2019 年 7 月 4 日 ( 木 ) 愛知県保健医療局健康医務部健康対策課感染症グループ担当内田 久野内線 ダイヤルイン 手足口病警報を発令します!! 愛知県では 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 に基づき 県内の小児科を標榜する

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事務連絡 令和元年 6 月 21 日 ( 公社 ) 岡山県医師会 ( 一社 ) 岡山県病院協会 御中 岡山県保健福祉部健康推進課 手足口病に関する注意喚起について このことについて 厚生労働省健康局結核感染症課から別添のとおり事務連絡が ありましたので 御了知いただくとともに 貴会員への周知をお願い

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6/10~6/16 今週前週今週前週 インフルエンザ 2 10 ヘルパンギーナ RS ウイルス感染症 1 0 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 8 10 咽頭結膜熱 急性出血性結膜炎 0 0 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 流行性角結膜炎 ( はやり目 )

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今週前週今週前週 2/18~2/24 インフルエンザ ヘルパンギーナ 4 4 RS ウイルス感染症 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 7 4 咽頭結膜熱 急性出血性結膜炎 0 0 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 流行性角結膜炎 ( はやり目

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Microsoft Word - WIDR201826

各特別区保健衛生主管部長 八王子市保健衛生主管部長 町田市保健衛生主管部長 殿 31 福保健感第 488 号 令和元年 7 月 4 日 東京都福祉保健局健康安全部長 ( 公印省略 ) 都内における手足口病の発生状況に係る情報提供等について 平素より都の保健衛生施策に御理解と御協力をいただき厚く御礼申

鹿児島県感染症発生動向調査事業 ( 内容に関するお問い合わせ : 健康増進課感染症保健係 ) 感染症のホームページアドレス 第 20 週の手足口病の定点当た

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Microsoft Word - 【セット版PDF】131105_H25今冬のインフルエンザ総合対策.docx

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インフルエンザ、鳥インフルエンザと新型インフルエンザの違い

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定点報告疾患 ( 定点当たり報告数の上位 3 疾患の発生状況 ) (1) インフルエンザ 第 51 週のインフルエンザの報告数は 1025 人で, 前週より 633 人多く, 定点当たりの報告数は であった 年齢別では,10~14 歳 (240 人 ),7 歳 (94 人 ),8 歳 (

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鹿児島県感染症発生動向調査事業 感染症のホームページアドレス 咽頭結膜熱の報告数は, 前週と同数の 59 人 ( 定点当たり 報告数 1.09) でした 保

熊本県感染症情報 ( 第 31 週 ) 県内 170 観測医の患者数 (7 月 28 日 ~8 月 3 日 ) 今週前週今週前週 インフルエンザ 0 1 百日咳 0 0 RS ウイルス感染症 7 0 ヘルパンギーナ 咽頭結膜熱 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 感染性胃腸炎

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症候性サーベイランス実施 手順書 インフルエンザ様症候性サーベイランス 編 平成 28 年 5 月 26 日 群馬県感染症対策連絡協議会 ICN 分科会サーベイランスチーム作成

A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 第 50 週の報告数は 前週より 39 人減少して 132 人となり 定点当たりの報告数は 3.00 でした 地区別にみると 壱岐地区 上五島地区以外から報告があがっており 県南地区 (8.20) 佐世保地区 (4.67) 県央地区 (4.67) の定点当たり報告数は

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02別添:日本脳炎ワクチン接種に関するQ&A[H28.3月版]

3-2 全国と札幌市の定点あたり患者報告数の年平均値流行状況の年次推移を 全国的な状況と比較するため 全国と札幌市の定点あたり患者報告数の年平均値について解析した ( 図 2) 全国的には 調査期間の定点あたり患者報告数の年平均値は その年次推移にやや増減があるものの大きな変動は認められなかった 札

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2017 年 3 月臨時増刊号 [No.165] 平成 28 年のトピックス 1 新たに報告された HIV 感染者 AIDS 患者を合わせた数は 464 件で 前年から 29 件増加した HIV 感染者は前年から 3 件 AIDS 患者は前年から 26 件増加した ( 図 -1) 2 HIV 感染者

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報告風しん

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山梨県週別発生動向 疾病推移状況定点報告数定点報告数定点報告数定点報告数 インフルエンザ横ばいです 平年並みです RS ウイルス感染症減少しています平年並みです 咽頭結膜熱

インフルエンザ(成人)

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Bull. Nagano Environ. Conserv. Res. Inst. No.8(2012) 3. 結果および考察 3.1 長野県における手足口病患者およびヘルパンギーナ患者からのエンテロウイルス検出状況 手足口病患者およびヘルパンギーナ患者 67 検体のうち, が 45 株 (67 %

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Microsoft PowerPoint 最近の性感染症の動向

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顎下腺 舌下腺 ) の腫脹と疼痛で発症し そのほか倦怠感や食欲低下などを訴えます 潜伏期間は一般的に 16~18 日で 唾液腺腫脹の 7 日前から腫脹後 8 日後まで唾液にウイルスが排泄され 分離できます これらの症状を認めない不顕性感染も約 30% に認めます 合併症は 表 1 に示すように 無菌

3.2013/14シーズンのインフルエンザアップデート(12/25現在)

はじめに 高齢者施設等で抵抗力が低い利用者をケアするには 介護スタッフの感染予防が必要です 施設は重度の利用者が中心になり さまざまな基礎疾患を抱えているため 感染しやすい状態の方が急増しています 介護スタッフが感染源にならないための予防策と 介護スタッフ自身の安全なケアの方法が重要となってきます

熊本県感染症情報 ( 第 14 週 ) 県内 165 観測医の患者数 (4 月 4 日 ~4 月 10 日 ) 今週前週今週前週 インフルエンザ 百日咳 0 0 RS ウイルス感染症 10 8 ヘルパンギーナ 6 5 咽頭結膜熱 A 群溶血性連鎖球菌咽頭炎 感染性胃腸炎

Microsoft Word - 【要旨】_かぜ症候群の原因ウイルス

別紙 1 新型インフルエンザ (1) 定義新型インフルエンザウイルスの感染による感染症である (2) 臨床的特徴咳 鼻汁又は咽頭痛等の気道の炎症に伴う症状に加えて 高熱 (38 以上 ) 熱感 全身倦怠感などがみられる また 消化器症状 ( 下痢 嘔吐 ) を伴うこともある なお 国際的連携のもとに

第14巻第27号[宮崎県第27週(7/2~7/8)全国第26週(6/25~7/1)]               平成24年7月12日

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蚊を介した感染経路以外にも 性交渉によって男性から女性 男性から男性に感染したと思われる症例も報告されていますが 症例の大半は蚊の刺咬による感染例であり 性交渉による感染例は全体のうちの一部であると考えられています しかし 回復から 2 ヵ月経過した患者の精液からもジカウイルスが検出されたという報告

Ⅰ 第 30 週の発生動向 (2017/7/24~2017/7/30) 1. 手足口病については むつ保健所管内で警報が発令されました 東地方 + 青森市保健所管内 弘前保健所管内 上十三保健所管内で警報が継続しています 三戸地方 + 八戸市保健所管内では 定点当たり報告数の増加が続いており 警報レ

第14巻第27号[宮崎県第27週(7/2~7/8)全国第26週(6/25~7/1)]               平成24年7月12日

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Microsoft PowerPoint - リーダー養成研修(通所)NO1 

10/3~10/9 今週前週今週前週 インフルエンザ 7 1 百日咳 1 0 RS ウイルス感染症 ヘルパンギーナ 咽頭結膜熱 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 感染性胃腸炎 流行性耳下腺炎 ( おたふくかぜ ) 急性出

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説明 感染症の対応について

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1★プレス49週HP表紙

2. トイレの後には必ず手洗いをしましょう! 調査から 15.4% の方がトイレの後に手を洗わないことがあるという結果が得られました ( 小便後又は大便後に手を洗うのどちらかを選択しなかった方 どちらも選択しなかった方 トイレで手を洗わないを選択した方 の合計 ) Q10 特にこれからの季節に流行す

インフルエンサ 及び小児感染症の疾病別推移グラフ 平成 年 京都市 _ 本年 全国 _ 本年 京都市 _ 過去 5 年平均値 全国 _ 過去 5 年平均値 6 インフルエンザ 8 手足口病 RS ウイルス感染症

インフルエンサ 及び小児感染症の疾病別推移グラフ 平成 年 京都市 _ 本年 全国 _ 本年 京都市 _ 過去 5 年平均値 全国 _ 過去 5 年平均値 6 インフルエンザ 8 手足口病 RS ウイルス感染症.5 伝染性紅斑 りんご病

表紙

肝臓の細胞が壊れるる感染があります 肝B 型慢性肝疾患とは? B 型慢性肝疾患は B 型肝炎ウイルスの感染が原因で起こる肝臓の病気です B 型肝炎ウイルスに感染すると ウイルスは肝臓の細胞で増殖します 増殖したウイルスを排除しようと体の免疫機能が働きますが ウイルスだけを狙うことができず 感染した肝

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インフルエンサ 及び小児感染症の疾病別推移グラフ 平成 年 京都市 _ 本年 全国 _ 本年 京都市 _ 過去 5 年平均値 全国 _ 過去 5 年平均値 6 インフルエンザ 8 手足口病 RS ウイルス感染症.6 伝染性紅斑 りんご病

<報道資料>

流行の推移と発生状況疾病名 推移 発生状況 疾病名 推移 発生状況 インフルエンザ RSウイルス感染症 咽頭結膜熱 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 感染性胃腸炎 水痘 手足口病 伝染性紅斑 突発性発疹 百日咳 ヘルパンギーナ 流行性耳下腺炎 急性出血性結膜炎 流行性角結膜炎 細菌性髄膜炎 無菌性髄膜炎

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報告は 523 人 (14. 5) で前週比 9 と減少した 例年同時期の定点あたり平均値 * (16. ) の約 9 割である 日南 (37. 3) 小林(26. 3) 保健所からの報告が多く 年齢別では 1 歳から 4 歳が全体 の約 4 割を占めた 発生状況 ( 宮崎県 ) 定

日産婦誌58巻9号研修コーナー

熊本県感染症情報 ( 第 50 週 ) 報告期間 インフルエンザ 水 痘 突発性発しん ヘルパンギーナ マイコプラズマ肺炎 クラミジア肺炎 ( ロタウイルス ) 第 43 週第 44 週第 45 週第 46 週第 47 週第 48 週第 49 週第 50 週第 47 週第 48 週第 49 週 7

高知県感染症発生動向調査 ( 週報 ) 2015 年第 40 週 (9 月 28 日 ~10 月 4 日 ) お知らせ 手足口病に気を付けて! 定点医療機関からの報告数は第 39 週の 3.03 から第 40 週は 2.63 とほぼ横ばいです 高知市 中央東 中央西では注意報値を超え 高知県全域でも

ロタウイルスワクチンは初回接種を1 価で始めた場合は 1 価の2 回接種 5 価で始めた場合は 5 価の3 回接種 となります 母子感染予防の場合のスケジュール案を示す 母子感染予防以外の目的で受ける場合は 4 週間の間隔をあけて2 回接種し 1 回目 の接種から20~24 週あけて3 回目を接種生

Microsoft Word - 被災地の感染症予防 詳細版 final as of docx

夏休みに海外へ渡航される方に向けた感染症情報が 厚生労働省のホームページに掲載されています 海外には 通常日本国内に存在しない感染症が多くあります 海外で感染症にかからないようにするには 出発前にあらかじめ渡航先の感染症に関する情報を入手しておくことが大切です 旅行中の注意 生水 氷 カットフルーツ

Microsoft PowerPoint - 感染対策予防リーダー養成研修NO4 インフルエンザ++通所

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マイコプラズマ肺炎 第 30 週の報告数は 前週より 1 人減少して 14 人となり 定点当たりの報告数は 1.17 でした 対馬地区 (3.00) 県央地区 (2.00) 及び県北地区 (2.00) の定点当たり報告数は 他の地区より多いため注意が必要です 本疾患は 5~12 歳に特に多く 初秋か

糖尿病診療における早期からの厳格な血糖コントロールの重要性

生ワクチン 不活化ワクチン ジフテリア 百日咳 破傷風 不活化ポリオ混合ワクチン の接種から20~24 週あけて3 回目を接種 別の種類のワクチンを接種する場合は 中 27 日 ( いわゆる4 週間 ) 以上あけて受けます 別の種類のワクチンを接種する場合は 中 6 日 ( いわゆる1 週間 ) 以

記号の説明 前からの推移 : 倍以上の減少.~ 倍未満の減少. 未満の増減.~ 倍未満の増加 倍以上の増加 流行状況 : 空白発生なし 僅か 少し やや多い 多い 非常に多い 定点当り患者数について 過去 年間の標準偏差値に感染症の種類毎に係数を乗じた値を 等分し 流行状況の目安として 段階で表示し

PowerPoint プレゼンテーション

東京大会と感染症サーベイランス ~ 普段とどこがちがうのか ~ 疾患疫学が変化する可能性 多数の訪日外国人の流入 多くのマスギャザリングイベント 事前のリスク評価に基づいたサーベイランスと対応の強化の必要性を検討する 体制構築の観点から 行政と大会組織委員会の責任範囲と協力体制の構築が必要 国内移動

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記号の説明 前からの推移 : 倍以上の減少.~ 倍未満の減少. 未満の増減.~ 倍未満の増加 倍以上の増加流行状況 : 空白発生なし 僅か 少し やや多い 多い 非常に多い 定点当り患者数について 過去 年間の標準偏差値に感染症の種類毎に係数を乗じた値を 等分し 流行状況の目安として 段階で表示して

インフルエンザ施設内感染予防の手引き

とが知られています 神経合併症としては水痘脳炎 (1/50,000) 急性小脳失調症 (1/4,000) などがあり さらにインフルエンザ同様 ライ症候群への関与も指摘されています さらに 母体が妊娠 20 週までの初期に水痘に罹患しますと 生まれた子供の約 2% が 皮膚瘢痕 骨と筋肉の低形成 白

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~~ 各種感染症の流行状況について ~~~ R 更新愛媛県感染症情報センター 文中第 35 週 (8/26 ~ 9/1) ( 第 35 週 8 /26~ 9 / 1) < 手足口病 > 手足口病の定点あたり報告数は 第 34 週 2.2 人 第 35 週 2.2 人と横ばいに推移していま

インフルエンサ 及び小児感染症の疾病別推移グラフ 平成 9 年 京都市 _ 本年 全国 _ 本年 京都市 _ 過去 5 年平均値 全国 _ 過去 5 年平均値 5 インフルエンザ 手足口病 RS ウイルス感染症.6 伝染性紅斑 りんご病

第14巻第27号[宮崎県第27週(7/2~7/8)全国第26週(6/25~7/1)]               平成24年7月12日

Transcription:

2019 年 7 月 4 日 ( 木 ) 愛知県保健医療局健康医務部健康対策課感染症グループ担当内田 久野内線 3160 3161 ダイヤルイン 052-954-6272 手足口病警報を発令します!! 愛知県では 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 に基づき 県内の小児科を標榜する医療機関のうち 182 か所を定点として各種感染症の発生動向 調査を実施しています この調査結果によりますと 2019 年第 26 週 (6 月 24 日 ( 月 ) から 6 月 30 日 ( 日 ) まで ) における愛知県全体の一定点医療機関当たりの手足口病の報告数は 5.21 でした これは 国立感染症研究所が定める警報の指標である 5 を上回っていることから 手足口病警報を発令します つきましては 手洗い等による予防を心がけ 感染と重症化を防ぎましょう なお この警報は一定点医療機関当たりの報告数が 2 以下に減少するまで継続し ます 注 ) 一定点医療機関当たりの報告数 :182 医療機関からの一週間の総報告数 182 1 手足口病の定点あたりの発生状況第 24 週第 25 週第 26 週保健所等定点医療機関数 (6/10~6/16) (6/17~6/23) (6/24~6/30) 愛知県 182 1.60 3.14 5.21 ( 保健所設置市を含む ) 全国約 3,000 4.03 5.18 - ( 参考 ) 過去 8 年間の定点医療機関当たりの手足口病患者の報告数 ( 年最高値 ) 年報告数 ( 年最高値 ) 報告週 2011 年 10.87 第 28 週 (7/11-7/17) 2012 年 0.33 第 36 週 (9/ 3-9/ 9) 2013 年 11.05 第 31 週 (7/29-8/ 4) 2014 年 1.70 第 30 週 (7/21-7/27) 2015 年 6.07 第 31 週 (7/27-8/ 2) 2016 年 0.99 第 40 週 (10/3-10/9) 2017 年 12.51 第 31 週 (7/31-8/ 6) 2018 年 1.21 第 28 週 (7/ 9-7/15) 全国の定点医療機関数は 毎週若干の変動があります 全国の発生状況については第 25 週 ( 速報値 ) が 愛知県は第 26 週が最新のデータです 1

2 手足口病について手足口病は 乳幼児を中心に夏季に流行する急性ウイルス性感染症で 学童でもかかることがあります 一般的な経過では 3~5 日の潜伏期をおいて 口腔粘膜 手のひら 足のうらや足の甲などに2~3mmの小さな水疱が現れ 口腔粘膜では小潰瘍を形成することもあります 時に 水疱は肘 膝 臀部などにもできることがあります 発熱は約 3 分の1に見られますが軽度で 38 以下のことがほとんどです 通常は3~7 日の経過で消退します ごくまれに髄膜炎や脳炎などを生じることがあるので 高熱や嘔吐 頭痛などがある場合は注意を要します 感染経路としては 飛沫感染 接触感染や患者の便を介しての感染と考えられています 3 予防について手足口病にはワクチンがなく 特異的治療法もありませんので 感染しないよう予防に心がけることが大切です 感染予防対策としては 次のことが推奨されます 1 手洗いを励行すること 特に おむつ交換やトイレの後はしっかりと手を洗う 2 感染者との密接な接触やタオルの共用を避けること 3 咳やくしゃみが出る場合は 咳エチケット注 ) をすること 症状が見られる場合は速やかに医療機関を受診しましょう 治療は安静と対症療法となります 4 過去の手足口病警報発令状況 2011 年 7 月 7 日 ( 木 ) 2013 年 7 月 18 日 ( 木 ) 2015 年 8 月 6 日 ( 木 ) 2017 年 7 月 13 日 ( 木 ) 注 ) 咳やくしゃみが出る時は 他の人にうつさないためにマスクを着用しましょう マスクを持っていない場合は ティッシュなどで口と鼻を押さえ 他の人から顔をそむけて 1m 以上離れましょう 鼻汁 痰などを含んだティッシュはすぐにゴミ箱に捨てましょう 咳をしている人にマスクの着用をお願いしましょう 2

定点当たり報告数 15 10 5 感染症発生動向調査による手足口病の発生状況 ( 愛知県 ) 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年 0 1 週 6 週 11 週 16 週 21 週 26 週 31 週 36 週 41 週 46 週 51 週 感染症発生動向調査による手足口病の発生状況 ( 全国 ) 15 定 10 点当たり報告 5 数 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年 0 1 週 6 週 11 週 16 週 21 週 26 週 31 週 36 週 41 週 46 週 51 週 3

手足口病に関する Q&A 平成 25 年 8 月 手足口病についての正しい情報を提供することで 予防策等について理解を深めていただくため Q&A を作成しました なお 今後の知見の進展等に対応して 逐次 本 Q&A を更新していくこととしています ------------------------------------------------------------------------------ < 目次 > < 手足口病とは > Q1 手足口病とはどのような病気ですか? Q2 どのようにして感染するのですか? Q3 どのような症状が出ますか? < 予防対策について > Q4 感染しないようにするために どのようなことに注意すればよいですか? < 治療について > Q5 治療方法はありますか? < 国内及び世界の発生状況について > Q6 日本での発生状況は? Q7 世界での発生状況は? < 参考文献 & リンク >

----------------------------------------------------------------------------- < 手足口病とは > Q1 手足口病とはどのような病気ですか? A1 手足口病は 口の中や 手足などに水疱性の発疹が出る ウイルスの感染によって起こる感染症です 子どもを中心に 主に夏に流行します 感染症発生動向調査によると 例年 報告数の 90% 前後を 5 歳以下の乳幼児が占めています 病気の原因となるウイルスは 主にコクサッキーウイルス A6 A16 エンテロウイルス 71(EV71) で その他 コクサッキーウイルス A10 などが原因になることもあります Q2 どのようにして感染するのですか? A2 感染経路は 飛沫感染 接触感染 糞口感染 ( 便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染することです ) が知られています 特に この病気にかかりやすい年齢層の乳幼児が集団生活をしている保育施設や幼稚園などでは注意が必要です 理由は 子ども達同士の生活距離が近く 濃厚な接触が生じやすい環境であることや 衛生観念がまだ発達していないことから 施設の中で手足口病の患者が発生した場合には 集団感染が起こりやすいためです また 乳幼児では原因となるウイルスに感染した経験のない者の割合が高いため 感染した子どもの多くが発病します Q3 どのような症状が出ますか? A3 感染してから 3~5 日後に 口の中 手のひら 足底や足背などに 2~3mm の水疱性発疹が出ます 発熱は約 3 分の 1 にみられますが あまり高くならないことがほとんどであり 高熱が続くことは通常はありません ほとんどの発病者は 数日間のうちに治る病気です しかし まれですが 髄膜炎 小脳失調症 脳炎などの中枢神経系の合併症のほか 心筋炎 神経原性肺水腫 急性弛緩性麻痺など さまざまな症状が出ることがあります ( 特に EV71 に感染した場合には 他のウイルスによる手足口病と比べて 中枢神経系の合併症を引き起こす割合が高いことが明らかとなっています ) また 手足口病の典型的な症状がみられずに重症になることもありますので 注意が必要です なお 近年 コクサッキ ウイルス A6 感染により手足口病の症状が消失してから 1 か月以内に 一時的に手足の爪の脱落を伴う症例も報告されていますが 自然に治るとされています 手足口病にかかったこどもの経過を注意深く観察し 合併症に注意をする必要があります < 予防対策について > Q4 感染しないようにするために どのようなことに注意すればよいですか? A4 手足口病には有効なワクチンはなく また手足口病の発病を予防できる薬もありません 治った後でも 比較的長い期間 便などからウイルスが排泄されることがあります また 感染しても発病はせず ウイルスを排泄している場合があります これらのことから 発病した人だけを長期間隔離しても有効な感染対策とはならず 現実的でもありません 前述したように 衛生観念がまだ発達していない乳幼児の集団生活施設では 施設内での感

染の広がりを防ぐことは難しいです しかし 手足口病は 発病しても 軽い症状だけで治ってしまうことがほとんどであるという意味で 感染してはいけない特別な病気ではありません これまでほとんどの人が子どもの間にかかって 免疫をつけてきた感染症です 一般的な感染対策は 接触感染を予防するために手洗いをしっかりとすることと 排泄物を適切に処理することです 特に 保育施設などの乳幼児の集団生活では 感染を広げないために 職員とこども達が しっかりと手洗いをすることが大切です 特におむつを交換する時には 排泄物を適切に処理し しっかりと手洗いをしてください 手洗いは流水と石けんで十分に行ってください また タオルの共用はしてはいけません 手足口病は 治った後も比較的長い期間便の中にウイルスが排泄されますし また 感染しても発病しないままウイルスを排泄している場合もあると考えられることから 日頃からのしっかりとした手洗いが大切です < 治療について > Q5 治療方法はありますか? A5 手足口病に特効薬はなく 特別な治療方法はありません また 基本的には軽い症状の病気ですから 経過観察を含め 症状に応じた治療となります しかし まれに髄膜炎や脳炎など中枢神経系の合併症などが起こる場合がありますから 経過観察をしっかりと行い 高熱が出る 発熱が 2 日以上続く 嘔吐する 頭を痛がる 視線が合わない 呼びかけに答えない 呼吸が速くて息苦しそう 水分が取れずにおしっこがでない ぐったりとしているなどの症状がみられた場合は すぐに医療機関を受診しましょう < 国内及び世界の発生状況について > Q6 日本での発生状況は? A6 毎年 夏を中心として発生し 7 月下旬に流行のピークを迎えます 過去 10 年間では 平成 23 年に最大の流行が発生しましたが 平成 25 年はそれに次ぐ規模の流行となっており 注意が必要です 手足口病は ほとんどの場合 軽症で治りますが 重症化する割合が高いといわれている EV71 による手足口病も流行していますから しっかりと経過観察をする必要があります Q7 世界での発生状況は? A7 手足口病は 世界中で日本と同様子どもを中心にみられる病気です 温帯地域では 主に夏に発生します EV71 による手足口病の流行は これまでにも アジア各国で報告されています マレーシア 台湾 中国 カンボジア ベトナムなどでは 近年 EV71 による手足口病の大きな流行が報告されています < 参考文献 & リンク > 国立感染症研究所手足口病とは? http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/441-hfmd.html

IDWR 感染症発生動向調査週報注目すべき感染症 手足口病 : http://www.nih.go.jp/niid/ja/hfmd-m/hfmd-idwrc.html IASR 病原微生物検出情報特集 手足口病 2002~2011 年 http://www.nih.go.jp/niid/ja/hfmd-m/hfmd-iasrtpc/1765-tpc385.html WHO (WPRO:WHO 西太平洋地域事務局 ) による近隣諸国の患者数 http://www.wpro.who.int/emerging_diseases/hfmd/en/index.html < この Q&A は 国立感染症研究所の先生方の御協力により作成しました >