( ホームページ公開版成果報告 ) 次世代エネルギー 社会システム実証事業成果報告 平成 25 年度報告 事業者名 : イオンリテール株式会社 イオンディライト株式会社 イオン九州株式会社 補助事業の名称 : Ⅰ-1-1 エネルギーマネジメントシステムの構築 C. 業務部門での実証 (BEMS(CEMSとの連携のもと)) 商業施設における地域と連携したエネルギーマネジメントシステムの有効性検証事業事業期間 : 平成 25 年 6 月 17 日 ~ 平成 26 年 3 月 7 日 実証事業の目的 目標北九州スマートコミュニティ創造事業では 八幡東区東田地区において再生可能エネルギー ( 太陽光 風力 ) で発電される電力と 発電所で発電される電力とを ICT( 情報通信技術 ) を使ったスマートグリッドを構築し CEMS を中心に HEMS BEMS 等と連携したタウンマネジメントやダイナミックプライシング ( 以下 DP ) など住民等参加のデマンド サイド マネージメントによる地域全体のエネルギー効率利用の実現について実証を行っている イオンモール八幡東は 八幡東区東田地区全体の電力需要の 20~30% を占めており 当該施設でのエネルギーマネージメントによる効果は地区のエネルギー消費に大きく影響する このような大型のショッピングセンター ( 以下 SC ) がスマートコミュニティの核として再生可能エネルギー ( 太陽光発電設備 ) や スマート SC 型 BEMS を装備し DP の実施者 CEMS と連携した運用を行って近隣住民 テナントのエネルギー消費行動を誘導した場合の地域の電力負荷平準化や電力需給逼迫への抑制に対して どれくらいの効果があるかについて検証することが重要である 平成 24 年度の実証事業では 季節 天候による日射量の違いを正確に把握することで 期待できる再生可能エネルギー利用量 ( 太陽光発電設備 ) と施設内の消費エネルギー量を把握することで どの程度まで消費エネルギー量を低減できるかを判断し 施設内設備を最適にコントロールする一連のエネルギーの効率利用サイクルをマネジメントするシステムと再生可能エネルギー ( 太陽光発電設備 ) BEMS 計測機器 デジタルサイネージといったシステムを導入した 平成 25 年度は 平成 24 年度導入した スマート SC 型 BEMS を核としたシステムによるエネルギーマネージメント効果の検証を実施した 本実証は 以下の3 社 ( イオンリテール株式会社 イオンディライト株式会社 イオン九州株式会社 ) による共同実証により推進した 以下に各社の実施概要ついて記述する ( 尚 詳細は夫々のホームページ公開版成果報告を参照 ) 1
1. イオンリテール株式会社 平成 25 年度は下記の目標を設定 (1) イオンモール八幡東スマート SC 型 BEMS における WAON 連携ソフト改造 2. イオンディライト株式会社平成 25 年度は下記の目標を設定 (1) 太陽光発電装置の導入等による電力使用抑制電力マネジメント抑制目標値 : 140kW (2) エネルギーマネジメントの実施 DP 発令時の電力削減効果 : 37.5kW 3. イオン九州株式会社平成 25 年度は下記の目標を設定 (1) インセンティブプログラム ( 来店ポイント付与 ) による家庭の消費電力削減 DP 発令時の電力削減効果 : 37.5kW ( 家庭での使用量 1kW/ 戸として 37.5 戸分 ) 事業の概要 1. イオンリテール株式会社平成 25 年度において 次の実証を実施 WAONカードシステムにて集客 IPを実施後の来客者数データをスマートSC 型 BEM Sに取込むインテーフェース機能の開発およびスマートSC 型 BEMSへの実装を行った 2. イオンディライト株式会社平成 25 年度において 次の実証を実施 (1)CEMSと太陽光発電装置との連携: 太陽光発電システムを導入し コミュニティ内のエネルギーセキュリティにどのようなかたちで貢献できるかのモデルを構築する 2 次的なエネルギーセンターとしての機能をどれだけもって地域貢献できるのかを実証する (2) 近隣住民参加型 CEMS 連携 BEMS スマートSC 型 BEMS 施設内に スマートSC 型 BEMS を導入し テナント内に設置するスマートメーターと連携して飲食や物販といったテナントの種別に応じて形成される負荷パターンに合わせた施設内のエネルギーコントロールを行い CEMSと連携したスマートコミュニティ地区の電力需給安定化と電力負荷平準化に効果的に対応可能なシステム構築する 2
(2)-1 SC テナント 家庭一体化インセンティブプログラムメニューコミュニティ内でエネルギー使用のピーク時間帯にタイムセールやイベントを企画し積極的な集客を図ることで 家庭のエネルギー消費を減らし 集約効果によるコミュニティ全体のピークカットにどの程度貢献できるかを実証する そのためのインセンティブプログラムを開発 導入し その有効性を検証する (2)-2 見える化 細密制御による省エネ効果検証用スマート機器ホールなどの集客エリアにデジタルサイネージを テナント内にWiFiディスプレイを設置し積極的にエネルギーの見える化を図る また スマート機器に関連する制御が省エネに与える効果をレベル別に実証する 3. イオン九州株式会社平成 25 年度において 次の実証を実施 (1) IP(SC 来店ポイント付与 ) による家庭の消費電力削減 対象世帯の DP 時間帯の参加家庭の消費電力の削減を比較し IP の効果を検証する SC の消費電力への影響を検証する (2) IP の仕組みの構築 インセンティブを容易に付与できる仕組みを構築する チェーン店 全国規模などを拡大して展開可能な方式とできる インセンティブ付与の実証を夏季 冬季の DP 発令期間に行う DP 発令時間帯に店舗に来店されたことをインセンティブの条件とする IP の実施結果を分析する 加えて WAON カードをお使いの世帯の来店時の POS 購入データにより 買い物動向と IP の関係について分析する 今後のインセンティブプログラム展開に向けた課題等を抽出する 各社分担 ( 協同事業者がいる場合 ) イオンリテール株式会社データ取り込みのインターフェース作成 ( イオンモール八幡東 _ スマートSC 型 BEMSにおける WAON 連携ソフト改造 ) イオンディライト株式会社 2インセンティブプログラム (IP) 実施に伴うエネルギーマネージメント検証 (1) インセンティブプログラム実施時におけるエネルギー変動解析 IP 実施に伴うSC 来客数の計測 来客数増によるSCエネルギー消費状況分析 3
IPによるコミュニティ全体としての省エネ効果 (2) インセンティブプログラム実施に伴うエネルギーマネージメント化検討 来客数増に伴うエネルギー消費コントロールの見極め 3エネルギー解析業務 ( エネルギー DB 解析業務及び解析評価報告書作成 ) DR/DPに対するエネルギーマネージメント検証 テナント 共用部におけるエネルギーデータ分析 イオン九州株式会社 1ダイナミックプライシング発令時におけるインセンティブプログラムの導入と有効性検証 SC 来店ポイント付与によるインセンティブプログラムの構築 実証事業のスケジュール インセンティブプログラム (IP) 実施ダイナミックプライシング (DP) 実施 夏季平成 25 年 7 月 22 日 ( 月 ) ~9 月 30 日 ( 月 ) 平成 25 年 7 月 22 日 ( 月 ) ~9 月 30 日 ( 月 ) 冬季平成 25 年 12 月 16 日 ( 月 ) ~ 平成 26 年 1 月 31 日 ( 金 ) 平成 25 年 12 月 11 日 ( 水 ) ~ 平成 26 年 1 月 31 日 ( 金 ) 4
平成 25 年度の成果 1. イオンリテール株式会社項目 内容 実施形態 1WAON システムサーバー上の集客データを BEMS に取り込むデータ収集機能の追加 E-Mailインタフェースにより受信した週間別の集客データを日時別 時刻にマージする機能 ユーティリティーツールマクロの手動操作によるオペレーション 2WAON システム集客データを BEMS のデータベースへ書き込む 読み込むためのリード / ライト機能の追加 集客データを BEMS データと して分析可能な形式に変換 する機能 グラフ形式の基本フォーマッ ト作成および運用 (IP トリガ ー起動 ) 2. イオンディライト株式会社 _ [1] 実施内容数値目標実施結果 太陽光発電装置の導入等電力デマンド抑制値 [2] マネジメントの実施 140kW 37.5kW ( 対象 100 世帯 ) 最大 160kW 平均 9.9kW 最大 26.6kW 条件比較マネジメント対象 100 世帯 マネジメント対象 50 世帯 家庭での使用想定 1kW/ 戸 家庭での使用平均 0.6kW/ 戸 最大 1kW/ 戸 参加 37.5/100 世帯 参加 平均 17.2/50 世帯 参加率 37.5% 参加率 34.4% 参加 最大 26/50 世帯 参加率 52% 5
3. イオン九州株式会社 (1) インセンティブプログラム ( 来店ポイント付与 ) による家庭の消費電力削減 実施内容 数値目標 実施結果 夏季実証 平均 9.9kW DP 発令時の電力削減効果 IP による家 37.5kW 庭の消費電力最大 26.6kW ( 家庭での使用量 1kW/ 戸として削減 37.5 戸分 ) 冬季実証 変化が見られず (2) 来店ポイント付与によるインセンティブプログラムの構築目標 1 ICT と非接触 IC カードを使った効率的な IP システムの構築 2 DP 発令時のインセンティブプログラムの検討 3 参加者の IP 分析 POS 購買データの分析 4 店舗全体の来店動向との比較結果 1 WAON カード 並びに イオングループに展開中のハッピーゲートを専用化したシステムとして 来店ポイントを付与する仕組みを構築した 2 インセンティブとしては 来店ポイントとして DP 発令時間帯にイオン八幡東店に来店した場合に 100WAON ポイントを付与する 3 実証参加世帯における IP 参加の動向の分析 POS 購入との関連などを分析した インセンティブの魅力が評価され DP 発令時の来店 を促したが 今回実施したIPの効果向上には 外出予定の組み立てに時間の猶予が得られる 前日告知 がより有効であると考えられる 曜日などによる IP 参加率の周期変動 があった 参加率低下が想定される日 の 参加率向上のための施策 設定も必要である 冬季実証においては DP 発令時間帯の 16 時 ~19 時の時間帯に対して削減効果が少なく 夕飯の支度支援に直結するなどの IP 内容の検討は必要と感じる 4 店舗の全体客数の動向とも比較し 実施における課題の抽出を行った 6
実証事業全体の成果 本インセンティブプログラムの実証は平成 25 年度のみ実証であり 平成 25 年度の成 果に記す 7