資料 2-2 財政制度等審議会財政投融資分科会 編成上の論点 地方公共団体 平成 26 年 11 月 28 日財務省理財局
( 機関名 : 地方公共団体 ) [ 平成 27 年度要求の概要 ] [ 編成上の論点 ] 27 年度要求 (A) < 通常収支分 > 26 年度当初 うち通常収支分 (B) ( 単位 : 億円 ) 増減 ( ) 額 (A)-(B) 事業規模 128,027 129,827 128,301 274 財政投融資 1 33,300 34,530 33,333 33 財政融資 33,300 34,530 33,333 33 産業投資 - - - - 政府保証 - - - - 自己資金等 2 94,727 95,297 94,968 1,241 地方公共団体金融機構資金 20,100 20,500 20,171 71 市場公募 42,600 42,600 42,600 - 銀行等引受 32,027 32,197 32,197 170 再計 (1+2) 128,027 129,827 128,301 274 ( 備考 ) 通常収支分 にかかる計数は 平成 27 年度の予算編成の内容 地方財政を めぐる動向等に対応し 全体として所要の修正を行うことがある また 27 年度における 東日本大震災分 については 東日本大震災に関 連する事業を円滑に推進できるよう 所要額について その全額を公的資金で確保を図ることとし 別途策定される 論点 1 地方公共団体向け財政融資のうち 臨時財政対策債については 平成 21 年度以降 経済 金融危機や東日本大震災の影響により発行額が再び高水準となっているところ 臨時財政対策債の赤字補填債としての性格に鑑み 財政融資資金については引き続き抑制的な配分とすべきでないか 論点 2 財政融資資金の償還年限を延長することについて その在り方を どのように考えるべきか
編成上の論点 ( 機関名 : 地方公共団体 ) 地方公共団体への貸付け 地方公共団体が地方財政計画等を踏まえて行う 道路 河川 上下水道等の社会資本整備等に必要な資金の一部を財政融資で手当て 平成 27 年度においては 財政融資 3 兆 3,300 億円を要求 ( 平成 26 年度計画額等を仮置き ) ( 参考 ) 地方債計画における臨時財政対策債の推移 年度 地方債計画総額 A 地方向け財融総額 B 臨財債 C 財融資金 D 地方債計画に占める臨財債 C/A 地方向け財融に占める臨財債 D/B ( 単位 : 億円 ) 臨財債に占める財融資金 D/C 15 184,845 50,700 58,696 16,224 31.8% 32.0% 27.6% 16 174,843 37,000 41,905 7,128 24.0% 19.3% 17.0% 17 155,366 35,400 32,231 5,268 20.7% 14.9% 16.3% 18 139,466 33,700 29,072 7,926 20.8% 23.5% 27.3% 19 125,108 32,800 26,300 7,890 21.0% 24.1% 30.0% 20 124,776 32,400 28,332 8,500 22.7% 26.2% 30.0% 21 141,844 39,340 51,486 15,446 36.3% 39.3% 30.0% 22 158,976 43,390 77,069 22,351 48.5% 51.5% 29.0% 23 137,340 37,310 61,593 17,860 44.8% 47.9% 29.0% 24 140,301 38,870 61,333 17,170 43.7% 44.2% 28.0% 25 136,878 36,810 62,132 17,086 45.4% 46.4% 27.5% 26 129,827 34,530 55,952 14,270 43.1% 41.3% 25.5% 27 ( 要求 ) 128,027 33,300 55,458 14,200 43.3% 42.6% 25.6% 論点 1 地方公共団体向け財政融資のうち 臨時財政対策債については 平成 21 年度以降 経済 金融危機や東日本大震災の影響により発行額が再び高水準となっているところ 臨時財政対策債の赤字補填債としての性格に鑑み 財政融資資金については引き続き抑制的な配分とすべきでないか 論点に対する考え方 1. 臨時財政対策債は 地方公共団体の赤字補填の性格を有していることから 資源配分機能を有する財政融資の対象としては相応しくない面がある 26 年度計画においては 危機時から平時への切替えを進めていく観点から 資金調達力の高い都道府県 指定都市の臨時財政対策債の財政融資引受割合を引き下げ 臨時財政対策債の総額に占める財政融資資金の割合を抑制している (27.5% 25.5%) 2.27 年度においても 資金調達能力の低い地方公共団体 特に指定都市を除く市町村に対しては柔軟に資金を供給しつつも 全体としては 引き続き抑制的な関与にとどめるべきではないか
( 参考 1) 財政投融資改革の総点検について ( 平成 16 年 12 月財政投融資分科会 ) 抄 2.(3) 14 地方公共団体 公営企業金融公庫赤字補填の性格を有する地方債については 資源配分機能を有する財政投融資の対象として相応しくない面があるものと考えられる 財政投融資を巡る課題と今後の在り方について ( 平成 26 年 6 月財政投融資分科会 ) 抄 Ⅳ.(3)ii. 資金使途に着目した重点化臨時財政対策債は 各団体が責任を有している借金であることに変わりはなく また 赤字補填の性格を有することを踏まえると 財政融資資金としては引き続き抑制的な関与にとどめ 資金調達能力の低い地方公共団体 特に指定都市を除く市町村に対しては 柔軟に対応していく ( 参考 2) 地方向け財政融資資金に占める臨時財政対策債の割合の推移 ( 注 1)25 年度は同意等予定額ベース ( 注 2)13 年度 ~18 年度は郵貯資金及び簡保資金を含む ( 出典 )13 年度 ~24 年度は各年度 地方債統計年報 25 年度は財務省資料
償還年限改定要望 耐用年数と償還年限との乖離を是正するため 上下水道事業や港湾整備事業等に係る公営企業債において 償還年限を延長 論点 2 財政融資資金の償還年限を延長することについて その在り方をどのように考えるべきか 事業等 平成 26 年度平成 27 年度償還年限償還年限改定要望 水道事業 30 40 交通事業 都市高速鉄道事業 30 45 ふ頭用地 20(30) 50 港湾整備事業 上屋 20(25) 31 荷役機械 15 17 病院事業 介護医療 看護用サービス事業機械器具 5 10 下水道事業 30 45 ( 注 1) 括弧内は 利率見直し方式における償還年限 ( 注 2) 耐用年数は配水管等個々の資産毎に定められているが 水道事業 交通事業 下水道事業の償還年限は 各事業に係る資産の耐用年 数を平均して算出 論点に対する考え方 1. 受益と負担の公平性を求める地方財政法の趣旨を踏まえると 公営企業債に係る財政融資資金の償還年限は 対象となる施設の耐用年数を超えないものとする必要があると考えられ 要望に係る各事業の償還年限について 対象施設の耐用年数を踏まえたものとなっているか 精査する必要がある 2. 公営企業債の償還年限を延長することは 公営企業の財務の健全性に影響を及ぼさないか 3.30 年 ( 財投債の最長年限 ) 超の超長期にわたる借入れを行う場合 地方公共団体には 借入れと表裏の関係にある資産が償還期間を通じて その機能を有効に発揮し得るよう より適切に管理することが求められるのではないか
( 参考 3) 財政投融資を巡る課題と今後の在り方について ( 平成 26 年 6 月財政投融資分科会 ) 抄 Ⅳ(4)ii.3 対応財政融資資金の利便性向上のため 施設の耐用年数等を勘案しつつ 財政融資資金の償還年限 ( 現行 原則 25 年 最長 30 年 ) の延長を検討する その際 財政融資資金のALMや償還確実性の確保の観点から 償還年限の長短に応じた償還方法についても検討する また 超長期の融資を行う場合には 償還確実性を確保する観点から より適切な融資審査を行うこととし 例えば 前述のように 人口急減 超高齢社会の到来も見据えた公共施設の事業分野横断的な管理を促す
( 参考 4) 地方公共団体 ( 市町村 ) の償還年限延長に係る要望 ( 本年 10 月下旬以降実施したヒアリング結果より ) 有効回答 29 団体 ( 延長を要望する理由 ) 融通条件の選択肢の多様化は歓迎 資本費平準化債の発行によらず 負担の平準化が可能になる 単年度の公債費負担の軽減 ( 延長を特に要望しない理由 ) 後世への負担の先送りを懸念