審査報告書 平成 28 年 8 月 30 日独立行政法人医薬品医療機器総合機構 承認申請のあった下記の医薬品にかかる医薬品医療機器総合機構での審査結果は 以下のとおりである 記 [ 販売名 ] コルヒチン錠 0.5 mg タカタ [ 一般名 ] コルヒチン [ 申請者 ] 高田製薬株式会社 [ 申請

Similar documents
審査結果 平成 25 年 9 月 27 日 [ 販売名 ] アナフラニール錠 10 mg 同錠 25 mg [ 一般名 ] クロミプラミン塩酸塩 [ 申請者名 ] アルフレッサファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 25 年 5 月 17 日 [ 審査結果 ] 平成 25 年 4 月 26 日開

審査結果 平成 23 年 4 月 11 日 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 11 月 11 日 [ 審査結果

審査結果 平成 26 年 1 月 6 日 [ 販 売 名 ] ダラシン S 注射液 300mg 同注射液 600mg [ 一 般 名 ] クリンダマイシンリン酸エステル [ 申請者名 ] ファイザー株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 25 年 8 月 21 日 [ 審査結果 ] 平成 25 年 7

審査結果 平成 26 年 2 月 7 日 [ 販売名 ] 1 ヘプタバックス-Ⅱ 2 ビームゲン 同注 0.25mL 同注 0.5mL [ 一般名 ] 組換え沈降 B 型肝炎ワクチン ( 酵母由来 ) [ 申請者名 ] 1 MSD 株式会社 2 一般財団法人化学及血清療法研究所 [ 申請年月日 ]

の状態により適宜減量する 成人 A 法 : 他の抗悪性腫瘍剤との併用において ブスルファンとして 1 回 0.8 mg/kg を生理食塩液又は 5% ブドウ糖液に混和 調製して 2 時間かけて点滴静注する 本剤は 6 時間毎に 1 日 4 回 4 日間投与する なお 年齢 患者の状態により適宜減量す

審査報告 (1) 別紙 平成 29 年 4 月 3 日 本申請において 申請者が提出した資料及び医薬品医療機器総合機構における審査の概略等は 以下 のとおりである 申請品目 [ 販売名 ] ジャドニュ顆粒分包 90 mg 同顆粒分包 360 mg [ 一般名 ] デフェラシロクス [ 申請者 ] ノ

未承認薬 適応外薬の要望に対する企業見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名要望された医薬品要望内容 CSL ベーリング株式会社要望番号 Ⅱ-175 成分名 (10%) 人免疫グロブリン G ( 一般名 ) プリビジェン (Privigen) 販売名 未承認薬 適応 外薬の分類

スライド 1

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

審査結果 平成 23 年 4 月 5 日 [ 販 売 名 ] ゴナールエフ皮下注用 150 [ 一 般 名 ] ホリトロピンアルファ ( 遺伝子組換え ) [ 申請者名 ] メルクセローノ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 7 月 21 日 [ 審査結果 ] 提出された資料から 本剤の視床

より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

葉酸とビタミンQ&A_201607改訂_ indd

要望番号 ;Ⅱ-183 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者学会 ( 該当する ( 学会名 ; 日本感染症学会 ) ものにチェックする ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 1 位 ( 全 8 要望中 ) 要望する医薬品

タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

要望番号 ;Ⅱ-286 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 33 位 ( 全 33 要望

(別添様式)

医薬品の基礎研究から承認審査 市販後までの主なプロセス 基礎研究 非臨床試験 動物試験等 品質の評価安全性の評価有効性の評価 候補物質の合成方法等を確立 最適な剤型の設計 一定の品質を確保するための規格及び試験方法などの確立 有効期間等の設定 ( 長期安定性試験など ) 医薬品候補物質のスクリーニン

(事務連絡)公知申請に係る前倒し保険適用通知

DRAFT#9 2011

Microsoft Word - 資料1【決定(差し替え)】調査結果報告書 調査会後修正

未承認の医薬品又は適応の承認要望に関する意見募集について

ともに 申請者が承認審査のスケジュールに沿って法令上求められる製造体制を整備することや承認後円滑に医療現場に提供するための対応が十分になされることで 更なる迅速な実用化を促すものである この制度では 原則として新規原理 新規作用機序等により 生命に重大な影響がある重篤な疾患等に対して 極めて高い有効

会社名

オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社

要望番号 ;Ⅱ 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 1) 1. 要望内容に関連する事項 要望 者 ( 該当するものにチェックする ) 優先順位 学会 ( 学会名 ; 日本ペインクリニック学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 2 位 ( 全 4 要望中 )

資料 2-4 イソプロピルアンチピリン製剤の安全対策について 平成 23 年 6 月 23 日平成 23 年度薬事 食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会 ( 第 2 回 ) 1. イソプロピルアンチピリン製剤の安全性に係る調査結果報告書 ( 別紙 ) 1 ページ

添付文書情報 の検索方法 1. 検索条件を設定の上 検索実行 ボタンをクリックすると検索します 検索結果として 右フレームに該当する医療用医薬品の販売名の一覧が 販売名の昇順で表示されます 2. 右のフレームで参照したい販売名をクリックすると 新しいタブで該当する医療用医薬品の添付文書情報が表示され

系統看護学講座 クイックリファレンス 2012年 母性看護学

(別添様式1)

< F2D CF6926D905C90BF82C98C5782E992CA926D88C4>

1)~ 2) 3) 近位筋脱力 CK(CPK) 高値 炎症を伴わない筋線維の壊死 抗 HMG-CoA 還元酵素 (HMGCR) 抗体陽性等を特徴とする免疫性壊死性ミオパチーがあらわれ 投与中止後も持続する例が報告されているので 患者の状態を十分に観察すること なお 免疫抑制剤投与により改善がみられた

13

<4D F736F F D2082A8926D82E782B995B68F E834E838D838A E3132>

医薬品たるコンビネーション製品の不具合報告等に関する Q&A [ 用いた略語 ] 法 : 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律 ( 昭和 35 年法律第 145 号 ) 施行規則 : 医薬品 医療機器等の品質 有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則 ( 昭和 36 年

スライド 1

目次 C O N T E N T S 1 下痢等の胃腸障害 下痢について 3 下痢の副作用発現状況 3 最高用量別の下痢の副作用発現状況 3 下痢の程度 4 下痢の発現時期 4 下痢の回復時期 5 下痢による投与中止時期 下痢以外の胃腸障害について 6 下痢以外の胃腸障害の副

から (3) までの具体的な予定については添付 2 の図のとおりですので申し添 えます

Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

た 18 歳以上の AD/HD 患者を対象に 日本人を含むアジア人によるプラセボ対照二重盲検比較試験及びその長期継続投与試験が現在実施されており 本剤の製造販売者によれば これらの試験成績に基づき 本剤の成人期 AD/HD 患者への追加適応に関する承認事項一部変更承認申請が行われる予定とされている

D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体 (S- 体 ) のみを含有するプロトンポンプ阻害剤である ネキシウム (D961H の日本における販売名 ) 錠 20 mg 及び 40 mg は を対象として

Microsoft Word - LIA RMP_概要ver2.docx

公募情報 平成 28 年度日本医療研究開発機構 (AMED) 成育疾患克服等総合研究事業 ( 平成 28 年度 ) 公募について 平成 27 年 12 月 1 日 信濃町地区研究者各位 信濃町キャンパス学術研究支援課 公募情報 平成 28 年度日本医療研究開発機構 (AMED) 成育疾患克服等総合研

医薬品の添付文書等を調べる場合 最後に 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 特定の文書 ( 添付文書以外の文書 ) の記載内容から調べる場合 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 最後に 調べたい医薬品の名称を入力 ( 名称の一部のみの入力でも検索可能

Sep :28:29

用法 用量 発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制 mg mg mg mg kg 30kg 40kg 20kg 30kg 10kg 20kg 5kg 10kg 1900mg mg mg mg

2. 改訂内容および改訂理由 2.1. その他の注意 [ 厚生労働省医薬食品局安全対策課事務連絡に基づく改訂 ] 改訂後 ( 下線部 : 改訂部分 ) 10. その他の注意 (1)~(3) 省略 (4) 主に 50 歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において 選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び

鑑-H リンゼス錠他 留意事項通知の一部改正等について

要望番号 ;Ⅱ-24 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 8 位 ( 全 33 要望中

DRAFT#9 2011

(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

Microsoft Word - 日薬連宛抗インフル薬通知(写).doc

5_使用上の注意(37薬効)Web作業用.indd

生後 1 カ月 HB ワクチン 0.25ml 皮下注射生後 6 カ月 HB ワクチン 0.25ml 皮下注射 2013 年 11 月 1 日 日本産科婦人科学会周産期委員会未承認薬検討小委員会担当委員日本周産期 新生児医学会副理事長 社保委員会副委員長久保隆彦

医薬品説明会資料 ジェネリック (後発医薬品)

使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 1 2X X 重要な基本的注意 1TNF 2TNF TNF 3 X - CT X 4TNFB HBsHBcHBs B B B B 5 6TNF 7 8dsDNA d

添付 書の記載 それってどういう意味? ( 独 ) 医薬品医療機器総合機構佐藤淳

Microsoft Word (発出版)適正使用通知案(冷凍アブレーション)

301226更新 (薬局)平成29 年度に実施した個別指導指摘事項(溶け込み)

る として 平成 20 年 12 月に公表された 規制改革推進のための第 3 次答申 において 医療機器開発の円滑化の観点から 薬事法の適用範囲の明確化を図るためのガイドラインを作成すべきであると提言したところである 今般 薬事法の適用に関する判断の透明性 予見可能性の向上を図るため 臨床研究におい

<4D F736F F D208D B B835896F2938A975E82CC8D6C82A695FB2E646F63>

3. 実施時期平成 29 年 4 月 3 日より本件改修後のQMS 調査申請書の作成及び機構受付が可能となります 4. その他 本改修により承認申請書とQMS 調査申請書の同時申請が可能となるのは 両申請書をDW APで作成した場合に限ります (FD 申請ソフトによる申請の場合は同時申請できません

12_モニタリングの実施に関する手順書 

改訂後 ⑴ 依存性連用により薬物依存を生じることがあるので 観察を十分に行い 用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること また 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により 痙攣発作 せん妄 振戦 不眠 不安 幻覚 妄想等の離脱症状があらわれることがあるので 投与を中止する場合には 徐々に

モビコール 配合内用剤に係る 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 販売名 モビコール 配合内用剤 有効成分 マクロゴール4000 塩化ナトリウム 炭酸水素ナトリウム 塩化カリウム 製造販売業者 EA ファーマ株式会社 薬効分類 提出年月 平成 30 年 10 月 1.1. 安全

IORRA32_P6_CS6.indd

Mar :38:37

【資料4-1】公知申請該当性報告書(コルヒチン)本文

汎発性膿庖性乾癬の解明

Microsoft Word - JAID_JSC 2014 正誤表_ 原稿

都道府県医師会医療安全担当理事殿 ( 法安 56) 平成 27 年 8 月 5 日 日本医師会常任理事今村定臣 酵素電極法を用いた血糖測定に使用する医療機器及び体外診断用医薬品に係る 使用上の注意 の改訂について グルコース分析装置 自己検査用グルコース測定器及び自動分析装置等並びに血液検査用グルコ

Microsoft Word - (発番)医療機器の製造販売承認申請について

10038 W36-1 ワークショップ 36 関節リウマチの病因 病態 2 4 月 27 日 ( 金 ) 15:10-16:10 1 第 5 会場ホール棟 5 階 ホール B5(2) P2-203 ポスタービューイング 2 多発性筋炎 皮膚筋炎 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:4

<4D F736F F D B A814089FC92F982CC82A8926D82E782B95F E31328C8E5F5F E646F63>

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

薬機安一発第 号 薬機安二発第 号平成 26 年 10 月 31 日 ( 別記 ) 殿 独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全第一部長 独立行政法人医薬品医療機器総合機構安全第二部長 添付文書等記載事項の改訂等に伴う相談に関する留意点等について 薬事法等の一部を改正す

薬生安発 0302 第 1 号 平成 30 年 3 月 2 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省医薬 生活衛生局医薬安全対策課長 ( 公印省略 ) 医薬品リスク管理計画の実施に基づく再審査期間終了後の評価報告について の一部改正について 再審査期間中の新医薬品以外の医薬品の医薬品リ

員長及び医薬品医療機器等法登録認証機関協議会代表幹事宛て送付するこ ととしていることを申し添えます 記 1. 基本要件基準第 13 条第 5 項及び第 6 項への適合性確認の基本的な考え方について (1)2023 年 ( 平成 35 年 )2 月 28 日 ( 以下 経過措置期間終了日 という )

Microsoft Word - todaypdf doc

PowerPoint プレゼンテーション

2 抗インフルエンザウイルス薬と異常行動の議論と今後の予定 平成 21 年に取りまとめられた報告書以降の知見を改めて報告書にまとめ 以下の議論がなされた 平成 21 年以降の非臨床研究及び 10 年に及ぶ疫学研究の科学的な知見を総括し 以下の事実から タミフル服用のみに異常行動と明確な因果関係がある

PowerPoint プレゼンテーション

再生医療の制度的な対応の検討について 薬事法等制度改正についてのとりまとめ平成 24 年 1 月 24 日厚生科学審議会医薬品制度改正部会 1 再生医療製品については 今後も 臓器機能の再生等を通じて 重篤で生命を脅かす疾患等の治療等に ますます重要な役割を果たすことが期待される 特に ips 細胞

平成14年度研究報告

Microsoft Word - 奈良県GQP-GVPガイドライン doc

膿疱性乾癬の効能追加 ( 承認事項の 部変更承認 ) に伴う改訂 改訂内容 ( 該当部のみ抜粋 ) 警告 1.~3. 4. 関節リウマチ患者では, 本剤の治療を行う前に, 少なくとも 1 剤の抗リウマチ薬等の使用を十分勘案すること. また, 本剤についての十分な知識とリウマチ治療の経験をもつ医師が使

汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について ポイント 厚生労働省の難治性疾患克服事業における臨床調査研究対象疾患 指定難病の 1 つである汎発性膿疱性乾癬のうち 尋常性乾癬を併発しないものはインターロイキン 36 1 受容体拮抗因子欠損症 (

<4D F736F F D2089FC92F994ED8CB18ED295E58F5782CC82BD82DF82CC8FEE95F192F18B9F977697CC5F A2E646F63>

<4D F736F F D204E AB38ED2976C90E096BE A8C9F8DB88A B7982D1928D88D38E968D >

薬食機発 0131 第 1 号平成 25 年 1 月 31 日 各都道府県衛生主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省医薬食品局審査管理課医療機器審査管理室長 薬事法に基づく登録認証機関の基準改正に伴う留意事項について ( その 2) 薬事法 ( 昭和 35 年法律第 145 号 以下 法 という )

Microsoft PowerPoint - ⑨140925,30日薬連講習会(後発RMP)930.ppt [互換モード]

生殖発生毒性試験の実施時期について


170509事務連絡(日本医学会・日本歯科医学会あて)

系統看護学講座 クイックリファレンス 2013年7月作成

己炎症性疾患と言います 具体的な症例それでは狭義の自己炎症性疾患の具体的な症例を 2 つほどご紹介致しましょう 症例は 12 歳の女性ですが 発熱 右下腹部痛を主訴に受診されました 理学所見で右下腹部に圧痛があり 血液検査で CRP 及び白血球上昇をみとめ 急性虫垂炎と診断 外科手術を受けました し

<4D F736F F D B4B90A789FC8A7689EF8B638EBF96E28E968D A82C991CE82B782E989F1939A2E646F63>

( 別添 ) 御意見 該当箇所 一般用医薬品のリスク区分 ( 案 ) のうち イブプロフェン ( 高用量 )(No.4) について 意見内容 <イブプロフェン ( 高用量 )> 本剤は 低用量製剤 ( 最大 400mg/ 日 ) と比べても製造販売後調査では重篤な副作用の報告等はない 一方で 今まで

(別添様式1)

体外受精についての同意書 ( 保管用 ) 卵管性 男性 免疫性 原因不明不妊のため 体外受精を施行します 体外受精の具体的な治療法については マニュアルをご参照ください 当施設での体外受精の妊娠率については別刷りの表をご参照ください 1) 現時点では体外受精により出生した児とそれ以外の児との先天異常

Transcription:

審査報告書 平成 28 年 8 月 30 日独立行政法人医薬品医療機器総合機構 承認申請のあった下記の医薬品にかかる医薬品医療機器総合機構での審査結果は 以下のとおりである 記 [ 販売名 ] コルヒチン錠 0.5 mg タカタ [ 一般名 ] コルヒチン [ 申請者 ] 高田製薬株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 28 年 3 月 24 日 [ 剤形 含量 ] 1 錠中にコルヒチン 0.5 mg を含有する錠剤 [ 申請区分 ] 医療用医薬品 (4) 新効能医薬品及び (6) 新用量医薬品 [ 特記事項 ] 薬事 食品衛生審議会における事前評価について ( 平成 28 年 2 月 26 日付け薬生審査発 0226 第 4 号 ) に基づく承認申請 薬事 食品衛生審議会で事前評価を受けた医薬品の承認審査について ( 平成 22 年 9 月 15 日付け薬食審査発 0915 第 3 号 ) に基づく迅速審査 [ 審査担当部 ] 新薬審査第四部 [ 審査結果 ] 平成 28 年 2 月 26 日開催の薬事 食品衛生審議会医薬品第二部会における 医療上の必要性の高い未承認薬 適応外薬検討会議公知申請への該当性に係る報告書コルヒチン家族性地中海熱 に関する事前評価及び提出された資料から 本品目の家族性地中海熱に対する有効性及び安全性は確認されているものと判断する 以上 別紙のとおり 医薬品医療機器総合機構における審査の結果 本品目については 以下の効能又は効果並びに用法及び用量で承認して差し支えないと判断した [ 効能又は効果 ] 痛風発作の緩解及び予防 家族性地中海熱 [ 用法及び用量 ] 痛風発作の緩解及び予防通常 成人にはコルヒチンとして 1 日 3~4 mg を 6~8 回に分割経口投与する なお 年齢 症状により適宜増減する 発病予防には通常 成人にはコルヒチンとして 1 日 0.5~1 mg 発作予感時には 1 回 0.5 mg を経口

投与する 家族性地中海熱通常 成人にはコルヒチンとして 1 日 0.5 mg を 1 回又は 2 回に分けて経口投与する なお 患者の状態により適宜増減するが 1 日最大投与量は 1.5 mg までとする 通常 小児にはコルヒチンとして 1 日 0.01~0.02 mg/kg を 1 回又は 2 回に分けて経口投与する なお 患者の状態により適宜増減するが 1 日最大投与量は 0.03 mg/kg までとし かつ成人の 1 日最大投与量を超えないこととする 2

審査報告 別紙 平成 28 年 8 月 29 日 本申請において 申請者が提出した資料及び医薬品医療機器総合機構における審査の概略等は 以下のとおりである 申請品目 [ 販売名 ] コルヒチン錠 0.5 mg タカタ [ 一般名 ] コルヒチン [ 申請者 ] 高田製薬株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 28 年 3 月 24 日 [ 剤形 含量 ] 1 錠中にコルヒチン 0.5 mg を含有する錠剤 [ 申請時の効能又は効果 ] 痛風発作の緩解及び予防家族性地中海熱 [ 申請時の用法及び用量 ] 痛風発作の緩解及び予防通常 成人にはコルヒチンとして 1 日 3~4 mg を 6~8 回に分割経口投与する なお 年齢 症状により適宜増減する 発病予防には通常 成人にはコルヒチンとして 1 日 0.5~1 mg 発作予感時には 1 回 0.5 mg を経口投与する 家族性地中海熱通常 成人には コルヒチンとして 1 日 0.5 mg を 1 回又は 2 回に分けて経口投与する なお 患者の状態により適宜増減するが 1 日最大投与量は 1.5 mg までとする 通常 小児には コルヒチンとして 1 日 0.01~0.02 mg/kg を 1 回又は 2 回に分けて経口投与する なお 患者の状態により適宜増減するが 1 日最大投与量は 0.03 mg/kg までとし かつ成人の 1 日最大投与量を超えないこととする [ 目次 ] 1. 起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等... 3 2. 臨床に関する資料及び機構における審査の概略... 3 3. 機構による承認申請書に添付すべき資料に係る適合性調査結果及び機構の判断... 6 4. 総合評価... 6

[ 略語等一覧 ] 略語 英語 日本語 機構 - 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 検討会議 - 医療上の必要性の高い未承認薬 適応外薬検討会議 公知申請の該当性 医療上の必要性の高い未承認薬 適応外薬検討会議公知申 - 報告書請への該当性に係る報告書コルヒチン家族性地中海熱 本剤 - コルヒチン錠 0.5 mg タカタ 本薬 - コルヒチン 2

1. 起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等コルヒチンは イヌサフラン Colchicum autumnale L. 等の種子から抽出したアルカロイドであり 本邦において コルヒチン含有経口製剤である本剤は塩野義製薬株式会社により開発され 1964 年に痛風発作の緩解及び予防に係る効能 効果で製造承認された その後 本剤の製造販売承認は 2010 年に高田製薬株式会社に承継されている 家族性地中海熱は 第 16 染色体の遺伝子変異を原因とする 地中海沿岸地域を起源とする民族に比較的多く認められる常染色体劣性遺伝病である 通常 38 以上の周期性発熱に加えて 胸膜炎 腹膜炎 関節炎等の炎症症状が認められ 頻度は低いものの 心膜炎 精巣漿膜炎 足関節周囲や足背における丹毒様紅斑 無菌性の髄膜炎を発症する場合もある 重篤な合併症の一つである二次性アミロイドーシスのうち 腎アミロイドーシスを発症すると腎不全に至る場合もある 厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業 家族性地中海熱の病態解明と治療指針の確立 研究班による 2009 年から 2012 年にわたる疫学調査から 本邦における家族性地中海熱の推定患者総数は 292 人 このうち 91.8% の症例にコルヒチンが投与され 奏効率は 92% であったことが報告されている 以上の結果に基づき作成された 家族性地中海熱診療ガイドライン 2011( 改訂版 ) には 家族性地中海熱の診断が確定した場合コルヒチンを投与すべきである ( グレード A 強い科学的根拠があり 行うよう強く勧められる ) との記載があり 本薬の投与が推奨されている 海外において 本薬は家族性地中海熱の第一選択薬として使用されており 家族性地中海熱又は周期性発熱疾患に係る効能 効果で 米国では 2009 年 仏国では 2010 年 加国では 2012 年に承認されている このような状況を踏まえ 日本小児リウマチ学会及び一般社団法人日本リウマチ学会から 本剤の家族性地中海熱の適応拡大に関する要望が提出され 平成 27 年 4 月 22 日開催の第 23 回検討会議において 医療上の必要性が高いと判断され 未承認薬 適応外薬の開発の要請について ( 平成 27 年 5 月 21 日付け医政研発 0521 第 1 号 薬食審査発 0521 第 1 号 ) により申請者に対して開発要請がなされた その後 平成 28 年 2 月 3 日開催の第 26 回検討会議において 医療上の必要性の高い未承認薬 適応外薬検討会議公知申請への該当性に係る報告書コルヒチン家族性地中海熱 が取りまとめられた 当該報告書に基づき 平成 28 年 2 月 26 日開催の薬事 食品衛生審議会医薬品第二部会において 本剤に対して事前評価が行われ 本剤の製造販売承認事項一部変更承認申請を行うことは可能と判断された 本申請は 薬事 食品衛生審議会における事前評価について ( 平成 28 年 2 月 26 日付け薬生審査発 0226 第 4 号 ) 及び 薬事 食品衛生審議会において公知申請に関する事前評価を受けた医薬品の適応外使用について に関する質疑応答について ( 平成 22 年 9 月 1 日付け厚生労働省医薬食品局総務課 審査管理課 安全対策課事務連絡 ) に基づくものである 2. 臨床に関する資料及び機構における審査の概略本申請では 新たな臨床試験は実施されず 検討会議にて取りまとめられた公知申請の該当性報告書 添付文書 ( 案 ) 等が資料として提出された 2.R 機構における審査の概略機構は 申請資料として提出された公知申請の該当性報告書等を踏まえ 添付文書 ( 案 ) について 更に追加 修正すべき点を検討し 専門協議を実施した なお 本専門協議の専門委員は 本申請品目についての専門委員からの申し出等に基づき 医薬品医療機器総合機構における専門協議等の実施に関する達 ( 平成 20 年 12 月 25 日付け 20 達第 8 号 ) の規定により 指名した 3

2.R.1 添付文書 ( 案 ) について申請者は 検討会議において妊婦又は妊娠している可能性のある家族性地中海熱患者に対する本剤投与の可否について検討するよう指摘があったことを踏まえて 当該患者に対する本剤の投与について 以下のように説明している 妊婦又は妊娠している可能性のある女性への本剤の投与については マウスを用いた発生毒性試験において 本薬 (1.0~2.0 mg/kg 単回腹腔内投与 ヒト等価用量として 0.081~0.16 mg/kg 体重 60 kg で 4.9 ~9.8 mg 相当 ) による用量依存的な妊娠率の低下及び胎児奇形 ( 髄膜脳瘤 小眼 無眼等 ) の発現率の増加が認められたとの公表文献 (Arch Environ Health. 1968; 16: 326-32) に基づき 1975 年に禁忌に設定されている しかし 近年のコホート研究において 家族性地中海熱患者における妊娠中の本剤投与について危険性があると明確に結論付けられた報告はなく ( 表 1) 本剤の投与中止によりアミロイドーシスの進行及び発作発現による流産のリスクが懸念される (Ann Rheum Dis. 2003; 62: 916-9) 等の報告を踏まえて 表 2 のとおり 国内外の診療ガイドライン及び教科書では 妊娠中も本剤の投与を中止すべきでない旨が記載されている また 米国 仏国及び加国の添付文書においても 妊婦及び妊娠している可能性のある女性に対する本剤の投与は禁忌とされていない ( 表 3) 以上の知見を踏まえると 妊婦又は妊娠している可能性のある家族性地中海熱患者については禁忌としないことが適切と考える 表 1 妊娠中のFMF 患者に対するコルヒチン投与に関する公表文献 出典 例数 概略 妊娠中にコルヒチンを 使用した FMF 患者 61 コルヒチン使用 FMF 患者 コルヒチン未使用 FMF 患者及び健康成人例における妊娠件数女性における妊娠転帰は それぞれ初期流産が 16 件 (8.9%) 27 件 179 件 (13.7%) 及び 46 件 (14%) 後期流死産が 2 件 (1.1%) 4 件 (2.0%) Arthritis Care Res. 2010; 62: 妊娠中にコルヒチンを及び 6 件 (2.0%) 大奇形が 1 件 (0.56%) 2 件 (1.01%) 及び 2 件 (0.6%) 143-8 使用していない FMF 患であった 各集団における妊娠転帰に明らかな差は認められず 健康成者 49 例における妊娠件人及びコルヒチン未使用患者と比較して 妊娠中にコルヒチンを使用数 197 件した FMF 患者において 妊娠転帰が悪化する傾向は認められなかった 健康成人女性 84 例にお ける妊娠件数 312 件 Am J Obstet Gynecol. 2010; 203: e1-6 Am J Reprod Immunol. 1992; 28: 245-6 Am J Obstet Gynecol, 2005; 193: 1513-16 妊娠中にコルヒチンを使用した患者における妊娠件数 238 件 妊娠中にコルヒチンを使用していない患者における妊娠件数 964 件 妊娠中にコルヒチンを使用した FMF 患者における妊娠件数 131 件 妊娠中にコルヒチンを使用していない FMF 患者における妊娠件数 94 件 コルヒチン投与例数 326 例 ( 女性 236 例 男性 90 例 ) における妊娠件数 901 件 ( コルヒチン投与時妊娠件数 898 件 ) コルヒチン使用妊婦 ( 疾患別内訳 :FMF 87.3% ベーチェット病 7.5% その他 5.2%) 及びコルヒチン等の催奇形性を有する薬剤を使用していない妊婦において それぞれ流産が 5.0%(12/238 件 ) 及び 5.7%(55/964 件 ) に認められた また 奇形の有無の確認を行った児 ( 中絶児を含む ) において 先天大奇形が認められた割合はコルヒチン使用下で 4.5% (10/221 件 ) コルヒチン非使用下で 3.9%(35/908 件 ) であり コルヒチン投与による催奇形性リスクは示唆されなかった妊娠中全期間又は一部の期間にコルヒチンを使用した患者及び妊娠中コルヒチン未使用患者における自然流産の発現率は それぞれ 16 件 (12.2%) 及び 19 件 (20.2%) であり コルヒチン使用患者において認められた 21 番染色体トリソミー 2 例はコルヒチン投与との関連性は低いと結論付けられている 追跡調査が可能であった コルヒチン使用患者からの出生児 130 例について 成長障害及び発達障害は認められなかった 染色体異常及び構造異常の観察数 ( それぞれ 7 及び 6) は 母体年齢等に基づく予測数 ( それぞれ 4.99 及び 3.22) と比較して高い傾向は認められなかった また 先天性欠損症は 7 例 ( 全妊娠の 0.8%) に認められたが イスラエルにおける先天性欠損発現率 (4.7%) よりも低頻度であった 4

家族性地中海熱診療ガイドライン 2011( 改訂版 ) ( 厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業研究班 ) EULAR recommendations for the management of familial Mediterranean fever(ann Rheum Dis. 2016; 0: 1-8) Kelly s Textbook of Rheumatology Nelson Textbook of Pediatrics, 19 th Edition 表 2 国内外の診療ガイドライン及び教科書における記載 概略特殊症例に対する治療 : 妊娠 出産時の対応 妊婦へのコルヒチンの投与に関しては コルヒチンの胎児への影響は少ないとの報告が多いが 患者ごとの症状の程度や発作による胎児への影響なども考慮し 必要最低量の投与が望まれる 授乳中のコルヒチンの投与に関しては 乳汁中へのコルヒチンの排出はごく微量であり投与継続が望まれる 一部の添付文書等では 妊娠中及び授乳中のコルヒチン投与は禁忌とされているが 健康成人女性と比較して コルヒチンが投与された FMF 患者における流産や奇形の発現率が高いことを示す結果は得られていない 一方 FMF に対するコルヒチン治療が導入される以前の 1970 年代には FMF 患者の流産や妊娠中絶率は一般集団より高く 25~30% であったことが報告されている コルヒチン投与の中止はアミロイドーシスの発症 FMF 発作の増悪に至る可能性があり 腹膜炎を伴う妊娠中の FMF の急性発作は早産又は流産を引き起こす可能性もある したがって コルヒチンは受胎 妊娠又は授乳期において中止すべきではない コルヒチンによる精子の産生や機能に関する重大な有害作用はない 妊娠を希望する若年女性がコルヒチンを中止した場合には 発作の頻度及び重症度が増加し 妊孕性や妊娠に伴う問題が増大する コルヒチンは妊娠早期においても安全であると証明されており 催奇形性への懸念により治療を中止すべきではない また コルヒチンは授乳期間中も継続可能である 妊娠中の FMF 患者に対するコルヒチン治療では 母体にも胎児にも有害作用は報告されていない また コルヒチンを長期間使用しても 男女の生殖能 妊娠 胎児発育 出生児の発育等に影響を及ぼすことはないと考えられている 承認国 米国 仏国 加国 承認年月日 2009 年 7 月 30 日 2010 年 2 月 3 日 2012 年 12 月 妊婦に関する記載 表 3 海外添付文書における記載 8.1 妊娠妊娠危険度 C 妊婦でのコルヒチンに関する適切かつ良好に統制された研究はない コルヒチンはヒトの胎盤を通過する 痛風発作の治療についての研究ではないが 少数の公表されている研究では 家族性地中海熱 (FMF) の治療にコルヒチンを使用している妊婦における流産 死産 あるいは催奇性のリスク増加を示すエビデンスは見つかっていない 本剤を用いた実験動物での生殖 及び発生試験は行っていないが 公表されている実験動物での生殖 発生試験では 臨床的治療域以上のコルヒチンへの曝露によって胚胎児毒性や催奇性 生後発達の変化が引き起こされることが示唆されている 妊娠中には 予想されるベネフィットが 胎児に予想されるリスクを上回る場合にのみ本剤を使用すること 4.6. 妊婦及び授乳婦への投与妊婦の場合 本剤の投与が必要な疾患であれば 妊娠終了まで治療を継続してよい 警告妊娠 : 動物及び植物の細胞分裂がコルヒチンによって停止することがある 特定の状況下での特定の動物種において コルヒチンは催奇形性作用を発現し 精子形成に対し有害な影響をもたらした 本剤を妊娠中に使用する場合 又は服用中に妊娠した場合 女性に対して胎児に害を及ぼす可能性があることを伝えること このような作用はヒトでは確認されていないため 利用可能な関連情報はわずかである 上記の観点から 妊娠中のコルヒチンの使用は推奨されない 機構は 以下の理由等を勘案すると 妊婦又は妊娠している可能性のある家族性地中海熱患者については禁忌としないことが適切であると判断した また 妊娠中に本剤の投与を中止することによる母体及び胎児へのリスクを回避するため 投与を継続することのベネフィットと本薬の発生毒性試験において 単回腹腔内投与により検討された最低投与量から催奇形性が認められていること等のリスクを踏まえて 上記の特殊集団に対して本剤投与を継続することの適否は 個々の患者の状態に応じて慎重に判断することが重要と考える 現時点で家族性地中海熱に対する治療薬はなく 本剤の投与中止によりアミロイドーシスの進行及び発作発現による流産のリスクが懸念されること 使用経験は限られているものの 妊娠中に本剤を服用した家族性地中海熱患者において明確な催奇形性を示唆する結果は得られていないこと 5

専門協議において 上記の機構の判断は専門委員から支持された 機構は 専門協議における議論を踏まえ 添付文書の 禁忌 及び 妊婦 産婦 授乳婦等への投与 の項において 以下の内容を記載するよう申請者に指示し 申請者はこれに従う旨を回答した 禁忌妊婦又は妊娠している可能性のある女性 ( 家族性地中海熱の場合を除く )( 妊婦 産婦 授乳婦等への投与 の項参照 ) 妊婦 産婦 授乳婦等への投与妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと ただし 家族性地中海熱に限り 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には 治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること [ マウスに単回腹腔内投与した試験において 最低投与量の 4.9 mg( 体重 60 kg のヒトに換算した用量 ) 相当から用量依存的な催奇形性 ( 髄膜脳瘤 小眼 無眼等 ) が報告されている 妊娠中に本剤を服用した家族性地中海熱の患者において明確な催奇形性を示唆する報告はないが ヒトでの使用経験は限られている ] 3. 機構による承認申請書に添付すべき資料に係る適合性調査結果及び機構の判断本申請については 薬事 食品衛生審議会における事前評価について ( 平成 28 年 2 月 28 日付け薬食審査発 0226 第 4 号 ) に基づき 医学薬学上公知であるものとして新たに試験を実施することなく申請が行われたため 調査すべき資料はない 4. 総合評価平成 28 年 2 月 28 日開催の薬事 食品衛生審議会医薬品第二部会における公知申請の該当性報告書に関する事前評価及び以上の審査を踏まえ 機構は 以下の効能又は効果 用法及び用量で承認して差し支えないと判断する [ 効能又は効果 ] 痛風発作の緩解及び予防 家族性地中海熱 [ 用法及び用量 ] 痛風発作の緩解及び予防通常 成人にはコルヒチンとして 1 日 3~4 mg を 6~8 回に分割経口投与する なお 年齢 症状により適宜増減する 発病予防には通常 成人にはコルヒチンとして 1 日 0.5~1 mg 発作予感時には 1 回 0.5 mg を経口投与する 家族性地中海熱 6

通常 成人にはコルヒチンとして 1 日 0.5 mg を 1 回又は 2 回に分けて経口投与する なお 患者の状態により適宜増減するが 1 日最大投与量は 1.5 mg までとする 通常 小児にはコルヒチンとして 1 日 0.01~0.02 mg/kg を 1 回又は 2 回に分けて経口投与する なお 患者の状態により適宜増減するが 1 日最大投与量は 0.03 mg/kg までとし かつ成人の 1 日最大投与量を超えないこととする 以上 7