申立代理人の方へ(管財手続について)(平成17

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ったと判断します なお 一時的に認定基準月額以上の収入がある月があっても 認定基準年額を超えるまでの間は認定できます また 勤務した月の給与が翌月以降に支払われる場合でも 原則 勤務月の収入として取扱います 継続して認定できる事例 認定基準月額未満であるので 継続して認定できます 認定基準月額以上の

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16 【書式9】死後事務許可申立書(1・2枚目)

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役員の債務保証料 1. 概要オーナー社長の場合は 自社の銀行借入金に代表者個人が連帯債務保証をしている場合があります このような場合は 法人からオーナー個人に債務保証料 ( 信用保証料 ) を支払うことが出来ます 当然 会社では法人税の計算上で損金計上することが出来ます 2. 注意点 (1) 債務保

Ⅰ 年の中途で行う年末調整の対象となる人 年末調整は 原則として給与の支払者に 給与所得者の扶養控除等 ( 異動 ) 申告書 ( 以下 扶養控除等申告書 といいます ) を提出している人について その年最後に給与の支払をする時に行うことになっていますので 通常は12 月に行うこととなりますが 次に掲

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申立代理人の方へ ( 管財手続について )( 平成 31 年 3 月改訂 ) 横浜地方裁判所第 3 民事部破産管財係 1 管財手続の対象となる破産事件 (1) 法人の場合法人の自己破産申立事件については, 財産を有しない場合でも, 全件, 管財事件とし, 同時廃止の処理はしません (2) 個人の場合個人の自己破産申立事件については, 次の場合に管財事件として処理します 1 申立人が 33 万円以上の現金または 20 万円以上の換価対象資産を有している場合 2 申立人が 33 万円以上の現金または 20 万円以上の換価対象資産を有していないが, ⅰ 管財人による資産調査が必要とされる場合 ( 法人の代表者, 自営業者, 負債額が 5000 万円以上の場合など ), ⅱ 否認権や不当利得返還請求権の行使によって財団を確保できる可能性がある場合, ⅲ 免責不許可事由の存在が認められ, 裁量免責の相当性について管財人の調査が必要である場合, など, 自由財産等から最低 20 万円を用意して管財手続で処理するのが相当と認められる場合 2 予納金等 (1) 裁判所予納金 ( 官報公告費用 ) 1 法人の場合 14,516 円個人の場合 15,217 円 2 裁判所予納金は, 破産手続開始決定前に納付してください 裁判所予納金は, 最寄りの銀行等から裁判所の銀行口座に振り込む方法で納付することができます この方法を希望する場合には, 振込依頼書をお渡ししますので, 御連絡ください 裁判所の出納課 ( 当庁 12 階 ) で納付する場合には, なるべく釣り銭のないように用意してください (2) 引継予納金 1 最低 20 万円 ( 例えば, 個人事件で夫婦が一緒に申立てをする場合や, いわゆる法人併存型事件の場合などのように, 同時に数件の申立てをするときでも, 全体で最低 20 万円 ) ただし, 当該管財業務の困難性に応じて,20 万円を超えて予納していただくこともあります 2 引継予納金は, 現金で引き継ぐのを原則としますが, 預金や保険解約返戻金などの現金と同視できる換価容易な財産が 20 万円以上ある場合には, これを引継予納金に充てることもできますので, この場合には裁判所に御相談ください (3) 郵券 以下は本庁の取扱いです 940 円 (82 円 10 組,10 円 10 組,1 円 20 組 ) 上記郵券のほかに, 申立代理人, 債権者, 保証人, 債務者 ( 売掛先 貸付先等 ) の宛名を記載した封筒 ( 長 3) に 82 円切手を貼付して提出してください ( 申立代理人 - 1 -

あての封筒は 2 組 ) 裁判所予納金のための保管金提出書の郵送送付を希望する場合は, 代理人事務所送付用宛名入り封筒 1 通 (82 円切手貼付 ) を追加 電子納付や窓口申立ての場合は不要です なお, 租税等の請求権についてその一部が破産債権とされたことに伴い, 上記債権者には, その管轄官庁も債権者に含まれますので, 注意してください 3 申立てから手続開始決定までの手続 (1) 受付係において管財手続相当であると判断した事件については, 直ちに管財係に配てんされます 受付係において, 早期面接係に配てんされ, 面接の結果, 管財手続相当であると判断された場合には, 破産管財係に配てん替えされる場合があります (2) 財産状況報告集会, 債権調査期日, 廃止に関する意見聴取のための債権者集会, 任務終了による計算報告集会, 免責審尋期日 ( 個人事件のみ ) を同一日時に開催します ただし, 手続開始決定時点で, 異時廃止が見込まれる事件については, 債権調査期日を指定しないことがあります これらの期日は, 原則として, 法人事件の場合には手続開始決定の約 3 か月後, 個人事件の場合には同決定の約 2 か月後に開催します (3) 管財手続相当と判断した場合には, 裁判所において管財人候補者を選任し, 書記官と手続開始決定の予定日時, 第 1 回債権者集会等の期日の打合せをさせていただきます (4) 第 1 回債権者集会等の期日の打合せが終わったら, 手続開始決定を行います 手続開始決定については, 裁判所における面前での告知はしません 手続開始決定正本等は, 開始決定後直ちに, 普通郵便で送付します (5) 管財人候補者が決まったら, 速やかに連絡を取り合って, 申立書副本及び疎明資料の写しを直送してください この際, 管財人との打合時期 方法, 引継予納金の納付時期 方法などを確認してください (6) 申立代理人は, 代理人自らが必ず破産管財人と打合せをしてください 打合せには, 破産者本人も同行してください 打合せの場所は, 適宜の場所でかまいません この打合せに先立ち, 別紙 1-1 資産 預かり物品リスト, 別紙 1-2 預かり金 回収金計算書 を管財人に送付してください 4 破産財団に属する財産の換価 (1) 法人事件の場合法人事件の場合には, 破産財団に属するすべての財産が換価の対象となります (2) 個人事件の場合個人事件の場合には, 次の基準によります 個人事件における換価基準 1 換価等をしない財産 以下の財産については, 原則として, 破産手続における換価又は取立て ( 以下 換 価等 という ) をしない (1) 34 条 3 項の自由財産 ア 99 万円に満つるまでの現金 (34 条 3 項 1 号, 民執法 131 条 3 号, 民執令 1 条 ) なお, 破産者が破産手続開始決定当時に現金の形で財産を保有している場合 でも, それが実質的危機時期 ( 破産申立依頼, 支払停止等 ) 以降に, 預金や保険を - 2 -

解約し, あるいは自動車等の財産を売却するなどして得られたものである場合には, 換価の要否の判断に際しては現金としては取り扱わず, 解約 売却等以前の状態を前提に判断する イ差押禁止財産 (34 条 3 項 2 号 ) ( ア ) 民事執行法上の差押禁止動産 ( 民執法 131 条 ) 生活に欠くことのできない家財道具等 ( イ ) 民事執行法上の差押禁止債権 ( 民執法 152 条 ) 退職金債権の4 分の3( 現実に退職していない場合は,8 分の7 相当額 ) 等 ( ウ ) 特別法上の差押禁止債権生活保護受給権 ( 生活保護法 58 条 ) 各種年金受給権 ( 国年法 24 条, 厚年法 41 条, 確定給付企業年金法 34 条, 確定拠出年金法 32 条 ) 小規模企業共済受給権 ( 小規模企業共済法 15 条 ), 中小企業退職金共済受給権 ( 中小企業退職金共済法 20 条 ) 平成 3 年 3 月 31 日以前に効力が生じていた簡易保険契約の保険金又は還付金 ( 平成 2 年法改正前の簡易生命保険法 50 条 ) (2) 黙示的に自由財産の範囲の拡張の裁判があったものとして扱う財産ア破産手続開始決定時残高が20 万円未満の預貯金 ( 預貯金が数口ある場合において, その総額が20 万円以上のときは, すべての預貯金が換価の対象となる ) イ破産手続開始決定時見込み額が20 万円未満の保険契約解約返戻金 ( 保険が数本ある場合において, 解約返戻金の総額が20 万円以上のときは, すべての解約返戻金が換価の対象となる ) ウ処分見込価格が破産手続開始決定時 20 万円未満の自動車 ( 減価償却期間 ( 普通乗用車 6 年, 軽自動車 商用車 4 年 ) を経過している場合は, 無価値として扱って構わない ただし, 輸入車等の高級車の場合には6 年を経過しても20 万円以上の価値がある場合もあるので留意する 換価不要の自動車については, 課税や運行供用者責任による損害賠償を回避し, 管財人の管理下から離れたことを明確にするため, 早めに放棄許可申請を行い, 破産者本人にも連絡して同人に管理をしてもらう ) エ居住中家屋の敷金債権オ電話加入権 ( 複数本ある場合でも換価を要しない ) カ支払見込額の8 分の1 相当額が20 万円未満である退職金債権キ支払見込額の8 分の1 相当額が20 万円以上の退職金債権の8 分の7 なお, 後記 2(1) 2 参照 上記アからキ以外の財産 ( 株式, 出資金, 過払金返還請求権等 ) は20 万円未満でも換価回収の対象になることに注意する 2 換価等をする財産 (1) 破産者が上記 1に規定する財産以外の財産を有する場合には, 当該財産については, 換価等を行う - 3 -

1 保険の場合には, 現に保険を利用中のこともあるので, 解約前に破産者の意向を確認し, 保険の継続を希望する場合は, 破産者本人の新得財産等から保険解約返戻金相当額の組入れを受けて, 解約しないという取扱いもできる 2 将来の退職金債権については, 退職を強いることはできないので, 退職金支払見込額の8 分の1 相当額が20 万円以上の場合は,8 分の1 相当額 ( 開始決定後終結前に退職した場合において, 開始決定時の退職金相当額の4 分の1 相当額が20 万円以上の場合は,4 分の1 相当額 ) を破産者に組入れてもらうが, 後記 (3) の観点を考慮の上, 積立額及び積立期間を検討する 破産者の生活状況等を調査し, 全額回収が困難と判断される場合は, 申立代理人と協議の上, 裁判所に相談する なお, 引継予納金が, 破産者の自由財産から拠出されている場合には, これを退職金債権の組入れに充てることができる (2) 破産者から換価をしないでもらいたい旨の要望があり, 破産者の生活状況等の調査の結果, 管財人がこれを相当とする事情があると認めるときは, 換価等をしないものとすることができる (3) 自由財産の範囲の拡張の考慮要素ア管財人は, 負債額や破産者の生活状況 ( 収入の有無及びその額, 年齢, 健康状態, 就労可能性, 扶養家族の有無, 家計の状況 ) 等を考慮の上, 相当と判断するときは, 換価等をしないものとして差し支えない ただし, 以下のような場合は, 換価不要とするのは相当でなく, 換価等を行うのが相当である 破産者の世帯収入が継続的に又は反復して一定水準以上を維持する見込みがあり, 毎月の家計収支においてある程度の余剰が生じている, 又は ( 浪費等を改善することによって ) ある程度の余剰が生じることが見込まれる場合 当該財産が破産者の経済的更生に必要とはいえない場合 申立書に記載がなく, 管財人の調査で発見された財産イ現金と同様に流動性のある預貯金に関しては, 破産者の生活上必要なものについては現金に準じて取り扱うことも考えられる ウ退職金債権の8 分の1 相当額の回収については上記の事情のほか, 回収に要する期間の長短も, 回収の要否及び回収の範囲を判断する際の重要な要素となる 3 換価等により得られた金銭の破産者への返還 (1) 破産者からの要望があり, かつ, 破産者の生活状況等の調査の結果から管財人がこれを相当とする事情があると認めるときは, 換価等により得られた金銭から管財人報酬及び換価費用を控除した額の一部を, 破産者に返還することができる 管財人は, かかる返還をするかどうかについては, 申立代理人と協議の上, 裁判所に相談する (2) 上記 (1) により破産者に返還された金銭に係る財産については, 自由財産の範囲の拡張の裁判があったものとして取り扱う ( 黙示の拡張決定 ) 4 この基準によることが不相当な事案への対処 - 4 -

この基準によることが不相当と考えられる事案については, 管財人の意見を聴い た上, この基準と異なった取扱いをするものとする 5 自由財産の範囲の拡張の裁判換価の対象とするか否かについては, 必要に応じて管財人との打合せにおいて協議してください 協議が整わないときは, 自由財産の範囲の拡張の裁判の申立て (34 条 4 項 ) をしてください この申立ては, 法文上, 手続開始決定確定日以降 1 か月を経過するまでと時期的制約がありますが, 当庁では, 黙示の延長決定 (13 条, 民訴法 96 条 ) があったものとみなし, 破産手続が終了するまでは申立てをすることができるものと取り扱っています 6 新たに知れたる債権者手続開始決定後に新たに破産債権者が判明した場合には, 破産管財人に報告してください 破産管財人から知れたる債権者に手続開始を通知します また, 通知書が返戻されてきた場合には, その旨を裁判所からお知らせしますので, 調査の上, 管財人に連絡してください ( 裁判所へは管財人から連絡されるので, 報告等は不要です ) 7 第 1 回債権者集会等第 1 回債権者集会等の期日では, 財産状況報告集会を実施し, 配当事案の場合には債権調査期日を, 異時廃止となる場合には廃止集会及び任務終了報告集会を実施し, 個人事件の場合には併せて免責審尋期日も実施します 破産財団に属する財産の換価未了, 破産財団に関する調査未了, 債権調査未了等の場合, 配当手続を実施する場合には, 債権者集会期日を続行します 8 免責手続について (1) 免責審尋期日は, 全件実施します 同期日は, 第 1 回債権者集会期日と同一日時に指定し, 債権者集会期日を続行する場合には, 原則として免責審尋期日も続行することとします (2) 免責についての意見申述期間は, 第 1 回債権者集会期日の前日までとします ただし, 同期間後に述べられた意見であっても, 免責の判断に必要と認める場合には, これを考慮して, 免責の判断を行います (3) 免責決定は, 原則として, 破産終結 廃止決定と併せて行います - 5 -