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OCCUPATIONAL HEALTH AND SAFTY ASSESSMENT SERIES 労働安全衛生評価シリーズ Occupational health and safety management system- Requirements 労働安全衛生マネジメントシステム - 要求事項 日本語版

目 次 1. 適用範囲... 2 2. 参考出版物... 2 3. 用語及び定義... 3 4.OH&S マネジメントシステム要求事項... 7 4. 1 一般要求事項... 7 4. 2 OH&S 方針... 7 4. 3 計画... 7 4. 3. 1 危険源の特定 リスクアセスメント及び管理策の決定... 7 4. 3. 2 法的及びその他の要求事項... 9 4. 3. 3 目標及び実施計画... 9 4.4 実施及び運用... 10 4.4.1 資源 役割 実行責任 説明責任及び権限... 10 4.4.2 力量 教育訓練及び自覚... 11 4.4.3 コミュニケーション 参加及び協議... 11 4.4.3.1.1 コミュニケーション... 11 4.4.3.2.2 参加及び協議... 11 4.4.4 文書類... 12 4.4.5 文書管理... 12 4.4.6 運用管理... 13 4.4.7 緊急事態への準備及び対応... 13 4.5 点検... 13 4.5.1 パフォーマンスの測定及び監視... 13 4. 5. 2 順守評価... 14 4.5.3 発生事象の調査 不適合 是正処置及び予防処置措置... 14 4.5.3.1 発生事象の調査... 14 4.5.3.2 不適合並びに是正処置及び予防処置... 15 4.5.4 記録の管理... 15 4.5.5 内部監査... 15 4.6 マネジメントレビュー... 16 1

1. 適用範囲この労働安全衛生評価シリーズ (OHSAS) 規格は, 組織が, その労働安全衛生 (OH&S) リスクを管理し, そのパフォーマンスを向上できるように,OH&Sマネジメントシステムに対する要求事項を規定する. この規格は, 特定のOH&Sのパフォーマンス規準を規定するものではなく, またマネジメントシステムの設計に関する詳細な仕様を提供するものでもない このOHSAS 規格は, 次の事項を行おうとするどのような組織にも適用できる a) 組織の活動に関連するOH&S 危険源に暴露される可能性がある要員及びその他の利害関係者に対する, リスクを除去し 又は最小限に抑えるためにOH&S マネジメントシステムを確立する b)oh&sマネジメントシステムを実施し, 維持し 及び継続的に改善する c) 表明したOH&S 方針との適合を自ら確信する d) このOHSAS 規格との適合を次のことによって示す 1) 自己決定し 自己宣言する 2) 適合について 組織に対して利害関係をもつ人又はグループ 例えば顧客などによる確認を求める 3) 自己宣言について組織外部の人又はグループによる確認を求める 4) 外部機関によるOH&Sマネジメントシステムの認証 / 登録を求める このOHSAS 規格に示されるすべての要求事項は, どのようなOH&Sマネジメントシステムにも取り入れられるように意図されている 適用の範囲は, 組織のOH&S 方針, その事業活動の性質, 並びに運用のリスク及び複雑さといった要因に依存するであろう このOHSAS 規格は 労働安全衛生を取り扱うことを意図しており 労働者の福利厚生プログラム 製品安全 財産の損害又は環境影響のような その他の衛生及び安全分野を取り扱うことは意図していない 2. 参考出版物情報又は手引を提供する他の出版物は, 規格末尾の参考文献に記載されている それら出版物の最新版を参照することを推奨する 特に, 次の出版物を参考にすることが望ましい OHSAS 18002 労働安全衛生マネジメントシステム- OHSAS 18001 の実施のための指針 国際労働機関 :2001 労働安全衛生マネジメントシステムに係るガイドライン (OSH-MS) 2

3. 用語及び定義この文書には 次の用語及び定義を適用する 3.1 受容可能なリスク (acceptable risk) 法的義務及び自らの OH&S 方針 (3.16) に照らし合わせて組織によって受容できる 水準まで低減されているリスク 3.2 監査 ( audit) 監査基準 が満たされている程度を判定するために 監査証拠 を収集し それを 客観的に評価するための体系的で 独立し 文書化されたプロセス [ISO9000:2005,3.9.1] 参考 1 独立とは必ずしも組織の外部であることを意味しない 多くの場合 特に中小規模組織の場合は, 独立性は, 監査の対象となる活動に 関する責任を負っていないことで実証することができる 参考 2 監査証拠 及び 監査基準 の詳細な手引については ISO19011 を参照 3.3 継続的改善 ( continual improvement) 組織 (3.17) の OH&S 方針 (3.16) と整合して全体的な OH&S パフォーマンス (3.15) の改善を達成するために OH&S マネジメントシステム (3.13) を向上させる繰り返し のプロセス 参考 1 このプロセスは すべての活動分野で同時に進める必要はない 参考 2 ISO14001:2004,3.2 を修正 3.4 是正処置 (corrective action) 検出された不適合 (3.11) の原因を除去するための 又はその他の検出された望ましく ない状態の原因を除去するための処置 参考 1 不適合の原因は 一つ以上のことがあり得る 参考 2 予防処置は発生を未然に防止するためにとるのに対し 是正処置は再発を防止 するために取る [ISO9000:2005,3.6.5] 3.5 文書 (document) 情報及びそれを保持する媒体 参考媒体としては 紙 磁気 電子式若しくは光学式コンピュータディスク 写真若しくはマスターサンプル 又はこれらの組合せがあり得る [ISO14001:2004 3.4] 3.6 危険源 (hazard) 負傷又は疾病 (3.8) 等の危害をもたらしうる潜在的な根源, 状況又は行為 若しくは これらの組合せ 3.7 危険源の特定 (hazard identification) 危険源 (3.6) の存在を認識し, かつその特性を明確にするプロセス 3

3.8 疾病 (ill health) 作業活動及び / 又は作業関連の状態から生じる 及び / 又はそれによって悪化する 特定可能な肉体的又は精神的に有害な状態 3.9 発生事象 (incident) 負傷又は疾病 (3.8)( ひどさと無関係 ) 若しくは死亡災害を引起こす 又はその可能 性がある作業に関連する事象 参考 1 事故とは 負傷 疾病又は死亡災害を起こした発生事象 ( インシテ ント ) である 参考 2 負傷 疾病又は死に至らなかった発生事象は ニアミス ヒヤリハット (dangerous occurrence) などとも呼ばれる 参考 3: 緊急事態とは 特別なタイプの発生事象である (4.4.7 参照 ) 3.10 利害関係者 (interested party) 組織 (3.17) の OH&S パフォーマンス (3.15) に関心をもつか又はその影響を受ける 職場 (3.23) の内部又は外部の人又はグループ 3.11 不適合 (nonconformity) 要求事項を満たしていないこと [ISO9000:2005,3.62;ISO14001,3.15] 参考不適合は 次の事項からの何らかの逸脱である 関連する作業標準 慣行 手順 法的要求事項など OH&Sマネジメントシステム (3.13) の要求事項 3.12 労働安全衛生 (occupational health and safety, OH&S) 労働者 (employees を含む ) 又は他の労働者 ( 臨時雇用労働者及び請負者を含む ), 来訪者又は職場 (3.23) 内にいるその他すべての関係者の安全衛生に影響を与える 又は影響を与える可能性のある諸条件及び諸要因 参考組織は 職場そのものの外部にいる人者 又は職場の活動にさらされる人の 安全衛生に関する法的要求事項に従わなければならない場合がある 3.13 OH&S マネジメントシステム ( O H & S management system) 組織 (3.17) のマネジメントシステムの一部で OH&S 方針 (3.16) を策定し 実施し OH&S リスク (3.21) を運営管理するために用いられるもの 参考 1 マネジメントシステムは 方針及び目標を定め その目標を達成するために 用いられる相互に関連する要素の集まりである 参考 2 マネジメントシステムには 組織の体制 計画活動 ( 例えば リスクアセス メント及び目標の設定を含む ) 責任 慣行 手順 (3.19) プロセス及び 資源を含む 参考 3 ISO14001:2004,3.8 を修正 4

3.14 OH&S 目標 (OH&S objective) 組織 (3.17) が達成を目指して自ら設定する OH&Sパフォーマンス (3.15) に基づく OH&Sの到達点 参考 1 実施可能な限り 目標は定量化することが望ましい 参考 2 4.3.3は OH&S 目標がOH&S 方針 (3.16) と整合していることを求めている 3.15 OH&S パフォーマンス (OH&S performance) 組織 (3.17) のOH&Sリスク (3.21) マネジメントの測定可能な結果 参考 1 H&Sパフォーマンスの測定には 組織の管理策の有効性を測定することが含まれる 参考 2 H&Sマネジメントシステム (3.13) では 結果もまた 組織 (3.17) の OH&S 方針 (3.16) OH&S 目標 (3.14) 及びその他のOH&Sパフォーマンス要求事項に対応して測定可能である 3.16 OH&S 方針 (OH&S policy) トップマネジメントによって正式に表明された OH&Sパフォーマンス (3.15) に関する組織 (3.17) の全体的な意図及び方向付け 参考 1 OH&S 方針は 行動のための枠組み 並びにOH&S 目標 (3.14) を設定するための枠組みを提供する 参考 2 ISO14001:2004 3.11を修正 3.17 組織 (organization) 法人か否か, 公的か私的かを問わず, 独自の機能及び管理体制をもつ 企業, 会社, 事業所, 官公庁若しくは協会, 又はその一部若しくは結合体 参考複数の事業単位をもつ組織の場合には, 単一の事業単位を一つの組織と定義してもよい [ISO14001:2004 3.16] 3.18 予防処置 (preventive action) 起こり得る不適合 (3.11) 又はその他の望ましくない起こり得る状態の原因 参考 1 起こり得る不適合の原因は 一つ以上のことがあり得る 参考 2 是正処置 (3.4) は再発を防止するためにとるのに対し 予防処置は発生を未然に防止するためにとる [ISO9000:2005,3.6.4] 3.19 手順 (procedure procedure) 活動又はプロセスを実行するために規定された方法参考手順は文書にすることもあり しないこともある [ISO9000:2005,3.4.5] 3.20 記録 (record) 達成した結果を記述した 又は実施した活動の証拠を提供する文書 (3.5) [ISO14001:2004,3.20] 3.21 リスク (risk) 5

危険な事象又は暴露の発生の可能性と 事象又は暴露によって引き起こされる負傷又は疾病 (3.8) のひどさの組合せ 3.22 リスクアセスメント (risk assessment) 危険源から生じるリスク (3.21) を評価するプロセスで, かつ, 既存のすべての管理策の妥当性を考慮し リスクが受容可能であるか否かを決定するもの 3.23 職場 (workplace) 組織の管理下で作業に関連する活動が実施される物理的な場所 参考職場を構成するものは何かを考慮する場合 組織 (3.17) は 例えば 旅行中又は移動中であったり ( 例 : 自動車 飛行機 船舶又は鉄道を利用して ), 依頼人又は顧客の構内や建物の中で作業したり 若しくは自宅で作業したりする要員に対しOH&S 影響を考慮に入れることが望ましい 6

4.OH&S マネジメントシステム要求事項 4. 1 一般要求事項組織は, このOHSAS 規格の要求事項に従って OH&Sマネジメントシステムを確立し, 文書化し 実施し 維持し 継続的に改善し どのようにしてこれらの要求事項を満たすかを決定しなければならない 組織は, そのOH&Sマネジメントシステムの適用範囲を定め, 文書化しなければならない 4. 2 OH&S 方針トップマネジメントは 組織のOH&S 方針を定め 承認し OH&Sマネジメントシステムの定められた適用範囲の中で OH&S 方針が次の事項を満たすことを確実にしなければならない a) 組織のOH&Sリスクの性質及び規模に対して適切である b) 負傷及び疾病の予防 並びにOH&SマネジメントとOH&S パフォーマンスにおける継続的改善に関するコミットメントを含む c) 組織のOH&S 危険源に関して, 少なくとも, 適用すべき法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項を順守するというコミットメントを含む d)oh&s 目的の設定及びレヴューのための枠組みを与える e) 文書化され 実施され 維持される f) 組織の管理下で働くすべての人に それぞれの OH&Sの義務を自覚させる意図をもって, 周知される g) 利害関係者が入手可能である h) 組織にとって妥当かつ適切であることが確実に続くように定期的にレビューされる 4. 3 計画 4. 3. 1 危険源の特定 リスクアセスメント及び管理策の決定組織は, 危険源の継続的特定, リスクアセスメント及び必要な管理策の決定の手順を確立し, 実施し 維持しなければならない 危険源の特定及びリスクアセスメントの手順には, 次の事項を考慮に入れなければならない a) 定常活動及び非定常活動 b) 職場に出入りするすべての人の活動 ( 請負者及び来訪者を含む ) c) 人間の行動 能力及びその他の人的要因 d) 職場内において組織の管理下にある人の安全衛生に有害な影響を及ぼす可能性がある 職場外で起因し特定される危険源 7

e) 組織の管理下にある作業に関連する活動によって職場近辺に生ずる危険源参考 1 そのような危険源は 環境側面として評価することがより適切な場合がある f) 組織又は他者から提供されている 職場のインフラストラクチャー 設備 及び原材料 g) 組織, その活動 又は原材料に関する変更又は変更提案 h) 一時的変更を含む OH&Sマネジメントシステムに対する修正 並びにその修正の運用 プロセス及び活動に対するその影響 i) リスクアセスメント及び必要な管理策の実施に関連している 適用すべき法的義務 (3.12の参考も参照) j) 人間の能力への適応を含む 作業領域 プロセス 施設 機械設備 / 機器 操作手順及び勤務 作業体制, の設計組織による危険源の特定とリスクアセスメントの方法は次のとおりでなければならない a) 事後的でなく予防的であることが確実なように, その適用範囲, 性質, タイミングについて定められている b) 適宜 リスクの特定 優先度及び文書化 並びに管理策の適用について含まれている 変更のマネジメントに関して 組織は その変更を導入する前に 組織自体,OH&Sマネジメントシステム又はその活動の変更に関連するOH&S 危険源及びOH&Sリスクを特定しなければならない 組織は 管理策を決定するときは これらの評価の結果を確実に考慮しなければならない 管理策を決定するとき 又は既存の管理策に対する変更を検討するときは 次の優先順位に従ってリスクを低減するように考慮しなければならない a) 除去 b) 代替 c) 工学的な管理策 d) 標識 / 警告及び / 又は管理的な対策 e) 個人用保護具組織は 危険源の特定 リスクアセスメント及び決定した管理策の更新の結果を文書化し 常に最新のものにしておかなければならないこと 組織は OH&Sマネジメントシステムを確立し 実施し 維持する場合は OH&Sリスク及び決定した管理策を確実に考慮に入れなければならない 参考 2 危険源の特定 リスクアセスメント及び管理策の決定に関するより詳しい手引は,OHSAS 18002を参照のこと 8

4. 3. 2 法的及びその他の要求事項組織は, 適用可能な法的及びその他のOH&S 要求事項を特定かつ 参照する手順を確立し, 実施し 維持しなければならない 組織は, このOH&Sマネジメントシステムを確立し 実施し 維持するうえで これらの適用すべき法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項を確実に考慮に入れなければならない 組織は, この情報を常に最新のものにしておかなければならない 組織は 法的及びその他の要求事項に関連する情報を, 組織の管理下で働く人及びその他の関連する利害関係者に周知しなければならない 4. 3. 3 目標及び実施計画 組織は, 組織内の関連する部門及び階層で, 文書化された OH&S 目標を設定し 実施し 維持しなければならない 目標は 実施できる場合には測定可能でなければならない そして 負傷及び疾病の予防 適用すべき法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項の順守並びに継続的改善に 関するコミットメントを含めて OH&S 方針に整合してしなければならない その目標を設定し レビューするにあたって 組織は 法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項並びに OH&S リスクを考慮に入れなければならない また 技術上の選択肢, 財務上, 運用上及び事業上の要求事項, 並びに利害関係者の見解も考慮しなければならない 組織は, その目標を達成するための実施計画を策定し, 実施し 維持しなければならない 実施計画は 最小限 次の事項を含まなければならない a) 組織の関連する部門及び階層における, 目標目的を達成するための責任及びと権限 の明示 b) 目標達成のための手段及び日程 実施計画は, 目標を確実に達成するために 定期的に かつ 計画された間隔でレビューし また必要に応じて調整しなければならない 9

4.4 実施及び運用 4.4.1 資源 役割 実行責任 説明責任及び権限トップマネジメントは OH&Sについて及びOH&Sマネジメントシステムについて最終的な責任をもたなければならない トップマネジメントは 次の事項によって 自らのコミットメントを実証しなければならない a)oh&sマネジメントシステムを確立し 実施し, 維持し 改善するために不可欠な資源を確実に利用できるようにすること 参考 1 資源には, 人的資源及び専門的な技能, 組織のインフラストラクチャー 技術 並びに資金を含む b) 効果的なOH&Sマネジメントを実施するために, 役割を定め 実行責任及び説明責任を割り当て 権限を委任する 役割, 実行責任 説明責任及び権限は 文書化し, かつ周知しなければならない 組織は OH&Sに関して トップマネジメントの中から特定の管理責任者 ( 複数も可 ) を任命し その管理責任者は, 次の事項に関する定められた役割及び権限を 他の責任にかかわりなくもたなければならない a) このOHSAS 規格に従って,OH&Sマネジメントシステムが確立され 実施され 維持されることを確実にする b)oh&sマネジメントシステムのパフォーマンスに関する報告が, レビューのためにトップマネジメントに提供され,OH&S マネジメントシステムの改善の基礎として使用されることを確実にする 参考 2 トップマネジメントの中から任命された者 ( 例えば 大規模な組織において 理事会又は執行役員会のメンバー ) は 説明責任を保持しながら その義務の一部を下位の管理責任者に委任してもよい 誰がトップマネジメントの中から任命された人であるかを 組織の管理下で働くすべての人に周知しなければならない 経営管理責任を担うすべての者は,OH&Sパフォーマンスの継続的改善へのコミットメントを実証しなければならない 組織は 職場の人が 組織の適用すべきOH&Sの要求事項への順守を含め 彼らが管理しているOH&Sの側面に関して責任をとることを確実にしなければならない 10

4.4.2 力量 教育訓練及び自覚組織は,OH&Sに影響を及ぼす可能性のある作業を行う組織の管理下にあるすべての人が, 適切な教育, 訓練又は経験に基づく力量をもつことを確実にしなければならない また これに伴う記録を保持しなければならない 組織は そのOH&Sリスク及びOH&Sマネジメントシステムに伴う教育訓練ニーズを明確にしなければならない 組織は そのようなニーズを満たすために 教育訓練を提供するか 又はその他の処置を実行し 教育訓練又は実行された処置の有効性を評価し これに伴う記録を保持しなければならない 組織は, 組織の管理下で働く人々に次の事項を自覚させるための手順を確立し, 実施し 維持しなければならない a) 作業活動及び行動による顕在又は潜在のOH&Sの結果, 及び各人のパフォーマンスが改善された場合のOH&S 上の利点 b) OH&S 方針及び手順, 並びに緊急事態への準備及び対応 (4.4.7 参照 ) の要求事項を含むOH&Sマネジメントシステムの要求事項への適合性を達成するための役割及び責任並びに重要性 c) 規定された運用手順からの逸脱の際に予想される結果訓練の手順は, 次のようなレベルの違いを考慮しなければならない a) 責任, 能力 言語能力及び識字力 b) リスク 4.4.3 コミュニケーション 参加及び協議 4.4.3.1.1 コミュニケーション組織は OH&S 危険源及びOH&Sマネジメントシステムに関して次の事項にかかわる手順を確立し 実施し 維持しなければならない a) 組織の種々の階層及び部門間での内部コミュニケーション b) 請負者及び職場への来訪者とのコミュニケーション c) 外部の利害関係者からの関連するコミュニケーションについて受け付け 文書化し 対応する 4.4.3.2.2 参加及び協議組織は 次の事項にかかわる手順を確立し 実施し 維持しなければならない a) 次の事項による労働者の参加 - 危険源の特定 リスクアセスメント及び管理策の決定への適切な関与 - 発生事象の調査への適切な関与 - OH&S 方針及び目標の策定及びレビューへの関与 11

- そのOH&Sに影響する何らかの変化が生じた場合の協議 -OH&Sの問題に関する代表者の選出労働者には OH&Sの問題に関して誰が代表であるかを含め 参加の取決めについて情報提供がなされなければならない b) OH&Sに影響する変化が生じた場合の請負者との協議組織は 関連する OH&S 問題について 適切な場合は 関連する外部の利害関係者と協議することを確実にしなければならない 4.4.4 文書類 OH&Sマネジメントシステム文書には 次の事項を含めしなければならない a)oh&s 方針及び目標 b)oh&sマネジメントシステムの運用範囲の記述 c)oh&sマネジメントシステムの主要な要素 それらの相互作用の記述 並びに関係する文書の参照 d) このOHSAS 規格が要求する 記録を含む文書 e) 組織のOH&Sリスクの運営管理に関係するプロセスの効果的な計画 運用及び管理を確実に実施するために 組織が必要と決定した 記録を含む文書参考文書類は, 関係する複雑さ 危険源及びリスクのレベルに釣り合ったもので また有効性及び効率性のために必要最小限にとどめることが重要である 4.4.5 文書管理 OH&Sマネジメントシステム及びこのOHSAS 規格で必要とされる文書は管理しなければならない 記録は, 文書の一種ではあるが 4.5.4 に規定する要求事項に従って管理しなければならない 組織は, 次の事項にかかわる手順を確立し, 実施し 維持しなければならない a) 発行前に 適切かどうかの観点から文書を承認する b) 文書をレビューする また 必要に応じて更新し 再承認する c) 文書の変更の識別及び現在の改訂版の識別を確実にする d) 該当する文書の適切な版が 必要なときに 必要なところで使用可能な状態にあることを確実にする e) 文書が読みやすく 容易に識別可能な状態であることを確実にする f)oh&sマネジメントシステムの計画及び運用のために組織が必要と決定した外部からの文書を明確にし その配布が管理されていることを確実にする g) 廃止廃棄文書が誤って使用されないようにする また これらを何らかの目的で保持する場合には 適切な識別をする 12

4.4.6 運用管理組織は,OH&S リスクを運営管理するために管理策の実施が必要な場合 特定された危険源に関連する運用及び活動を決定しなければならない これには 変更のマネジメントを含まなければならない (4.3.1 参照 ) それらの運用及び活動のために, 組織は 次の事項を実施し, 維持しなければならない a) 組織及び活動に適用可能な運用管理策 組織は これらの運用管理を全体的な OH&S マネジメントシステムに統合しなければならない b) 購入品 機器及びサービスに関連した管理策 c) 請負者及び職場へのその他の来訪者に関連した管理策 d) 文書化された手順で, それがないとOH&S 方針及び目標から逸脱するかもしれない状態をカバーするもの e) 運用基準 それがないと OH&S 方針及び目標から逸脱するかもしれない明記された運用基準 4.4.7 緊急事態への準備及び対応組織は, 次の事項のための手順を確立し 実施し 維持しなければならない a) 緊急事態の潜在可能性を特定すること b) そのような緊急事態に対応すること 組織は, 顕在した緊急事態に対応し それらに伴うOH&Sの有害な結果を予防又は緩和しなければならない 緊急事態の対応を計画する際 組織は 関連する利害関係者のニーズ 例えば 緊急事態サービス及び隣人について考慮すること 組織はまた, 実施できる場合には, 適宜 関連する利害関係者が関与して緊急事態状況に対応するための手順を定期的にテストしなければならない 組織は 緊急事態への 準備及び対応手順を 定期的に また特に定期的なテストの後又は緊急事態の発生の後には レビューし 必要に応じて改訂しなければならない (4.5.3 参照 ) 4.5 点検 4.5.1 パフォーマンスの測定及び監視組織は,OH&Sパフォーマンスを定常的に監視及び測定するための手順を確立し, 実施し 維持しなければならない この手順には, 次の事項を含めなければならない a) 組織の必要に応じた定性的 ( 指標 ) 及び定量的指標 13

b) 組織のOH&S 目標の達成度合いの監視 c) 管理策の有効性の監視 ( 安全に関して とともに 衛生に関しても ) d) OH&Sの実施計画 管理策及び運用基準の適合を監視する予防的実績指標 e) 疾病 発生事象 ( 事故, ニアミスなどを含む ), 及びその他のOH&Sパフォーマンスの経時的証拠までを監視する事後的実績指標 f) その後の是正処置及び予防措置の分析を容易にするのに十分な監視及び測定のデータ並びに結果の記録 もし, 機器がパフォーマンスの監視のため又は測定のために必要なら, 組織は, 適宜 機器の校正及び保持の手順を確立し, 維持しなければならない 校正及び保守活動並びに結果の記録は, 保持しなければならない 4. 5. 2 順守評価 4.5.2.1 順守に対するコミットメント [4.2 c) 参照 ] と整合して 組織は 適用すべき法的要求事項の順守を定期的に評価するための手順を確立し 実施し 維持しなければならない (4.3.2 参照 ) 組織は 定期的な評価の結果の記録を残さなければならない 参考法的要求事項の相違に依存して 定期的評価の頻度が異なってもよい 4.5.2.2 組織は 自らが同意するその他の要求事項の順守を評価しなければならない (4.3.2 参照 ) 組織は この評価を 4.5.2.1 にある法的要求事項の順守評価に組み込んでもよいし 別の手順を確立してもよい 参考組織が同意するその他の要求事項の相違に依存して, その定期的評価の頻度が異なってもよい 4.5.3 発生事象の調査 不適合 是正処置及び予防処置 4.5.3.1 発生事象の調査組織は, 次の事項ために発生事象を記録し 調査し 分析するための手順を確立し, 実施し 維持しなければならない a) 発生事象の発生の原因となっている 又はそれにかかわっていると思われる隠れた OH&Sの欠陥及びその他の要因を決定する b) 是正処置の必要性を明確にする c) 予防処置の機会を明確にする d) 継続的改善の機会を明確にする 14

e) このような調査の結果を周知する 調査は タイムリーに実施しなければならない 明確にされた全ての, 是正処置の必要性又は予防処置の機会は 4.5.3.2 の関連部分に従って処理しなければならない 発生事象の調査の結果は 文書化して 維持しなければならない 4.5.3.2 不適合並びに是正処置及び予防処置組織は, 顕在及び潜在の不適合に対応するための, 並びに是正処置及び予防処置をとるための手順を確立し, 実施し 維持しなければならない その手順では 次の事項に対する要求事項を定めなければならない a) 不適合を特定し 修正し それらのOH&Sの結果を緩和するための処置をとる b) 不適合を調査し 原因を確定し 再発を防止するための処置をとる c) 不適合を予防するための処置の必要性を評価し 不適合の発生を防ぐために立案された適切な処置を実施する d) とられた是正処置及び予防処置の結果を記録し, 周知する e) とられた是正処置及び予防処置の有効性をレビューする 是正処置及び予防処置が 新規の又は変更された危険源, 若しくは新規の又は変更された管理策の必要性を特定する場合 その手順は, その実施に先立ってリスクアセスメントを行なってから提案する処置をとるように要求しなければならない 顕在化及び潜在化する不適合の原因を除去するためにとられるあらゆる是正処置又は予防処置は, 問題の大きさに対応し, かつ, 生じたOH&Sリスクに見合ったものでなければならない 組織は 是正処置及び予防処置から生じるいかなる必要な変更も OH&Sマネジメントシステム文書に確実に反映しなければならない 4.5.4 記録の管理組織は, 組織のOH&Sマネジメントシステム及びこのOHSAS 規格の要求事項への適合並びに達成した結果を実証するのに必要な記録を作成し 維持をしなければならない 組織は, 記録の識別, 保管, 保護, 検索, 保管期間及び廃棄についての手順を確立し, 実施し, 維持しなければならない 記録は, 読みやすく 識別可能で 追跡可能な状態を保たなければならない 4.5.5 内部監査組織は, 次の事項を行うために, あらかじめ定められた間隔でOH&Sマネジメントシステムの内部監査を確実に実施しなければならない 15

a) 組織のOH&Sマネジメントシステムについて次の事項を決定する 1) このOHSAS 規格の要求事項を含めて, 組織のOH&Sマネジメントのために計画された取決め事項に適合しているかどうか 2) 適切に実施されており 維持されているかどうか 3) 組織の方針及び目標を満たすために有効であるかどうか b) 監査の結果に関する情報を経営層に提供する 監査プログラムは 組織活動のリスクアセスメントの結果及び前回の監査結果に基づき 組織によって計画され 策定され, 実施され 維持されなければならない 次の事項に対処する監査手順を確立し 実施し, 維持しなければならない a) 監査の計画及び実施 結果の報告 並びにこれに伴う記録の保持に関する 責任 力量及び要求事項 b) 監査基準 適用範囲 頻度及び方法の決定監査員の選定及び監査の実施においては, 監査プロセスの客観性及び公平性を確保しなければならない 4.6 マネジメントレビュートップマネジメントは, 組織のOH&Sマネジメントシステムが 引き続き適切で 妥当で かつ 有効であることを確実にするために, あらかじめ定められた間隔で, OH&Sマネジメントシステムをレビューしなければならない レビューには OH&S 方針及びOH&S 目標を含むOH&Sマネジメントシステムの改善の機会及び変更の必要性の評価を含まなければならない マネジメントレビューの記録は, 保持しなければならない マネジメントレビューへのインプットは 次の事項を含まなければならない a) 内部監査の結果 適用すべき法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項の順守評価の結果 b) 参加及び協議の結果 (4.4.3 参照 ) c) 苦情を含む外部の利害関係者からの関連するコミュニケーション d) 組織のOH&Sパフォーマンス e) 目標が達成されている程度 f) 発生事象の調査 是正処置及び予防処置の状況 g) 前回までのマネジメントレビューの結果に対するフォローアップ h)oh&sに関係した法的及びその他の要求事項の進展を含む 変化している周囲の状況 i) 改善のための提案マネジメントレビューからのアウトプットは 継続的改善への組織のコミットメントと整合していなければならなず また 次の事項に関係する あらゆる可能な変更についての決定 16

及び処置を含ましなければならない a)oh&sパフォーマンス b)oh&s 方針及び目標 c) 資源 d)oh&sマネジメントシステムの他の要素マネジメントレビューからの関連するアウトプットは コミュニケーション及び協議のために使用できるようにしておかなければならない (4.4.3 参照 ) 17