資料 5 事故防止に向けた政策動向 平成 29 年 10 月 厚生労働省労働基準局安全衛生部
職場における死亡災害撲滅に向けた緊急要請 (1/2) 労働災害の発生件数は 労使の皆様をはじめ 関係各位のご尽力により長期的には着実に少してきており 特に死亡者数は 昨年は2 年連続で過去最少となりました しかしながら 休業 4 日以上の死傷者数は 昨年は前年より増加し 平成 29 年も少傾向がみられない状況です また 平成 29 年は死亡災害が夏場に急増し 対前年比で9.6%(8 月末現在 ) の増加となっております この傾向が続けば 死傷災害 死亡災害ともに前年に比べ増加という極めて憂慮すべき事態も十分想定されます 特に 8 月単月では 死亡災害は 前年同月比 57.1% の大幅な増加となっており ここ最近発生した死亡災害を個別にみると 基本的な安全管理の取組が徹底されていないことによるものが多数見られ 企業の景況感が改善する中 人手不足が顕在化し 安全衛生管理体制がおろそかになっている状況が懸念されます 一方 第 12 次労働災害防止計画では 死亡災害 死傷災害ともに平成 24 年比で平成 29 年までに15% 以上少させることを目標としていますが 平成 29 年度が最終年度であり 上記の労働災害発生状況を踏まえると 相当の危機感を持って労働災害防止対策に取り組む必要があります 1
(2/2) 労働災害は本来あってはならないものであり 特に死亡災害の撲滅を目指した不断の取組が必要です また 労働災害のない職場づくりは 人材を確保 養成し 企業活動を活性化する上でも 大きなメリットをもたらします 事業者の皆様におかれましては 死亡災害の撲滅及び労働災害全体の少に向け 基本的な安全活動の着実な実施 確認という原点に立ち返って企業の安全衛生活動を今一度総点検していただくよう要請いたします その上で 労使の皆様をはじめ 関係者が一体となって以下の取組を徹底し 労働災害防止に努めていただきますよう 併せて要請いたします 1 安全作業マニュアルの遵守状況を確認するなど 職場内の安全衛生活動の総点検を実施すること 2 安全管理者 安全衛生推進者 安全推進者等を選任し その職務を確実に遂行させるなど 事業場の安全管理体制を充実すること 3 雇入れ時教育等を徹底するなど 効果的な安全衛生教育を実施すること 平成 29 年 9 月 22 日 厚生労働省労働基準局 安全衛生部長田中誠二 2
労働災害発生状況 ( 平成 29 年 1 月 ~8 月の速報値 ) 死亡災害 +49 人 (+ 9.6%) 休業 4 日以上の死傷災害 +600 人 (+0.9%) 600 500 400 300 200 100 ( 人 ) ( 人 ) 508 人 39 20 109 155 557 人 42 27 112 186 53 69 132 121 その他 林業 製造業 建設業 陸上貨物運送事業 小売業等 70,000 60,000 50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 65,885 人 66,485 人 3,684 3,598 956 770 15,150 15,133 8,576 8,566 8,003 8,319 29,516 30,099 その他 林業 製造業 建設業 陸上貨物運送事業 小売業等 0 0 H28 H29 H28 H29 出典 : 死亡災害報告 出典 : 労働者死傷病報告 3
事故の型別労働災害発生状況 ( 平成 29 年 1 月 ~8 月の速報値 ) 死亡災害 557 人 前年同期比 +9.6% 休業 4 日以上の死傷災害 66,485 人 前年同期比 +0.9% 爆発 火災 8 人 (+3 人 ) 爆発 火災 81 人 ( 5 人 ) 高温 低温物との接触, 24, 4% 崩壊 倒壊, 36, 6% 激突され, 53, 10% その他, 89, 16% はさまれ 巻き込まれ, 93, 17% 墜落 転落, 155, 28% 交通事故 ( 道路 ), 107, 19% 交通事故 ( 道路 ), 4,232, 6% 切れ こすれ, 4,488, 7% その他, 14,207, 21% 動作の反動 無理な動作, 8,423, 13% はさまれ 巻き込まれ, 8,306, 13% 転倒, 15,590, 23% 墜落 転落, 11,239, 17% 出典 : 死亡災害報告 出典 : 労働者死傷病報告 4
業種別死亡災害発生状況 ( 平成 29 年 1 月 ~8 月の速報値 ) 508 139 41 82 109 全産業 557 149 53 93 107 その他 爆発 火災 5 人 8 人 (+60%) 激突され はさまれ 巻き込まれ 交通事故 ( 道路 ) 109 33 8 2 製造業 ±0% +300% 13 11 15.4% 112 33 16 ±0% 16 6 8 爆発 火災 2 人 6 人 (+200%) その他 崩壊 倒壊 高温 低温物との接触 激突され 墜落 転落 155 39 10 16 14 建設業 186 44 18 19 24 その他 はさまれ 巻き込まれ 崩壊 倒壊 交通事故 ( 道路 ) 137 155 墜落 転落 +2.7% 37 38 はさまれ 巻き込まれ 76 81 墜落 転落 H28 H29 H28 H29 H28 H29 出典 : 死亡災害報告 5
月別死亡災害発生状況 ( 平成 29 年 1 月 ~8 月の速報値と平成 28 年同時期との比較 ) 70.0% 60.0% 57.1% 50.0% 40.0% 30.0% 20.0% 10.0% 0.0% -10.0% 14.1% +10 人 (71 81) 19.5% +15 人 (77 92) -2 人 (71 69) -2.8% -12 人 (71 59) -4 人 (63 59) -6.3% 4.0% +2 人 (50 52) 25.4% +16 人 (63 79) +24 人 (42 66) -20.0% -16.9% -30.0% 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 出典 : 死亡災害報告 6
第 12 次労働災害防止計画に関する状況 (1 月 ~8 月の速報値の比較 ) 目標 死亡災害 平成 24 年よりも 14.7% 少 製造業は同 11.1% 少 建設業は同 20.2% 少 700 680 660 640 620 600 580 560 540 520 500 140 130 120 110 100 90 250 240 230 220 210 200 190 180 170 160 150 653 573 平成 29 年までに 労働災害による死亡者数を 15% 以上少させる ( 平成 24 年比 ) 平成 29 年までに 労働災害による死傷者数 ( 休業 4 日以上 ) を 15% 以上少させる ( 平成 24 年比 ) 618 全産業 564 508 557 126 117 116 製造業 101 109 555 233 196 233 建設業 197 155 5 年で 15% 120 5 年で 5% 112 5 年で 20% 186 186 8,400 8,200 8,000 7,800 7,600 7,400 7,200 7,000 7,900 7,700 7,500 7,300 7,100 6,900 6,700 6,500 6,300 6,100 5,900 5,700 5,500 休業 4 日以上の死傷災害 平成 24 年より 2.2% 少 陸上貨物運送事業は同 4.4% 増加 小売業は同 1.9% 増加 社会福祉施設は同 32% 増加 飲食店は同 12% 増加 7,966 8,044 8,207 70,000 69,000 68,000 67,000 66,000 65,000 64,000 63,000 62,000 61,000 60,000 59,000 58,000 57,000 56,000 55,000 8,043 68,001 全産業 67,007 65,807 65,144 65,885 8,003 小売業 7,394 6,982 陸上貨物運送事業 8,319 5 年で 10% 7,169 7,307 7,222 7,463 7,536 5 年で 20% 5,915 4,400 4,200 4,000 3,800 3,600 3,400 3,200 3,000 3,000 2,700 2,400 2,100 1,800 1,500 3,356 66,485 5 年で 15% 3,529 57,801 社会福祉施設 3,678 3,830 4,218 4,431 2,291 2,349 2,385 飲食店 5 年で 10% 3,020 2,474 2,586 2,566 5 年で 20% 1,833 7
力義務発散抑制 保護具 労働安全衛生法令における化学物質管理体系 ( 概要 ) 流通 取扱時 約 7 万物質 663 物質 121 物質 有機溶剤 特定化学物質等 健康診断等の義務 一定の危険 有害性をもった物質務新規化学物質年間約 1,000 件 石綿等の製造禁止物質リラSベDルS表交示付義義務スクアセスメント義務努力義務8 物質努力義務努力義務RA結果に基づく措置努 物質数は H29.10.1 時点 121 物質 は 安衛令別表第 9 等 (663 物質 ) の数え方とあわせており 省令 ( 有機則 特化則等 ) の数え方とは一致しない 約 7 万物質 は労働安全衛生法上の名称公表物質の概数 8
危険有害性情報の伝達と RA 原材料のメーカー輸入業者 安全データシート (SDS) --------------------- --------------------- 化学物質 事業場 原材料 製造 取扱い方法の決定 危険有害性の特定 リスクの見積もり リスク低措置の検討 実施 ( 局排設置 保護具着用等 ) 周知 --------------------- --------------------- 9
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公開中の主な化学物質リスクアセスメント支援ツール等 掲載先 / 主体概要 ( 掲載情報 ) 職場のあんぜんサイト ( http://anzeninfo.mhlw.go.j p/user/anzen/kag/ankgc07.htm) 厚生労働省 化学物質リスク簡易評価法 ( コントロール バンディング ) 液体等取扱作業 ( 粉じん作業を除く ) 鉱物性粉じん又は金属性粉じん発生作業 検知管を用いた化学物質のリスクアセスメントガイドブック 爆発 火災リスクアセスメントスクリーニング支援ツール 工業塗装 印刷 めっき作業のリスクアセスメントシート ( 職場のあんぜんサイトからリンク ) ECETOC-TRA サイト 欧州化学物質生態毒性 毒性センター (ECETOC) ( 職場のあんぜんサイトからリンク ) EMKG Software 2.2 the Federal Institute for Occupational Safety and Health(BAuA) ECETOC が開発したリスクアセスメントツール (ECETOC-TRA) EXCEL ファイル ( 英語版 ) をダウンロードして作業方法等を入力することで定量的な評価が可能 日本語マニュアルあり (( 一社 ) 日本化学工業協会が日本語版を提供 ( 会員又は有料利用 ) ) 独安衛研 (BAuA) が提供する定量的評価が可能なリスクアセスメントツール ( 英語版 ) EMKG-EXPO-TOOL(EMKG 2.2 からばく露評価部分を抽出 ) 11