平成 29 年度税制改正要望 平成 28 年 9 月 5 日一般社団法人不動産協会 我が国の経済は緩やかな回復を続けているが 世界経済のリスクなどにより 先行きは不透明な状態となっている 我が国の経済がデフレからの脱却を確実なものとし GDP を拡大していくためには 経済効果の高い大都市が牽引すると

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4. 土地 住宅用建物に係る不動産取得税の特例の延長土地や住宅に対する投資を促進し 都市や地域の活力を高める観点から 土地及び住宅用建物に係る軽減税率 3%( 本則 4%) 及び宅地評価土地の取得に係る不動産取得税の課税標準の特例 ( 固定資産税評価額の 1/2) の適用期限 ( 平成 27 年 3

(3) 居住用財産の買換えに伴う長期譲渡所得の課税の特例の適用期限 ( 平成 29 年 12 月 31 日 ) を延長する Ⅱ. 時代を先取りするまちづくりの推進税制 1. 国家戦略特区に係る特例の延長 拡充 (1) 我が国の大都市に世界中からヒト モノ カネ 情報を呼び込む魅力的なまちづくりを推進

Ⅱ. 時代を先取りするまちづくりの推進税制 1. 都市再生促進税制の延長 都市再生を引き続き強力に推進し 都市の国際競争力を一段と強化するために 以下の 都市再生促進税制の特例措置の適用期限 ( 平成 31 年 3 月 31 日 ) を延長する (1) 特定都市再生緊急整備地域に係る特例 税 目 特

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平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

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第一住宅関係税制 1. 住宅税制の抜本的な検討 次期消費税引上げまでの期間を活用し 消費税を含めた住宅に係る多重な課税について 抜本的な検討が必要である 良質な住宅ストックの形成に向けて 住宅の取得 保有に係る既存税制と消費税のあり方について 国民にわかりやすい恒久的かつ抜本的な見直しが必要である

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平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

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平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

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事業用資産の買換え等 用資産を譲渡し あらた 中小企業 適用実積の 8 の場合の課税の特例措 に事業用資産を取得し 割以上が地方関連であ 置の延長 ( 法人税等 ) た場合 譲渡した事業用 り 中小企業の設備投資 29.4~32.3 資産の譲渡益について 等の促進による生産性 80%( 一部 75%

消費税率引上げを踏まえた住宅取得対策 1 住宅取得については取引価格が高額であること等から 消費税率引上げの前後における駆け込み需要及びその反動等による影響が大きいことを踏まえ 一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和するとともに 良質な住宅ストックの形成を促し響国民の豊かな住生活を確保する

平成26年度税制改正及び土地住宅政策に関する提言書(案)

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

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要望理由 (1) 政策目的 既存住宅の流通の円滑化を通じ 既存住宅流通 リフォーム市場の拡大 活性化を図る また 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備するとともに 既存住宅の耐震化を促進し 住宅ストックの品質 性能を高め 国民の住生活の向上を目指す (2) 施策の必要性 国民がライフステ

平成 28 年 12 月 国土交通省住宅局

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

る 1 減価補償金を交付すべきこととなる被災市街地復興土地区画整理事業において 公共施設の整備改善事業の用に供するために土地等が地方公共団体等に買い取られる場合 2 第二種市街地再開発事業の用に供するために土地等が地方公共団体等に買い取られる場合 (3) 特定住宅被災市町村の区域内にある土地等が 国

の各種税制優遇を受けやすくする見直しが行われ 入居までに耐震基準に適合するという証明があれば 1 住宅ローン減税 2 住宅取得資金に関する贈与税の非課税措置 3 中古住宅に関する不動産取得税の特例措置の適用が可能となる 耐震基準に適合しない中古住宅を取得し 耐震改修工事を実施した後に入居するような場

契約をするとき 契約書に貼る印紙税不動産取引で取り交わす契約書は 印紙税の対象となります 具体的には 不動産の売買契約書や建物の建築請負契約書 土地賃貸借契約書 ローン借入時の金銭消費貸借契約書等がこれに当たります 印紙税の額は 契約書に記載された金額によって決定されます 原則として 収入印紙を課税

税幅を 1% ずつ小刻みに引き上げるべきであるといった意見も浮上しており 予定通り引上げが実施されるかは 不透明な状況です Q 消費税増税で住宅取得時の税負担は どのくらい増加しますか A そもそも住宅購入にかかる消費税は 土地にはかからず新築物件なら建物部分のみです 仮に図表 1の モデル のよう

平成 31 年度税制改正概要 ( 住宅局 ) 結果特例措置税目 - 消費税率引上げを踏まえた住宅取得対策 住宅ローン減税の控除期間を 3 年間延長 ( 建物購入価格の消費税 2% 分の範囲で減税 ) 所得税個人住民税 延長 拡充 空き家の発生を抑制するための特例措置 ( 延長 ) 相続した空き家につ

所得税確定申告セミナー


障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

4. 平成 27 年度税制改正の概要 (1) 住宅の取得に関わる税制 登録免許税 不動産取得税 改正項目ヘ ーシ 改正内容 所有権保存登記 所有権移転登記 所有権の信託 抵当権設定の登記の軽減措置 税率の軽減措置 宅地評価土地の課税標準の軽減措置 軽減税率の適用期限を平成 27 年 3

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

平成18年度地方税制改正(案)について

やさしい税金教室

税金のいろいろ所得税の計算の税金サラリーマン20 生活の税金株式の税金事業の税金不動産の税金贈与の税金相続の税金(2) 適用を受けるための主な要件 取得又は増改築等をした日から6か月以内に居住すること 住宅の床面積が50m 2 以上で取得又は増改築後の家屋の床面積の1/2 以上が居住用であること 中

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#210★祝7500【H30税法対策】「登録免許税ほか」優先暗記30【宅建動画の渋谷会】佐伯竜PDF

平成23年度都市・土地・PFI税制改正に対する要望

(4) 宅地建物取引士の欠格要件について定める第十八条第一項の五号の二の次に次の号が 付け加えられました 五の三暴力団員等 ( 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規 定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者 ) (5) 更新日前でも手数料を

平成20年度税制改正(地方税)要望事項

の範囲は 築 20 年以内の非耐火建築物及び築 25 年以内の耐火建築物 ((2) については築 25 年以内の既存住宅 ) のほか 建築基準法施行令 ( 昭和二十五年政令第三百三十八号 ) 第三章及び第五章の四の規定又は地震に対する安全上耐震関係規定に準ずるものとして定める基準に適合する一定の既存

住宅税制の概要 1 住宅の取得に係る税制 ( 注 ) を付した部分は 平成 22 年度税制改正により改正されたもの ( 1) 所得税 住宅ローン減税 ( 租 41) ( 国税 ) 住宅の新築 取得又は増改築等をした場合 10 年間 住宅ローン等の年末残 個人住民税 高の1.0%( 長期優良住宅につい

4 住宅購入 名称住宅購入に対する各種税金と給付金に関する支援 担当部課 概要新築または中古の住宅を取得するとかかる税金があります また 所得税控除や給付金が支払われる制度もあります 1. 不動産取得税 ( 県税 ) 土地や家屋などの不動産の取得時に 県が課税する税金です お問い合わせ先 神奈川県藤

1. 国土交通省土地 建設産業局関係の施策 不動産流通に関する予算要求が拡大 ここ数年 国の住宅 不動産政策において 不動産流通に関する施策が大幅に拡大している 8 月に公表された国土交通省の 2019 年度予算概算要求概要によると 土地 建設産業局における施策は大きく 4 項目あるが 全体の予算額

国土交通大臣 太田昭宏殿 平成 27 年 7 月 27 日 一般社団法人プレハブ建築協会 会長樋口武男 平成 28 年度住宅関連税制及び制度改正要望 昨年 政府は経済再生と財政健全化を両立するため 平成 27 年 10 月に予定していた消費税率 10% の引き上げを平成 29 年 4 月に 1 年半

平成 28 年度税制改正の概要 1. 復興特区関係 * (1) 機械等に係る特別償却等の特例措置の5 年延長及び要件の緩和 * 要件緩和 : 建築物整備事業 ( テナント建物 ) の構造要件について まちなか再生計画に位置付けられた場合には 非耐火構造でも対象となるよう緩和 (2) 被災雇用者等を雇

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各年の住宅ローン控除額の算出 所得税から控除しきれない額は住民税からも控除 当該年分の住宅ローン控除額から当該年分の所得税額 ( 住宅ローン控除の適用がないものとした場合の所得税額 ) を控除した際に 残額がある場合については 翌年度分の個人住民税において 当該残額に相当する額が 以下の控除限度額の

新設 拡充又は延長を必要とする理由(1) 政策目的 消費者のニーズに応じた住宅を選択できる環境を整備する観点や低炭素化 循環型の持続可能な社会の実現の観点から 中古住宅取得や増改築等工事の適用要件の合理化や増改築等工事の対象を拡充することにより 中古住宅の流通促進 住宅ストックの循環利用に資する (

スライド 1

約 6 倍になると予測されており これら高経年マンションが増えていく中 経年による建物 設備の劣化等に対応するための大規模修繕や改修等の資金不足の問題が深刻化している 今後 良質なマンションを維持していくためにも 特にマンション共用部のリフォームについての支援が急務である (4) 賃貸住宅のリフォー

図表 2 住宅ローン減税の拡充 消費税率が 5% の場合 消費税率が 8% または 10% の 場合 適用期間 ~2014 年 3 月 2014 年 4 月 ~2017 年末 最大控除額 (10 年間合計 ) 200 万円 (20 万円 10 年間 ) 400 万円 (40 万円 10 年間 ) 控

企業中小企(2) 所得拡大促進税制の見直し ( 案 ) 大大企業については 前年度比 以上の賃上げを行う企業に支援を重点化した上で 給与支給総額の前年度からの増加額への支援を拡充します ( 現行制度とあわせて 1) 中小企業については 現行制度を維持しつつ 前年度比 以上の賃上げを行う企業について

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相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

設 拡充又は延長を必要とする理由 関係条文 租税特別措置法第 70 条の 2 第 70 条の 3 同法施行令第 40 条の 4 の 2 第 40 条の 5 同法施行規則第 23 条の 5 の 2 第 23 条の 6 平年度の減収見込額 百万円 ( 制度自体の減収額 ) ( - 百万円 ) 東日本大震

平成 29 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) 制度名既存住宅のリフォームに係る特例措置の拡充 税目所得税 ( 国土交通省 ) 既存住宅流通 リフォーム市場の活性化に向けて 耐震性 省エネ性 耐久性に優れた良質な住宅ストックの形成を促進するため 既存住宅の耐震 省

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

図表 1 消費税率引上げに伴う住宅着工の影響 ( 平成 9 年 ) 1995( 平成 7) 年度 1996( 平成 8) 年度 1997( 平成 9) 年度 (4 月 1 日に消費税 (5%) 導入 ) 1998( 平成 10) 年度 住宅着工戸数 前年からの増減 1,485 万戸 - 1,630

PowerPoint プレゼンテーション

⑴ 政策目的 市街地再開発事業の推進により 土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るとともに コンパクトシティの推進及び密集市街地の解消を図る 新設 拡充又は延長を必要とする理由 ⑵ 施策の必要性 以下の施策の推進のため 本措置の延長により 民間事業者による早期かつ着実な保留床の取得を促

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消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置

13全日総第16号

平成 29 年度税制改正に関する内閣府 主要望のポイント 1 少子化対策の推進 ( 新設 1 件 ) 保育の受け皿の整備等を促進するための税制上の所要の措置 ( 国税 地方税 ) 企業主導型保育事業の用に供する固定資産に係る固定資産税等について課税標準の特例措置を講ずるとともに 事業所内保育事業 (

平成 31 年度税制改正に関する内閣府主管項目のポイント 1 子ども 子育て支援の推進 子ども 子育て支援における制度の見直しに伴う税制上の所要の措置 ( 国税 地方税 ) 経済財政運営と改革の基本方針 ( 平成 30 年 6 月 15 日閣議決定 ) において 3 歳から 5 歳まで (0 歳から

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

平成 28 年 12 月 国土交通省住宅局

第 7 章 間にその者の居住の用に供したときに 一定の要件の下で そのバリアフリー改修工事等にあてるために借り入れた住宅借入金等の年末残高 (1,000 万円を限度 ) の一定割合を5 年間所得税の額から控除できます なお 52ページの増改築に係る住宅ローン控除制度との選択適用になります 1 控除期

3. 住宅税制 消費税率の引上げに伴う一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和する観 点から 住宅税利について以下のとおり所要の措置を講じます 住宅ローン減税を平成 26 年 1 月 1 日から平成 29 年末まで 4 年間延長し その期間のうち平成 26 年 4 月 1 日から平成 29

平成 25 年度住宅 土地関連税制改正 住宅関連予算要望 ( 社 ) 住宅生産団体連合会 日本国内は 東日本大震災からの復興需要から明るさが見えてきてはいるが ヨーロッパの金融不安の再燃による経済の不透明感やその影響による中国をはじめとする新興国の経済成長率の鈍化 更に日本の株安円高などの不安定要因

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平成16年版 真島のわかる社労士

1 検査の背景 (1) 租税特別措置の趣旨及び租税特別措置を取り巻く状況租税特別措置 ( 以下 特別措置 という ) は 租税特別措置法 ( 昭和 32 年法律第 26 号 ) に基づき 特定の個人や企業の税負担を軽減することなどにより 国による特定の政策目的を実現するための特別な政策手段であるとさ

固定資産税等の概要及び税収動向等 3-1

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内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

住宅リフォームの減税制度の概要 リフォームの減税制度 一定の要件を満たすリフォームを行った場合に受けられる減税制度は 5 種類あります 各制度の概要と主な要件は以下の通りです 詳細は本編をご覧ください 減税制度の種類 1. 所得税の控除 1 投資型減税 2 ローン型減税 3 住宅ローン減税 2. 固

215 参考資料

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

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<ライフプランニング>

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この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

H28秋_24地方税財源

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

平成21年度 厚生労働省税制改正要望項目

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参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

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平成 29 年度税制改正要望 平成 28 年 9 月 5 日一般社団法人不動産協会 我が国の経済は緩やかな回復を続けているが 世界経済のリスクなどにより 先行きは不透明な状態となっている 我が国の経済がデフレからの脱却を確実なものとし GDP を拡大していくためには 経済効果の高い大都市が牽引するとともに 内需の柱である住宅投資が安定的に推移することが不可欠である 中長期的には 人口減少 少子化 高齢化など社会構造の変化が本格化する中で 目指すべき大都市および住生活を実現する取組みを進めていかなければならない こうした観点から 以下の税制改正を要望する Ⅰ. 国内投資を促進し経済の成長力を高めるための税制 1. 長期保有土地等に係る事業用資産の買換え特例の延長 拡充 GDP の拡大に向け 国内投資を促進し経済の成長力を高めるためには 土地 不動産ストックのフロー化を通じた有効活用を図り 確実に設備投資につなげるとともに 国内における企業立地 産業立地の転換を円滑にし 成長産業によるイノベーションや企業の生産性向上を実現させることが不可欠である このような観点から 長期保有土地等に係る事業用資産の買換え特例について 適用期限 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) を延長する その上で 課税の繰延割合を 100%( 現行 :80%) に戻す 買換資産の土地面積を 300 m2以上とする要件について 譲渡資産の活用が都市再生の促進に必要な場合には適用を除外する 買換資産が土地の場合における建物の建築期間要件 ( 現行 : 着工後 3 年以内に建築を完了 ) を緩和する 2. 土地の売買等に係る登録免許税の特例の延長 土地に対する投資を促進し 都市や地域の活力を高める観点から 土地の売買による所有権の移転登記及び土地の所有権の信託登記に係る登録免許税の特例の適用期限 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) を延長する 所有権の移転登記 : 本則 20/1,000 特例 15/1,000 所有権の信託登記 : 本則 4/1,000 特例 3/1,000 1

3.J リート等の登録免許税及び不動産取得税の特例の延長 拡充 不動産証券化を一層推進する観点から Jリート 特定目的会社及び不動産特定共同事業法の特例事業者が取得する不動産に係る所有権移転等の登録免許税の特例 ( 所有権移転 : 本則 2% 特例 1.3% 所有権保存 : 特例事業者のみ本則 0.4% 特例 0.3%) 及び不動産取得税の特例 ( 課税標準の 3/5 控除 特例事業者のみ 1/2 控除 ) の適用期限 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) を延長するとともに 不動産取得税の対象にヘルスケア施設及びその敷地を追加する また 特例事業者に対する軽減措置の適用要件を緩和する 4. 新型 大規模物流施設整備促進税制の創設 る 先端的な設備等を備えた大規模物流施設への投資に対する税制上の支援措置を創設す 5. 法人等の土地譲渡益重課の課税停止期間の延長 (1) 法人の土地譲渡益 ( 一般 短期 ) に対する追加課税制度 ( 一般 :5% の追加課税 短期 : 10% の追加課税 ) の適用停止期間の期限 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) を延長する (2) 個人の不動産業者等が短期所有土地等を譲渡した場合の重課の適用停止期間の期限 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) を延長する 6. 個人の優良長期譲渡所得の軽減税率特例の延長 本特例の適用期限 ( 平成 28 年 12 月 31 日 ) を延長する 個人が優良住宅地造成事業等に所有期間 5 年等の長期所有土地等を譲渡した場合に 課税譲渡所得 2,000 万円以下 14%( 所得税 10% 住民税 4%) 2,000 万円超 20%( 所得税 15% 住民税 5%) で課税 一般の長期譲渡所得税率は一律 20%( 所得税 15% 住民税 5%) で課税 7. 低未利用地の流動化 有効活用のための税制上の支援措置の創設 全国的に空き家等の低未利用地が増加する中 こうした不動産ストックのフロー化を通じ 有効活用や取引活性化を図る観点より 税制上の支援措置を創設する 2

Ⅱ. 都市再生の推進や都市の国際競争力を強化するための税制 1. 都市再生促進税制の延長 都市再生を引き続き強力に推進し 都市や地域の活力を高めるために 以下の都市再 生促進税制の特例措置の適用期限 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) を延長する (1) 特定都市再生緊急整備地域に係る特例 税 目 特例の内容 法人税 所得税 5 年間 50% の割増償却 登録免許税 建物を認定後 3 年 (30 階以上又は延べ面積 15 万m2以上の場合は 5 年 ) 以内に建築した場合の所有権保存登記 本則 0.4% 特例 0.2% 不動産取得税 土地 建物について課税標準 2 分の 1 を参酌して 5 分の 2 以上 5 分の 3 以下で都道府県の条例で定める割合を控除 固定資産税 都市計画税 整備した家屋及び償却資産のうち公共施設等部分について 課税標準 2 分の 1 を参酌して 5 分の 2 以上 5 分の 3 以下の範囲におい て市町村の条例で定める割合に軽減 (5 年間 ) (2) 都市再生緊急整備地域に係る特例 税 目 特例の内容 法人税 所得税 5 年間 30% の割増償却 登録免許税 建物の所有権保存登記 : 本則 0.4% 特例 0.35% 不動産取得税 土地 建物について課税標準 5 分の 1 を参酌して 10 分の 1 以 上 10 分の 3 以下の範囲内において都道府県の条例で定める割合 を控除 固定資産税 都市計画税 整備した家屋及び償却資産のうち公共施設等部分について 課税標準 5 分の 3 を参酌して 2 分の 1 以上 10 分の 7 以下の範囲内に おいて市町村の条例で定める割合に軽減 (5 年間 ) 2. 国家戦略特区に係る特例の拡充 我が国の大都市に世界中からヒト モノ カネ 情報を呼び込む魅力的なまちづくりを推進し 世界で最もビジネスのしやすい場としての都市を整備するために 国家戦略特区に係る特例について以下のとおり拡充を行う (1) 特定事業の対象の拡充 国家戦略特区税制の適用対象を観光立国の実現に不可欠な分野に拡充し 宿泊施設や芸術 文化 交流に資する施設の整備 運営を特定事業に追加するとともに 賃貸した場合についても課税の特例の適用を認める ナーサリースクール等外国人材向け子育て支援施設の整備 運営を特定事業に追加 3

するとともに 病院等を賃貸した場合についても課税の特例の適用を認める (2) 外国人ビジネスマンに対するオフィス 生活環境整備 外国人ビジネスマン向けのオフィス 生活サービスを提供する専任スタッフの雇用促進税制を創設する 外国人ビジネスマンの短期居住ニーズに対応するための環境整備を行う観点より 国家戦略特区における旅館業法の適用除外となる短期住宅賃貸について 1ヶ月以上の住宅賃貸と同様に消費税を非課税とする (3) 外国企業等の誘致促進に必要な税制の整備国家戦略特区における所得控除制度の活用等により 法人実効税率のさらなる引き下げを目指す (4) その他 特定事業の推進に必要な税制の整備 3. エリアマネジメント団体に対する税制上の支援措置の創設 まちの更なる魅力向上 持続的な活性化と地方創生の推進に向け 公共施設の運営等を担うエリアマネジメント団体に対する税制上の支援措置を創設する ( 長期修繕積立金への課税繰延の措置等 ) 4. 国際競争力の強化や国土強靱化に資するオフィスの BCP 機能向上に対する税制上の支援措置の創設 国際競争力の強化や国土強靱化の観点より オフィスの BCP 機能向上に貢献する免 震 制震装置等に対する税制上の支援措置を創設する 5. 市街地再開発事業等に係る特例の延長 改善 (1) 市街地再開発事業の権利床に係る固定資産税の特例 ( 従前権利者につき 居住用は 2/3 それ以外は 1/3 を 5 年間減額 第 1 種市街地再開発事業に係る住宅の非居住部分及び住宅以外の家屋の減額は 1/4) について その適用期限 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) を延長する (2) 既成市街地や都市機能誘導区域等における特定の事業用資産の買換え特例の適用期限 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) を延長する (3) 地区外転出者に対する所得税等の課税の特例について 組合設立前の事前転出に対する適用や やむをえない事情 の拡充等 適用範囲を拡充する (4) 都市開発プロジェクトにより整備される大規模複合用途型建物における住宅に係る固定資産税減免措置等を弾力的に運用する 6. 都市におけるオープンスペースの整備 管理に対する税制上の支援措置の創設 4

都市にゆとりやうるおいをもたらす空間の創出や防災性能の向上に資するオープンスペ ースの整備 管理に対する税制上の支援措置を創設する Ⅲ. 都市の省エネ性能や防災性能を向上させるための税制 1. オフィスの省エネ性能を向上させ 都市の環境 エネルキ ー制約の克服等に貢献するための投資促進税制の創設 企業の貯蓄をオフィスの省エネ性能向上に資する設備投資に振り向け 生産性を向上さ せ 都市の環境 エネルギー制約の克服と投資拡大による新たな有望成長市場の創出に貢 献するための投資促進税制の特例を創設する 2. 都市再生安全確保計画に基づき整備する備蓄倉庫に対する固定資産税等の特例の延長 都市再生安全確保計画に基づき整備する管理協定の対象となった備蓄倉庫に係る固定 資産税及び都市計画税の特例 ( 課税標準を最初の 5 年間 価格に 3 分の 2 を参酌して 2 分の 1 以上 6 分の 5 以下の範囲内において市町村の条例で定める割合を乗じて得た額 ) の適用期限 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) を延長する 3. 既存建築物の耐震改修投資促進のための特例の延長 耐震改修促進法に基づき 耐震診断が義務付けられた大規模建築物等 ( 非住宅 ) に対する耐震改修工事に係る固定資産税の特例 ( 工事が完了した年の翌年度から 2 年度分税額の 1/2を減額 (1 年度分あたりの減額は改修費用の 2.5% まで )) の適用期限 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) を延長する 4. 都市を水害から守るための特例の延長 拡充 (1) 雨水貯留利用施設に係る割増償却制度 (5 年間普通償却限度額の 10% の割増償却 ) の適用期限 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) を延長する (2) 地下街等の浸水防止計画に基づき取得した浸水防止用設備に係る固定資産税の特例措置について 適用期限 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) を延長するとともに 適用対象となる浸水想定区域を洪水に加え雨水出水及び高潮に係るものに拡充を行う 5. コージェネレーションに係る固定資産税の軽減特例の延長 コージェネレーションの導入を支援するために 同設備に係る固定資産税の軽減特例 ( 課税標準を 5/6 に軽減 ) の適用期限 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) を延長する 5

Ⅳ. 地方創生と一億総活躍を実現するまちづくりの支援税制 1. 地方創生の推進に資する税制上の支援措置の創設 ローカルアベノミクスの実現に向け 地方創生の推進を図るため 地域観光振興に貢献 する宿泊施設の新設や建替え等に対する税制上の支援措置を創設する 2. 女性の活躍促進の実現に向けたまちづくりへの支援措置の創設 安倍政権の柱である女性の活躍促進に向け鍵を握る子育てと仕事の両立の実現のために オフィス等に設置する保育所の整備 運営 ( 貸付の用に供するものを含む ) について 税制上の支援措置を創設する 3. 介護と仕事の両立と子育てのしやすい環境づくりを実現する同居 近居の促進のための支援措置の創設 介護と仕事の両立が可能な働き方の普及と 家族において世代間で助け合いながら子や 孫を育てることができ 子育てのしやすい環境づくりの推進のために 子 孫世帯が祖父 母や親世帯の呼び寄せのために住宅を取得する場合の支援措置 ( 住宅ローン減税 投資減 税等 ) を創設する 4. 高齢者の充実したくらしの実現に不可欠な税制の延長 拡充 (1) サービス付き高齢者向け住宅に関する以下の特例の適用期限 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) を延長する 法人税 所得税の割増償却制度 : 割増償却率 10%( 耐用年数が 35 年以上であるものについては 14%) 固定資産税 :5 年間 3 分の 2 を参酌して 2 分の 1 以上 6 分の 5 以下の範囲内において市町村が条例で定める割合を減額 不動産取得税 : 新築住宅の 1,200 万円控除 住宅用土地に係る減額措置 ( 床面積の 2 倍相当額を減額 ) にかかる床面積要件の下限の緩和 (40 m2 30 m2 ) (2) 高齢者の円滑な住み替えを支援するため 60 歳以上の者に対する居住用財産の買換え 譲渡に伴う譲渡損失の損益通算 繰越控除の特例における住宅ローン要件を撤廃する 6

Ⅴ. 良好な住宅ストックの形成に不可欠な税制 1. 住宅の登録免許税の特例の延長 住宅取得に係る登録免許税の負担を軽減するために 以下の特例の適用期限 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) を延長する 本則特例所有権の保存登記 0.4% 0.15% 所有権の移転登記 2% 0.3% 抵当権の設定登記 0.4% 0.1% 2. 住宅の買取再販に係る不動産取得税の特例の延長 拡充 中古住宅流通 リフォーム市場の環境整備を進め 国民の住生活の向上を図るため 住宅の買取再販に係る不動産取得税の特例の適用期限 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) を延長するとともに 当該住宅の敷地に対する特例を創設する 中古住宅の築年月日に応じて 課税標準 ( 固定資産税評価額 ) から以下の額を控除 築年月日 控除額 ( 万円 ) 平成 9 年 4 月 1 日 ~ 1,200 平成元年 4 月 1 日 ~ 平成 9 年 3 月 31 日 1,000 昭和 60 年 7 月 1 日 ~ 平成元年 3 月 31 日 450 昭和 56 年 7 月 1 日 ~ 昭和 60 年 6 月 30 日 420 昭和 51 年 1 月 1 日 ~ 昭和 56 年 6 月 30 日 350 昭和 48 年 1 月 1 日 ~ 昭和 50 年 12 月 31 日 230 昭和 39 年 1 月 1 日 ~ 平成 47 年 12 月 31 日 150 昭和 29 年 7 月 1 日 ~ 昭和 38 年 12 月 31 日 100 3. 既存住宅市場の活性化に寄与するリフォーム税制の拡充 新規ストックと既存住宅が 車の両輪 として機能する良好な住宅ストック形成の実現に向け 既存住宅市場の活性化に寄与する住宅の耐久性 可変性の向上を図るリフォームに対し 税制上の支援措置を創設するとともに 省エネリフォーム税制について適用要件の合理化を行う 7

Ⅵ. 消費税率引上げ延期等に伴う対応 1. 消費税引上げ延期に伴う対応 (1) 消費税率引上げによる住宅投資への影響の平準化 緩和策として措置されている住宅ローン減税 住宅取得等資金の贈与特例 すまい給付金等の拡充措置について その対象期間を平成 33 年 12 月 31 日まで 2 年 6ヶ月延長する (2) 請負工事等に係る適用税率の経過措置の指定日の変更消費税率 ( 国 地方 ) の10% への引上げに係る適用税率の経過措置について 請負工事等に係る適用税率の経過措置の指定日を平成 31 年 4 月 1 日とする等の改正を行う 2. 住宅取得に対する安定的な負担軽減 住宅は国民生活の基盤となる社会的資産であり 単なる消費財と異なる 住宅価格は極めて高額であり 消費税率が上がると住宅購入者の負担も極めて重くなる また 住宅投資は内需の柱であり 経済波及効果も大きく 駆け込み需要とその反動によって日本経済に与える影響が甚大である こうした観点を踏まえ 住宅購入予定者が安心して取得の計画を立てられるよう 消費税率の引上げに左右されない安定的な負担軽減措置を検討するとともに 住宅投資の波及効果に鑑み 住宅市場の動向を幅広い観点から注視しながら 機動的に必要な対応を講ずる 8

Ⅶ. その他 時代の変化に応じて検討が必要な構造的課題 1. 法人課税について立地競争力の観点から総合的に負担軽減 国内における企業の立地競争力を強化するとともに グローバル企業の誘致を促進し 経済の成長力を高めるために 償却資産に係る固定資産税や事業所税を廃止するなど 法人課税の総合的な負担軽減を図る 2. 不動産に係る多重課税の排除 住宅等の建築物には 消費税 不動産取得税 登録免許税 印紙税 固定資産税が重畳的に課され 重い税負担となっている 消費税率の引上げ等に伴う税制の抜本改革に際しては 多重課税を排除し 不動産取得税の廃止や登録免許税の手数料化等 不動産流通課税を抜本的に見直すとともに 不動産譲渡契約書に係る印紙税を廃止する 3. 多様化する住宅ニーズヘの対応 世帯構成やライフスタイルの変化に応じて多様化する住宅ニーズへの対応が求められる中 (1) 世帯構成の変化を踏まえた都心居住促進を図るため 住宅取得支援税制の要件等の見直しを行う (2) 地方創生に貢献するセカンドハウスの取得に対し 住宅取得支援税制を適用する 以上 9