新たな認定看護師制度に関する説明会 新たな認定看護師制度 について 公益社団法人日本看護協会常任理事荒木暁子
内容. 全国で活躍する認定看護師と今後の期待 2. 新たな認定看護師制度 3. 新たな認定看護師制度への移行と移行支援 4. 分野に対する基本方針 分野再編 5. 新たな認定看護師教育 2
全国で活躍する認定看護師 < 認定看護師制度の目的 > 熟練した看護技術と知識を用い 水準の高い看護実践により 看護ケアの広がりと質の向上を図ること 全国に 9,835 名 (2 分野 )_208 年 7 月現在 診療報酬項目は 20 項目 6 分野 広告が可能な分野は 8 分野 詳細は日本看護協会公式ホームページをご覧ください 3
変化する医療 社会と認定看護師に期待される役割 現在 209 年 少子 超高齢 多死社会 2025 年 医療の高度化専 門細分分化化に伴う看護の 高齢化 疾病構造の変化 悪性新生物 高血圧症 脳卒中 糖尿病の増加 複数の慢性疾患 医療提供体制の転換 病院中心から地域 在宅へ医療の場が移行 認定看護師の実績 アセスメントに基づく質の高い看護実践 高齢者 慢性疾患の増加 病院完結型から地域完結型へ 疾病が単独ではなく 複合している医療を受けながら病気と共に生活する人の増加 治す医療 から 治し支える医療 へ これから必要とされる看護師 急性期医療に加え在宅医療まで支えられる 地域 施設間の連携に寄与できる 認定看護師への期待 4
本会が実施する特定行為研修を修了した認定看護師数 特定行為研修を修了した認定看護師数 37 名 ( 平成 3 年 3 月 ) 分野 人数 分野 人数 救急看護 50 透析看護 0 皮膚 排泄ケア 47 手術看護 集中ケア 4 乳がん看護 0 緩和ケア 9 摂食 嚥下障害看護 5 がん化学療法看護 9 小児救急看護 0 がん性疼痛看護 7 認知症看護 8 訪問看護 8 脳卒中リハビリテーション看護 2 感染管理 52 がん放射線療法看護 0 糖尿病看護 30 慢性呼吸器疾患看護 2 不妊症看護 0 慢性心不全看護 新生児集中ケア 0 合計 372 2 分野の資格取得者 名 ( 緩和ケア / 訪問看護 ) 沖縄 6 長崎 7 佐賀 3 熊本 3 鹿児島 4 福岡 9 大分 2 宮崎 山島根 4 鳥取 7 口 4 広島 7 岡山 8 愛媛 4 高知 3 香川 5 徳島 2 兵庫 5 大阪 37 京都 6 奈良 5 和歌山 2 滋賀 3 三重 2 石川 4 福井 7 岐阜 5 愛知 7 富山 3 新潟 6 長野 8 山梨 3 静岡 8 秋田 山形 2 群馬 2 北海道 0 青森 2 埼玉 7 東京 56 神奈川 42 0 人 ~0 人 福島 ~20 人 栃木 0 岩手 宮城 茨城 5 千葉 2 2~30 人 3 人以上 5
認定看護師が臨床で解決したい課題 実施 情報収集アセスメント看護計画 医師による治療行為 CN による看護ケア 認定看護師だからこそ感じている課題 例 ) 患者さんは外来に来ること自体が難しいのに 病院を中心にしたケアしか展開できない 専門医が不在 根拠不足を感じながらも看護計画を立案せざるを得ない 例 ) 本当は実施したほうが良いとわかっているのに やれない / やってくれない 目の前の患者さんの訴えや症状に即座に対応できない 患者へのケア提供までのタイムラグの解消 提供するケアの充実 6
特定行為研修を修了することによって 実施 医師による治療行為 情報収集アセスメント看護計画 CN による看護ケア CN による特定行為 臨床推論力 病態判断力 タイムリーなケア実施による症状緩和 重症化予防 特定行為実施まで一貫した CN の看護過程 ~ 看護の充実 7
認定看護師教育に特定行為研修を組み込む意義 認定看護師のアセスメントに基づく質の高い看護実践 特定行為研修 臨床推論病態判断技術 ( 診療の補助行為 ) 認定看護師としてのアセスメント 臨床推論 病態判断 患者 利用者への適時 適切なサービスの提供 生活援助技術 + 症状緩和 過剰 過少医療の回避 病院にとどまらず 在宅 地域などあらゆる場のニーズに対応 医師をはじめとした他職種との対話力が向上 CN がチーム医療のキーパーソン 8
指定研修機関 厚生労働省が指定した 3 機関 (209 年 2 月時点 ) 厚生労働省 HP より https://www.mhlw.go.jp/content/0800000/000483656.pdf 9
特定行為研修を修了した看護師数 ( 特定行為区分別 ) 修了者総数 :,205 名 (208 年 9 月末時点 ) 修了者延べ人数 :0,836 名 出典 : 厚生労働省ホームページ https://www.mhlw.go.jp/content/0800000/000477207.pdf 0
本会が実施する特定行為研修を修了した認定看護師数 特定行為研修を修了した認定看護師数 37 名 ( 平成 3 年 3 月 ) 分野 人数 分野 人数 救急看護 50 透析看護 0 皮膚 排泄ケア 47 手術看護 集中ケア 4 乳がん看護 0 緩和ケア 9 摂食 嚥下障害看護 5 がん化学療法看護 9 小児救急看護 0 がん性疼痛看護 7 認知症看護 8 訪問看護 8 脳卒中リハビリテーション看護 2 感染管理 52 がん放射線療法看護 0 糖尿病看護 30 慢性呼吸器疾患看護 2 不妊症看護 0 慢性心不全看護 新生児集中ケア 0 合計 372 2 分野の資格取得者 名 ( 緩和ケア / 訪問看護 ) 沖縄 6 長崎 7 佐賀 3 熊本 3 鹿児島 4 福岡 9 大分 2 宮崎 山島根 4 鳥取 7 口 4 広島 7 岡山 8 愛媛 4 高知 3 香川 5 徳島 2 兵庫 5 大阪 37 京都 6 奈良 5 和歌山 2 滋賀 3 三重 2 石川 4 福井 7 岐阜 5 愛知 7 富山 3 新潟 6 長野 8 山梨 3 静岡 8 秋田 山形 2 群馬 2 北海道 0 青森 2 埼玉 7 東京 56 神奈川 42 0 人 ~0 人 福島 ~20 人 栃木 0 岩手 宮城 茨城 5 千葉 2 2~30 人 3 人以上
分野ごとの特定行為研修区分別科目の受講実績 2 45 認定看護師数 分野名 25 25 45 49 7 34 5 48 49 4 2 4 47 49 34 4 2 4 30 49 50 4 30 47 52 50 4 30 皮膚 排泄ケア 感染管理 救急看護 集中ケア 糖尿病看護 精神及び神経症状に係る薬剤投与関連血糖コントロールに係る薬剤投与関連 感染に係る薬剤投与関連栄養に係るカテーテル管理 ( 中心静脈カテーテル管理 ) 関連循環動態に係る薬剤投与関連呼吸器 ( 長期呼吸療法に係るもの ) 関連呼吸器 ( 気道確保に係るもの ) 関連創部ドレーン管理関連 栄養に係るカテーテル管理 ( 末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理 ) 関連ろう孔管理関連動脈血液ガス分析関連呼吸器 ( 人工呼吸療法に係るもの ) 関連創傷管理関連栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 2
分野ごとの特定行為研修区分別科目の受講実績 認定看護師数 分野名 5 2 2 4 9 9 2 3 8 8 8 6 7 5 2 2 9 9 8 8 7 5 2 2 緩和ケア がん化学療法看護 訪問看護 認知症看護 がん性疼痛看 護 精神及び神経症状に係る薬剤投与関連 摂食 嚥下障害看護 脳卒中リハ 慢性呼吸器疾患看護 慢性心不全看護 血糖コントロールに係る薬剤投与関連 手術看護 感染に係る薬剤投与関連栄養に係るカテーテル管理 ( 中心静脈カテーテル管理 ) 関連循環動態に係る薬剤投与関連呼吸器 ( 長期呼吸療法に係るもの ) 関連呼吸器 ( 気道確保に係るもの ) 関連創部ドレーン管理関連 栄養に係るカテーテル管理 ( 末梢留置型中心静脈注射用カテーテル管理 ) 関連ろう孔管理関連動脈血液ガス分析関連呼吸器 ( 人工呼吸療法に係るもの ) 関連創傷管理関連栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 3
特定行為研修修了後の活動 患者ニーズに対するタイムリーな特定行為実践 例 : 皮膚 排泄ケア認定看護師 : 重症褥瘡に対するデブリードマンや陰圧閉鎖療法などの実施 ( 重症化予防 ) ICU に勤務する集中ケア認定看護師 : 急変予測ラウンドの実施 病棟看護師等と連携した患者管理 ( 急変回避 ) 糖尿病看護認定看護師医師からのインスリン調整および薬剤師や栄養士からの患者支援方法の相談対応 ( 他職種連携 ) 病院に勤務する訪問看護認定看護師 : 在宅療養生活に必要な医療処置に関する他職種への提案と在宅移行支援 4
特定行為研修修了後の活動 地域における退院後訪問指導と利用者の身体管理 例 : 複雑な病態を有する患者のタイムリーな医療処置の実施と生活支援 人工呼吸器管理や気管カニューレ交換などの処置の判断と実施 今後の身体状況の予測に対する患者 家族への説明 介護福祉施設における創傷や脱水の管理などの身体管理 他職種との同行訪問による状況判断の支援や相談対応 指導的 教育的かかわり 例 : 特定行為研修の実習等における指導者的役割 スタッフナースへの教育的かかわり 多職種への説明や助言 5
内容. 全国で活躍する認定看護師と今後の期待 2. 新たな認定看護師制度 3. 新たな認定看護師制度への移行と移行支援 4. 分野に対する基本方針 分野再編 5. 新たな認定看護師教育 6
新たな認定看護師制度 : 制度の目的 公益社団法人日本看護協会認定看護師制度は 特定の看護分野において 熟練した看護技術及び知識を用いて あらゆる場で看護を必要とする対象に 水準の高い看護実践のできる認定看護師を社会に送り出すことにより 看護ケアの広がりと看護の質の向上を図ることを目的とする 地域へと看護現場が広がることから あらゆる場で看護を必要とする対象にを 加筆 7
新たな認定看護師制度 : 定義と役割 認定看護師とは 本会認定看護師認定審査に合格し ある特定の認定看護分野において 熟練した看護技術と知識を有することが認められた者をいい 次の各号の役割を果たす. 特定の看護分野において 個人 家族及び集団に対して 高い臨床推論力と病態判断力に基づき 熟練した看護技術及び知識を用いて水準の高い看護を実践する ( 実践 ) 2. 特定の看護分野において 看護実践を通して看護職に対し指導を行う ( 指導 ) 3. 特定の看護分野において 看護職等に対しコンサルテーションを行う ( 相談 ) 8
新たな認定看護師制度 : 資格の名称 制度改定後も 認定看護師 とする 新たな認定看護師は特定行為研修を修了するため 特定認定看護師 を名乗ることができる 9
内容. 全国で活躍する認定看護師と今後の期待 2. 新たな認定看護師制度 3. 新たな認定看護師制度への移行と移行支援 4. 分野に対する基本方針 分野再編 5. 新たな認定看護師教育 20
現行の認定看護師教育終了と新たな認定看護師教育開始の時期 2
現行の認定看護師の移行と更新 更新審査 * 現行の認定看護師として最後に更新した日から新たな認定看護師に移行した日までの実績については 新たな認定看護師に移行した後の最初の認定更新において実績として反映させる 22
現行の認定看護師への移行支援 < 特定行為研修指定研修の受講しやすさの確保 > 本会看護研修学校で20 年度以降も認定看護師を対象とした特定行為研修を継続して実施 都道府県看護協会と協力して特定行為指定研修機関増加に向けた取り組み 新たな認定看護師教育機関での科目履修の促進 eラーニング 研修プログラムの開発 < 受講者への経済的な負担軽減に向けた取り組み > 本会の貸与型奨学金 認定看護師教育課程奨学金 の対象を特定行為研修を受講する現行の認定看護師に拡大 ( 初回募集期間 209 年 8 月 日 ~30 日 ) 地域医療介護総合確保基金などの活用推進 < 周知活動 > 日本看護学会や認定看護師関連学会での情報提供 本会 HP からの情報提供 相談対応 23
内容. 全国で活躍する認定看護師と今後の期待 2. 新たな認定看護師制度 3. 新たな認定看護師制度への移行と移行支援 4. 分野に対する基本方針 分野再編 5. 新たな認定看護師教育 24
分野に対する基本方針 分野再編の考え方 小児から高齢者まで 複雑化する疾病を抱える人々に対して急性期医療から慢性期医療に広く対応できる編成とする 地域へと広がる医療ニーズに貢献できる編成にする 25
対象とする患者の成長 発達段階 / 疾患 / 病期と認定看護師の活動の場による整理と新たな分野 現行の認定看護分野 (2 分野 ) 認定看護師 成長 発達段階疾患病期活動の場 主として介入する対象 主として介入する疾患 対象とする患者 5 疾病 5 事業 今後増加が予測される疾患等 主として介入する病期 当該分野の認定看護師が主に活動できる場 新たな分野 (9 分野 ) 緩和ケア がん性疼痛看護 がん化学療法看護 がん放射線療法看護 小児 ~ 高齢者 がん 病名診断時 ~ 人生の最終段階 がん治療期 急性期医療施設 ~ 在宅等 緩和ケア がん薬物療法看護 がん放射線療法看護 乳がん看護成人 ~ 高齢者乳がん看護 新生児集中ケア新生児期集中ケアを必要とするすべての疾患新生児集中ケア病名診断時 ~ 人生の最終段階小児救急看護小児期小児救急医療小児プライマリケア 救急看護救急医療を必要とするすべての疾患超急性期 ~ 急性期 集中ケア小児 ~ 高齢者集中治療を必要とするすべての疾患急性期 かつ重篤な状況 急性期医療施設クリティカルケア 手術看護 手術を行う疾患 周手術期 医療施設 手術看護 不妊症看護 小児 ~ 成人 - あらゆる病期 生殖医療施設 生殖看護 訪問看護 あらゆる疾患 あらゆる病期 在宅等 在宅ケア 慢性呼吸器疾患看護 呼吸器疾患 呼吸器疾患看護 慢性心不全看護 心疾患 心不全看護 脳卒中リハビリテーション看護 脳血管障害 病名診断時 ~ 人生の最終段階 脳卒中看護 透析看護 小児 ~ 高齢者 腎障害 腎不全看護 認知症看護 認知症 急性期医療施設 ~ 在宅等 認知症看護 摂食 嚥下障害看護 摂食嚥下障害 摂食嚥下障害看護 糖尿病看護 糖尿病 糖尿病看護 あらゆる病期 皮膚 排泄ケア あらゆる疾患 皮膚 排泄ケア 感染管理 すべての患者と施設職員 新たな分野 ( 案 ) については 統合した新たな分野 または名称を変更した分野は赤字で記す - 感染管理 26
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内容. 全国で活躍する認定看護師と今後の期待 2. 新たな認定看護師制度 3. 新たな認定看護師制度への移行と移行支援 4. 分野に対する基本方針 分野再編 5. 新たな認定看護師教育 28
新たな認定看護師教育 e ラーニングを併用した教育 すべての分野の教育に特定行為区分 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 を組み込む * 分野によっては ~2 区分を追加する 29
表 : 新たな認定看護分野 4 分野の教育時間数と組み込む特定行為区分別科目 ( 209 年 5 月 ) 専門科目 演習 実習 分野名 共通科目 認定看護師分野専門科目 特定行為研修区分別科目 認知症看護 380 95 57 特定行為区分別科目総時間数統合演習臨地実習区分別科目 2. 精神及び神経症状に係る薬剤投与関連 5 50 797 感染管理 380 95 6 2. 感染に係る薬剤投与関連 5 50 80 皮膚 排泄ケア 380 95 68 2. 創傷管理関連 5 50 808 摂食嚥下障害看護 380 225 22 5 50 792 クリティカルケア 380 80 99. 栄養及び水分管理に係る薬剤投与関連 2. 呼吸器 ( 人工呼吸療法に係るもの ) 関連 3. 循環動態に係る薬剤投与関連 5 50 824 緩和ケア 380 225 22 5 50 792 がん薬物療法看護 380 225 22 5 50 792 がん放射線療法看護 380 225 22 5 50 792 乳がん看護 380 225 29 2. 創部ドレーン管理関連 5 50 799 糖尿病看護 380 20 44 2. 血糖コントロールに係る薬剤投与関連 5 50 799 心不全看護 380 95 60 2. 循環動態に係る薬剤投与関連 5 50 800 脳卒中看護 380 95 57 2. 精神及び神経症状に係る薬剤投与関連 5 50 797 小児プライマリケア 380 20 33 2. 呼吸器 ( 長期呼吸療法に係る行為 ) 関連 5 50 788 新生児集中ケア 380 20 33 2. 呼吸器 ( 長期呼吸療法に係る行為 ) 関連 5 50 788 30
新たな認定看護師制度に関する情報は日本看護協会公式ホームページでご確認ください 認定看護師制度の再構築について (https://www.nurse.or.jp/nursing/cn/index.html) 認定看護師制度に関する よくあるご質問 (https://www.nurse.or.jp/nursing/cn/faq/) 特定行為研修を修了した認定看護師の実践事例 (https://www.nurse.or.jp/nursing/cn/case/) 認定看護師の役割 分野 移行の手続き等について (https://nintei.nurse.or.jp/nursing/qualification/cn) 看護師の特定行為研修制度 ポータルサイト (https://www.nurse.or.jp/nursing/education/tokuteikenshu/portal/index.html) お問合せ先認定部 Tel 03-5778-8546 3