産業財産権制度125周年記念誌

Similar documents
また 営業秘密の取扱いについても 社内の規程を整備することが秘密情報の流出時に法的保護を受ける上で重要であることから 今回の職務発明規程の整備に併せて 同期間 IN PITでは 営業秘密管理規程を含む企業の秘密情報管理体制の構築に関する情報提供や周知活動も積極的に行っていきます ( 本発表資料のお問

審査の品質管理において取り組むべき事項 ( 平成 27 年度 ) 平成 27 年 4 月 28 日 特許庁 特許 Ⅰ. 質の高い審査を実現するための方針 手続 体制の整備 審査の質を向上させるためには 審査体制の充実が欠かせません そこで 審査の効率性を考慮しつつ 主要国と遜色のない審査実施体制の確

イ特許専門業務特許戦略 法務 情報 調査 特許戦略に関し 次に掲げる事項について専門的な知識を有すること (1) 特許出願戦略 ( ポートフォリオ戦略等 ) (2) 研究開発戦略と特許戦略の関係 (3) 事業戦略と特許戦略の関係 (4) 標準化戦略 法務に関し 次に掲げる事項について専門的な知識を有

Microsoft Word - ⑤150831INPIT見直し案.doc

問 2 戦略的な知的財産管理を適切に行っていくためには, 組織体制と同様に知的財産関連予算の取扱も重要である その負担部署としては知的財産部門と事業部門に分けることができる この予算負担部署について述べた (1)~(3) について,( イ ) 内在する課題 ( 問題点 ) があるかないか,( ロ )

授業科目名_

(9) 商法 会社法 (10) 民事執行法 (11) 民事保全法 5 前各号に掲げる科目のほか次に掲げる科目のうち 受検者が選択するいずれか一の科目イ特許専門業務 A 戦略 A-1 知的財産戦略 B 管理 B-1 法務 C 創造 ( 調達 ) C-1 情報 調査 知的財産戦略に関し 次に掲げる事項に

<4D F736F F D D8DE08E EA96E588F595E58F572E646F63>

<4D F736F F F696E74202D E82C582E08F6F978882E98AC FA967B93C18B9692A182C582CC93C18B9692B28DB895FB B8CDD8AB B83685D>

ことができる 1. 特許主務官庁に出頭して面接に応じる と規定している さらに 台湾専利法第 76 条は 特許主務官庁は 無効審判を審理する際 請求によりまたは職権で 期限を指定して次の各号の事項を行うよう特許権者に通知することができる 1. 特許主務官庁に出頭して面接に応じる と規定している なお

<4D F736F F D204E45444F D E836782C982A882AF82E9926D8DE0837D836C AEE967B95FB906A91E63494C BD90AC E398C8E323593FA89FC92F9816A>

第 32 回 1 級 ( 特許専門業務 ) 実技試験 一般財団法人知的財産研究教育財団知的財産教育協会 ( はじめに ) すべての問題文の条件設定において, 特に断りのない限り, 他に特殊な事情がないものとします また, 各問題の選択枝における条件設定は独立したものと考え, 同一問題内における他の選

資料 4 平成 26 年度特許庁実施庁目標 参考資料 2014 年 3 月 28 日

連絡担当窓口企画提案書 実施事業者の概要 企画提案者の概要 機関名 代表者役職 氏名 所在地 氏名 ( 役職 ) 電話番号 ( 代表 直通 ): Fax: 連絡先 ホームページ : 1 基本財産又は資本金 円 2 職員数 ( うち本事業に携わる職員数 ) 人 ( 人 ) 3 設立年月

Bカリキュラムモデル簡易版Ver.5.0

Ⅰ. はじめに 近年 企業のグローバル化や事業形態の多様化にともない 企業では事業戦略上 知的財産を群として取得し活用することが重要になってきています このような状況において 各企業の事業戦略を支援していくためには 1 事業に関連した広範な出願群を対象とした審査 2 事業展開に合わせたタイミングでの

併せて 先進事例を統一的なフォーマットでデータベース化する また 意欲ある地域が先進的な取組みを行った人材に 目的に応じて容易に相談できるよう 内閣官房において 各省の人材システムを再点検し 総合的なコンシェルジュ機能を強化する 各種の既存施策に加え 当面 今通常国会に提出を予定している 都市再生法

P00041

寄稿集 表 2 特許調査に影響を与えた経営環境の変化 ( 複数回答 ) n=38 (%) 海外での売上増加 52.6 新規分野への進出 シフト自社製品の模倣品が増加他社との共同研究 事業提携を積極化 39.5 M&Aや事業の売却を行

2情報化協力(特情室・海協班修正済)

<4D F736F F F696E74202D2089BA90BF82AF82A982E A815B838F83938AE98BC682D F38DFC97702E >

Taro-052第6章1節(p ).jtd

目次 アンケート回答者属性 企業向けアンケート 弁理士向けアンケートの回答者属性 P2 1. 標準化 1-1 企業 P3 1-2 弁理士 P7 2. データの取扱い 2-1 企業 P 弁理士 P14 本調査研究の請負先 : 株式会社サンビジネス 1

指針に関する Q&A 1 指針の内容について 2 その他 1( 特許を受ける権利の帰属について ) 3 その他 2( 相当の利益を受ける権利について ) <1 指針の内容について> ( 主体 ) Q1 公的研究機関や病院については 指針のどの項目を参照すればよいですか A1 公的研究機関や病院に限ら

特許出願の審査過程で 審査官が出願人と連絡を取る必要があると考えた場合 審査官は出願人との非公式な通信を行うことができる 審査官が非公式な通信を行う時期は 見解書が発行される前または見解書に対する応答書が提出された後のいずれかである 審査官からの通信に対して出願人が応答する場合の応答期間は通常 1

Microsoft Word - 【6.5.4】特許スコア情報の活用

特許庁委託事業 令和元年度知財戦略デザイナー派遣事業 募集要領 ( 大学 ) 2019 年 7 月 知財戦略デザイナー派遣事業事務局 ( 株式会社 NTT データ経営研究所 ) 1 / 5

( ( 政策評価 経済 財政再生アクション プログラムとの関係 政策評価 アクシ経ョ済ン 財プ政ロ再グ生ラム 政策 施策 改革項目 第 K 一 P 階 I 層 ) 測定指標 第 K 二 P 階 I 層 ) 分野 : 定量的指標 定性的指標 KPI ( 第一階層 ) KPI ( 第二階層 ) 項目 中

<4D F736F F F696E74202D2094AD96BE82CC8EE682E888B582A28B7982D192988DEC8CA082C982C282A282C D32>

00-理:理事会議事次第案 ( )

中小企業支援ツール 中小企業支援ツール は 金融機関における中小企業支援の一助となることを目的に 自社製品開発などにより下請脱却に取り組んだものづくり中小企業の知財活用を調査 分析し 経営 事業上の課題を事業ライフステージごとに整理するとともに その課題解決に向け 知財活用の観点から考えられるアクシ

登録審査機関の審査ポイント


平成 31 年度 産学連携知的財産アドバイザー派遣プログラム 派遣先公募要領 平成 30 年 12 月 10 日

F02 ワシントン D.C. 周辺エリア 米国特許制度および模擬裁判 IPR 等の研修 募集定員 :40 名 2018 年 11 月募集予定 本コースは 米国の知的財産制度及びその関連法を正しく理解し 米国の知的財産権の問題に対し迅速かつ的確に対応できる能力を有する人材を育成することを目的としたもの

事業戦略の計画実践を支援する プロジェクト思考開発研修 リーダー研修概要 2004 年 本資料は以下の利用条件を十分ご確認の上ご利用ください 1. 本資料に関する著作権 商標権 意匠権を含む一切の知的財産権は株式会社スプリングフィールドに所属しています 2. 株式会社スプリングフィールドの事前の承諾

1. 食品安全専門 材育成の 的 1. 品安全管理に関する基礎的な知識 専 的な知識や技能の修得体制をつくる 2. FSMS 監査員の育成体制をつくる 3. 国際的な議論に参画できる 材を育てる 本研究会は主に について 議論を進めている 1

様式 2 特許庁長官殿 平成年月日 特定登録調査機関 印 特定登録調査機関代表者 印 先行技術調査業務規程届出書 工業所有権に関する手続等の特例に関する法律第 39 条の 7 に従い 先行技術調 査業務規程を届け出ます 添付書類 先行技術調査業務規程平成 年 月特定登録調査機関

資料 2-2 成長戦略改訂に向けた地域活性化の取組みについて ( 案 ) 内閣官房地域活性化統合事務局 成長戦略の改訂に向け これまでの施策の成果が実感できない地方において 新たな活力ある地域づくりと地域産業の成長のためのビジョンを提供しその具体化を図る 超高齢化 人口減少社会における持続可能な都市

2 3

貿易特化指数を用いた 日本の製造業の 国際競争力の推移

<4D F736F F F696E74202D208EFC926D C E B93C782DD8EE682E890EA97705D>

特別 T01 研修会場 : レクトーレ湯河原 (TKP ホテル ) 日本知的財産協会 知財変革リーダー育成研修 募集定員 :15 名 ( 論文選考あり ) 2018 年 5 月募集開始予定 * 詳細は別途ご案内 概要 受講料は 18 万円の予定です 1. 研修目的 経営に資する知財 を自ら提案/ 実

特集 地方創生 2. 面接審査の実績 ここでは 出張面接審査 テレビ面接審査を含む 面接審査の実績について紹介します (1) 面接審査の実績 庁内で実施する通常の面接審査を含めた実績は 図 2 に示すように 年間 4, 件前後で推移してい ます 面接審査件

PowerPoint Presentation

2. 開催内容開催期間 : 平成 29 年 8 月 21 日 ( 月曜日 )~9 月 15 日 ( 金曜日 ) 開催場所 :( 出張面接審査 ) 青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県 ( イベント開催場所 ) 仙台市 盛岡市主催 : 特許庁 東北経済産業局共催 :( 独 ) 工業所有権情報

特許庁工業所有権保護適正化対策事業

2.2.2 外国語特許出願の場合 2.4(2) を参照 2.3 第 184 条の 5 第 1 項に規定された書面 (1) 日本語特許出願 外国語特許出願を問わず 国際特許出願の出願人は 国内書面提出期間 ( 注 ) 内に 出願人 発明者 国際出願番号等の事項を記載した書面 ( 以下この部において 国

各国特許審査に関する情報の一括提供サービス ( ワン ポータル ドシエ (OPD) 照会 ) グローバルな IT システム連携によるユーザーサービスの実現 Global Dossier Information Reference Service for the Public Users 特許庁総務部

プロダクトオーナー研修についてのご紹介

理由群 Ⅰ ア拒絶理由が通知された際の補正は意見書においてすることができるので, 手続補正書の提出は不要であるためイ意見書は必ず提出しなければならないというわけではないためウ拒絶理由が通知された際の補正には, 必ず意見書の提出が必要であるため 問 3 発言 2について, 適切と考えられる場合は を,

現在 中国の出願は激増しており さらに知財紛争も日本より活発であり 知的財産の取得 活用をするにあたり中国は無視できない存在になっている 中国を始めとするアジアの知財対策や中小企業 大学 公的研究機関の知的財産基盤の強化は極めて重要であり 国が担うべき事業が多く 中小企業支援の観点からはさらなる中国

「知的財産推進計画2 0 1 7 」策定に係る検討課題に関する意見書

< F2D EE888F8288FA48BC E6A7464>

実体審査における審査官面接に関して GPE には面接における協議の方法 時期および内容など 詳細な要件が定められている 例えば GPE には 最初のオフィスアクションの応答書が出願人により提出された後 審査官は当該出願の審査を継続しなければならない と規定されている (GPE 第 II 部第 2 章

2 海外における中小企業の商標先行登録状況の調査を実施します(JETRO) ( 独 ) 日本貿易振興機構 (JETRO) は 中小企業商標先行登録調査 相談事業 を実施します これから海外への進出を考えている中小企業を対象に 海外展開予定国における商標先行登録状況を調査し 報告書を作成 法的観点を含

~この方法で政策形成能力のレベルアップが図れます~

2.1 提供方法 提供形態 登録されたサービス利用者に発行される ID パスワードによりアクセス できるダウンロードサイトから オンラインで提供される 提供周期 新規発生分 / 更新処理分のデータは 日次及び週次で提供される ただし 週次データにおいて期間内に更新又は削除が複

地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム (SATREPS) JST 中間評価 1 の実施要領 平成 29 年 6 月改定 JST 国際部 SATREPS グループ 1. 地球規模課題国際科学技術協力 (SATREPS) プロジェクトの中間評価について SATREPS は JST による研究支援お

弁理士試験短答 逐条読込 演習講座 ( 読込編 ) 平成 29 年 6 月第 1 回 目次 平成 29 年度短答本試験問題 関連条文 論文対策 出題傾向分析 特実法 編集後記 受講生のみなさん こんにちは 弁理士の桐生です 6 月となりましたね 平成 29 年度の短答試験は先月終了しました 気持ちも

なって審査の諸側面の検討や評価が行われ 関係者による面接が開始されることも ある ベトナム知的財産法に 特許審査官と出願人またはその特許代理人 ( 弁理士 ) の間で行われる面接を直接定めた条文は存在しない しかしながら 審査官は 対象となる発明の性質を理解し 保護の対象を特定するために面接を設定す

<4D F736F F D E9197BF A E838B C E9E91E382C982A882AF82E9926D8DE090A CC8DDD82E895FB646F632E646F63>

第5回 国際的動向を踏まえたオープンサイエンスの推進に関する検討会 資料1-1

1. 特許法条約及び商標法に関するシンガポール条約とは 特許法条約 (PLT) 及び商標法に関するシンガポール条約 (STLT) は 各国で異なる国内出願手続の統一化及び簡素化に関する条約である 近年 出願件数が多い欧米諸国の加入が進んでおり 両条約の締約国は PLT が 36 か国 STLT が

Microsoft Word - 01.表紙、要約、目次

平成18年度標準調査票

1. 狙い グローバルな産業構造や競争環境 競争ルールが大きく変化している中で グローバルに産業形成を主導していく事業戦略が求められており そのために知的財産や標準化の新たな戦略的活用が求められています 本研修プログラムでは それらの事業や知的財産における新しい潮流を様々な視点 ケースを通じて学びな

アジェンダ (1) 実践的 IT 人材育成の取り組み背景について (2) 当取り組みにおける 実践的 地域活性化に向けた産学連携プログラムについて 育成スケジュール カリキュラム概要 カリキュラム詳細 (3) H23 H24 年度カリキュラム成果紹介 郡山駅前活性化に資する活動について 特定業種に向

特許庁委託事業 ASEAN 各国における産業財産権情報への アクセス性に関する調査 2013 年 4 月日本貿易振興機構バンコク事務所知的財産部 協力 TMI Associates (Singapore) LLP

2 IoT デザインガール ( 第 2 期 ) プロジェクト募集概要 IoT デザインガールプロジェクトに参加する女性のことを IoT デザインガール と呼び ます 本プロジェクトへの参加に関する概要は以下のとおりです プロジェクト活動期間 平成 30 年 9 月 ~ 平成 31 年 3 月 参加資

調査報告書 ~ASEAN 各国における産業財産権権利化に係る費用及び期間 ~ 第 1 はじめに本報告書は 独立行政法人日本貿易振興機構バンコク事務所 ( 以下 貴機構 という ) の委託を受けて 弊事務所が行ったインドネシア マレーシア フィリピン シンガポール タイ及びベトナムにおける産業財産権の

<4D F736F F D E90528DB88AEE8F8095F18D908F915B8FA D25D62>

Microsoft Word (日向寺).doc

意匠法第十七条の三意匠登録出願人が前条第一項の規定による却下の決定の謄本の送達があつた日から三月以内にその補正後の意匠について新たな意匠登録出願をしたときは その意匠登録出願は その補正について手続補正書を提出した時にしたものとみなす 2 前項に規定する新たな意匠登録出願があつたときは もとの意匠登

NEWS 2020 速報 の一部を改正する法律案 REPORT 総会の様子 2025 GDP 3 02 vol

Taro-007第1章4節(p29-37).jtd

戦略 (1.1.1) B. 知財ポートフォリオマネジメント スキ評価指標 以下について 事業部門 / 知的財産部門 / 研究開発部門と連携し 業務を行うことができる 1 ミッションおよび貢献すべき課題 事業への貢献を行うため 以下の全社的課題について貢献した 新規事業の創出 既存事業の維持 / 成長

Shareresearchオンラインマニュアル

yamauchiパテントNEWS

13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

各種計画等の指標・目標値・KPI09

1. 主な機能追加項目 以下の検索項目をサポートしました 書誌 全文検索コマンド検索 国内 査定日 最新の査定日 ( 登録査定日または拒絶査定日 ) を検索します 査定種別 最新の登録 拒絶査定 または査定なしを検索します 審査最終処分日 最新の審査最終処分日を検索します 審査最終処分種別 最新の審

http: //www. maff.go. jp/j/shokusan/fcp/index. html ディスカッションの趣旨 食品安全管理に関して即戦力となる人材や海外で活躍できる人材 監査ができる人材を育成するためには 大学 研究機関において どのような知識 技能の教育及び体制が必要か また 産

1

指定 ( 又は選択 ) 官庁 PCT 出願人の手引 - 国内段階 - 国内編 - ベトナム国家知的所有権庁 (NOIP) 国内段階に入るための要件の概要 3 頁概要 国内段階に入るための期間 PCT 第 22 条 (3) に基づく期間 : 優先日から 31 箇月 PCT 第 39 条 (1)(b)

Microsoft PowerPoint - BS事業(関東2012)公開用 [互換モード]

平成30年度学校組織マネジメント指導者養成研修 実施要項

11

ネクストニッチトップ企業育成事業 公募要領 募集期間 令和元年 6 月 14 日 ( 金 )~7 月 26 日 ( 金 )(17 時必着 ) 申請書提出先 問合せ先 金沢市鞍月 1 丁目 1 番地 平成 25 年 5 月 石川県商工労働部産業政策課競争力強化推進グループ TEL:0

開所式の様子 21 世紀になり, 経済のグローバル化が進展する一方, 我が国経済の一極集中化が懸念されております INPIT-KANSAI は, 近畿地域の事業者の皆さま, 関係する支援機関の皆さまと共にスピーディに歩みを重ね, 新たな成長を地域から生み出す一助となるよう一歩を踏み出しました 以下に

1 アルゼンチン産業財産権庁 (INPI) への特許審査ハイウェイ試行プログラム (PPH) 申請に 係る要件及び手続 Ⅰ. 背景 上記組織の代表者は

スライド 1

 

チェック式自己評価組織マネジメント分析シート カテゴリー 1 リーダーシップと意思決定 サブカテゴリー 1 事業所が目指していることの実現に向けて一丸となっている 事業所が目指していること ( 理念 ビジョン 基本方針など ) を明示している 事業所が目指していること ( 理念 基本方針

~明日のコア人材を育成する参加型研修~

<4D F736F F F696E74202D C E9197BF A90EA96E58AC58CEC8E E88AC58CEC8E F0977B90AC82B782E98AF991B682CC89DB92F682C682CC8AD68C5782C982C282A282C42E >

<4D F736F F D A8D CA48F43834B C E FCD817A E

プレゼンテーションタイトル

(2) 熟練技能者等の派遣による若年技能者等に対する実技指導ものづくりマイスター対象職種以外の職種で企業等から実技指導の要請を受けた場合 熟練技能者等を派遣し実施します (3) 学校単位の製作実演のイベント熟練技能者等を小中学校 訓練施設等へ派遣し 製作実演 ものづくり体験等を行う ものづくり体験教

日本国特許庁の国内出願の審査結果を利用した特許審査ハイウェイ ベトナム国家知的財産庁 (IP Viet Nam) と日本国特許庁 (JPO) との間の特許審査ハイウェイ試行プログラムに関するベトナム国家知的財産庁への申請手続 ( 仮訳 ) 日本国特許庁の国内出願の審査結果を利用した特許審査ハイウェイ

Transcription:

第 1 節知的財産専門人材の育成 我が国では 2 年 2 月の内閣総理大臣を主催者とする知的財産戦略会議の初会合を皮切りに 知的財産基本法の成立 (2 年 11 月 ) 知的財産立国の実現に向けた国家戦略である 知的財産推進計画 の策定 (3 年 7 月 ) と以後毎年の見直しなど 知的財産の重視による国の競争力強化のための国家戦略を進めてきた 知的財産の重要性が高まるにつれ 知的財産に関する業務は質 量共にますます拡大しており 特許権や著作権といった知的財産の管理に携わる部門はもちろん これまで知的財産との関わりが少なかった部門でも知的財産に関する知識 能力を持つ人材が求められるようになっている この様な状況を踏まえ 知的財産推進計画 においては 知的財産に関わる人材 ( 知的財産人材 ) の育成の重要性が強調され そのための具体的施策が取り上げられてきた さらに 6 年 1 月には知的財産人材の育成に取り組むための総合的な戦略として 知的財産人材育成総合戦略 が策定され 知的財産の保護 活用に直接的に関わる 知的財産専門人材 から 知的財産の創出やマネジメントを行う人材 学生 生徒や一般消費者に至るまでの知的財産に関わる多種多様な人材の育成を集中的に行うことが定められた 知的財産分野の専門職大学院が複数開設され 法科大学院においても知的財産に関する講義が行われるなど 知的財産人材の育成が急速に進展する中 この方針に即し 様々な知的財産人材育成支援策が総合的に推進されている このような中 独立行政法人工業所有権情報 研修館 (INPIT) では 4 年 1 月に人材育成業務を開始して以来 先行技術調査手法 審査基準など 特許庁の有する専門的な知識 経験及びノウハウを提供することを通じて 知的財産立国 の担い手の育成を図っている 1. 調査業務実施者の育成 工業所有権に関する手続等の特例に関する法律( 平成 2 年 (199 年 )6 月 13 日法律第 3 号 ) の改正に伴い 4 年度から調査業務実施者育成研修を実施している 本研修は 登録調査機関において先行技術調査を行う調査業務実施者 ( サーチャー ) になるための法定研修 ( 同法第 37 条 ) である 特許審査迅速化を実現するために精度の高い先行技術調査を行う調査業務実施者の着実な育成は極めて重要であり 本研修は調査業務実施者として必要な基礎的能力の修得支援を目的とし 座学を通じて基本的知識を体系的に学習し この知識を実習や討論を通じて実践することで 調査業務に必要な知識を網羅的に修得できる内容となっている 447

調査業務実施者育成研修 6 5 477 4 3 297 314 282 16 4 5 6 7 8 9( 年度 ) 2. 検索エキスパート等の育成 5 年度より特許庁審査官が検索に関して有する知識及びノウハウの提供等を目的として 特許や意匠の検索手法についての研修を実施している 検索エキスパート研修は 特許について中級 上級の 2 コースと 意匠の 1 コースを開設している 中級は 研究者や大学知的財産本部関係者等を対象として特許電子図書館 (IPDL) を通じて提供される特許情報を活用し 研究テーマの方向性や特許出願 審査請求の要否を判断するための調査をできる人材の育成を目指している 上級は 企業等で先行技術調査に従事している者等を対象に 審査官端末と同等の端末を使用して より実践的に先行技術調査を学ぶ内容としている 意匠は 意匠権や先行意匠の調査能力を高め 製品デザインの意匠権による有効な保護 権利化後の権利範囲を適切に捉えることができる人材の育成を目指している また 8 年度からは 知的財産実務の経験が浅い企業等の知的財産担当者や特許事務所等のリーガルアシスタントなどを対象に 特許調査についての知識と実践能力の育成を目的とする特許調査実践研修を実施している 448

35 3 285 検索エキスパート等研修 32 25 226 242 15 検索エキスパート研修特許調査実践研修 5 33 4 19 5 6 7 8 9 ( 年度 ) ( 備考 ) 意匠コースは 7 年度に新設 3. 知的財産専門人材に対する研修 4 年度より 弁理士 弁護士 企業知的財産部員等の知的財産専門人材を対象とした各種研修を実施している 審査基準討論研修は 複数の具体的事例を用い グループ討論を通じて審査基準を学ぶ研修であり 特許及び意匠について実施している また 意匠拒絶理由通知応答研修は 審査官からの拒絶理由通知の内容を正しく理解し 的確な対応を行う実践能力を修得することを目的としている さらに 国家試験 知的財産管理技能検定 合格者のうち 1 級及び 2 級資格者を対象として 知的財産管理技能士の知識 技能の維持 向上を図るためのフォローアップ研修を実施している 12 知的財産専門人材に対する研修 16 8 92 78 95 85 6 6 審査基準討論研修意匠拒絶理由通知応答研修知財管理技能士フォローアップ研修 4 38 32 29 2 16 4 5 6 7 8 9 ( 年度 ) ( 備考 ) 意匠拒絶理由通知応答研修及び知財管理技能士フォローアップ研修は 8 年度に新設 449

4. 中小 ベンチャー企業に対する研修 4 年度より 中小 ベンチャー企業における経営者や知的財産担当者に向けて 特許侵害警告書の受領を疑似体験するという実践的な研修を実施している 特許侵害警告書への応答内容の作成や 警告側企業との交渉までに準備すべき事項の検討等を通じて 特許侵害警告に対する対応力強化と 知的財産マインドの向上を図ることを目的としている また 9 年度に 中小 ベンチャー企業において 知的財産をいかに企業経営に活用するかを研修生同士が討論する研修を新設して開催した 18 中小 ベンチャー企業に対する研修 178 16 14 133 12 113 119 特許侵害警告模擬研修知的財産権活用検討研修 8 6 4 34 2 4 5 6 7 8 9 ( 年度 ) 15 5. 行政機関等に対する研修 4 年度より中央省庁や地方自治体 独立行政法人等において 知的財産に関する業務を担当する職員を対象とし その業務遂行に必要な知識を習得することにより 知的財産制度の円滑な運用と 知的財産権の活用に資する人材の育成を目的とした研修を実施している また 8 年度からは 独立行政法人教員研修センターと連携して 高等学校 ( 主に工業等の専門学科 ) の教員に向けた研修を実施している 45

25 216 行政機関向け研修 223 173 165 15 129 92 5 4 5 6 7 8 9 ( 年度 ) 6.IP e ラーニングいつでもどこでも効率よく自己研さんを図るため e ラーニングによる学習環境を IP e ラーニングとして提供している IP e ラーニングは特許庁職員への学習機会の提供を目的として 4 年度から作成が開始され 職員が身につけるべき知的財産制度の知識 審査 審判制度の運用 知的財産制度に関する政策などを学習する教材を提供しているが これらは職員以外の者にとっても有用と考えられることから 5 年度からはインターネットを介して外部に向けた提供を行っている 提供中のコンテンツ (21 年 4 月時点 ) 産業財産権を巡る我が国の現状と今後 不正競争防止法の概要及び営業秘密の適切な管理について 審査のための法律概論( 入門編 ) 技術ライセンシング - 特許の取扱いに関連する契約 - 審査 審判のための行政法の概要について 特許審査実務の概要 平成 19 年度改訂審査基準の概要 特許審査の流れ 特許審査の進め方 審査のための特許法 実用新案法概論 1( 入門編 ) 審査のための特許法 実用新案法概論 2( 入門編 ) 意匠制度の概要 意匠審査実務の概要 商標審査の進め方 特許出願の手続 特許協力条約(PCT) に基づく国際出願制度の概要と手続 451

EP 特許制度と審査実務 US 特許制度と審査実務 パリ条約概論 商標の国際登録出願( マドプロ出願 ) の概要について 登録の手続 審判請求等の手続 先行技術調査の進め方 ~より精度の高い調査に向けて~ IPC FI F タームの概要 ECLA の概要 esp@cenet の概要 epoline の活用 IPDL の活用 ( 平成 19 年度改訂版 ) 452