科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 研究評価部会(第25回)配付資料 [資料2]

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発行 第 4 号まで各 2,000 部発行 NPO 団体 コミュニティとの交流 連携 スタッフ研修 中間支援団体の設立支援などを実施している 25 年度からは とめ市民活動プラザ を市に移管し とめ市民活動フォーラム を NPO 法人化した上で 市が NPO 法人とめ市民活動フォーラム に運営管理を

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事務連絡 平成 26 年 4 月 23 日 各実施機関実施責任者殿 各実施機関事務連絡担当者殿 文部科学省科学技術 学術政策局 人材政策課 科学技術人材育成費補助金により雇用する研究者等に係る人件費の取扱いについて 旧科学技術振興調整費 ( 以下 旧調整費 という ) の課題を実施する研究者等の人件

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副学長 教学担当 中村 久美 新しい大学づくりに向けた教育の展開 巻頭言 2012年6月に文部科学省が公表した 大学改革実行プラン は 激動の社会における大学機能の再構築を掲げています 教学に関し ては ①学生の主体的な学びの創出や学修時間の拡大化をはじめと する大学教育の質的転換 ②グローバル化に

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ワクチンの研究開発促進と生産基盤確保


~この方法で政策形成能力のレベルアップが図れます~

ディプロマ ポリシー カリキュラム ポリシー 経営学部 経営学科 経営学部経営学科では 厳格な成績評価にもとづいて履修規程に定められた科目区分ごとの卒業必要単位数およびコース別の履修要件等をすべて満たしたうえで 総計 1 単位以上を修得し さらに経営 流通 マーケティング 情報システム 国際経営など

大学教育の充実に向けた今後の取組 の方向性を示す 2 つの中教審答申 我が国の高等教育の将来像 ( 平成 17 年 1 月 28 日 ) 新時代の大学院教育 - 国際的に魅力ある大学院教育の構築に向けて - ( 平成 17 年 9 月 5 日 )

注 : 平成 年度募集研究種目 国際的に評価の高い研究の推進 研究費の規模 / 研究の発展 H には 新たに基盤研究 (B) 若手研究 (A) の 種目に基金化を導入 若手研究 9 歳以下 ~ 年 (A) 500~,000 万円 (B) ~500 万円 研究活動スタート支援 年以内年間 50 万円以

新長を必要とする理由今回合理性の要望に設 拡充又は延⑴ 政策目的 資源に乏しい我が国にあって 近年 一層激しさを増す国際社会経済の変化に臨機応変に対応する上で 最も重要な資源は 人材 である 特に 私立学校は 建学の精神に基づき多様な人材育成や特色ある教育研究を展開し 公教育の大きな部分を担っている

http: //www. maff.go. jp/j/shokusan/fcp/index. html ディスカッションの趣旨 食品安全管理に関して即戦力となる人材や海外で活躍できる人材 監査ができる人材を育成するためには 大学 研究機関において どのような知識 技能の教育及び体制が必要か また 産

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短期研修の目的 はじめに 大学図書館等の活動を活性化するため 今後の図書館の企画 活動を担う要員となる上で必要な 基礎知識 最新知識を修得 この講義の概要 2 大学図書館のあるべき姿に向かうため 組織としてどのような目標付けを行うべきなのか 参考とすべき施策資料 : 学修環境充実のための学術情報基盤

構成 1. 日本の臨床試験実施体制の現状と課題 2. 日本医療研究開発機構への期待と提言 3. ヘルスイノベーションのグローバルハブ構想 2

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技術ロードマップから見る2030年の社会

Transcription:

資料 2 科学技術 学術審議会研究評価部会 ( 第 25 回 ) H18.8.3 評価人材の養成 確保について 平成 18 年 8 月文部科学省科学技術 学術政策局評価推進室

評価人材の養成 確保について ( 趣旨 ) 研究開発評価は 国民に対する説明責任を果たし 柔軟かつ競争的で開かれた研究開発環境の創出 研究開発の重点的 効率的な推進及び質の向上 研究者の意欲の向上 より良い政策 施策の形成等を図る上で極めて重要であり 大綱的指針及び各府省等が定めた具体的な指針等に沿って実施している 第 1 期科学技術基本計画で大綱的指針を策定することとされて以来 10 年が経ており 評価システムは一通り構築されたと考えられる一方 評価疲れや評価の形式 形骸化を招くなど種々の問題点が発生している これらの問題は 様々な要因が考えられるが 一つの解決策として 一定のルールに沿って決められた通り評価をするのではなく 評価に携わる人が評価 ひいては 企画立案 推進 評価に至るマネジメントに関する知識を持ち 状況に合わせ適切な評価を自ら考え実施していく必要があると考えられる 平成 18 年度より第 3 期科学技術基本計画がスタートしたが 本計画には 評価システムの一層の発展が重要とされ そのためには 評価人材の養成や評価能力の向上を図ること等に努めることとされている 限られた資金を有効活用するためには 評価システムの高度化が喫緊の課題であり 科学技術関係経費の6 割以上を占める文部科学省においては 具体的な方策を的確かつ早急に講ずる必要がある 2

評価人材の養成 確保について ( 現状分析 1) 評価人材とそれぞれに求められる専門性 分類 マネジメント評価人材専門的評価人材レビューア 人材像 行政関連機関内部で評価の実践や運営に携わる人材 評価実務に関する専門的知見を活かし 評価作業を専門的見地から遂行する人材 評価パネルを構成し 評価対象の質的側面を専門的観点から明確にする人材 専門性 目的に適合した実務的なマネジメント手法の知識 評価対象の実態を把握するための分析的手法を使いこなすスキル 当該分野に関する学問領域 ( 自然科学 人文 社会科学 経営 政策 ) の体系的知識 Expert Professional Evaluator 経験を積んだ人 日常的な体 職業にしうる高度な能力を有す 評価対象領域の専門的人材 験に基づく能力 る人 訓練や教育に基づく能力 Peer-Reviewer 専門性の区分 Generalist 広い能力に特色を有する人 Specialist 深い能力に特色を有する人 単一の学問領域内部の専門的人材 Qualified Specialized Expert-Reviewer 日常的活動により高度化された 特別の訓練や教育により高度 学問的ないし実務的内容に関 人 化された人 する専門的人材 ( 参考資料 : 内閣府委託調査報告書 ) 3

評価人材の養成 確保について ( 現状分析 2) 各国における評価人材の養成方策の状況 大学院専門課程の設置 SPRU PREST 等 政策研究コースの充実 各国の状況 英国 独国 米国 仏国 EU 大規模な政策研究コー スはない GIT に集中 GWU は修士レベル中心で方法論の修得には至らない アカデミーでの研究者養成コースが有効 行政大学院に省レベルの養成機能が一元化 グラン ゼコールによる優秀な人材を選抜するシステム Twente 大学 PREST( マンチェスター大学 ) 等から人材供給 留学 派遣制度の充実 国際会議への出席は資金配分機関の職員が中心 国際会議への出席は資金配分機関の職員が中心 国際会議での意見交換が有効 国際会議での意見交換が有効 国際会議での意見交換が有効 国内研修制度の充実 外部評価機関の育成 省レベルの国内研修や転換プログラムはない 専門家の中途採用によるジェネラリストとの置換メカニズムが卓越 テクノポリスや PREST が政策評価を支援 研修制度や転換プログラムはない FhG-ISI 等の支援が最も有効 行政府内部での研修を通じたアカデミア人材の実務者への転換プログラム (AAAS) が有効 政策評価の専門官を設置し 着任時に 3 週間のセミナーを実施 政策研究や評価の専機関評価は外部の独門家は 外部シンクタン立した機関が実施クや一部の大学に集積 それぞれ得意分野を有し 支援先機関が固定 AAAS 全米科学振興協会 (American Association for the Advancement of Science) : USA FhG-ISI フラウンホーファ協会システム イノベーション研究所 (Fraunhofer Institute for Systems and Innovation Research) : DE GIT ジョージア工科大学 (Georgia Institute of Technology) : USA GWU ジョージワシントン大学 (George Washington University) : USA PREST 工業科学技術政策研究所 (Policy Research in Engineering, Science & Technology) : UK SPRU 科学技術政策研究所 (Science and Technology Policy Research) : UK WREN ワシントン研究評価ネットワーク (Washington Research Evaluation Network) : USA OJT が制度化している 内部に欠けている専門性 ( 経済性評価 市場性評価等 ) はシンクタンクを活用 ( 参考資料 : 内閣府委託調査報告書 ) 4

評価人材の養成 確保について ( 方策案 ) 我が国に必要な評価人材の養成方策案 我が国のための専門性の養成方策案とその例 マネジメント評価人材 方策案の適用先 専門的評価人材 大学院専門課程の設置 本格的なコース等の開設が必要 カリキュラム開発やその助成 プログラム開発やその助成 評価機関連携プログラム( 修 博 ) 開発等 留学 派遣制度の充実 海外派遣は有効で 積極的な取り組みが必要 海外研修 学会 国際会議派遣 留学期間の弾力的運用( 博取得を可能にするため ) 等 国内研修制度の充実 国内研修制度の充実が有効 評価担当部署職員の研修義務化( 研究開発関連省庁横断 ) 講師人材の養成プログラム 研修センター機能の継続的委嘱等 外部評価機関の育成 評価専門家を集めることが必要 実績重視の評価委託業務 委託数の増加など被委託機関で専任者の雇用を確保 業務の中期的 (3-5 年 ) ないし包括的契約による発注等 その他 養成プログラム実施段階でのインターンシップ先や就職先のチャネルの確保 評価機関等の評価人材ネットワークの構築や ICT(e-learning 等 ) の有効活用 ( 参考資料 : 内閣府委託調査報告書 ) 5

評価人材の養成 確保について ( 方策案 ) 評価システムの一層の発展 評価人材の養成 確保の仕組みが必要 特に研究開発マネジメントの基礎知識を習得した評価人材 マネジメント評価人材の養成 確保への取り組みが重要 求められる評価の在り方 評価による適切なマネジメントサイクルの運営 世界水準で信頼できる評価 効果的 効率的な評価システム 求められる研究開発の在り方 多種多様な研究開発の効果的 効率的な推進 研究費の無駄の排除 研究費の有効活用 国民への成果の還元 DO PLAN PLAN 研究開発マネジメントの確立 CHECK ACTION 評価の専門知識と研究開発マネジメントに資する幅広い知識を持ったマネジメント評価人材の 量 質 の向上のためのプログラムを開発 6