Ruby on Rails 開発環境のセットアップ -- Cygwin / Windows 版 -- (2012 年度 WEB+DB システム入門授業資料 ) 通常の Windows 7 の環境の場合と Cygwin がインストールされている場合とでは Ruby on Rails のセットアップ方法が大きく異なります ここでは 法政大学 3 年次仕様の PC の環境に合わせてセットアップ手順を説明します 上級生の場合 若干環境が異なることが考えられますが 適宜読み替えて セットアップを実行して下さい Step 1: Cygwin の更新 まず Cygwin のフォルダを開きます C: Cygwin です インストールされている Cygwin が古くなっていますので setup.exe を更新します 最新版の setup.exe を Cygwin のサイトからダウンロードします http://www.cygwin.com/ に接続します
このサイトから cygwin をダウンロードする訳ですが ( 念のために ) 元々あっ た setup.exe をリネームして残しておきます setup_org.exe などに名前を書き換えて下さい
setup.exe をクリックして下さい ダウンロードが開始されます セキュリティのため確認が表示された場合は 信頼できるファイル として適宜ダウンロードを継続して下さい 保存先には C: Cygwin のフォルダを指定して下さい 名称は setup.exe のままダウンロードして下さい ダウンロードしたら ダウンロードした setup.exe を実行します
次へ > をクリック します 安定なインターネット環境の場合には Install from Internet でも良いと思いますが かなり長い時間がかかります ( 通信速度によっては 3 4 時間 ) そのため ダウンロードと Install を切り離して行う手順で書きます ( 中断すると 最初からやり直しになってしまいます ) そこで Download Without Installing を選んで下さい ( 安定な環境で ずっとつないでおける人は 1 回で済ませて Install from Internet を選んでも良いと思います その場合には 1 2 時間の節約が出来ます )
ダウンロードしたファイルを保存するディレクトリを選択します ここでは デフォルトの (cache) のままで良いでしょう 大学内の場合には Direct Connection で接続可能です このまま 次へ をク リックします
大学内の場合には CIS の storage からでも良いでしょう ミラーリングされているならば 最新版がインストールされます 大学外 ( 自宅など ) でセットアップする場合 jaist.ac.jp などを適宜選んで下さい 法政のサイトの場合は 認証パスワードが求め られます 最新のバージョンに更新していない場合には 左のような画面が表示されます 警告なので無視できますが 最新版をダウンロードす
る際には問題が発生する可能性があるので 特に理由がない限りは最新のもの を落として下さい こうしたバージョン番号を表 示した警告が出る場合もあり ます ここで 更新したいパッケージを入力します 更新したいのは bash, git, ruby ですが 3 回に分けてもトータルの時間は結局一度に全部を更新した場合と大差がなくなりますので 一度に実行する時間が取れる場合は一度に行って下さい 一度に実行できない場合には bash, git, ruby と 3 回に分けて下さい 更新時に モジュール間のバージョンの不整合が起きないように dependencies の記述の部分にチェックが入っていることを確認して下さい
インストール中は 上記のような画面が表示されます ( キャンセルすると ダウンロードだけの場合も最初からのやり直しになりま す 気長に待って下さい ) 完了すると 以下のような画面になります Install from Internet を実行した人は curl のインストールに移って下 さい
Download without Installing で実行した人は 今度は Install from Local Directory を実行するために 再度 setup.exe を起動します 既に C: Cygwin に旧バージョンがインストールされていますので これを更新します デフォルトのままで 次へ をクリックします インストールに使うファイルとして ダウンロードした際に指定したディレクトリを指定します そのまま 次へ をクリックします
ダウンロードしたファイルは 全てインストールします インストール時は この画面のように Default のまま 次へ をクリックしま す bash, ruby, git などとは別に curl をインストールします 再度 setup.exe を起 動します bash, ruby, git などの更新が済んだ後の curl だけのインストールならば それ ほど時間はかかりませんので 一度に Install from Internet で実行してもよい でしょう All の右側の記述を Install に切り替えます
Complete が表示されたら Cygwin の更新は完了です Step 2: Rubygems のインストール次に rubygems をインストールします ここでは ソースコードをダウンロードし コンパイルするという手順で行います Cygwin を起動して下さい /usr/local のディレクトリの下に rubygems_src というフォルダを作成します cd /usr/local でディレクトリを移動し mkdir rubygems_src でソースコードを格納するディレクトリを作成します cd rubygems_src で ソースコードを格納するディレクトリに移動し wget http://rubyforge.org/frs/download.php/75952/rubygems-1.8.21.tgz でダウンロードします 解凍するコマンドは tar xvzf rubygems-1.8.21.tgz
解凍されるファイルが表示されます $ tar xvzf rubygems-1.8.21.tgz rubygems-1.8.21/ rubygems-1.8.21/.autotest rubygems-1.8.21/.document rubygems-1.8.21/.gemtest rubygems-1.8.21/bin/ ( 中略 ) rubygems-1.8.21/lib/rubygems/commands/update_command.rb rubygems-1.8.21/lib/rubygems/commands/which_command.rb rubygems-1.8.21/lib/rbconfig/datadir.rb rubygems-1.8.21/hide_lib_for_update/note.txt rubygems-1.8.21/bin/gem rubygems-1.8.21/bin/update_rubygems ソースコードの展開が終わったら セットアップを実行します ruby --version と入力して ruby の 1.8.7 がインストールされていることを確認して下さい また curl --version と入力し curl コマンドから反応が返ってくることも確認して下さい ( これらで バージョン番号などが表示されなかったら 再度 cygwin の setup.exe を実行し ruby や curl の Install を実行して下さい ) cd rubygems-1.8.21 で ディレクトリを移動して setup.rb を実行します コマンドは ruby setup.rb です
Setup が完了すると 以下のような画面になります gem -v で バージョンが表示されることを確認して下さい Step 3: rake のインストール rake は ruby のコンパイル管理のツールです rake は gem を利用してインストールします gem install rake とコマンドを入力します rake --version と入力して バージョンが表示されることを確認して下さい
Step 4: rvm のインストール 今度は git を利用して ruby のバージョン管理ツールである rvm をインストー ルします 一旦 cd /usr/local でディレクトリを移動します rvm のインストールコマンドは git clone --depth 1 git://github.com/wayneeseguin/rvm.git です ダウンロードが完了したら インストールします /usr/local の下に作成された rvm に移動します cd rvm ここで./install とコマンドを入力します
rvm のインストールを有効にするために ホーム ( ログイン ) ディレクトリの下にある.bashrc を編集します vi か emacs が使えます.bashrc の最下行に [[ -s $HOME/.rvm/scripts/rvm ]] && source "$HOME/.rvm/scripts/rvm" を追記します vi での編集では カーソル移動してから 下の行に挿入するモード に入るのは [o] の入力です 1 行入力し終えたら [ESC] を押して カーソル移動モード にし [:w] で書込み [:q] で終了 vi の使い方は http://www.jitaku-server.net/vi.html などを参照して下さい emacs での編集では そのまま入力できて Ctrl-x, Ctrl-s で書込み Ctrl-x,Ctrl-c で終了します emacs の場合には 入力モード と コマンドモード の切り替えはありません emacs の使い方は http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/lectures/emacs.html などを参照して下さい
ホームディレクトリにいることを pwd(print working directory) で確認します そこで.bashrc のファイル内容を表示させるコマンドは cat.bashrc です 変更した内容を読み込ませるためのコマンドは source ~/.bashrc です さらに.bash_profile のファイルに 以下の 1 行を追加します export LIBRARY_PATH=/usr/lib/w32api:$LD_LIBRARY_PATH ( この例では 念のため.bash_profile にも.bashrc と同じ記述を追加しました ) 一旦 cygwin を終了させて 再度立ち上げると rvm が利用できるようになっています rvm --version で バージョン番号が表示されることを確認して下さい
Step 5: ruby 1.9.2 のインストール Ruby をソースコードから作成します /usr/local の下に ruby_src というフォルダを作成します このディレクトリに移動し wget ftp://ftp.ruby-lang.org/pub/ruby/1.9/ruby-1.9.2-p318.tar.gz で ruby のソースコードを取得します ダウンロードが完了したら 解凍します
解凍コマンドは tar zxvf ruby-1.9.2-p318.tar.gz です 解凍が完了したら 解凍した ruby のソースコードのフォルダに移動します ここで makefile を作成するため configure を実行します./configure --enable-shared と --enable-shared のスイッチを付けて configure を実行します コマンドプロンプトが表示されたら 次は make と入力します make 再び コマンドプロンプトが戻ったら make test
を実行し さらにコマンドプロンプトに戻って来たら make install の手順で インストールします コンパイルの途中でエラーが出た場合 curl --version で バージョン番号が表示されるか再度確認して下さい curl が実行できなかったら cygwin の setup.exe で curl を指定して Uninstall し 再度 curl を指定して Install し直して下さい コンパイルが完了したら rvm use 1.9.2 と入力して下さい Using /home/admin/.rvm.gems/ruby-1.9.2-p318 と表示されたら OK です エラーが表示されたら rvm install ruby-1.9.2-p318 のコマンドを試してみて下さい ruby --version で ruby 1.9.2p318 のバージョン番号が表示されたら OK です
Step 6: rails のインストール gem install rails と入力して下さい インストール完了後 rails --version で バージョン番号が表示されたら OK です Step 7: バージョンの確認 一連のインストールで バージョン番号は以下のように表示されるはずです ( これより新しいバージョン番号であっても構いません 資料の作成日から若 干日が経っているため 更新されている可能性があります )
cygwin 環境で これらのバージョンが確認できたら cygwin のセットアップ は完了です