工事費構成内訳書の提出について ~ 法定福利費の明示が必要になります ~ 平成 29 年 12 月 6 日 中日本高速道路株式会社

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法定福利費の明示について 1 社会保険等未加入対策 建設業者の社会保険等未加入対策として 社会保険等への加入を一層推進していくためには 必要な法定福利費が契約段階でも確保されていることが重要です 建設工事における元請 下請間では 各専門工事業団体が法定福利費を内訳明示した 標準見積書 を作成しており

PowerPoint プレゼンテーション

(2) 法定福利費の基本的な算出方法 法定福利費 = 労務費総額 法定保険料率 法定福利費は 通常 年間の賃金総額に各保険の保険料率を乗じて計算します しかし 各工事の見積りでは 労働者の年間賃金を把握することは不可能です そのため 見積額に計上した 労務費 を賃金とみなして それに各保険の保険料率

株式会社殿 住所 株式会社 見積金額 L ( 消費税込 ) ( 内訳 ) 項目数量歩掛単価金額 工事材料費 A 労務費 B 経費 ( を除く ) D=A+B +C 事業主負担額対象金額金額雇用保険料 B 1.050% p E B p 消費税等合計 御見積書 ( 例 ) 料率 健康保険料 ( 1 )

株式会社殿 住所 株式会社 見積金額 L ( 消費税込 ) ( 内訳 ) 項目数量歩掛単価金額 工事材料費 A 労務費 B 経費 ( を除く ) D=A+B +C 事業主負担額対象金額金額雇用保険料 B 1.050% p E B p 消費税等合計 御見積書 ( 例 ) 料率 健康保険料 ( 1 )

1 標準見積書とは 1-1 目的は 法定福利費 の原資確保 社会保険未加入の対策を進めるためには法定福利費の原資確保が重要である しかし従来は見積時から法定福利費が明確になっておらず その扱いが分かりにくい状況となっていた 今後は工事費総額ではなく その中に含まれる法定福利費を明示して必要な原資を確

社会保険等加入及び法定福利費を内訳明示した見積書に関する実態調査について 1. 調査の目的 これまでに実施してきた各施策に関する各建設企業における取組状況および施策の現場への浸透状況等を総合的に把握し 社会保険等未加入対策の目標達成を見据えた加入徹底方策を検討することを目的とする 2. 調査の概要

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(2) 法定福利費の算出方法 1 法定福利費 = 労務費総額 社会保険料率法定福利費は 通常 年間の賃金総額に各保険の保険料率を乗じて計算します しかし 各工事の見積りでは 労働者の年間賃金を把握することは不可能です そのため 見積額に計上した 労務費 を賃金とみなして それに各保険の保険料を乗じて

1 標準見積書とは 1-1 目的は 法定福利費 の原資確保 社会保険未加入の対策を進めるためには法定福利費の原資確保が重要である しかし従来は見積時から法定福利費が明確になっておらず その扱いが分かりにくい状況となっていた 今後は工事費総額ではなく その中に含まれる法定福利費を明示して必要な原資を確

A4 経営事項審査の受審状況により確認方法が異なります なお 適用除外は 労働者の就業形態等によって適用除外とならない場合もあることから 元請負人は 年金事務所等に適用除外となる要件を確認した上で判断してください 経営事項審査を受審している場合 有効期間にある経営規模等評価結果通知書総合評定値通知書

標準見積書に計上する 法定福利費 の算出は次の2つの方法とし 手順は以下の通り 1 施工見積の取付費総額から労務費を算出し それに法定福利費の保険料率を乗じる 2 これまでの施工実績をもとに施工従事者に支払った正味労務費から各商品の単位当りの法定福利費をあらかじめ算出した上で 法定福利費を簡便に算出

1 これまでの社会保険加入状況 2 社会保険の加入及び賃金の状況等に 関する調査結果 3 入札契約適正化法に基づく実施状況 調査結果 4 建設業許可業者の加入率 ( 推計値 ) 1

Q&A 集 Q1 社会保険等とは何か A1 社会保険等とは 健康保険 ( 協会けんぽ 健康保険組合等 ) 厚生年金保険 及び雇用保険をいいます Q2 国民健康保険組合に加入しているが 社会保険等未加入建設業者となるのか A2 法人や常時 5 人以上の従業員を使用する国民健康保険組合に加入している建設

建設業における社会保険未加入対策の概要 参考 1 背景 ( 建設業における課題 ) 社会保険未加入企業が多く存在し いざというときの公的保障が確保されず 若年入職者減少の一因となっている 適正に保険に加入し 法定福利費を負担している事業者が競争上不利になる 中央建設業審議会提言 ( 平成 24 年

働き方改革 魅力ある建設業の構築に向けて 特集 域によっても大きな差があり, 北陸地方や北海道 など一部の地方では平成 28 年 10 月調査の加入率が 80% を超えているのに対し, 大都市部のある関東 地方 (55%) や近畿地方 (60%) は低い加入率に 留まっている ( ) 建設マネジメン

社会保険加入促進計画に盛込むべき内容

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資料6 標準見積書の活用グラフ道塗連全体

2 低入札対策の拡充

れている者 個人事業所で5 人以上の作業員が記載された作業員名簿において 健康保険欄に 国民健康保険 と記載され 又は ( 及び ) 年金保険欄に 国民年金 と記載されている作業員がある場合には 作業員名簿を作成した下請企業に対し 作業員を適切な保険に加入させるよう指導すること なお 法人や 5 人

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基本問題小委員会における提言 ( 平成 26 年 1 月 ) 社会保険等未加入対策関係 1. これまでの中央建設業審議会 社会資本整備審議会基本問題小委員会における提言 1 行政 元請企業による加入指導 法定福利費確保に向けた取組等の総合的な対策を推進すべき 2 平成 29 年度を目途に 事業者単位

標準請負契約約款の概要 標準請負契約約款は 請負契約の片務性の是正と契約関係の明確化 適正化のため 当該請負契約における当事者間の具体的な権利義務関係の内容を律するものとして 中央建設業審議会が公正な立場から作成し 当事者にその実施を勧告するもの 建設業法第 34 条第 2 項 建設業法 ( 昭和

中央建設業審議会による提言について ( 平成 24 年 3 月 14 日 ) 建設産業における社会保険の徹底について ( 提言 ) 建設産業においては 下請企業を中心に 雇用 医療 年金保険について 法定福利費を適正に負担しない企業 ( すなわち保険未企業 ) が存在し 技能労働者の医療 年金など

Microsoft Word - QandA-tyougai

貴社についてご記入下さい 貴社の概要について 会社名会社の形態 ( は一つ ) 1 法 2 個 本社所在地 [ ] 都道府県 建設業許可 ( は一つ ) 複数の許可をお持ちの場合 年間完成工事高が一番多いものを一つ回答して下さい 主な許可業種 ( はいくつでも ) 従業者数 ( は一つ ) 期間の定

国土入企第 5 4 号 平成 31 年 2 月 22 日 建設業団体の長殿 国土交通省土地 建設産業局長 技能労働者への適切な賃金水準の確保について 技能労働者の確保 育成のためには 適切な賃金水準の確保等による処遇改善が極めて重要です 国土交通省においては これまでの 6 度にわたる公共工事設計労

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2. 工事請負契約標準見積書の活用は 建設業における技能労働者の処遇改善に対する取り組みである 建設業 非建設業の区分でみるように 建設業種区分に含まれない場合は 売買契約での取引で行うことになる 2.1. 改正建設業法に基づく行動指針 (1) 家具を受注する場合家具製作費 + 施工工事費となる 2

様式 3 社会保険等一括管理届 ( 一括適用 継続事業一括 ) 11 ページ 本社や支社等ごとに適用されている適用事業所について 本社で人事 給与等が集中的に管理されており 事業主が同一である等 一定の基準を満たすときは 本社において支社等を含めた一つの適用事業所とされる場合があります ( 健康保険

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動の徹底に関する決議 を行い 会員企業に適正価格での受注の徹底を要請したとこ ろである 今後の取り組み事項その 1 日建連は主な民間発注者団体に対し 法定福利費を適正に考慮した金額により見積及び契約締結を行うよう要請を行う予定であり 要請次第 会員企業に当該要請を踏まえた対応の周知を行う (2) 見

1 医療保険 年金保険についての確認書類 弊社が施工する建設現場に入場する協力業者および作業員の方には 作業所長の指示により 見積書提出時 新規入場時 安全書類提出時に 医療保険 年金保険の加入状況を確認する書 類 ( 下記 A~E いずれか一点 ) を提出または呈示していただきます A. 直近の保

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34(30) 等級の 報酬月額 欄は 厚生年金保険の場合 605,000 円以上 と読み替えて下さい 4. 平成 27 年度における協会けんぽの任意継続被保険者の標準報酬月額の上限は 280,000 円です 5. 健康保険組合に加入する方の健康保険料額については 加入する健康保険組合へお問い合わせ下

懸念事項

スライド 1

Microsoft Word - 01社会保険等加入対策に係る事務処理要領

p10 建設産業における社会保険加入の徹底について(提言)

社会保険等未加入に対する取組 平成 29 年度を目途に 企業単位では加入義務のある建設業許可業者の加入率 100% となるよう社会保険等未加入企業に対する加入指導を強化します 実施項目経営事項審査の厳格化 平成 24 年 7 月より実施 建設業担当部局による立入検査 実施内容 経営事項審査において

社会保険等の未加入対策 ( 建設業 ) に関する FAQ 平成 31 年度以後 Q1 発注者として 社会保険等の未加入対策に取り組んでいるのはなぜか A1 社会保険等に加入し 法定福利費を適正に負担する建設業者を確実に契約の相手方とすること等を通じて 技能労働者の処遇の向上を図り 建設業の持続的な発

Ⅰ 概要について 一次下請契約者を社会保険等加入業者に限定します 平成 29 年 4 月 1 日以降に契約締結した工事において 受注者は 原則として社会保険等未加入業者を下請契約 ( 受注者が直接契約締結するものに限る 以下 一次下請契約 という ) の相手方としないこととします 追加 建設工事契約

社会保険等未加入業者との下請契約 (1 次 ) 禁止にかかる事務手続フロー 施工体制台帳により加入状況を確認 工事監督員 添付された加入を証明する書類にて確認します 未加入 加入 適用除外 契約担当に報告するとともに, 受注者に対し, 書面にて当該下請契約を締結した具体的な理由を記載した書面を提出す

特別の事情 が認められる場合( 2) 特殊な技術 機器又は設備等 ( 以下 特殊技術等 という ) を必要とする工事で 特殊技術等を有する者と下請契約を締結しなければ契約の目的を達することができないことや その下請業者でなければ目的を達することが困難となることが明らかな場合 特別の事情 に該当しない

Ⅱ 取組み強化のためのアンケート調査等の実施 (1) 建設技能労働者の賃金水準の実態調査国土交通省から依頼を受けて都道府県建設業協会 ( 被災 3 県及びその周辺の7 県を除く ) に対し調査を四半期ごとに実施 (2) 適切な賃金水準の確保等の取組み状況のアンケート調査国は 平成 25 年度公共工事

Q4 建設業の許可を有しない下請負人 ( 下請業者 ) も対象になるのか A4 本対策は 建設業許可を有する者のうち 社会保険等の加入義務を履行していない者を取組みの対象としています 建設業の許可を有しない者との一次下請契約の締結を禁止していません ( 交通誘導員等の警備業のみを行う者も対象外 )

下請契約からの社会保険等未加入建設業者の排除等に係る Q&A Q1 社会保険等とはなんですか A1: 雇用保険 健康保険 厚生年金保険の 3 保険のことをいいます Q2 社会保険等に未加入 というのはどういう場合か A2: 社会保険等に未加入 とは 社会保険等の適用を受ける事業所でありながら 各保険

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財営第   号

0-1_県発注工事における社会保険加入説明会次第

特別の事情 が認められる場合 ( 2) 特殊な技術 機器又は設備等 ( 以下 特殊技術等 という ) を必要とする工事で 特殊技術等を有する者と下請契約を締結しなければ契約の目的を達することができないことや その下請業者でなければ目的を達することが困難となることが明らかな場合 特別の事情 に該当しな

ただし 受注者が下請業者と直接契約を締結 ( 以下 一次下請契約 という ) した請負代金の総額が3,000 万円 ( 建築一式工事の場合は4,500 万円 ) 以上の場合は 次のとおり取り扱うものとする ア主管部長 ( 岐阜市契約規則 ( 昭和 39 年規則第 7 号 ) 第 4 条に規定する部長

ア事業担当課長 ( 岐阜市上下水道事業部契約規程 ( 昭和 41 年水道部管理規程第 3 号 ) 第 4 条に規定する部長 ) は 工事請負契約約款第 7 条の2 第 2 項の規定に基づき 受注者に対して 期限を定め 当該下請契約を締結した具体的な理由を載した書面を求めるものとする ( 様式 1)

法定福利費を別枠計上する 標準見積書 の作成手順について 目次 1. はじめに 1 2. 基本的な考え方 1 (1) 見積条件 1 (2) 積算構成項目 1 (3) 個人事業主及び一人親方の場合 1 (4) 保険適用について 2 3. 法定福利費の算出方法 2 (1) 見積書に明示する法定福利費事業

なお 受注者から指定した期日までに保険加入を確認できる書類が提出されない場合は 埼玉県流域下水道事業建設工事標準請負契約約款第 7 条の3 第 1 項の規定に違反することとなる旨を併せて通知します 3 発注者が 理由書 ( 一次 ) によっても当該特別の事情を有すると認めないと判断した場合は 受注者

一般社団法人送電線建設技術研究会関西支部社会保険等の加入促進計画 1. はじめに 平成 27 年 4 月 24 日制定 建設産業においては 健康保険 厚生年金保険及び雇用保険 ( 以下 社会保険等 という ) の 1 法定福利費を適正に負担しない企業が存在し 技能労働者の医療 年金など いざというと

建設業における社会保険未加入問題への行政の取り組み

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該当するか否かについて判断し その結果を式第 3により記録しなければならない 3 社会保険等未加入建設業者と下請契約を締結することについて 提出期限内に理由書の提出がなかった場合は 工事担当課長は 式第 4により以下の額について制裁金を請求する旨を受注者に通知するものとする P=C 0.1 P: 制

建設業における社会保険未加入対策 ( 今までの主な取組 ) 中央建設業審議会 建設産業における社会保険加入の徹底について ( 提言 ) ( 平成 24 年 3 月 ) 関係者を挙げて社会保険未加入問題への対策を進めることで 技能労働者の処遇の向上 建設産業の持続的な発展に必要な人材の確保 法定福利費

2 出勤簿 賃金個人台帳 は各人の賃金月額から 健康保険 年金保険 雇用保険についての法定福利費や 国保 国民年金に対する事業主の任意による上乗せ負担分を算出し 事業主負担分と本人負担分を経理した上で 実際の支給額を算出できるようにしました また 出勤簿と一体とし 簡易に法定帳簿の備付ができるように

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元請企業から下請企業への指導 25. 社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン とは P10 平成 27 年 4 月 1 日から適用する 社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン の具体的な改訂内 26. 容は P 元請企業に求められる保険未加入者の排除措置はどのようなものか P11

一人親方等(第2種)特別加入団体の年度更新手続等について 

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1. 休日 適正工期の確保について 働き方改革関連法がいよいよ今年 4 月に施行します そんな中で建設業界でも 大手ゼネコンで組織する日本建設業連合会 ( 日建連 ) が 2019 年度末までに 4 週 6 閉所以上を実現することを中間目標とし 2021 年度末までにすべての事業所で週休二日 ( 土

なお 事業所の形態によって企業単位及び労働者単位で加入すべき保険の種類が異なる このため 事業所形態に応じて社会保険料の事業主負担分の内訳明示額の対象が以下のようになるので 留意されたい 1 法人事業所 労災保険全ての警備員に係る労災保険料 雇用保険常用警備員の雇用保険料事業主負担額 健康保険料健康

4 受注者による社会保険等の加入状況の確認 (1) 確認方法 1 下請負契約の締結前に, 相手方の社会保険等への加入状況を, 保険料の領収済通知書等により確認してください ( 適用除外の場合, 除外事由を相手方から資料等で確認してください ) 2 下請負契約の締結後, 施工体制台帳等を作成し, 工事

公共事業労務費調査 ( 企業別 労働者別 )1 公共事業労務費調査 ( 平成 27 年 10 月調査 ) における社会保険加入状況調査結果をみると 企業別の加入率は 雇用保険では 98% [ 対前年度比 +1.4% ] 健康保険では 97% [ 対前年度比 +2.4% ] 厚生年金保険では 96%

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2. 提出資料一覧表 落札予定者に求める提出資料は 要請書に示す調査区分 ( 基本調査または重点調査 ) に応じて下表に を付している内容とする なお 調査区分が 基本調査 の場合は 3 頁 ~4 頁に基づき作成すること 調査区分が 重点調査 の場合は 5 頁 ~7 頁に基づき作成すること 様式番号

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Microsoft PowerPoint 記者発表資料別添(セット)

(案)


2. その他 (1) 現場事務所や工事現場の出入口等の 建退共対象労働者の見やすい場所に 建設業退職金共済制度適用事業主工事現場標識 を貼り付けてください (2) 元請業者においては 下請業者に建退共制度への加入指導に努めるとともに 下請業者の建退共制度の事務処理能力が十分でない場合には 下請業者に

3. 保険加入義務のあるのある営業所 ( 適用事業所 ) について社会保険法人の事業所 ( 営業所 ) 及び個人経営で常時 5 人以上の労働者を使用する事業所 ( 営業所 ) が適用事業所に該当します 雇用保険については 労働者を 1 人でも雇用する事業所 ( 営業所 ) が適用事業所に該当します

平成23年度第1回人材確保・育成部会

2

平成 30 年 3 月 22 日 民間発注企業の長殿 国土交通省土地 建設産業局長 建設業の働き方改革の推進について 政府の 働き方改革実行計画 ( 平成 29 年 3 月 28 日働き方改革実現会議決定 ) においては 労働基準法の改正の方向性として 労使協定を結ぶ場合においても上回ることのできな

(問)被用者保険の被扶養者に対する2年間の経過措置になる軽減額は、他の被保険者の保険料で補填すると考えてよいのか


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別紙 1 健康保険料 介護保険料 厚生年金保険料 子ども 子育て拠出金 1. 複数資金間での負担配分について (1) 複数の外部資金間での負担配分当該外部資金管理者間の調整により任意に負担割合等を決定する (2) 外部資金と経常費間での負担配分 A. 外部資金による常勤の雇用者に経常費による手当支給

老高発 0713 第 1 号 平成 30 年 7 月 13 日 各都道府県介護保険主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省老健局高齢者支援課長 ( 公印省略 ) 居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について の一部改正について 今般 居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について (

表紙1_4

社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン改訂案 現行第 1 趣旨建設産業においては 健康保険 厚生年金保険及び雇用保険 ( 以下 社会保険 という ) について 法定福利費を適正に負担しない企業 ( すなわち保険未加入企業 ) が存在し 技能労働者の医療 年金など いざというときの公的保障が確保さ

別記様式 2 地方整備局長 知事 支社支社長 印 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律第 11 条 社会保険等未加入 業者 の通知について 公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律 ( 以下 法 という ) 第 11 条に基づき 弊社の発注工事において社会保険等未加入業者の存在が

年度更新申告書計算支援

プレゼンテーションタイトル

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Microsoft PowerPoint - 02 別添 パンフレット (3)

他方で 下請企業を中心に保険未加入企業が存在している状況を改善していくためには 元請企業において下請企業の保険加入を指導する役割を担うことが求められる これについては 従来から 建設産業における生産システム合理化指針 ( 平成 3 年 2 月 5 日建設省経構発第 2 号 ) において 元請企業が下

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Microsoft Word - 修正2_建設業における社会保険未加入対策について

適正化法に係る書類 ( 様式目次 ) 下記書類は( 甲 ) 第 23 号に添付の上提出のこと 名 称 様 式 備 考 頁 請負工事において 元 施工体制台帳 請が下請契約を締結し工事適正化推進要領様式第 1 号た場合に提出する 110 再下請負通知書工事適正化推進要領様式第 2 号 112 施工体系

Microsoft Word - 介護保健最新情報vol.583.doc

重要 建設工事の標準請負契約約款の改正について ( 社会保険への加入の促進 ) 平成 31 年 2 月 6 日 総務部財政課 須坂市では 建設工事等入札参加資格者に社会保険の加入を義務付けており 未加入の下請け企業についても元請企業から加入指導するよう求めています 平成 29 年 7 月 中央建設業

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工事費構成内訳書の提出について ~ 法定福利費の明示が必要になります ~ 平成 29 年 12 月 6 日 中日本高速道路株式会社

法定福利費の明示 1 法定福利費を明示する趣旨 建設業者の社会保険等未加入対策として 当社の発注する工事では 平成 29 年 4 月 1 日より全ての下請負人に対し 社会保険等への加入を義務化 ( 法令により適用除外となる場合を除く ) 社会保険等への加入を一層推進していくためには 必要な法定福利費が発注者 受注者間の契約段階で確保されていることが重要 元請 下請間では 各専門工事業団体が法定福利費を明示した 標準見積書 を作成しており その活用が進展 当社においては 発注する工事について 契約締結後 14 日以内に工事費構成内訳書 ( 事業主負担分の法定福利費を明示した内訳書をいう ) を提出する規定を共通仕様書に新設します 標準見積書の提出状況 ( 下請企業への質問 ) ほとんどの工事で提出している (8 割以上 ) おおむね提出している (5~8 割程度 ) あまり提出していない (3~5 割程度 ) ほとんど提出していない (1~3 割程度 ) まったく提出していない (1 割未満 ) 取組自体がよくわからない 平成 26 年 16.4 15.3 11.4 18.8 30.0 6.4 1.7 平成 27 年 26.5 18.0 11.2 18.3 20.0 3.4 2.5 平成 28 年 37.3 20.6 12.4 14.2 12.0 2.4 1.0 0 20 40 60 80 100 31.7% 57.9% ( 出典 ) 法定福利費を内訳明示した見積書の活用状況等に関するアンケート調査 ( 平成 28 年調査 : 回答数約 3100 件 ) 2

法定福利費の明示 2 法定福利費を明示する意義 現場労働者 ( 受注者と全ての下請負人 ) の法定福利費は 工事ごとの請負金額の中に確保されている必要があります このため 工事費構成内訳書において法定福利費を明示することにより 元請 下請間での必要な法定福利費の確保につなげます ( 活用イメージ ) 発注者 工事費構成内訳書 法定福利費支払い 工事費構成内訳書の活用 受注者 法定福利費を内訳明示した見積書又は請負代金内訳書 下請企業 法定福利費を請負金額に反映 標準見積書 や請負代金内訳書の活用 平成 25 年度より 見積書に法定福利費を明示する取組を推進 技能労働者 必要な保険へ加入 3

法定福利費の算出 1 必要な法定福利費の算出方法 社会保険料は 保険に加入する労働者の賃金をもとに 支払わなければならない額が決まります 工事ごとに現場労働者の労務費が発生するのとあわせ 工事ごとに法定福利費が必要となります < 法定福利費の計算方法 > (1) 労務費を算出し 法定福利費を求めるケース 入札書や見積書作成の際 直接工事費の積算において労務費を使用している場合 当該労務費を使用 入札書や見積書作成の際 直接工事費の積算において労務費を使用していない場合 過去の工事実績から平均的な労務費比率を算出し これを工事費に乗じて 労務費を算出 労務費に各保険の保険料率を乗じることで 法定福利費を算出法定福利費 = 労務費総額 法定保険料率 ( 事業主負担分 ) (2) 労務費の算出が困難なケース 過去の工事実績から平均的な法定福利費の割合を算出し これを工事費に乗じて 法定福利費を算出法定福利費 = 工事費 工事費あたりの平均的な法定福利費の割合 (3) 下請企業から提出された見積書等を活用するケース 下請企業から提出された法定福利費を内訳明示した見積書等を活用 ( 明示された法 定福利費の額を合算 ) 法定福利費 = ( 元請の法定福利費 )+( 下請 Aの法定福利費 )+ ( 下請 Bの法定福利費 )+ ( 下請 の法定福利費 ) 参考 平成 29 年 9 月現在の各法定保険料率 ( 1) 健康保険料 ( 2) 介護保険料 ( 3) 子ども 子育て拠出金厚生年金保険料 全額事業主負担分本人負担分 9.92% 4. 960% 4.960% 1.65% 0.23% 18.30% 0. 825% 0.825% 0.230% ( 負担なし ) 9. 150% 9.150% 雇用保険料 1.20% 0.800% 0.400% 15. 965% 1 料率は都度変更されます 所管官庁のホームページで確認できます 2 都道府県によって料率が変わります 上表は協会けんぽの愛知県の料率です 3 40 歳以上 65 歳未満の方が対象となります 現場労働者全体に占める割合により事業主負担分が変わります 4

法定福利費の算出 2 社会保険の適用関係 所属する事業所労働保険社会保険就労形態事業所の形態常用労働者の数雇用保険医療保険 ( いずれか加入 ) 年金保険 法人 個人事業主 1 人 ~ - 5 人 ~ 1 人 ~4 人 - 常用労働者 役員等 常用労働者 常用労働者 事業主 一人親方 雇用保険 - 雇用保険 雇用保険 - 協会けんぽ 健康保険組合 適用除外承認を受けた国民健康保険組合 ( 建設国保等 ) 協会けんぽ 健康保険組合 適用除外承認を受けた国民健康保険組合 ( 建設国保等 ) 協会けんぽ 健康保険組合 適用除外承認を受けた国民健康保険組合 ( 建設国保等 ) 国民健康保険 国民健康保険組合 ( 建設国保等 ) 厚生年金 厚生年金 厚生年金 国民年金 国民健康保険国民年金 国民健康保険組合( 建設国保等 ) ( 平成 29 年 10 月時点 ) : 事業主負担あり : 個人で加入 ( 事業主負担なし ) 年金事務所健康保険の適用除外の承認を受けることにより 国民健康保険組合に加入する 国民健康保険組合は 保険料の事業主負担がある場合とない場合がある 3 法定保険料の調べ方 雇用保険料 厚生労働省 HP: 雇用保険保険料率 で検索健康保険料 & 介護保険料 全国健康保険協会 HP: 健康保険保険料額表 で検索厚生年金保険 & 子ども 子育て 日本年金機構 HP: 厚生年金保険料額表 で検索 5

算出に当たっての留意事項 1 内訳明示する法定福利費について 内訳明示の対象 健康保険の保険料は介護保険料 厚生年金保険の保険料は子ども 子育て拠出金と一体で徴収されることから 内訳明示する法定福利費には これらの事業主負担分も含まれます 内訳明示を求められている法定福利費以外の費用 ( 例 : 社会保険料の個人負担分 ) を除くことが困難な場合は 当該費用が含まれることを明記して下さい 内訳明示の方法 法定福利費の算出方法によっては 必ずしも個々の社会保険の法定福利費を算出できるとは限らないため 社会保険の種類ごとに明示せず まとめて明示することでも差し支えありません 工事費目 ( 直接工事費 現場管理費等 ) ごとに法定福利費を内訳明示するのではなく 請負代金総額に対して内訳明示することで差し支えありません 2 法定福利費の算出について 受注者は 下請負人に工事を発注する予定がある場合には < 法定福利費の計算方法 > 中の 労務費総額 又は 工事費 に下請負人の負担分を含めた上で算出することに留意して下さい 受注段階で下請負人が確定しておらず 下請負人が社会保険の適用対象なのか 適用除外 ( 法定福利費無し ) なのか不明である場合には 全ての下請負人が社会保険に加入しているという前提で算出した法定福利費を明示して下さい 6

その他 1 詳しい情報について 法定福利費の算出方法に関しては 国土交通省のホームページ等にも掲載されていますので 参考にして下さい 各専門工事業団体の作成した業種ごとの 標準見積書 法定福利費を適切に明示するため 各専門工事業団体において 標準見積書 を作成しており その中で算出方法等の考え方が記載されています 掲載先 国土交通省 HP: 標準見積書 で検索 法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順 詳細版 国土交通省の公表している 法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順です 業種等に関わらず 見積書の標準的な作成手順が記載されています 掲載先 国土交通省 HP: 法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順 で検索 7

参考 工事費構成内訳書の様式 ( 様式 - ) 工事費構成内訳書 ( 工事名 ) 自動車道 工事 工種 種別 細別 単位数量金額摘要 単価表の合計金額式 1 0 諸経費 1 式 1 0 諸経費 2 式 1 0 工事価格 0 消費税及び地方消費税相当額式 1 0 工事費合計 0 工事価格のうち 現場労働者に関する健康保険 厚生年金保険及び雇用保険の法定の事業主負担額 0 諸経費は 該当する項目のみ記載すること 法定福利費の算出根拠を添付すること 8