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Transcription:

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Part I パリ条約及び三原則 (Paris Convention & Three Principals) 2

1. 工業所有権の保護に関するパリ条約 三原則 (Three Principals) (1) 内外人平等 (National Treatment) (2) 特許独立の原則 (Independent of Patent) (3) 優先権 (Right of Priority) 3

Three Principals (1) 内外人平等 パリ条約の加盟国は 工業所有権の保護に関し 自国民に与えるものと同じ保護を他の同盟国の国民に与えなければならない 4

Three Principals (2) 特許独立の原則 同盟国において 同盟国の国民又は居住者に付与された特許は 他の国において同一の発明について取得した特許から独立したものとする 5

Three Principals (3) 優先権 パリ条約の同盟国 ( 第 1 国 ) にされた先の出願に基づき優先期間内にパリ条約の他の同盟国 ( 第 2 国 ) に出願した場合 優先権を主張することができる その場合 第 2 国出願の発明の新規性 進歩性等の判断は 第 1 国出願日 ( 優先日 ) にされたものとして扱われる 6

2. 優先権の実務上の利点 (1) 後の出願 ( 第 2 国出願 ) は 第 1 国出願日より後にされた同じ発明に対して優先的地位を有する (2) 後の出願 ( 第 2 国出願 ) は 後の出願の発明の特許性を阻害する 第 1 国出願後にされた全ての事実に対して優先的地位を有する 7

Practical Advantages of the Right of Priority (3) 出願人が外国で特許を取得したい場合 国毎に異なる方式要件で異なる言語によって出願しなければならない しかし 優先権を主張して特許出願すれば 出願人は外国出願を自国の出願と同時にする必要はない なぜなら 自国の出願日 ( 優先日 ) から 12 カ月以内 ( 優先期間 ) にすればよいからである 8

3. 優先権を主張して外国に特許出願した場合の手続の流れと利点 Fig. 1 は優先権を主張して外国に出願した場合の手続の流れを示したものである 優先権主張の利点 Fig. 1 を参照して優先権主張の利点を説明する 9

[Fig. 1] 10

優先権主張の利点 (1) 第 1 国への特許出願 (2) 第 2 国への特許出願 11

(3) 出願日と先願主義 ➀ 後の出願が優先権を主張していない場合で 当該後の出願前に 他者によって同じ発明 A が第 2 国に出願された場合 後の出願の出願人は発明 A について第 2 国において特許を取得できない なぜなら 先願主義だからである 12

優先権主張の利点 < 優先権主張の利点 > しかし 後の出願が優先権を主張していれば 後の出願の出願人は発明 A について特許を取得することができる なぜなら 後の出願は先の出願と同じ日に出願されたものとみなされるからである 13

優先権主張の利点 First-to-File System (Text page 4) ( 先願主義 ) First-to-Invent System (Text page 4) ( 先発明主義 ) 14

優先権主張の利点 (4) 出願日と新規性及び進歩性 ➁ 後の特許出願が優先権を主張していない場合 当該後の出願前に発明 A が公知となった場合 後の出願の出願人は新規性の欠如又は進歩性の欠如の理由により 特許を取得することはできない 15

優先権主張の利点 < 優先権主張の利点 > しかし 後の出願は優先権を主張しており 従って 後の出願の出願人は発明 A について特許を取得することができる なぜなら 後の出願は先の出願と同じ日に出願されたものとみなされるからである 16

発明の特許性 1 Lack of Novelty ( 新規性欠如 ) ➁ Lack of Inventive Step ( 進歩性欠如 ) 17

Part Ⅱ 外国に特許出願する場合の従来の特許出願制度 18

1. パリ条約の下における従来の特許出願制度 (1) 国内特許出願制度 国内特許出願 優先権を主張した国内特許出願 19

優先権を主張して外国に特許出願する場合の従来の特許出願制度の流れ [Fig.2] 20

Traditional Patent Application System under the Paris Convention (2) 広域特許出願制度 広域特許出願 ヨーロッパ特許条約 (EPC): 38 締約国 ユーラシア特許条約 (EAPC): 9 締約国 アフリカ知的財産機構の創設に関するバンギ協定 (OAPI): 16 締約国 アフリカ広域産業財産機構 (ARIPO) の枠内の特許及び意匠に係るハラレプロトコル : 16 締約国 21

優先権を主張した広域特許出願の流れ [Fig.3] 22

(3) 従来の特許出願制度における出願人の負担と特許庁のオーバーラップした作業 < 出願人の負担 > ➀ 出願人は特許を取得したい国に対して 優先日から 12 カ月以内に各国の特許庁に別個の特許出願をしなければならない 23

< 出願人の負担 > 2 外国に出願する前に 出願人は発明について特許を取得する可能性について十分な情報を有していない そのような状況で出願人は 各国毎に特許出願の翻訳文を作成する費用を支払い その国の特許代理人を選任し 手数料を支払い 各国の特許庁に出願手数料を支払わなければならない 24

Part Ⅲ 特許協力条約 (PCT) の概要 25

1. 外国に特許出願するための PCT 制度 (1) PCT の概要 PCT は世界知的所有権期間 (WIPO) が管理する国際条約である PCT は 別個に外国に出願する代わりに 単一の国際出願をすることによって 同時に PCT 締約国において発明の保護を求めることを可能にするものである 26

<PCT 制度の一般的注意事項 > (a) PCT 制度は 特許出願制度 であって 特許付与制度 ではない (PCT 特許なるものは存在しない ) (b) 特許付与の決定は国内段階においてその国の特許庁によって行なわれる (c) PCT はパリ条約の 特別取極め であり パリ条約の三原則は PCT による国際出願にも適用される 27

(2) 出願人の利益 1 国際出願 出願人がある発明について複数に国で権利を取得したい場合 - PCT に基づく単一の出願 ( 国際出願 ) を - 1 つの言語で - 1 つの特許庁に (RO: 受理官庁 ), すれば 当該国際出願は 全ての PCT 締約国において正規の国内出願の効果を有する 国際出願日は 各締約国において実際の出願日とみなされる 28

(2) Advantages to the Applicant ➁ 国際調査 国際調査機関 (ISA) は 国際出願に開示された発明の先行技術を調査し 国際調査報告 (ISR) を作成する さらに 発明の新規性 進歩性について国際調査機関の見解書 (WO/ISA) を作成する 29

(2) Advantages to the Applicant 3 第 19 条補正 ISR 及び WO/ISA を受領後 出願人は否定的見解を解消 するために特許請求の範囲を補正することができる 30

(2) Advantages to the Applicant 4 国際予備審査 出願人は 発明が新規性 進歩性及び産業上の利用可能性を有するかどうかについて見解を得るため 国際予備審査を請求することができる 31

(2) Advantages to the Applicant 5 国内段階への移行 国内段階への移行のために 出願人は以下の手続をしなければならない : 国際出願を各指定国の言語に翻訳し 各指定国の代理人を選任して手数料を支払い 各指定国の特許庁に出願手数料を支払う PCT はこれらの手続を優先日から 30 カ月以内に行なえばよい 32

2. PCT 制度の手続の流れ - 優先権が主張されている場合 33

3.PCT の現状 [Fig. 5] Number of International Applications Filed Worldwide 34

Present Status of the PCT [Fig. 6] PCT International Applications (Top 20 countries) (2010) Number of Filing 35

Present Status of the PCT [Fig. 7] Number of International Applications Filed by Japanese Applicants 36

Part IV 国際出願 37

1. 国際出願の提出 (1) 国際出願を構成する書類 1 国際出願は以下の書類を含まなければならない 願書 明細書 請求の範囲 要約 * 図面 ( 必要な場合 )** 38

<Documents constituting the international application> 2 国際出願と共に提出する書類 ( 必要な場合 ): 別個の委任状又は包括委任状の写し * 優先権書類 * 微生物の寄託に関する表示 ヌクレオチド及び / 又はアミノ酸配列リスト * <Notes> * may be filed later without affecting the international filing date ** subject to certain conditions, later submission of drawings results in a correction of the international filing date 39

(2)Manner of Description [ 発明の名称 ] [ 技術分野 ] [ 背景技術 ] [ 発明の概要 ] ( 解決すべき課題 ) ( 課題を解決する手段 ) ( 発明の効果 ) [ 図面の簡単な説明 ] [ 発明を実施するための形態 ] ( 実施例 1) ( 実施例 2) [ 産業上の利用可能性 ] [ 符号の説明 ] [ 寄託された生物材料への言及 ] [ 配列表 ] [ 配列表フリーテキスト ] 40

2. どこに国際出願を提出するか? (1) 管轄受理官庁 (RO) - 出願人が居住者又は国民である締約国の国内官庁 又は - WIPO 国際事務局 (2) 国際出願の言語 受理官庁が受け入れる言語の 1 つで国際出願しなければならない 41

(3) 管轄受理官庁及び国際出願の言語 日本の国民又は居住者の場合 日本特許庁 (JPO) -------------------------------- 日本語又は英語 米国の国民又は居住者の場合 米国特許商標庁 (USPTO) --------------------- 英語 ヨーロッパ特許条約締約国の国民又は居住者の場合 ヨーロッパ特許庁 (EPO) ---------- 英語 フランス語又はドイツ語 42

Competent Receiving Office すべての締約国の国民又は居住者 WIPO 国際事務局 (IB) ------------- 英語又は他の言語 * 国際出願が国際調査機関に受け入れられない言語の 場合 出願人は翻訳文を提出しなければならない 43

Part V 国際調査及び国際調査機関 44

1. 国際調査 国際調査機関 (ISA) は 国際調査報告 (ISR) 国際調査機関 (ISA) の見解書 (WO/ISA) を作成する 45

(1) 国際調査とは何か? 1 国際調査は最も重要な要素の 1 つであり すべての国際出願について国際調査される 2 国際調査の目的は 関連する先行技術 を発見することである 3 国際調査は明細書及び図面を考慮し 請求の範囲に基づいて行われる 46

(2) 国際調査報告が作成されない対象 1 PCT の規定により国際調査機関が調査しなくてよいとされている対象である場合 2 明細書 請求の範囲又は図面が意味のある調査ができるように記載されていない場合 47

(3) 国際調査機関が調査しなくてよいとされている対象 (i) scientific and mathematical theories, (ii) plant or animal varieties or essentially biological process for the production of plants and animals, other than microbiological processes and the products of such processes, (iii) schemes, rules or methods of doing business, performing purely mental of such processes, (iv) 手術又は治療による人体又は動物の体の処置方法及び人体又は動物の体の診断方法 (v) mere presentations of information, (vi) コンピュータプログラムのうち 国際調査機関が当該プログラムについて先行技術を調査する体勢にある範囲外のもの 48

(4) 国際調査機関の見解書 (WO/ISA) 国際調査機関 (ISA) は国際調査報告の作成と同時に 請求の範囲に記載された発明が新規性 進歩性及び産業上の利用可能性を有するかどうかについての国際調査機関の見解書 (WO/ISA) を作成する 49

2. 国際調査機関 (ISA) (1) 国際調査機関 <Name of Authority> <Language for IS> 日本特許庁 (ISA/JP) ------------------- 日本語, 英語 米国特許商標庁 (ISA/US) ------------ 英語 ヨーロッパ特許庁 (ISA/EP) -------------- 英語, ドイツ語, フランス語 50

(2) 国際調査機関による国際調査報告の割合 (2009) 51

(3) 受理官庁 (RO) と管轄国際調査機関 (ISA) ➀ 国際出願が日本特許庁に提出された場合 (RO/JP), 管轄国際調査機関は : 日本特許庁 (ISA/JP), - 日本語で出願された場合 ヨーロッパ特許庁 (ISA/EP) 又は 日本特許庁 (ISA/JP), - 英語で出願された場合 52

Receiving Office (RO) and Competent International Searching Authority ➁ 国際出願が WIPO 国際事務局に提出された場合 (RO/IB) 管轄国際調査機関は : 出願人が日本の国民又は居住者である場合 日本特許庁 (ISA/JP), 国際出願が日本語でされた場合 ヨーロッパ特許庁 (ISA/EP) 又は日本特許庁 (ISA/JP), 国際出願が英語でされた場合 53

Receiving Office (RO) and Competent International Searching Authority ➁ 国際出願が WIPO 国際事務局に提出された場合 (RO/IB) 管轄国際調査機関は : 出願人が米国人で日本の居住者である場合 ー国際出願が日本語でされた場合 日本特許庁 (ISA/JP), ー国際出願が英語でされた場合 ヨーロッパ特許庁 (ISA/EP) 日本特許庁 (ISA/JP), 又は 米国特許商標庁 (USPTO) 54

(4) 調査手数料 <ISA> <Search Fee> ISA/JP ---------------------- USD 1,163 ISA/US --------------------- USD 2,080 ISA/EP ---------------------- USD 2,443 55

3. 管轄受理官庁及び国際調査機関の選択肢 (1) Option 1 File with RO/JP in English-----ISA/EP (2) Option 2 File with RO/JP in English-----ISA/JP (3) Option 3 (when an applicant is an American) File with RO/IB in English-----ISA/US 56

Part VI 特許性のある発明 57

1. 特許性のある発明と特許性の例外 (1) 特許性のある発明 特許は すべての技術分野の発明について付与される - ただし 新規性 進歩性 産業上の利用可能性を有していることが条件である 58

(2) 新規性 進歩性 産業上の利用可能性の定義 新規性 進歩性 産業上の利用可能性 59

(3) 特許性の例外 日本特許及びヨーロッパ特許は 手術又は治療による人体の処置方法及び人体の診断方法に対して付与されない この規定は これらの方法に使用される生産物 特に 化合物又は組成物には適用されない 60

Part VII 新規性喪失の例外 ( 不利にならない開示 ) グレースピリオド 61

1. 不利にならない開示 とは何か 特許出願に係る発明が当該特許出願の日の前に公知となった場合 当該発明は新規性がないとして特許されない (1) 不利にならない開示 不利にならない開示 の規定によれば 発明が学会での発表 国際博覧会での展示等によって新規性を失っても 出願が開示の日から所定の期間内に提出されれば ( グレースピリオド ) 当該発明は新規性を喪失しない 62

不利にならない開示 (2) 注意すべき事項 発明者が学会で発明を発表した場合 新規性喪失の例外 の規定はヨーロッパ特許には適用されない 従って 発明者が発明について 当該発明の特許出願前に学会で発表し 又は論文を公表した場合 ヨーロッパ特許を取得することはできない 63

(3) Grace Period グレースピリオドは国毎に異なる 日本特許法 (JP) -------------6 月 米国特許法 (US)------------12 月 ヨーロッパ特許条約 (EP) --------6 月 64

Part VIII 国際公開 65

(1) 国際事務局による国際公開 国際出願は 当該出願の優先日から 18 カ月経過後に国際公開される 66

(2) 国際公開の言語 < 公開言語 > アラビア語 中国語 英語 フランス語 ドイツ語 日本語 韓国語 ポルトガル語 ロシア語 スペイン語 67

[Fig. 9] 国際公開のフロントページ 68

[Fig. 10] 請求の範囲 69

[Fig. 11] 国際調査報告 (ISR) 70

International Patent Application by PCT System Thank you Teruhisa SHIMOMICHI Patent Attorney 71