1 第 2 章都道府県知事の認定について 第 1 節第一種特例贈与認定中小企業者 贈与税の納税猶予制度の認定要件 ( 施行規則第 6 条第 1 項第 11 号 ) 贈与税の納税猶予制度の適用を受けるには 以下の要件等を満たすことが必要です 1 対象会社要件 中小企業者であること 上場会社等 風俗営業

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贈与税の納税猶予制度の認定要件 ( 施 規則第 6 条第 1 項第 13 号 ) 贈与税の納税猶予制度の適 を受けるには 以下の要件等を満たすことが必要です 3 ( 贈与者 ) 先代経営者以外の株主等の要件 先代経営者からの贈与 は相続以後に 贈与を った者であること ( 先代経営者からの贈与 は相

事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

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株式の贈与 相続税を ゼロ に! 中小企業の事業承継税制と金融支援 - 中小企業経営承継円滑化法事業者向け手引き - 神奈川県

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1 非上場株式等についての贈与税の納税猶予及び免除の特例 ( 租税特別措置法第条の 7 の 5) 特例措置 ⑴ 制度のあらまし ( 注 1 円滑化法の認定 ) を都道府県知事から受ける非上場会社の後継者である受贈者 ( 特例経営承継受贈者 といいます ) が 贈与者から非上場会社の株式又は出資 (

参考. 改正前の制度概要 ( 改正対象は太字 ) (1) 税の納税猶予の全体像 ( 概要 ) の要件 会社の代表者であったこと 時には代表権を有していないこと と同族関係者で決議数の 50% 超の株式を保有かつを除いた同族内で筆頭株主であったこと 認定対象会社の要件 の要件 会社の代表者であること

6 贈与認定申請基準事業年度の貸借対照表 損益計算書など会社法第 435 条第 2 項又は第 67 条第 2 項に規定する書類 貸借対照表 損益計算表 株主 ( 社員 ) 資本等変動計算書 個別注記表 事業報告書 附属明細書 ( 勘定科目内訳書 ) 7 当該贈与の時から当該贈与に係る贈与認定申請基準

平成19年12月○日

2. 制度の概要 この制度は 非上場株式等の相続税 贈与税の納税猶予制度 とは異なり 自社株式に相当する出資持分の承継の取り扱いではなく 医療法人の出資者等が出資持分を放棄した場合に係る税負担を最終的に免除することにより 持分なし医療法人 に移行を促進する制度です 具体的には 持分なし医療法人 への

(1) 改正の内容 内容 現行制度 特例制度 納税猶予対象株式 納税猶予税額 発行済議決権株式総数の 3 分の 2 に達するまでの株式 贈与の場合 : 納税猶予対象株式に係る贈与税の全額 相続の場合 : 納税猶予対象株式に係る相続税の 80% 取得した全ての株式 贈与の場合 : 納税猶予対象株式に係

申請マニュアル P25~37 参照 贈与報告基準日における当該中小企業者の定款の写し 会社に保存している贈与報告基準日において有効な定款の写しに 年次報告日付けで原本証明をして提出 原本証明の記載例 この写しは 贈与報告請基準日 ( 平成 25 年 3 月 5 日 ) における当社定款の原本と相違な

申請に当たって 提出が必要な添付書類は下記のとおりです 1. 認定申請書 ( 原本 1 部 写し 1 部 ) 2. 贈与認定申請基準 時点で有効な申請会社の定款の写し 第 種特例贈与認定申請基準 において有効な定款の写しを添付してください この写しに 原本証明をしてください 原本証明の例 この写しは

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7 相続の開始の日から相続に係る相続認定申請基準日において中小企業者が上場会社等又は風俗営業会社に該当しない旨の誓約書 様式自由 法人実を押すこと 申請マニュアル P2~25 参照 4 8 特別子会社に関する以下の誓約書 相続の開始の時において特別子会社が外国会社に該当する場合であって 申請者又はそ

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

第一法基通改正7

1. はじめに 中小企業経営者の高齢化が進展する中 事業承継の円滑化は喫緊の課題です 平成 30 年度税制改正において 事業承継の際に生ずる相続税 贈与税の負担を軽減する 非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例 ( 以下 事業承継税制 ) が抜本的に改正されました 本改正では

目次 特例措置の概要等... 5 ( 問 1) 非上場株式等についての相続税 贈与税の納税猶予及び免除に係る一般措置と特例措置との違い... 5 ( 問 2) 相続開始後の特例承継計画の提出... 8 ( 問 3) 特例措置の対象となる株式等の種類... 9 ( 問 4) 特例措置における雇用確保要

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4. 共同企業体を結成する場合 構成企業情報 共同企業体を結成しない場合は空白のままご提出ください 構成企業 1 名 企業所在地域 ( 都道府県 )( 選択ください ) 郵便番号 本社所在地住所 TEL 代表者役職 ( 登記簿上の役職名 ) 代表者名 担当者所属部署名 担当者役職 担当

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平成 25 年度税制改正解説相続税 ~ 基礎控除の引き下げ 税率構造の見直し等 法定相続人の数と基礎控除法定相続人の数と基礎控除 法定相続人の数 1 人 2 人 3 人 4 人 5 人 60,000 千円 70,000 千円 80,000 千円 90,000 千円 100,000 千円 36,000

目次 第 1 章経営承継円滑化法について... 3 第 1 節経営承継円滑化法の概要... 3 第 2 節用語について 中小企業者 ( 法第 2 条 施行令 施行規則第 1 条第 1 項 ) 戸籍謄本等 ( 施行規則第 1 条第 5 項 ) 従業員数証

サービス業 5 千万円以下 100 人以下政令指定業種固定資産税のゼロ特例や国補助金の優先採択を受けることができます! 1 先端設備等導入計画 の概要 中小企業等が 計画期間内に 労働生産性を一定程度向上させるため 先端設備等を導入する計画を策定し その計画が北九州市の 導入促進基本計画 等に合致す

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平成21年3月

て 次に掲げる要件が定められているものに限る 以下この条において 特定新株予約権等 という ) を当該契約に従つて行使することにより当該特定新株予約権等に係る株式の取得をした場合には 当該株式の取得に係る経済的利益については 所得税を課さない ただし 当該取締役等又は権利承継相続人 ( 以下この項及

要件① 雇用者給与等・・・・ (ざっくり) 平成24年度の給与総額と比べて、平成25年以降毎年、一定割合以上給与総額が増えていること。 <雇用者給与等支給額とは> <一定割合とは>

別紙様式 7( ひな型 ) ( 日本工業規格 A4) 別紙様式 7( ひな型 ) ( 日本工業規格 A4) 申請者がと年月日をもって売買契約を締結した指名金銭債権に伴う別紙記載の不動産の質権又は抵当権の移転の登記につき 租税特別措置法第 83 条の2 第 1 項の規定の適用を受けたいので 租税特別措

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給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

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また 国外財産調書制度は 2013 年 12 月末の国外財産から調書の提出義務が始まりましたので 5,000 万円超の国外財産を保有の方はご留意ください これに関連して 国税庁より 2013 年 11 月 15 日に FAQ が発表されており FAQ は国税庁のホームページで閲覧等できます 資産税ニ

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問題 1 1 問題 1 1 納税義務者 相続税の納税義務者及び課税財産の範囲 課税価格 1 納税義務者 ⑴ 次に掲げる者は 相続税を納める義務がある 1 居住無制限納税義務者 ( 法 1 の 3 1 一 ) 相続又は遺贈により財産を取得した個人でその財産を取得した時において法施行地に住所を有するもの

株主各位 平成 29 年 8 月 2 日東京都港区虎ノ門三丁目 1 番 1 号 ITbook 株式会社代表取締役会長兼 CEO 恩田饒 ストック オプション ( 新株予約権 ) の発行に関する取締役会決議公告 当社は 平成 29 年 7 月 19 日開催の取締役会において 当社取締役 執行役員および

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[2] 税率構造の見直し 相続税の税率構造が現行の6 段階から8 段階に変更されるとともに 最高税率が 50% から 55% に引き上げられることとなりました ただし 各法定相続人の取得金額が2 億円以下の場合の税率は と変わりありません この改正は 平成 27 年 1 月 1 日以後に相続または遺

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き一 修正申告 1 から同 ( 四 ) まで又は同 2 から同 ( 四 ) までの事由が生じた場合には 当該居住者 ( その相続人を含む ) は それぞれ次の 及び に定める日から4 月以内に 当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し かつ 当該期限内に当該申告書の提出により納付

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1 贈与税の納税猶予制度の認定要件 ( 施行規則第 6 条第 1 項第 11 号 ) 贈与税の納税猶予制度の適用を受けるには 以下の要件等を満たすことが必要です 1 対象会社要件 中小企業者であること 上場会社等 風俗営業会社に該当しないこと 資産保有型会社又は資産運用型会社 ( 以下 資産保有型会社等 ) に該当しないこと 総収入金額が零を超えていること 常時使用従業員数が 1 人以上 ( その会社の特別子会社が外国会社に該当する場合 ( その会社又はその会社による支配関係がある法人がその特別子会社の株式等を有する場合に限ります ) には 5 人以上 ) であること 特定特別子会社が 大会社 上場会社 風俗営業会社に該当しないこと 第一種特例経営承継受贈者以外の者が拒否権付株式を保有していないこと 2 ( 受贈者 ) 要件 贈与時において 第一種特例経営承継受贈者とその者の親族などで総議決権数の過半数を保有していること ( 一人の場合 ) 同族関係者の中で最も多くの議決権数を有していること ( 複数の場合 ) 各が 10% 以上の議決権を有し かつ 各が同族関係者のうちいずれの者が有する議決権の数をも下回らないこと 贈与時に 20 歳以上の代表者であり かつ 贈与の直前において 3 年以上役員であること 贈与により取得した株式等を継続して保有していること その会社の株式等について 一般措置の適用を受けていないこと 特例承継計画に記載されたであること

2 贈与税の納税猶予制度の認定要件 ( 施行規則第 6 条第 1 項第 11 号 ) 贈与税の納税猶予制度の適用を受けるには 以下の要件等を満たすことが必要です 3 ( 贈与者 ) 先代経営者の要件 先代経営者がその会社の代表者であった期間内のいずれかの時及びその贈与の直前において 先代経営者と先代経営者の親族などで総議決権数の過半数を保有しており かつ これらの者の中で最も多くの議決権を有する者 ( 特例の適用を受けるを除く ) であったこと 会社の代表者であったこと 既に事業承継税制の適用に係る贈与をしていないこと 特例承継計画に記載された先代経営者であること 贈与時に代表者を退任していること 一定数以上の株式等を贈与すること ( 一人の場合 ) 1 贈与者との保有議決権数が合わせてその会社の総議決権数の 2/3 以上である場合 贈与後のの議決権数が 2/3 以上となるように贈与 2 贈与者との保有議決権数が合わせてその会社の総議決権数の 2/3 未満である場合 先代経営者が保有する議決権株式等のすべてを贈与 ( 二人又は三人の場合 ) 贈与後に それぞれのの議決権数が 10% 以上であり かつ 贈与者よりも多くの議決権数を有するように贈与 贈与者とが同率であることは不可

3 贈与税の納税猶予制度の認定要件 ( 施行規則第 6 条第 1 項第 11 号 ) 贈与税の納税猶予制度の適用を受けるには 以下の要件等を満たすことが必要です 中小企業者が法第 12 条第 1 項の認定 ( 贈与税の納税猶予制度の特例の認定 ) を受けようとする場合の基本的な手続きについては以下のとおりです 特例承継計画の作成 特例承継計画の作成 特例承継計画は 2018 年 4 月 1 日から 2023 年 3 月 31 日まで提出することができます なお 株式等の贈与後に特例承継計画を作成することも可能です 都道府県知事への認定申請時までに作成してください 1/1 ~ 12/31 株式等の贈与 認定をうけるためには 先代経営者及びが有している議決権数に応じ 株式を一括して贈与する必要があります 10/15 ~ 翌年 1/15 都道府県知事への認定申請 贈与認定申請基準日から贈与日の属する年の翌年の 1 月 15 日までの間に 本社が所在する都道府県庁へ認定申請してください 申請書は 様式第 7 の 3 を使用してください 申請書の書き方は 申請マニュアル を 添付書類については 添付書類マニュアル をご参照ください 翌年 2/1 ~ 3/15 贈与税の申告 納税 贈与日の属する年の翌年の 3 月 15 日までに 所轄の税務署へ贈与税の申告をしてください ( 都道府県知事の認定書とその他の必要書類の提出が必要です ) また 納税が猶予される贈与税額及び利子税の額に見合う担保を税務署に提供する必要があります

4 贈与税の納税猶予制度の認定要件 ( 施行規則第 6 条第 1 項第 11 号 ) 贈与税の納税猶予制度の適用を受けるには 以下の要件等を満たすことが必要です 贈与税の納税猶予制度の特例の適用を受けようとするは 贈与の時以後 当該中小企業者の代表者であり 贈与により取得した当該中小企業者の株式等に係る贈与税を納付することが見込まれる者で 下記に掲げるいずれにも該当する必要があります 贈与の時以後において代表者であること 株式等の贈与を受けたは その贈与の時点及びその後 代表権を有している者である必要があります 贈与により取得していること 株式等については 贈与により取得してることが要件とされます したがって 売買で取得した場合には 要件を満たさないこととなります 贈与税を納付することが見込まれること が法人からの贈与により株式等を取得した場合 には所得税が課され贈与税は課されないことになるため 要件を満たさないことになります 中小企業者であること 中小企業者に該当するかどうかの判定方法は 第 7 章 用語 定義 のうち 中小企業者 の項をご参照ください 業種目資本金従業員数又は製造業その他 3 億円以下 300 人以下 製造業のうちゴム製品製造業 ( 自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く ) 3 億円以下 900 人以下 卸売業 1 億円以下 100 人以下 小売業 5,000 万円以下 50 人以下 サービス業 5,000 万円以下 100 人以下 サービス業のうちソフトウェア業又は情報処理サービス業 3 億円以下 300 人以下 サービス業のうち旅館業 5,000 万円以下 200 人以下

5 上場会社等 風俗営業会社に該当しないこと 認定を受けようとする中小企業者は 上場会社等又は風俗営業会社に該当していないことが必要です 風俗営業会社 とは 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律 ( 昭和 23 年法律第 122 号 以下 風営法 といいます ) 第 2 条第 5 項に規定する性風俗関連特殊営業 ( ソープランド テレクラなど ) を営む会社です なお バー パチンコ ゲームセンターなどは 風営法の規制対象事業ですが 性風俗関連特殊営業ではありませんので 認定要件を満たします 資産保有型会社に該当しないこと 認定を受けようとする中小企業者は 贈与の日の属する事業年度の直前の事業年度の開始の日以後において 資産保有型会社 に該当しないことが必要です 資産保有型会社については 第 7 章 用語 定義 のうち 資産保有型会社の項をご参照ください 資産運用型会社に該当しないこと 認定を受けようとする中小企業者は 第一種特例贈与認定申請基準事業年度 において 資産運用型会社 に該当しないことが必要です 資産運用型会社については 第 7 章 用語 定義 のうち 資産運用型会社の項をご参照ください 第一種特例贈与認定申請基準事業年度とは 下記 1 と 2 のすべての事業年度をいいます そのため 2 以上の事業年度となる場合もあります 1 贈与の日の属する事業年度の直前の事業年度 2 贈与の日の属する事業年度 から 第一種特例贈与認定申請基準日の翌日の属する事業年度の直前の事業年度 までの期間における各事業年度 総収入金額が零を超えていること 第一種特例贈与認定申請基準事業年度における損益計算書上の総収入金額 ( 営業外収益と特別利益は除きます ) が零の場合には 認定を受けることができません

6 常時使用従業員数が 1 人以上 ( その会社の特別子会社が外国会社に該当する場合 ( その会社又はその会社による支配関係がある法人がその特別子会社の株式等を有する場合に限ります ) には 5 人以上 ) であること その会社に 1 人以上の常時使用する従業員がいることが必要となります ただし その会社が下記 12 のいずれかに該当する場合にあっては 5 人以上の常時使用する従業員がいることが必要となります 1 申請者又はその支配関係法人が その特別子会社の株式又は持分を有すること 2 申請者の特別子会社が外国会社に該当すること 支配関係法人とは 一の者に発行済株式又は持分の 50% 超を直接又は間接に保有される法人をいいます また 直接又は間接に保有する関係とは 次の関係をいいます (ⅰ) 一の者が他の法人の発行済株式又は持分の 50% 超を保有する場合における当該一の者と当該他の法人との間の関係 ( 直接支配関係 ) とする (ⅱ) この場合において 当該一の者及びこれとの間に直接支配関係がある 1 以上の他の法人 ( 又は当該一の者との間に直接支配関係がある 1 以上の他の法人 ) がその他の法人の発行済株式又は持分の 50% 超を保有するときは 当該一の者は当該その他の法人の発行済株式又は持分の 50% 超を保有するものとみなす 特別子会社とは 次に掲げる者により その総株主議決権数の過半数を保有される会社をいいます (1) その会社 (2) (3) の親族 (6 親等内の血族 )3 親等内の姻族 (4) と事実上婚姻関係にある者など特別の関係がある者 (5) 次に掲げる会社 1(1)~(4) により総株主議決権数の過半数を保有されている会社 2(1)~(4) 及びこれと (5)1 の関係がある会社により総株主議決権数の過半数を保有されている会社 3(1)~(4) 及びこれと (5)1 又は (5)2 の関係がある会社により総株主議決権数の過半数を保有されている会社なお 会社法上の子会社の定義とは異なりますのでご注意ください

7 その中小企業者の特定特別子会社が上場会社等 大会社又は風俗営業会社のいずれにも該当しないこと 贈与の時以後認定を受けるまでの間において 申請者の特定特別子会社が上場会社等 大会社又は風俗営業会社に該当する場合には 認定を受けることができません 認定を受けようとする会社の子会社だけでなく 兄弟会社も特定特別子会社に該当するケースがあります 先代経営者 株式の贈与 認定会社 特定特別子会社 大会社上場会社風俗営業会社に該当しないこと 特定特別子会社 大会社上場会社風俗営業会社に該当しないこと 特定特別子会社とは 次に掲げる者により その総株主議決権数の過半数を保有される会社をいいます (1) その会社 (2) (3) と生計を一にする親族 (4) と事実上婚姻関係にある者など特別の関係がある者 (5) 次に掲げる会社 1(1)~(4) により総株主議決権数の過半数を保有されている会社 2(1)~(4) 及びこれと (5)1 の関係がある会社により総株主議決権数の過半数を保有されている会社 3(1)~(4) 及びこれと (5)1 又は (5)2 の関係がある会社により総株主議決権数の過半数を保有されている会社なお 会社法上の子会社の定義とは異なりますのでご注意ください

8 贈与時において 第一種特例経営承継受贈者とその者の親族などで総議決権数の過半数を保有していること その贈与によりその会社の株式等を取得した代表者であって 贈与の時において 当該代表者に係る同族関係者と合わせて過半数の議決権を有していることが必要です 贈与を受けたが二人又は三人いる場合には そのごとに過半数の議決権を有しているかを判断します 例 1 100% 贈与後 0% 同族関係者 先代経営者 配偶者 70% ( 長男 ) ( 第三者 ) 30% 70% 保有であるので同族過半数要件を満たしています 30% 保有であるので同族過半数要件を満たしていません

9 ( 前ページからの続き ) 贈与時において 第一種特例経営承継受贈者とその者の親族などで総議決権数の過半数を保有していること 例 2 100% 贈与後 0% 同族関係者 先代経営者 配偶者 先代から株式を贈与 ( 第三者 ) 100% 第三者であるですが 100% 保有しているので同族過半数要件を満たしています

10 ( 一人の場合 ) 同族関係者の中で最も多くの議決権数を有していること その贈与によりその会社の株式等を取得したが一人である場合には そのが そのとその同族関係者の中で最も多くの議決権数を有していることが必要です なお 同族関係者の中に当該と同じ割合の議決権数を有する株主がいても当該は最も多くの議決権数を有している者となります 議決権数の判定は 直接保有している 割合で判定し 間接保有している 割合は考慮にいれません 例 同族関係者 先代経営者 配偶者 第一種特例経営承継受贈者 ( 長男 ) ( 次男 ) 株式を贈与されていない ( 長女 ) 株式を贈与されていない 注意点 特例承継計画において 特例として長男 次男 長女の名前が記載 先代経営者から株式を贈与されたのは 長男のみ ( 次男 長女には 今後配偶者や同族関係者から贈与 相続予定 ) 長男は ( 一人の場合 ) の要件を満たす必要があります したがって 同族関係者の中で最も多くの議決権数を有していることが必要です

11 ( 複数の場合 ) 各が 10% 以上の議決権を有し かつ 各が同族関係者のうちいずれの者が有する議決権の数をも下回らないこと その贈与によりその会社の株式等を取得したが二人又は三人である場合には それぞれのが 贈与後において10% 以上の議決権を有し かつ それぞれのが同族関係者のうちいずれの者が有する議決権の数をも下回らないことが必要です 同一年中であれば 同一の贈与者から異なる時期に複数のへ贈与をすることもできますが この場合 贈与者よりも多くの議決権数を有するように贈与 という要件については 最後に行われた贈与直後に有する議決権の数によって判断します なお 同族関係者の中にそのと同じ割合の議決権数を有する株主がいてもそのは 議決権の数が同族関係者のうちいずれの者が有する議決権の数をも下回らない者 となります 例 1 > 先代経営者 の要件は最後に行われた贈与直後に有する議決権で判断します 7% 80% 贈与後 0% 13% 同族関係者 先代経営者 配偶者 50% 20% 10% ( 長男 ) ( 次男 ) ( 長女 ) 配偶者の議決権数を下回っているため 要件を満たしません

12 ( 前ページからの続き ) ( 複数の場合 ) 各が 10% 以上の議決権を有し かつ 各が同族関係者のうちいずれの者が有する議決権の数をも下回らないこと 議決権数の判定は 直接保有している 割合で判定し 間接保有している 割合は考慮にいれません 例 2 40% 同族関係者以外の者が最も多くの議決権数を有していても構いません 40% 贈与後 0% 第三者 先代経営者 配偶者 ( 長男 ) 30% 長女が 100% 保有 ( 長女 ) 同族関係会社 10% 20% 同族関係会社の議決権数を下回っているため 要件を満たしません 長女 (10%)+ 長女の関係会社 (20%) で合計 30% を保有していますが 間接保有を含めないため 長女の直接保有分 (10%) のみで判定します

13 贈与時に 20 歳以上の代表者であり かつ 贈与の直前において 3 年以上役員であること は 贈与時及びその後において 代表権を有している必要があります なお 代表者であっても 定款その他の規定により代表権を制限 されている場合には 認定を受けることができません 代表権の制限の例としては 複数の代表者が共同して会社を代表すべき旨 や 代表者 は手形を振り出してはならない旨 などがあります また 当該贈与の日まで引き続き ( 継続して )3 年以上に渡り継続して申請者の役員であることが必要です 贈与の日前 3 年の間に役員でない期間がある場合には 役員であった期間がトータルで 3 年を超えていたとしてもこの要件を満たすことはできません 設立後 3 年未満の新設会社の場合にあっては 当該要件を充足することはできないため ご注意下さい 役員 は 株式会社の場合には取締役 会計参与及び監査役を意味し ( 会社法第 329 条第 1 項 ) 持分会社の場合には業務を執行する社員を意味します 定款に業務を執行する社員について別段の定めがなければ すべての社員が 業務を執行する社員 となります ( 会社法第 590 条第 1 項 ) なお 組織再編があった場合における役員であった期間の算定上 旧会社の役員であった期間は通算されません ( 下記表参照 ) 一方で 組織変更 ( 合同会社 株式会社など ) 種類変更 ( 合名会社 合資会社など ) の場合には 法人格の同一性は維持されるため 旧会社の役員であった期間が通算されます 組織再編行為の種類申請者旧会社 吸収合併吸収合併存続会社吸収合併消滅会社 新設合併新設合併設立会社新設合併消滅会社 株式交換株式交換完全親会社株式交換完全子会社 株式移転株式移転完全親会社株式移転完全子会社

14 贈与により取得した株式等を継続して保有していること そのが贈与により取得したその会社の株式等のうち納税猶予の対象とする部分のすべてを所有し続けていることが必要です その会社の株式等について 一般措置の適用を受けていないこと そのが贈与により取得したその会社の株式等について 既に一般措置の適用を受けている場合には 認定を受けることができません 特例承継計画に記載された特例であること 早期かつ計画的な事業承継を促進するため 特例措置の適用を受けるにあたっては 特例承継計画の作成を求めております 特例承継計画に記載された特例でなければ認定を受けることができません 特例となれるのは 会社ごとに最大 3 人までです 特例承継計画は 特例承継計画の申請マニュアル及び記載例を参考に 可能な限り具体的に記載してください 特例承継計画の確認を受けたあとでも 特例を変更 追加することはできますが 特例が特例措置の適用を受けた後は 当該特例を変更することはできません 特例を二人又は三人記載した場合であって まだ株の贈与 相続を受けていない者がいる場合は 当該特例に限って変更することが可能です

15 先代経営者がその会社の代表者であった期間内のいずれかの時及びその贈与の直前において 先代経営者と先代経営者の親族などで総議決権数の過半数を保有しており かつ これらの者の中で最も多くの議決権を有する者 ( 特例の適用を受けるを除く ) であったこと その贈与者 ( 先代経営者 ) がその会社の代表者であった期間内のいずれかの時及びその贈与の直前のいずれにおいてもその贈与者 ( 先代経営者 ) に係る同族関係者と合わせて過半数の議決権を有し かつ 同族関係者 ( その贈与により特例の適用を受ける及びすでに特例の適用を受けているを除く ) の中で筆頭株主 ( 同族関係者の中に当該代表者と同じ割合の議決権数を有する株主がいても当該代表者は筆頭株主となります ) であることが必要です 贈与時に代表者を退任していること 贈与の時において 贈与者は中小企業者の代表者 ( 代表権に一部制限がある者も含みます ) を退任している必要があります ただし 代表権のない役員として 会社の経営に関与することは可能です また 役員として報酬を受け取っていても差し支えありません

16 既に特例措置の適用に係る贈与をしていないこと 既に特例措置の適用を受ける贈与をしている先代経営者は 再度この特例の適用を受ける贈与をすることはできません ただし その贈与者から株式等を贈与されたが二人又は三人である場合には 同年中に限り それぞれのに対し別日に贈与しても構いません ( 下図参照 ) 贈与が別日になった場合 それぞれの贈与に係る認定申請書は一括して提出してください 1 回目の贈与 2 回目の贈与適用の可否 X1 年先代経営者 A ( 特例措置の適用あり ) X1 年先代経営者 A ( 特例措置の適用あり ) X1 年先代経営者 A ( 特例措置の適用あり ) X1 年先代経営者 A ( 特例措置の適用あり ) X2 年先代経営者 A ( 特例措置の適用なし ) X2 年先代経営者 B ( 特例措置の適用なし ) X1 年先代経営者 A ( 特例措置の適用なし ) X1 年先代経営者 B ( 特例措置の適用あり ) X1 年に特例の適用を受ける贈与をしているため X2 年は適用不可 X1 年に特例の適用を受ける贈与をしているため X2 年は適用不可 既既に A に対し 特例の適用を受ける贈与をしているため X1 年の 2 回目の贈与は適用不可 が複数の場合は 同年中の贈与に限り 別日の贈与でも適用可能 したがって 先代経営者 B の贈与も適用可能 特例承継計画に記載された先代経営者であること 早期かつ計画的な事業承継を促進するため 特例措置の適用を受けるにあたっては 特例承継計画の作成を求めております この計画に記載された特例代表者でなければ認定を受けることができません 特例承継計画は 特例承継計画の申請マニュアル及び記載例を参考に 可能な限り具体的に記載してください

17 一定数以上の株式等を贈与すること その贈与により株式等を取得する者の人数及び先代経営者 ( 贈与者 ) との保有する議決権の数に応じて 最低限贈与しなければならない株式等の数が定められています その贈与により株式等を取得する者が 1 名の場合 ⑴ 当該贈与の直前において 贈与者との保有議決権数が合わせてその会社の総議決権数の 2/3 以上である場合 贈与後のの議決権数が 2/3 以上となるように贈与すること ⑵ 贈与者との保有議決権数が合わせてその会社の総議決権数の 2/3 未満である場合 先代経営者が保有する議決権株式等のすべてを贈与すること なお 発行済株式の総数又は出資金の総額の 3 分の 2 に端数がある場合には その端数は切り上げとなりますのでご注意ください ( 例 : 発行済み株式総数 ( 議決権に制限なし ) が 100 株の場合 その 3 分の 2 は 66 株ではなく 67 株となります 仮に先代経営者が 100 株すべてを保有している場合 67 株以上を贈与しないと要件を満たさないことになります (66 株の贈与では要件を満たしません )) 認定の対象となる 株式等 については 完全議決権株式等に限定されています ( 完全無議決権株式等のみならず 一部の議決権が制限されている株式等も除外されています ) その贈与により株式等を取得する者が 2 名又は 3 名の場合 贈与後に それぞれのの議決権数が 10% 以上であり かつ 先代経営者 ( 贈与者 ) よりも多くの議決権数を有するように贈与すること 先代経営者とが同率である場合には 要件を満たさないことになります

18 第一種特例経営承継受贈者以外の者が拒否権付株式を保有していないこと 会社法第 108 条第 1 項第 8 号に掲げる事項についての定めがある種類の株式とは いわゆる 拒否権付株式 (= 黄金株 ) です 拒否権付株式を発行している場合には 第一種特例経営承継受贈者以外の者が有していないことが 認定を受けるための要件となります 特例承継計画に記載された特例であっても まだ株式等の贈与を受けていない者は第一種特例経営承継受贈者とはなりませんので ご注意ください 例 同族関係者 先代経営者 配偶者 第三者 先代から株式を贈与 第一種特例経営承継受贈者 ( 長男 ) 黄金株保有 ( 次男 ) 第一種特例経営承継受贈者 ( 長女 ) 黄金株保有 株式を贈与されていない 注意点 特例承継計画において 特例として長男 次男 長女の名前が記載 拒否権付株式は 長男 長女が保有 先代経営者から株式を贈与されたのは 長男 次男のみ ( 長女には 今後配偶者や同族関係者から贈与 相続予定 ) 長女は株式を贈与されていないので 第一種特例経営承継受贈者 となりません 特例 ではありますが 第一種特例経営承継受贈者 ではない長女が拒否権付株式を保有しているため 長男 次男に係る認定はできません