妊婦フェチ創作の発展に見る 文化の成長のケーススタディ 芝こおろぎ
妊婦を題材とする創作の歴史が 私自身の人生と言える ファンとしてクリエイターとして情報提供者として 何を行ってきたのかについてその歴史とともに紹介する 内容
歴史 妊婦を題材とする創作の歴史を 以下のように私は分類する 第一期 : 誕生以前 奇形フェチの世界第二期 : あるみねこの風船爆弾の誕生第三期 : 各種メディアのクリエイターの誕生 : 情報集約サイトの設立第四期 : アブノーマルカーニバルの活動第五期 : クリエイタープラットフォーム第六期 : 現在
第一期奇形フェチの時代 (~1997 年ごろ ) 妊婦フェチというのが独立したジャンルとして認知されない時期も妊婦を題材とした創作はあった この時期は 奇形 や 人体改造 と呼ばれるジャンルの一部として妊婦表現があった
第二期あるみねこの風船爆弾の誕生 (1998 年ごろ ) 1998 年に 奇形ではなく妊婦フェチが存在する と主張する人が現れた それがあるみねこ氏である R18 表現 着衣表現 小説など多くのコンテンツを一人で手掛け 他人のコンテンツの投稿も受け付け プラットフォームの役割も持っていた
あるみねこの風船爆弾では ほかの作家の投稿も受け付け 妊婦絵師の登竜門のような形のなっていた この時期は 他に人が集まる場所がなかったのである この時期私は絵を描き 投稿するクリエイターとしての活動を行った 第二期における私の活動
第三期各種メディアのクリエイターの誕生 (2000 年ごろ ) 2000 年ごろになると あるみねこの風船爆弾に絵を投稿していた人々の中から 独自に活動を始める人が出てきた 同人界ではドメスティックアニマルズ 成人向けゲーム界では OverFrow がそれぞれの先駆者として活躍した
第三期における私の活動 この時期私は 妊婦絵専門の Web ページである Puni Puni Preggers を開設 あるみねこの風船爆弾に続き日本で 2 番目 世界で 3 番目の妊婦絵専門サイトとなった
クリエイター同士の交流 相互リンク 妊婦絵クリエイターを増やすことを目的に 相互リンクつかって絵師情報を集め またそのお祝い CG などを送り ともに活動しようと声掛けを行った 残念ながら 絵師を増やすことには この活動はあまり寄与しなかった
Overflow が妊婦絵の成人向けゲームを販売したことを受け 2ch では成人向けゲームの情報がやり取りされるようになった これらの情報をまとめる HR 難民スレッドというサイトがこの時期開設された 情報集約サイトの設立
情報提供分野における私の活動 私は自分のサイトに ファン同士が情報交換できるサイト ぼて連 を立ち上げた ここで成人向けゲーム以外のメディア情報を収集した これはあまり功を奏しなかったが 外国人に喜ばれた
ぼて腹同人情報リスト この活動のうち 同人誌の収集とその提供サークルの情報収集は今も続けており 妊婦絵作家の情報提供を続けている 我が家の書庫は 妊婦絵文化が歩いてきた歴史そのものといえる
第四期アブノーマルカーニバルの活動 (2005 年頃 ) 2005 年頃になると 妊婦やその他の特殊性癖のみを扱う同人イベントが開催されるようになった それがアブノーマルカーニバルである 中心となったのはドメスティックアニマルズの村雨丸氏と ともに活動していた天村氏で あるみねこの風船爆弾に絵を投稿していたころのメンバーが活動していたことになる
第四期における私の活動 同人サークルで活動していると 他にどんな人が妊婦絵を描いているかわからない との声を受け このころから行ったのが妊婦絵限定スケブを依頼することである これは妊婦絵に需要があることを直接的に描き手に伝えると同時に 他の作家も妊婦絵を描いていることを伝えることができるツールとなった
第四期における私の活動 クリエイターへの利益誘導 いくら自分が好きなものでも 売れなければ描き手は続けられず 結果として描き手は減ってしまう しかし自分一人では需要になれない そこでヤフオクで転売を行っている人々に着目した 彼らは同人ファンから嫌われてはいるが 高く売れるものは買うはずである 買えばもちろん描き手の利益になる これを利用できないか?
転売屋を利用したステマ 相場は大体決まっている 並ぶ必要のある大手 1000 円スタート 1 時間並ぶ 1500 円スタート 並んでも買えない場合も 3000 円スタートここで 妊婦絵同人誌を一冊 3000 円 ~10000 円で落札し続けた これが功を奏したのか 目に見えて描き手が増えたのはこの時期からである
第五期クリエイタープラットフォーム (2007 年ごろ ) やがて絵を投稿できるソーシャルサービスが出来上がる それが pixiv である これができて以降 妊婦絵を描く人が多くいることが確認できるようになり web や同人活動を行っていない人でも作品を共有できるようなった その結果 妊婦絵師たちは私が確認しきれない数にまで増え続けている
現在成人向けコンテンツとして 現在では 成人向けゲームの売りとして妊婦表現が使われる例も出てきた また妊婦表現を中心とする成人コミックも定期的に販売されるようになり 同人作家はコミケの多くの場所を占めるようになっている
現在一般向けコンテンツとして 妊婦表現は必ずしも成人向けのものと限らないため アニメ ゲームなどの分野でも妊婦絵表現が随所に現れるようになってきている
作品を作らなければファンは買うことができず またクリエイターは作品が売れなければ創作を続けることは困難である ファンとクリエイターの関係 ファンとクリエイターは右足と左足のような関係 同時に鶏と卵のような関係にもある ファン 自分で物を生み出せない 購入以外で需要を示す事が困難 誰かが作るまで待つしかない 販売 ( 作品 ) 購入 ( 資金 ) クリエイター 何がマニアに需要がある物かわからない 需要がある物を作っても欲しがる人に伝わらない 売れないものは作れない
ファン クリエイター 情報提供者の関係 情報提供者 ( プラットフォーム ) クリエイターの作品情報を収集 分類 提供する ファン 誰が作っているか知ることができる クリエイター 何がマニアに需要がある物か知ることができる まだ存在しないジャンルに起こる問題の解決として情報提供 プラットフォームが需要と供給の仲介を行い 結果としてファンとクリエイターが結びつく
ファンとして クリエイターとして 情報提供者として 私は妊婦絵のファンとして またクリエイターとして 情報提供者として活動してきた ファンというだけでは文化は作れない なぜなら待つだけではクリエイターが増えないから クリエイターだけでは文化は作れない なぜなら需要がない限り 創作活動を続けるのは困難であり クリエイターの数を維持できないから 情報提供と集まれる場所が ファンとクリエイターを結び付け 文化を生み出す土壌となりえる
まとめ アクティブなファンがクリエイターを支える 明確に資金を投入し 需要があることを示す 金に糸目をつけない購入には効果あり 購入した情報を共有し さらなる需要を生み出す 情報提供プラットフォームが重要 Web イベントなどの集う場は効果あり クリエイター側は提供を続けることが重要 マニアックなものの場合 積極的に提供していることをアピールすることが必要 ファンが欲しいものを全力で欲しがること 情報を共有することが未来の作品への投資となる
最後に 妊婦フェチの誕生に影響を与えたあるみねこ氏同人界で妊婦絵活動の先駆者となった村雨丸氏成人向けゲーム界で妊婦ジャンルの道を開拓したぬまきち氏および Overflow のスタッフ HR 難民スレッドで成人ゲームの情報提供を行い需要と供給を支え続けた 35HR 氏アブノーマルカーニバルを立ち上げ 多くの妊婦絵クリエイターに活動の場を与えた天村氏そしてすべての妊婦絵クリエイターたちにこの場を借りて感謝します 妊婦絵ジャンルの誕生から見てきた生き証人として 彼らがこの文化を作り上げた人々をここに記します