文化庁平成 27 年度都道府県 市区町村等日本語教育担当者研修 2015 年 7 月 1 日 生活者としての外国人 に対する日本語教育の体制整備に向けた役割分担 日本語教育担当者が地域課題に挑む10のステップ よねせはるこ米勢治子 ( 東海日本語ネットワーク )

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外国人に対する日本語教育の推進 - 国内の日本語学習者数等の推移 - 平成 24 年末現在で, 在留外国人数は約 204 万人となり,4 年続けて減少 我が国人口の 1.6% を占める 国内の日本語学習者数は, 長期的には増加傾向にあり, 平成 23 年には, 平成 2 年と比較して倍増の約 13

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文化審議会国語分科会日本語教育小委員会 1 平成 19 年 7 月 定住外国人の増加を受け, 文化審議会国語分科会に日本語教育小委員会を設置 平成 20 年 1 月 報告書 今後検討すべき日本語教育の課題 地域社会の一員として外国人が社会参加するのに必要な日本語学習の支援で, 以下の 3 点について

た取り組み推進について述べられている また, 同時に閣議決定された 日本再興戦略 改訂 2015 においては, 日本経済の更なる活性化を図り, 競争力を高めるため, 高度外国人材受入れ促進のための取組強化, 専門的 技術的分野における外国人材の活躍促進のほか, 中長期的な外国人材受入れの在り方につい

査研究 生活者としての外国人 のための日本語教育事業 資料 2 平成 25 年度予定額 164 百万円 ( 平成 24 年度予算額 195 百万円 ) 背景 課題 ていく必要ら排除されないようにす外国人を日本社会の一員してしっか文化庁とりと受け入れ,社会かるための施策(=国の施策)を講じ地域日本語教

(2) 施策目標 施策目標 1 日本人と外国人が共に活躍できる環境の整備 東京で暮らす外国人が日本人と同様に能力を最大限発揮し 活躍できるよう 子供の教育支援等に着実に取り組む また 外国人ビジネスパーソン等の生活に関するサポートや外国人留学生等に対する就業 起業支援等を行い 外国人が東京で一層活躍

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市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

北九州市の外国人施策 多文化共生施策 多文化共生とは 国籍 民族等の異なる人々が 互いの文化的背景等の違いを認め合い 人権を尊重し 対等な関係を築こうとしながら 地域社会の構成員として共に生きていくこと 総務省 多文化共生の推進に関する研究会報告書 (2006.3) での定義

目次 1. はじめに 1 2. 外国人の受入れ施策等の状況について 1 3. 地域における日本語教育の現状と課題 地域における日本語教育の全体的な状況 地方公共団体における日本語教育の状況 3 [ 市区町村 ] 3 [ 都道府県 ] 国における日本語教育施策の状況

目次 1. はじめに ~ 日本語教育小委員会における審議の経緯について ~ 1 2. 地域における日本語教育の実施体制について 外国人の受入れ施策等の状況について 地域における日本語教育の現状と課題 地域における日本語教育の全体的な状況 地方公

総行国第   号

例 1) 日系人の A さんの場合 1 域内の外国人の状況 ニーズ, 地域のリソース等の把握 (1) 対象とする学習者の属性や数の把握 レディネス( 日本語学習をどの程度行っているか ) 家族形態 来日 3か月で日本語学習経験はなし 妻, 子供 ( 小学生 ) 漢字圏かどうか 在留資格 非漢字圏 定

2 主な論点 ( 例 ) Ⅰ 外国人との共生社会の実現に向けた基本的考え方 < 総論 >( 例 ) 最近 ( 経済危機後 ) の外国人を取り巻く状況 目指すべき共生社会のあり方 社会的統合 ( あるいは多文化共生 ) の意義や内容 ( どこまでの社会的統合 ( あるいは多文化共生 ) を求めるのか

教員の専門性向上第 3 章 教員の専門性向上 第1 研修の充実 2 人材の有効活用 3 採用前からの人材養成 3章43

社会的責任に関する円卓会議の役割と協働プロジェクト 1. 役割 本円卓会議の役割は 安全 安心で持続可能な経済社会を実現するために 多様な担い手が様々な課題を 協働の力 で解決するための協働戦略を策定し その実現に向けて行動することにあります この役割を果たすために 現在 以下の担い手の代表等が参加

はじめに

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岐阜県多文化共生推進基本方針 ( 案 ) に対するパブリックコメントとそれに対する県の考え方 ( パブリックコメント結果 ) ページ番ご意見 ( 概要 ) 号 年毎に見直しをされるようですが 大きな社会情勢などの変化があれば見直しをする必要があると思います 基本は5 年で良いと思いますが

化共生推進プランは 2012 年に基本計画として策定された 期間は平成 24 年から平成 28 年の 5 年とされ 言葉 制度 こころという 3 つの壁を解消するということを重要な課題としている その中で特に重要視されていると考えられるのは制度の壁である これは 3 つの課題に対して考えられたそれぞ

施策目標と方針 III-2 協働によるまちづくりの推進 27 参加と協働によるまちづくりの推進 地域の安全 安心 楽しみの創出につながる地域活動を促進します 若者や女性 外国人等 多様な人材の参画 育成を促します より多くの市民の関心を惹きつける広聴 広報活動に取り組みます 現状と課題 < 地域づく

平成18年度標準調査票

な取組 日本や東京の文化 歴史を学び 日本人としての自覚と誇りを涵養主な取組 東京都国際交流委員会 * を再構築し 外国人への生活サポートを推進主な取 様々な広報媒体の活用などによる障害者への理解促進主2020 年に向けた取組の方向性 1 オリンピック パラリンピック教育を推進するとともに 多様性を

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2017 年度開講科目 1) D1801 現代世界と人間 1: 内なる国際化としての多文化共生 1 明学共通科目担当講師 : 高桑光徳先生長谷部美佳先生, 開講曜日時限 : 春学期月曜 4 横浜 C 2) D1802 現代世界と人間 2: 内なる国際化としての多文化共生 2 明学共通科目

資料1 第1回会議のポイントについて

区分

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3 文化庁日本語教育大会 文化庁国語課 (S51~) H24 政府予算案 1.6 百万円 H23 予算額 1.6 百万円 日本語教育の水準向上と日本語教育の推進を図るため, 日本語教育に係る研究協議を行う 文化庁日本語教育大会 を毎年開催 4 都道府県 政令指定都市等日本語教育担当者研修 文化庁国語


下の図は 平成 25 年 8 月 28 日の社会保障審議会介護保険部会資料であるが 平成 27 年度以降 在宅医療連携拠点事業は 介護保険法の中での恒久的な制度として位置づけられる計画である 在宅医療 介護の連携推進についてのイメージでは 介護の中心的機関である地域包括支援センターと医療サイドから医

資料4-4 新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について 審議のまとめ(参考資料)

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構成 1 第 1 章 IoT 時代の新たな地域資源 1. IoT 時代の新たな地域資源とその可能性 2. 新たな地域資源の活用に向けた基本的視点 第 2 章地域におけるオープンデータ ビッグデータ利活用の推進 1. 地域におけるオープンデータ利活用の現状と課題 2. 地域におけるビッグデータ利活用の

第 1 部 施策編 4

新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について(答申のポイント等)

目 次 平成 30 年度公益財団法人愛知県国際交流協会事業計画書 1 平成 30 年度公益財団法人愛知県国際交流協会収支予算書 8 平成 30 年度公益財団法人愛知県国際交流協会資金調達及び設備投資の見込みについて 12

地方消費者行政強化作戦 への対応どこに住んでいても質の高い相談 救済を受けられる地域体制を整備し 消費者の安全 安心を確保するため 平成 29 年度までに 地方消費者行政強化作戦 の完全達成を目指す < 政策目標 1> 相談体制の空白地域の解消 全ての市町村に消費生活相談窓口が設置されており 目標を

要領【H29年度版】

スライド 1

はじめに

地域包括ケア構築に向けた実態調査の実施 ひとり暮らし高齢者 高齢者のみ世帯 の全てを訪問形式で調査 地域全体で生活支援等必要なサービス内容を検討 H24 年度 H24.7 月 ~ひとり暮らし実態調査 ( 訪問 ) 集計 解析 ( 名古屋大学 )1 H 福祉を考える集会 ( 住民 関係者

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評価項目 評価ポイント 所管部局コメント 評価 国際交流に関する情報の収集及び提供事業国際交流活動への住民の参加促進事業国際理解推進事業在住外国人に対する相談事業在住外国人に対する支援事業 安定 確実な施設運営管理 公正公平な施設使用許可や地域に出向いた活動に取り組むなど新たな利用者の増加に努め 利

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資料 目 次 事業方針 実施計画 みんなで福祉の風土を広げよう 住民 関係機関 団体のネットワークで身近な福祉活動を進めよう 一人ひとりの安全で安心な暮らしを守ろう Ⅳ 推進基盤の強化 主な年間行事等

このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

英語教育改善プラン

8 月上中旬 ( 約 2 週間 ) 派遣高校生 5 人 引率 1 人 ヒューストン市 ( アメリカ ) 6 月上中旬 ( 約 2 週間 ) 受入中学生 5 人 引率 2 人 モントルー市 ( スイス ) 7 月下旬 ~8 月上旬 ( 約 2 週間 ) 派遣青少年 5 人 引率 1 人 ウ語学講座国際

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01 【北海道】

多文化共生について (1) 施策の概要 (2) 多文化共生に関する近年の状況 国籍や民族などの異なる人々が 互いの文化的差異を認め合い 対等な関係を築こうとしながら 地域社会の構成員として共に生きていくような 多文化共生の地域づくりを推し進める 総務省の取組 平成 18 年 3 月に 地域における多

平 成 8 年 度

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チェック式自己評価組織マネジメント分析シート カテゴリー 1 リーダーシップと意思決定 サブカテゴリー 1 事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている 事業所が目指していること ( 理念 ビジョン 基本方針など ) を明示している 事業所が目指していること ( 理念 基本方針

エボランティアとしてふさわしくない行為があったとき 5 医療通訳ボランティア養成講座 ステップアップ講座 (1) 医療通訳ボランティア養成講座ア目的通訳に必要な心構え 医療制度 病院のしくみ 医療に関する基礎的な知識や医療現場などで必要な通訳スキルを習得させ 医療現場で通訳できる人材を養成する イ受

送信日 番組開始番組終了 題名発信者備考 12/3 内部統制制度に関する説明会 (11/20) 12/4 平成 30 年度防災啓発中央研修会 (7/5-6) 12/5 ファイアーファイティングスピリッツ -もうひとつの生き方 見つけた - 12/5 15:19 全国市長会創立 120 周年記念市長フ

写真 第一回運営委員会 B 日系ブラジル人児童のための ももたろう土曜日日本語教室 ( 初級コース 中級コース ) 概要 開催日時 開催場所 出席者 議題 会議の概要 5 月 28 日 エヌ ビー ケービル 3 階 山根知恵岡本淑明中桐規碩枝松孝典 教室の目的と運営方針について 授業の内容について

生活者としての外国人 のための日本語教育 ハンドブック 文化庁文化部国語課

Microsoft Word - 日本語教育推進会議発足㊤

事例報告 1 生活者としての外国人 のための日本語教育 団体名 : 磐田国際交流協会 学び合い, 人とつながる日本語教室 4 教室設置各教室にコーディネーターを配置日本語講師 26 人日本語ボランティア 22 人 西貝教室 地域連携防災日本語講座 1 やさしい日本語を使った避難所運営ゲーム 2 防災

新宿区は 外国人住民が全国で一番多く暮らす自治体で 全区民の 10% を超えています 地域別 全国 平成 26 年 1 月 1 日現在 住民記録人口総数 ( 人 ) 日本人住民人口 外国人住民人口 人数 ( 人 ) 割合 (%) 人数 ( 人 ) 割合 (%) 128,438, ,434

【資料2】社会教育主事講習の見直しについて【派遣社会教育主事制度とその現状】

持続可能な自治会活動に向けた男女共同参画の推進について(概要)

①CSの概要

第 1 期多文化共生会議最終報告書の提言 (2007 年 3 月 ) への対応状況のまとめ 1 提言番号提言内容現行の実施状況 ( 平成 21 年 2 月時点 ) 社会生活部会からの提言 テーマ 1 外国人市民への情報提供システムの確立 1-1 外国人市民への広報活動に関する基準をつくる優先して提供

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国立女性教育会館の機能と取り組み

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スライド 1

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Ⅲ 目指すべき姿 特別支援教育推進の基本方針を受けて 小中学校 高等学校 特別支援学校などそれぞれの場面で 具体的な取組において目指すべき姿のイメージを示します 1 小中学校普通学級 1 小中学校普通学級の目指すべき姿 支援体制 多様な学びの場 特別支援教室の有効活用 1チームによる支援校内委員会を

平成 31 年度 地域ケア会議開催計画 魚津市地域包括支援センター 平成 31 年 4 月

第 1 章問題意識と研究目的本章では 筆者の問題意識となったべトナムでの経験を通し 問題の所在を述べた 筆者がベトナム社会でベトナム語を使い生活する中でわかったことは ベトナムで出逢う全ての人が筆者のベトナム語学習に影響を与えていることであった また同じように 学生が筆者以外の日本人との出会いから多

トビラ、凡例、奥付/とびら

多文化共生社会と   〈やさしい日本語〉

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

本人の配偶者等が増加の傾向にある 国籍 地域別では 中国 韓国 ベトナム フィリピンの順であり ベトナム人の増加が著しい そこで 岩手県では 2010( 平成 22) 年に 岩手県多文化共生推進プラン を定め 就学支援ハンドブック の刊行( 岩手県国際交流協会 ) など多文化共生社会の実現に向けて具

第 2 期宮城県多文化共生社会推進計画 平成 26 年 3 月 宮城県

周南市版地域ケア会議 運用マニュアル 1 地域ケア会議の定義 地域ケア会議は 地域包括支援センターまたは市町村が主催し 設置 運営する 行政職員をはじめ 地域の関係者から構成される会議体 と定義されています 地域ケア会議の構成員は 会議の目的に応じ 行政職員 センター職員 介護支援専門員 介護サービ

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大泉町手話言語条例逐条解説 前文 手話は 手指の動きや表情を使って視覚的に表現する言語であり ろう者が物事を考え 意思疎通を図り お互いの気持ちを理解しあうための大切な手段として受け継がれてきた しかし これまで手話が言語として認められてこなかったことや 手話を使用することができる環境が整えられてこ

社会教育法について

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2007 年には文化庁文化審議会の国語分科会に戦後初めて日本語教育小委員会が設けられ 日本語教育の内容改善 体制整備 連携協力の推進について検討が行われ始めた そして 2007 年度から地域日本語教育の推進を目的に 文化庁による 生活者としての外国人 のための日本語教育事業 が開始された ( 文化庁

1. 事業概要 香美町村岡区で 日本語教室を初めて開催する ( 出張形式 ) 散住している外国人をつなぎ 情報を発信し 楽しく集える居場所を作る 行政や地域住民に多文化共生の知識と理解を深めてもらい 支援協力を呼びかける 2. 但馬地域の現状 10 年前の大規模な市町合併により 1 市 18 町が


第 2 節キャリア コンサルティングの理解 (4) キャリア コンサルタントの能力 Ⅰ キャリア コンサルティングの社会的意義に対する理解 1 社会 経済的動向とキャリア形成支援の必要性の認識 2 キャリア コンサルティングの役割の理解 3 キャリア コンサルティングを担う者の活動範囲と義務 ( 活

080623takaaraa 高荒あかり 多文化共生に対する宇都宮市の取り組み はじめに 近年グローバル化の影響や 1990 年の入国管理法の改正により 海外から日本に移住する人々が増加してきている また 日本に一時的な滞在を考えてきた人たちも永住する傾向になってきている 今日 日本に住む外国人の人

二さらに現代社会においては 音楽堂等は 人々の共感と参加を得ることにより 新しい広場 として 地域コミュニティの創造と再生を通じて 地域の発展を支える機能も期待されている また 音楽堂等は 国際化が進む中では 国際文化交流の円滑化を図り 国際社会の発展に寄与する 世界への窓 にもなることが望まれる

Transcription:

文化庁平成 27 年度都道府県 市区町村等日本語教育担当者研修 2015 年 7 月 1 日 生活者としての外国人 に対する日本語教育の体制整備に向けた役割分担 日本語教育担当者が地域課題に挑む10のステップ よねせはるこ米勢治子 pxl03143@nifty.com ( 東海日本語ネットワーク )

演習 1( 導入 ) 実践事例報告を聞く前に 地域における日本語教育の体制整備に向けた自治体等の役割 地域における連携 協働を推進するコーディネート人材の役割

コミュニケーション支援と多文化共生 総務省 (H18) 地域における多文化共生推進プラン 策定 外国人住民に対する コミュニケーション支援 多文化共生 の定義 : 国籍や民族などの異なる人々が 互いの文化的ちがいを認め合い 対等な関係を築こうとしながら 地域社会の構成員として共に生きていくこと 地域における日本語教育 目的 多文化共生の基盤づくり 対象 住民全体

地域における日本語教育とは? 文化庁国語分科会日本語教育小委員会 (2009) 地域における日本語教育は, 多文化共生社会の実現に向けての取組でもあり, 日本語教育を推進するためには, ボランティアや専門家のほかに一般市民の参加が必要不可欠である 日本語教育学会 (2008) 地域日本語教育は, 日本語を教える / 学ぶための教室 の範囲を超え, 全ての人がよりよく生きる社会の実現のために, それを妨げる問題を問い, 日本語コミュニケーションの側面からの働きかけによって多文化共生の地域社会形成を目指す活動や制度, ネットワークの総体としてとらえる必要がある

日本語教育の充実に向けた役割分担と連携 国 都道府県 市町村 体制整備 ( 人材育成を除く ) 日本語教育の目標及び標準的な内容 方法及び体制整備の在り方を指針として示す 日本語能力及び日本語指導力の評価方法等について指針を示す 日本語教室の開設や改善のための財政支援などを行う 域内の実情に応じた日本語教育の体制整備を行う 国の示した標準的な内容 方法を参考に地域の実情に応じた日本語教育の内容等の検討 調整を行う 域内の日本語教育に関する実態把握を行う 域内関係者の連絡会議を開催する 他事業との連携協力や活動内容の広報を行う 都道府県が検討 調整した日本語教育の内容等を現場の実情に沿って具体化する 日本語教室の設置運営を行う 学習者および指導者からの相談に応ずる 域内外の人材 情報リソースを活用する

日本語教育の充実に向けた役割分担と連携 人材育成 国 都道府県 市町村 都道府県 市町村と連携して 国が示す標準的な内容 方法を地域で担う人材を育成する 国が示す標準的な内容 方法について 地域の日本語教育の指導者に適切に指導助言できる 指導者の指導者 を養成する 域内の市町村において日本語教育を事業化し推進できる人材を 市町村と連携して養成する 国が養成する 指導者の指導者 を活用するなどして地域における日本語教育の指導者を養成する

地域日本語教育のシステム図 ( 日本語教育学会 ) 地域日本語教室 地域全体のシステムの評価都道府県のコーディ区市町村政策ネーター専門家に 広域日本語教よる日本室ネットワーク語教室 企業情報提供言語サービス関連諸機関医療 法律国の政策 生活 日本語学習支援システム 生活者としての外国人 地域コミュニティ 対話協働の場 学習機会社会保障 生活者としての日本人 目的 活動の内容と方法の評価 出典 : 外国人に対する実践的な日本語教育の研究開発 ( 生活者としての外国人 に対する日本語教育事業 ) 報告書 日本語教育学会 (2008)

地域における日本語教育の課題の捉え方 自治体 ( 福祉など ) 自治体国際交流協会 自治体 ( 教育委員会 ) 外国人支援 NPO 地域連携 ( 体制整備 ) 教室運営 ( 学習環境整備 ) 課題 課題 教育機関 ( 大学など ) 他の日本語教室日本語 NW 地域住民 ( 自治会 ) 就労現場 : コーディネーター : 日本人 : 外国人 公共施設店 病院など 課題 子どもの学校 家庭 教室活動 ( コースデザイン ) 課題 課題 課題 都道府県国際交流協会

演習 2 地域における課題解決に向けた自治体間の連携の可能性 協働実践事例の整理 GW: 自己紹介と事例報告のふりかえり ( 休憩 ) 全体共有と質疑

課題解決に向けた協働実践事例の整理 1. 京都府 亀岡市 2. 可児市 岐阜県

1 名前 自己紹介メモシート 2 所属 3 そこでの日本語教育にかかる役割 4 地域 & 日本語教室の現状 5 事例の参考になった点 疑問点

全体共有と質疑応答

演習 3 体制整備に向けた段階の整理 GW 課題解決に向けた自治体間連携の可能性 ( 役割分担 ) の検討 発表 ( 共有 )

チェックしてみましょう 日本語教育担当者が地域課題に挑む 10 のステップ 1 外国人住民の概況 ( 人数 国籍 在留資格 年齢比率 ) の把握 2 外国人住民の生活課題 ニーズ 日本語学習環境 日本語レベルの把握 3 地域における日本語教室 ボランティアの状況の把握 4 外国人の現状 学習環境に応じた日本語教室の設置場所 開催日時の検討 5 ニーズ 学習環境に応じた日本語教育プログラム 教材の検討 6 日本語教育に必要な人材 支援者の確保と育成 7 外国人住民に対する情報提供 8 地域の多文化共生に対する啓発 相互理解のための機会創出 9 地域の社会資源 リソースの発掘と活用 10 地域連携 ネットワークの構築

体制整備の実現に向けた段階 (1)- 知る 情報収集はどの程度できているか? 1 外国人住民の概況 ( 人数 国籍 在留資格 年齢比率 ) の把握 2 外国人住民の生活課題 ニーズ 日本語学習環境 日本語レベルの把握 3 地域における日本語教室 ボランティアの状況の把握 1. 外国人の状況 3. 学習者の状況 2. 外国人の生活課題 学習環境など 3. 学習内容 地域における日本語教育の意義

体制整備の実現に向けた段階 (2)- 創る 日本語教育事業はどの程度できているか? 4 外国人の現状 学習環境に応じた日本語教室の設置場所 開催日時の検討 5 生活課題 ニーズ 学習環境に応じた日本語教育プログラム 教材の検討 6 日本語教育に必要な人材 支援者の確保と育成 1. 外国人の状況 3. 学習者の状況 4. 実施体制の確認 改善 2. 外国人の生活課題 学習環境など 5. 活動内容の確認 改善 日本人の意識 6. 人材の育成

体制整備の実現に向けた段階 (3)- 拡げる 地域の多文化共生はどの程度できているか? 7 外国人住民に対する情報提供 8 地域の多文化共生に対する啓発 相互理解のための機会創出 地域における日本語教育の対象は住民全体 自治体等が行うのは 多文化共生の地域づくり

体制整備の実現に向けた段階 (4)- つなげる 日本語教育事業はどの程度充実しているか? 9 地域の社会資源 リソースの発掘と活用 10 地域連携 ネットワークの構築 5. プログラム開発 6. 人材育成 4. 教室の設置 7. 外国人への情報提供 1.2.3. 調査 分析 9. 社会資源 リソース 10. 地域連携 ネットワーク 8. 啓発 相互理解促進

体制整備の実現に向けた段階 - 整理 課題 外国人の参加日本語学習の内容日本人の参加 情報収集 知る 1 外国人住民の概況の把握 ( 人数 国籍 在留資格 年齢 性別 居住地域など ) 基礎データ 分析 2 外国人住民の生活課題 日本語学習環境 日本語能力 学習ニーズの把握 調査 分析 日本人住民の意識 調査 分析 3 地域における日本語教室 学習者 ボランティアの状況の把握 調査 分析 日本語教室設置 運営 創る 4 外国人の現状, 学習環境に応じた日本語教室の設置場所 開催日時の検討 5 ニーズ 学習環境に応じた日本語教育プログラム 教材の策定 6 日本語教育に必要な人材 支援者の確保と育成 地域の多文化共生 拡げる 日本語教育事業の強化 つなげる 7 外国人住民に対する情報提供 9 に同じ 日本語教室 10 地域連携 ネットワークの構築 8 地域の多文化共生に対する啓発 相互理解のための機会創出 9 地域の社会資源 リソースの発掘と活用 社会教育 福祉協議会 NPO 等

課題 私の地域の課題解決シート 現状 : 目標 : どのように解決するか? 必要なリソースは? どこと連携するか? 役割分担は?

課題解決に向けた協働 連携プランの共有

参考資料 文化庁 (2014) 日本語教育の推進に向けた基本的な考え方と論点の整理について ( 報告 ) http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/bunkasingi/pdf/suishin_130218.pdf 文化庁 (2010~2013) 生活者としての外国人 に対する日本語教育の標準的なカリキュラム案等 http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/kyouiku/nihongo_curriculum/index.htm 日本語教育学会 (2008) 外国人に対する実践的な日本語教育の研究開発 ( 生活者としての外国人 に対する日本語教育事業 ) 報告書 http://www.nkg.or.jp/book/080424seikatsusha_hokoku.pdf 日本語教育学会 (2014) 地域日本語ボランティア講座開催のためのガイドブック http://www.nkg.or.jp/themekenkyu/tabunka/tabunka_guide_oshirase.pdf 愛知県(2014) 愛知県多文化共生社会に向けた地域における日本語教育推進のあり方 http://www.pref.aichi.jp/0000069985.html 愛知県国際交流協会(2015) 使える 日本語を学ぼう!~ 行動 体験型の教室活動をつくろう http://www2.aia.pref.aichi.jp/resource/j/2news/manual_all.pdf