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Transcription:

課題情報シート テーマ名 : 担当指導員名 : 岡本真一実施年度 : 25 年度施設名 : 四国職業能力開発大学校附属高知職業能力開発短期大学校課程名 : 専門課程訓練科名 : 電子情報技術科課題の区分 : 総合制作実習課題学生数 : 2 時間 : 12 単位 (216h) 課題制作 開発のポイント 開発( 制作 ) のポイント AR アプリケーションの制作には C 言語が利用できる開発環境が必要となります 今回は コスト面を考慮し Microsoft 社から無償で提供されている Visual C++ 2008Express Edition を開発環境として利用しました また AR 開発用の C 言語ライブラリもフリーで提供されている ARToolkit を利用し さらに OpenGL の補助ライブラリもフリーでダウンロードできる GLUT を使って制作しました 特に苦労した内容としては マルチマーカー ( 複数のマーカーを同時に認識させる処理 ) に対応させる際 マーカー同士の距離間によって 3D データの表示が誤動作を起こすことがあり プログラムの修正を何度も行ったことです 本課題制作のポイントは 高知県内の 11 市における観光地やイベントなどの画像データを 3D データに加工し Web カメラで撮影した際に加工した画像を縦方向または横方向に 360 度回転できるアニメーション機能を付加したことです 紹介画像の充実化 タブレット端末への対応など課題もありますが 今後さらに改良を進めていき 短大の年間イベントであるポリテクフェスタ オープンキャンパスなどで紹介したいと考えています 参考文献 ARToolKit 拡張現実感プログラミング入門 ( 橋本直著 ) ARToolkit プログラミングテクニック ( 谷尻豊寿著 ) 学生数の内訳 AR アプリケーション :1 名 3D データの加工及びマーカー制作 :1 名 訓練( 指導 ) のポイント AR を理解するために まず AR の活用事例を調査させ 身近な技術であることを習得させました また AR アプリケーションの制作に必要となる カメラからの画像取得 マーカーの検出とパターン認識 マーカーの 3 次元位置 姿勢の計測 実写画像と 3 次元 CG の合成表示 など ARToolkit ライブラリに含まれる機能の理解が重要となるため 制御構文 配列 関数 ポインタなど C 言語の復習を兼ねて習得させました 今回 2 名で制作に取り組んだことから マーカーのデザイン 3D データのデザインおよびアニメーション機能などお互いに日頃から意見を出し合うよう指導したことで コミュニケーション能力も制作当初よりも身に付けることができたと思います

課題に関する問い合わせ先 施設名 : 四国職業能力開発大学校附属高知職業能力開発短期大学校住所 : 781-5232 高知県香南市野市町西野 1595-1 電話番号 : 0887-56-4111( 代表 ) 施設 Web アドレス : http://www3.jeed.or.jp/kochi/college/index.html 課題制作 開発の 予稿 および テーマ設定シート 次のページ以降に 本課題の 予稿 および テーマ設定シート を掲載しています

高知職業能力開発短期大学校電子情報技術科 1. はじめに 3. 制作の流れ AR とは Augmented Reality の略称で拡張現実とも呼ばれ 人間が知覚する現実環境をコンピュータにより拡張する技術 およびコンピュータにより拡張された現実環境そのものである 1) 代表的な例として頓智ドット株式会社が提供している セカイカメラ などがある これはスマートフォン用のアプリで 画面に表示された実際の空間にエアタグと呼ばれる文字や画像などの情報を登録することができるものである この AR 技術を活用した事例としては 宿泊施設の料金情報やレビュー表示 観光案内 店舗紹介などで新しい情報提供の手段として公開されている 本総合制作実習では AR 技術を用いて地元高知県の魅力を PR することを目的とし 県内 11 市の観光地やイベントなどの画像を 3D データに加工して紹介できるアプリケーションの制作に取り組んだ 2. 開発環境 制作に使用した開発環境を表 1 に示す 3D データ制作時に使用した Metasequoia には 3D データを動かすために必要なボーン機能を追加する Keynote と 連続したファイルとして出力させる keynote 連番 MQO 出力 というプラグインを追加した 表 1 開発環境 OS Microsoft Windows XP Pro SP3 開発環境 Visual C++ 2008 Express Edition API OpenGL ARToolkit ライブラリ GLMetaseq GLUT 3D データ Metasequoia 4.2 制作ソフト String MQObject Builder 使用言語 C 言語 Web カメラ ELECOM UCAM-DLA200HSV 3.1 ARToolkit とは ARToolkit とは ソフトウェアライブラリのことである このライブラリには AR アプリケーションを制作する場合に必要となる以下の機能が含まれている カメラからの画像の取得 マーカの検出とパターンの認識 マーカの 3 次元位置 姿勢の計測 実写画像と 3 次元 CG の合成表示またカメラ画像の描写や仮想空間での視点の設定には OpenGL と補助ライブラリである GLUT を用いることにより可能とした 3.2 マーカの制作マーカとは 3D データを表示する際の基準点となるものである 外枠はマーカを検出する際の目印となるもので 枠内のデザインはペイント等で簡単にデザインできる しかし 点対称や細かいデザインは避けるという条件がある また外枠にも条件があり 外枠とデザイン面の比率を 1:2:1 から 3:14:3 の範囲内で制作する必要がある これらの条件を満たさなければ マーカとして認識されにくく 誤動作の原因となる 制作したマーカを高知県地図上に配置したイメージを図 1 に示す 図 1 マーカを配置した高知県地図

3.3 3D データの制作 Metasequoia で制作した 3D データを用いて アニメーション表示を行えるようにした 制作手順は まず 3D データにボーンと呼ばれるパーツを追加した ボーンは動物の体で言う関節のような働きを持っている ボーンを動かすことで付近の 3D データを動かしたり曲げたりなどの動作が可能になる さらに動かした 3D データを keynote 連番 MQO 出力 を使い 連したファイルで出力した 最後に 出力したファイルを順番に映し出すことでアニメーション表示を可能とした 3D データの制作画面を図 2 に示す 複数マーカを用いて高知県地図上に 3D データを表示させた実行例を図 3 に示す 図 3 アプリケーション実行例 ( 高知市 ) 4. 今後の課題 図 2 3D データ制作画面 今後の課題としては PR アプリとして観光地などの情報量が少なく 十分に高知県の PR ができていないため 必要な情報を増やすことが考えられる さらに撮影用として Web カメラを使ったが タブレットなどの携帯端末から動作できるように改良することも課題の 1 つである 3.4 アプリケーションの概要制作したプログラムの流れを以下に示す 1 各ライブラリの初期化 2 メインループ関数を起動 3 カメラ画像からマーカ検出 4 カメラ画像の取得 5 3D オブジェクトの描画制作したプログラムではマーカと 3D データを 1 組しか扱えなかったため これを改良し複数のマーカで 3D データを表示できるようにした 改良した点は 初期化処理内でパターンファイルと 3D データをロードする数を増やし 配列を利用することで複数組のマーカと 3D データを表示させるようにしたことである なお パターンファイルとはマーカを登録する際に制作するファイルで マーカの信頼度を比較する時に使うデータや 3D データを表示する向きの設定データなどが含まれているものである 5. まとめ AR は初めて触れる技術だったが 自分たちで本やインターネットの情報を調べることで 複数マーカや 3D データのアニメーションを追加したアプリケーションを完成させることができた 今後もこの経験を生かし 新しい技術にチャレンジしていきたいと思う 参考文献 URL 1) 拡張現実 - Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%e6%8b%a1%e5%bc%b5%e 7%8F%BE%E5%AE%9F 2) Metasequoia http://www.metaseq.net/ 3) よさこいネット, ( 公財 ) 高知県観光コンベンション協会 http://www.attaka.or.jp/feature/photodb2/ 4) ARToolkit 拡張現実感プログラミング入門 ( 株式会社アスキー メディアワークス )

課題実習 テーマ設定シート 科名 : 電子情報技術科 作成日 : 12 月 6 日 教科の科目 実習テーマ名 総合制作実習 担当指導員 担当学生 電子情報技術科岡本真一 課題実習の技能 技術習得目標 アプリケーションの制作については 開発環境の構築 プログラム開発 評価 報告まで情報分野における ものづくり に関する一連の工程に ついて 実習を通して習得することで 実務に適応する技能 技術を身に付ける また アプリケーション制作に関するスケジュールの計画 役割 分担といった管理能力を身に付けることを目標とした 実習テーマの設定背景 取組目標 実習テーマの設定背景 これまで AR(Augmented Reality: 拡張現実 ) という言葉は 一部の研究者及び技術者の中でしか知られていなかったが ユビキタス社会が進むなか徐々に一般の方にも認知されつつあるものである 身近な例では カーナビや携帯ゲーム機にも AR 機能が含まれたものが挙げられ スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末上で実現できるアプリケーションも開発されている このような背景の中 本総合制作実習では AR 機能を実現するための方法として マーカー型 AR を利用し 高知県内の PR を行うアプリケーションの制作に取り組むこととした 実習テーマの特徴 概要 AR を用いたアプリケーションの制作を行うには 電子情報技術科の 3 本柱の 1 つであるプログラミング技術が必要不可欠である このテーマに取り組むことにより 将来情報分野で必要となる技能 技術を習得することができると考えられる この実習に取り組むことにより 単にアプリケーションを制作するのではなく グループ実習であるためコミュニケーション能力やプレゼンテーション技術も習得目標の 1 つである なお 将来的にはものづくりフェスタなどイベントにて制作物を紹介することを想定している No 取組目標 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 AR を利用したソフトウェアの事例について調査する AR の実現方法 ( ロケーションベース AR ビジョンベース AR: マーカー型 マーカーレス型 ) について習得する 開発環境を構築する ソフトウェアの制作方法を習得する マーカーの制作 3D データのモデリング方法を習得する OpenGL による 3 次元グラフィック処理を習得する グループ実習に必要なコミュニケーション能力 プレゼンテーション技法を習得する 報告 連絡 相談を怠らず 作業に遅延を発生させないよう気を付ける 5S( 整理 整頓 清掃 清潔 躾 ) の実現に努め 安全衛生活動を行う 実習の進捗状況や 発生した問題等については 単独 グループの場合にかかわらず 担当教員へ報告します 1