や心配事が どのような結果に結びつくか具体的に想定する 注意すべきことは 将来問題を具合的な結果の現象として把握すること リスクは原因と結果が連鎖的な関係にあるが 同時に表現してしまうことが多い 事例 1: 踏切事故で電車の到着が遅れ 要員が不足して工事が遅延する 事例 2: 暴風で電柱が倒れ 手術中に停電になり 患者の生命が危険になる 事例 1 は踏切事故 電車の到着遅れ 要員の不足 工事の遅延が連鎖関係にある ここで将来問題とするのは工事の遅延 当事者にとっての直接的な損失は工事の遅延で 原因が何であれ遅延を避ける対策 あるいは工事遅延の影響を軽減する対策を講じるのが目的だからである 事例 2 は暴風 電柱倒壊 停電 手術不可 患者の危険が連鎖関係 ここで将来問題とするのは患者の危険にあることが明白であろう 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 33 4. リスク分析のプロセス 7 将来問題の評価 将来問題の発生確率 (P) および影響 (S) の評価 P( 発生確率 :Probability) S( 発生影響の重大性 :Seriousness) 評価基準は (igh) (edium) (ow) の 3 段階 重大領域 新組織導入後の 1 ヶ月 将来問題 1. 生産計画の開始時期が予定より遅れる 2. 設備の運転要員を予定通りに確保できない 3. 製品の品質不良が多発する 4. 設備の日常点検を基準どおりに実施できない. 一部の製品が生産できない 6. 原料の品質が仕様条件に適合しない P S 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 34 17

4. リスク分析のプロセス 8 将来問題の原因想定と寄与度 将来問題 原因想定 寄与度 C 対策の必要性 生産計画の開始時期が予定より遅れる 1. 運転要員の訓練が間に合わない 2. 運転要員が不足 3. 設備の設置が遅延 4. 原料の入手が遅れる. 電源設備工事の遅延 6. 生産量の増大が求められる 絶対に必要必要不要不要不要不要 原因の想定は具体的でなければならない 運転要員の訓練が間に合わない不安がある とか 運転要員が不足する可能性がある とするのは好ましくない 不安は心の状態なので それだけでは将来問題への寄与度を評価できないからである 可能性があるというのも同様に 抽象的な表現なので将来問題への寄与度を評価できない 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 3 4. リスク分析のプロセス 9 予防対策 予防対策は事前に将来問題の想定原因を除去 または軽減することにより 将来問題の発生確率を下げる方策 前の事例では 生産計画の開始時期が予定より遅れる 理由に 運転要員の訓練が間に合わない 原因の寄与度が高いことが示された したがって この原因の除去または軽減が求められ 予防対策には 要員訓練予定の前倒し 充分な訓練指導者の確保 効果的な訓練方法の立案 などが考えられる すべての原因に対して 予防対策が存在するとは限らない たとえば想定原因が地震だと 予防対策は 地震の発生を防ぐ ことになるが 実質的に不可能である 予防対策に莫大な資金が必要な場合も 実行可能な対策に結びつかない 現実的な予防対策が存在しない場合は 次の発生時 ( 影響軽減 ) 対策によって 発生した場合の損失を軽減する方策を講じる 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 36 18

4. リスク分析のプロセス 発生 ( 影響軽減 ) 対策 発生時 ( 影響軽減 ) 対策は 有事計画 (Contingency Plan) 将来問題について予防対策を講じたとしても 発生時の影響は軽減できない このため 発生時の影響が大きい将来問題については あらかじめその影響を軽減する方策を考えておかなければならない 火災発生の予防対策は 火の用心 や 防災訓練 発生時 ( 影響軽減 ) 対策は 火災保険の締結 非難訓練 消防隊の出動 発生時 ( 影響軽減 ) 対策は 2 種類 事前対策 : 火災保険の締結 や 非難訓練 事後対策 : 消防隊の出動 発生時対策というと事後対策のように思いやすいが 発生時対策は事前対策を含む発生時の影響軽減策 重要なことは 発生時 ( 影響軽減 ) 対策が実施計画に組み込まれていること 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 37 4. リスク分析のプロセス 11 総合評価 将来に起こり得るすべての問題に対して 万全の対策を講じようと考えるのは非現実的 上級マネジメントクラスが実務担当者に 万全の対策を講じたか? と問うことで 暗に万全の対策を要求するのは好ましくない 将来問題について 一通りの予防対策と発生時 ( 影響軽減 ) 対策が準備できた段階で 総合的な観点で 再度 対策を見直す 予防対策で将来問題の発生確率を大幅に低減できる一方 発生時 ( 影響軽減 ) 対策が大きな経費支出をともなうなら 発生時 ( 影響軽減 ) 対策は必ずしも必要ない 発生時 ( 影響軽減 ) 対策が非常に容易なら 予防対策を軽微な水準に止めておく選択もあり得る 完璧な将来問題対策は存在しない 各種の対策を選定した後で対策の現実性と経済性の両面から実施計画を再評価するのが望ましい 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 38 19

4. リスク分析のプロセス 12 事例 -1 1 リスク分析の課題化 ( ステートメントの作成 ) A スーパーストア開店初日のリスク分析 2 実施計画の確認 7:00am 生鮮食料品の搬入 仕入担当者の検品 空調運転開始 7:30am 店長と売場責任者の入店 仕入確認 8:00am 販売担当者の入店 商品の仕分けと配置開始 8:30am 店長による作業分担と注意事項の指示 9:00am 臨時販売員の入店 売場配置と販売開始準備 :00am 開店 17:00pm 閉店 ( 初日のみ ) 後片付け 清掃 18:00pm 売上げ精算 19:00pm 従業員退店 3 重大領域 ( リスク顕在化予想期間 時間帯 ) の設定 3-1 開店から 1 時間 3-2 売上げ精算 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 39 4. リスク分析のプロセス 13 事例 -2 重大領域 3-1 将来問題 P S 開店から 1 時間 1. 駐車場入り口が渋滞し 道路交通を妨げる 2. 売場が混雑し 容易に買い物ができずクレーム多発 3. レジに長蛇の列ができ 売場をふさぐ 4. 目玉商品の品切れでクレーム多発. つり銭が不足 補給のため客を待たして苦情発生 6. 万引きの発生 わかっても人手不足で対応不可 7. 迷子の多発 重大領域 3-2 将来問題 P S 売上げ精算 1. 現金が伝票の金額より少ない 2. 現金が伝票の金額より多い 3. 偽札の混入 4. ゲームコインの混入 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 40 20

4. リスク分析のプロセス 14 事例 -3 将来問題の原因想定と寄与度の評価 ( 重大領域 3-1 の将来問題 3) 将来問題 レジに長蛇の列ができ 売場をふさぐ 原因想定 1. 客の多いレジの処理速度が遅い 2. クレジットカード客の処理が遅い 3. バーコードリーダーが不調 4. 価格表示のない商品が混入 寄与度 C 対策の必要性 絶対に必要必要不要不要 予防対策 予防対策の選定 将来問題 : レジに長蛇の列ができ売場をふさぐ 想定原因 1. 客の多いレジの処理速度遅い 2. クレジットカード客の処理が遅い 寄与度 発生確率の軽減 : 予防対策 客が集中するレジに応じてベテラン販売員を傾斜配置 現金精算への協力依頼をレジ前に掲示する 採否 採用 採用 寄与度再評価 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 41 4. リスク分析のプロセス 1 事例 -4 発生時影響軽減対策 発生時 ( 影響軽減 ) 対策の選定 将来問題 : レジに長蛇の列ができ売場をふさぐ 発生時の影響 1. クレームの多発で売場とレジが混乱する 2. 次の日から客足が大きく減り 回復できない 影響度 発生影響の軽減 : 発生時 ( 影響軽減 ) 対策 予備のレジを 3 台用意し 緊急レジ担当を決めておく 入場制限の準備をしておく ( ロープを張る ) お詫びアナウンスを用意 買い物を諦めた客に粗品提供 採否 採用 採用 不採用 影響度再評価 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 42 21

. 状況分析 (SA) のプロセス 1 問題と課題 問題と課題の定義 問題 : あるべき姿 に対して 実際の姿 が逸脱している状態を いう 状態の表現 課題 : 不都合や不満足な状態に対して 必要な対処の行為をいう 行為の表現 情況分析プロセスの課題化 (SA ステートメントの作成 ) 情況を分析する組織や部門 あるいは対象を明確にし SA ステートメントとして記載 例 1: A 部門の情況分析例 2; B 製品販売体制の状況分析例 3: C 研究組織の状況分析例 4: E 製造ラインの状況分析例 : 特許取得手続きの状況分析 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 43. 状況分析 (SA) のプロセス 2 関心事のたな卸し 関心事の列挙 気になっていること おかしいと感じていること こうあって欲しいと思っていること の列挙 問題意識の網羅的なたな卸し 関心事の明確化 関心事が観念的な水準に止まっている場合や 表現が抽象的で不明確だと第 3 者との認識を共有できない 不明確な関心事は発案者に真意を確認し 明確な表現に修正する 明確にすると具体化が促進され 認識の共有化に有益 関心事の特定化と分解 範囲が広く大きい関心事は複数の小さい関心事に分解し 本当に気になっている対象に限定して特定化する 混沌とした問題意識を分解せずに対処しようとすると 実行可能な課題に展開できない 誰でも大きな問題を一挙に解決したい誘惑に駆られるが 現実には明確化と分解や範囲の限定によって 複数でもより小さな関心事に変換しないと事態の改善は容易に進まない 団子のままでは解決できないのである 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 44 22

. 状況分析 (SA) のプロセス 3 関心事の優先順位 関心事の優先順位づけ 明確化され 分解され 範囲を限定され 具体化された関心事に優先順位をつける 関心事の範囲や対象が多岐にわたる場合は 事業の種類や地域など適切なカテゴリーに区分すると優先順位を判断しやすくなる 優先順位の判断は下記の 3 項目判断基準は (igh) (edium) (ow) の 3 段階 重大性 S(Seriousness) 緊急性 U(Urgency) 波及効果 G(Growth) ( カテゴリー ) 関心事 S 優先順位 U G 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 4. 状況分析 (SA) のプロセス 4 ステートメント化 (1) 分析課題 原因究明課題 ( の原因究明 ) 意思決定課題 ( の選定 ) リスク分析課題 ( のリスク分析 ) (2) 実施課題 ただちに実施すべき課題 ( 作成 設計 製作 実施 収集 配送 販売 購入 修復など多様な課題 ) 分析課題を実施するために必要な情報収集 周知 案内 調査 連絡 なども含まれる ( 関心事 1: ) 課題 1 課題 2 課題 3 ( 関心事 2: ) 課題 1 課題 2 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 46 23

. 状況分析 (SA) のプロセス 工程表への展開 課題化 ( ステートメント作成 ) が終了したら 関心事が細分化されたステートメントの集合で解決や改善に結びつくかどうか確認する 必要にして十分な課題が明確になったら 担当部門や担当者を選定し 実行の順序と達成期限を工程表に表示する 課題 担当部門 工程 ( 月 週 日 ) 課題 1 課題 2 課題 3 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 47 6. 研修プログラムの構成 1 3 日間標準コース ( 受講者配布用 ) 日程第 1 日 8:30 9:00 :00 11:00 12:00 13:00 14:00 1:00 16:00 17:00 18:00 19:00 20:00 21:00 9:30 開始 KT 法の概要 自己紹介原因究明のプロセスケーススタデイ 1 昼食 プロセス解説ケーススタデイ 2 ケーススタデイ 2 発表ステートメント演習テキスト解説 夕食 原因究明の実務適用 第 2 日 8:30 開始原因究明の実務適用発表意思決定のプロセスケーススタデイプロセス解説 昼食 ステートメント演習テキスト解説意思決定の実務適用意思決定の実務適用発表 夕食 リスク分析のプロセスプロセス解説 第 3 日 8:30 開始リスク分析の実務適用実務適用発表状況分析のプロセスプロセス解説 昼食 ケーススタデイ状況分析の実務適用活用計画総括質疑応答 16:00 終了 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 48 24

7. 研修実施企業 1 業種電気 電子輸送電力証券 保険自動車情報システム石油精製 販売カメラ 精密食品道路交通コピー機コンサルティング化成品商社 企業名 NEC 富士通 JR 東日本電源開発 (J-パワー) 野村證券 国際証券 共栄火災三菱自動車 CSK ジャパンシステム 株式会社シスコ ソフトバンク JX 日鉱日石エネルギー 興亜石油 エクソンモービルオリンパス キャノン 日本開閉器 三協精機 太陽誘電キユーピー 森永食品ハイウェイトールコニカ山田ビジネスコンサルティング東亜合成 触媒化成 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 49 7. 研修実施企業 2 業種商社造船 重機産業機械システム製品製薬繊維 化学オフィス家具電気印刷自販機 金銭登録 企業名森六 ( 化成品 ) 巴商会( ボイラー 空調機器 ) II( 石川島播磨重工業 ) 荏原製作所大塚商会第 1 製薬 アストラゼネカ ファルマシアアップジョン東レ 日清紡イトーキヒロセ電機共同印刷 凸版印刷グローリ商事 思考と判断の見える化 Copyrightc 2014 松村眞 0 2