経済 : 中国 2019/ 5/9 投資情報部シニアエコノミスト呂福明 4 月製造業 PMI は 2 ヵ月連続 を超えたが やや低下 4 月 30 日 中国政府が発表した4 月製造業購買担当者指数 (PMI) は前月比 0.4ポイントの.1となり 伸び率がやや鈍化したものの 2ヵ月連続で景況感の境目とされるを上回った 非製造業 PMIは同 0.5ポイントの.3となり 引き続き高水準で推移 民間企業が統計の中心である財新 (Caixin) が発表した4 月の製造業 PMIは前月比 0.6ポイントの.2となり 内外 新規受注 の低下が足かせとなった 一方 サービス業 PMIは前月比 +0.1ポイントの.5となり 2012 年 5 月以来 18 年 1 月に次ぐ高水準となった 4 月の製造業購買担当者指数 (PMI) は政府 民間ともに基調も 3 月からは低下 4 月 30 日 中国国家統計局と中国物流購買連合会が発表した4 月の製造業購買担当者指数 ( 製造業 PMI 国有企業が中心) は前月比 0.4ポイントの.1となった PMIは3 月からは低下したものの 2ヵ月連続で景気 の分岐点とされる を上回っている また 財新 (Caixin) が発表した民間中小企業が多く含まれる製造業 PMIは同 0.6ポイントの.2となった 足元の製造業は 官 民ともにの基調にあるものの 新規受注 の減速で 伸び率がやや鈍化した 4 月の政府発表値の非製造業 PMI は前月比 0.5 ポイントの.3 となり 4 ヵ月連続 で.0 以上の高水準で推移している 内訳では ビジネス業 と 建設業 の指数は 3 月から低下したものの 堅調さを維持 一方 財新 (Caixin) のサービス業 PMI は前 月比 +0.1 ポイントの.5 となり 2012 年 5 月以来 18 年 1 月次ぐ高水準となった 国内 市場の需要増による 雇用 拡大に加え 民間企業が積極的に海外市場を開拓し たことから 新規輸出受注 が 14 年末の調査開始以来の高水準となったことが 民 間のサービス業 PMI を押し上げた 非製造業においては民間企業が政府系企業を 上回る回復ぶりを見せた 製造業と非製造業 PMI の推移 ( 月次 :2016/4~2019/4) 政府製造業 PMI 政府非製造業 PMI Caixin 製造業 PMI Caixinサービス業 PMI 16/4 16/7 16/10 17/1 17/4 17/7 17/10 18/1 18/4 18/7 18/10 19/1 19/4 出所 : 中国国家統計局 Caixin/Markit CEICのデータよりみずほ証券作成 ( 年 / 月 ) 1
製造業 PMI( 政府値 ) は 内需の伸びが鈍化する一方 外需が拡大 大中型企業 は減速 小型企業 が引き続き回復 政府が発表した4 月の製造業 PMIを項目別にみると 政府の内需喚起策と季節要因が相殺されたことで 構成ウェイトが最も高い (30%) 新規受注 は3ヵ月連続 を上回ったものの 前月比 0.2ポイントの.4となり 全体の足を引っ張った 一方 米中貿易協議の先行き不透明感が残るものの 新規輸出受注 は同 +2.1ポイントの.2となった 内需はやや軟調だったのに対して 外需の拡大基調が続いている 生産高 ( 構成ウェイト25%) は2ヵ月連続 を上回ったが 同 0.6ポイントの.1となった それを受け 雇用 ( 構成ウェイト20%) は同 0.4ポイントの.2と 2012 年 1 月以来の低水準に落ち込んだ 原材料在庫 は同 1.2ポイントの.2に低下し 完成品在庫 が同 0.5ポイントの46.5となり 需要面の軟調さから 在庫調整が続いている 他方 投入価格 が同 0.4ポイントの.1となったのに対して 産出価格 が同 +0.6ポイントの.0に上昇し 両者の価格差が2ヵ月連続で縮小していることから 関連企業の利益が拡大していると示唆される 特に 原材料購入価格に対して鉄 ( 金属 ) 冶金および圧延の販売価格上昇幅が特に大きかったことや 3 月の生産者物価指数 (PPI) のうち生産財の価格回復が顕著であることから 川上産業の利益が拡大していると考えられる また ハイテク製造業 PMIは同 +0.9ポイントの.9と引き続き加速しており 産業構造の高度化が続いているとみられる 規模別では 大企業 は前月比 0.3ポイントの.8 中型企業 が同 0.8ポイントの.1と減速したものの 小型企業 が同 +0.5ポイントの.8と2ヵ月連続でし 近辺に戻った 政府の小型 零細企業向け減税や企業負担減等の政策が功を奏し 小型企業 の 生産高 が同 +0.4ポイントの.2(5ヵ月ぶりの高水準 ) となったこと等から これらの企業の経営状況がされたとみられる 57 製造業 PMI の主要項目別の推移 ( 月次 :2013/1~2019/4) 生産高雇用 新規受注新規輸出受注 製造業 PMI の企業規模別の推移 ( 月次 :2012/2~2019/4) 大型企業 中型企業 小型企業 46 45 13/1 13/8 14/3 14/10 15/5 15/12 16/7 17/2 17/9 18/4 18/11 出所 :CEICのデータよりみずほ証券作成 ( 年 / 月 ) 44 12/2 12/10 13/6 14/2 14/10 15/6 16/2 16/10 17/6 18/2 18/10 出所 :CEIC のデータよりみずほ証券作成 ( 年 / 月 ) 2
製造業 PMI の主要項目の推移 ( 政府値 ) ( 月次 :2018/3~2019/4) 年 月 製造業 PMI 新規受注 生産高 構成指数 雇用 サフ ライヤー配達 原材料在庫 新規輸出受注 輸入 購入量 その他関連指数 投入価格 産出価格 完成品在庫 受注残 生産事業活動期待 3 月.5.3.1.1.1.6.3.3.0.4.9.3 46.0 58.7 4 月.4.9.1.0.2.5.7.2.6.0.2.2 46.2 58.4 5 月.9.8.1.1.1.6.2.9.0.7.2 46.1 45.9 58.7 6 月.5.2.6.0.2.8.8.0.8 57.7.3 46.3 45.5 57.9 18 7 月.2.3.0.2.0.9.8.6.5.3.5.1 45.7.6 8 月.3.2.3.4.6.7.4.1.8 58.7.3.4 46.7 57.0 9 月.8.0.0.3.7.8.0.5.5 59.8.3.4 45.2.4 10 月.2.8.0.1.5.2 46.9.6.0 58.0.0.1 44.3.4 11 月.0.4.9.3.3.4.0.1.8.3 46.4.6 44.3.2 12 月.4.7.8.0.4.1 46.6 45.9.8 44.8 43.3.2 44.1.7 1 月.5.6.9.8.1.1 46.9.1.1 46.3 44.5.1 43.7.5 19 2 月.2.6.5.5.8 46.3 45.2 44.8.3.9.5 46.4 43.6.2 3 月.5.6.7.6.2.4.1.7.2.5.4.0 46.4.8 4 月.1.4.1.2.9.2.2.7.1.1.0 46.5 44.0.5 ( 注 ) 濃緑字 薄い緑の背景は を上回り 景気を示す 出所 : 中国国家統計局 CEICのデータよりみずほ証券作成 非製造業 PMI( 政府値 ) は ビジネス業 と 建設業 の減速で 3 月から低下 他方 4 月の非製造業 PMI( 政府値 ) は前月比 0.5ポイントの.3と減速したものの 景気拡大と縮小の分岐点であるを上回り 引き続き高水準を維持 業界別にみると ビジネス業 は同 0.3ポイントの.3となった 統計対象の21 業種のうち19 業種がを上回った 水上 航空輸送業や郵便 金融関連が堅調だった一方 陸上輸送業等の不振が足かせとなった 一方 建設業 が同 1.6ポイントの60.1となり そのなかの 新規受注 が同 3.3ポイントの.6 雇用 が同 3.9ポイントの.2と大幅に低下したことが主因とみられる 66 非製造業 PMI の業界別推移 ( 月次 :2012/4~2019/4) 非製造業 PMI の主要項目推移 ( 月次 :2013/1~2019/4) 64 62 非製造業 PMI ビジネス建設 新規受注 産出価格 雇用 60 58 12/412/1113/6 14/1 14/8 15/315/1016/6/1217/7 18/2 18/9 19/4 出所 :CEIC のデータよりみずほ証券作成 ( 年 / 月 ) 46 13/1 13/8 14/3 14/10 15/5 15/12 16/7 17/2 17/9 18/4 18/11 出所 :CEIC のデータよりみずほ証券部作成 ( 年 / 月 ) 3
民間企業の製造業 PMI は減速する一方 サービス業 PMI は2012 年 5 月以来 18 年 1 月に次ぐ高水準 財新 (Caixin) が発表した購買担当者指数はまだら模様 民間中小企業が多く含まれる製造業 PMIは前月比 0.6ポイントの.2だった 内外 新規受注 の低下が足かせとなり 3ヵ月ぶりに減速した 生産高 の伸び悩みを背景に企業がコストコントロールの一環として 人手の採用を抑えたことから 雇用 も縮小したことが低下に拍車をかけた 一方 財新 (Caixin) のサービス業 PMIは前月比 +0.1ポイントの.5となり 2012 年 5 月以来 18 年 1 月に次ぐ高水準になった 国内市場の需要を背景に 新規受注 が引き続き拡大している 民間企業が積極的に海外市場を開拓したことから 新規輸出受注 は14 年末の調査開始以来の高い伸びを見せた これを受けて 雇用 が小幅ながら上昇した 4
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