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公開資料 新様式 20150202 地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム (SATREPS) ( 生物資源分野 生物資源の持続可能な生産 利用に資する研究 領域 ) 持続的食糧生産のためのコムギ育種素材の開発 ( アフガニスタン ) 国際共同研究期間 *1 平成 23 年 4 月 1 日から平成 28 年 3 月 31 日まで JST 側研究期間 *2 平成 22 年 6 月 1 日から平成 28 年 3 月 31 日まで ( 正式契約移行日平成 23 年 4 月 1 日 ) *1 R/D に記載の協力期間 *2 開始日 = 暫定契約開始日 終了日 =R/D に記載の協力期間終了日又は当該年度末 平成 26 年度実施報告書 代表者 : 坂智広 横浜市立大学木原生物学研究所 教授 < 平成 22 年度採択 > 1

Ⅰ. 国際共同研究の内容 ( 公開 ) 1. 当初の研究計画に対する進捗状況 項目 1. アフガニスタンコムギ遺伝資源の多様性評価 1-1 コムギ遺伝資源の遺伝的多様性 農業特性の評価 1-2 アフガンコムギ遺伝資源のコアセットの構築と評価 H22 年度 (8 ヶ月 ) H23 年度 H24 年度 H25 年度 H26 年度 H27 年度 (12 ヶ月 ) 国内 CIMMYT/ICARDA 連携アフガン現地 2. 不良環境耐性の高いコムギ遺伝資源の育種利用技術開発 2-1 不良環境耐性選抜システムの構築 2-2 不良環境耐性遺伝子源の評価と選抜 2-3 メタゲノム解析と DNA マーカー開発 2-4 アフガニスタンに適した品種のイデオタイプ解析 3. 近縁野生種の潜在的能力を導入した新規コムギ育種素材の開発 3-1 不良環境耐性に関するコムギ近縁野生種の潜在的能力開発 3-2 遠縁交雑と戻し交雑による野生種染色体の導入 3-3 不良環境耐性の評価と選抜 4. アフガニスタンコムギ遺伝資源の保全と育種利用 4-1 アフガニスタンにおけるコムギ遺伝資源の現状調査 4-2 地域ごとの育種目標の解析 4-3 遺伝資源保全に向けた人材育成 2. プロジェクト成果の達成状況とインパクト (1) プロジェクト全体 プロジェクト全体のねらい 当該年度の成果の達成状況とインパクト等 2

今年度は 分子遺伝学的手法を用い ゲノムワイドな多型分析による遺伝的多様性調査を引き続き進めた 選抜した遺伝資源の反復評価を実施し 遺伝解析用の交配 分離世代を育成し 不良環境耐性 ( 特に乾燥 干ばつ耐性関連形質 アルカリ土壌耐性 病害抵抗性 ミネラル吸収特性 ) について遺伝解析を行った 圃場での各形質データの取得とともに 黒さび病 黄さび病の抵抗性 耐旱性に関連して根系形成に係る形質 ( 種子根の角度 深根性と根系形態の特徴 種子の深播き耐性 浸透圧ストレスに対する反応 ) 及びミネラル吸収特性について 遺伝子型データを用いたアフガンコムギ在来種の多様性 集団構造の解析と ゲノムワイドアソシエーション (GWAS) 解析を進めた プロジェクト成果の達成状況とインパクト コムギ遺伝資源の多様性に関する研究開発 ほぼ達成 ( 表現型 + 遺伝子型 )/ ゲノムワイド解析 >> 素材開発への研究展開 地球規模での持続的食料生産への生物資源活用 継続中 ゲノムデザインによる環境適応型育種素材の開発加速 継続中 基礎研究を現場につなげる領域でのフロンティア的研究 ほぼ達成 国内研究者に 更なるコムギ遺伝資源研究と育種利用の国際共同研究プラットフォームを提供 ほぼ達成 アフガニスタンコムギ遺伝資源の里帰り 達成済み SATREPS が世界発信する日本ならではの取組み 達成済み アフガンコムギ遺伝資源の保全と遺伝育種研究利用 継続中 将来の中核を若手研究者 育種家の能力向上 人 > 組織 > 社会 > 国を造る 達成 継続中 (2) 研究題目 1: アフガニスタン向け育種素材 育種技術開発 1 研究題目 1の研究のねらい日本の科学技術 研究ノウハウを生かし新たに遺伝的変異を解析して耐旱性や耐病性を持つアフガニスタンのコムギ遺伝資源を見出し それら系統を保存するとともに 優良品種への掛け合わせにより耐旱性 耐病性と高収量 高品質を備えた新しい育種素材を開発し 特に不良環境でも低資源投入で持続的高生産性を上げる育種利用技術を検証するとともに 次世代に向けた環境負荷低減型の作物生産技術を開発していく さらに自国のコムギ品種改良を支えていくアフガニスタン若手研究者の人材を育成して国立農業試験場を再建し 日本の戦後復の経験と国際連携を活かした持続的食糧生産に向けたコムギ育種システムの基盤を構築する また本国際共同研究を統括する 研究グループ A: 横浜市大 東京大 大阪大 2 研究題目 1の研究実施方法 1) アフガニスタンコムギ遺伝資源の多様性評価国際連携を通じてメキシコの CIMMYT トルコの TAGEM/CIMMYT/ICARDA 圃場 日本 ( 鳥取 乾燥地研究センター ) の計 4か国で栽培試験をおこない 環境適応性に関する特性検定の経年連絡試験を行った 特に乾燥 干ばつ耐性 アルカリ土壌耐性 病害抵抗性の特性とそれぞれの環境への特性を評価した また これまで評価選抜した黄さび病抵抗性の在来種をアフガニスタンの近代改良品種と交雑し育成した F2 分離世代を ( 留学生の一時帰国現地調査により ) カブールのダルラマン圃場に播種し さび病抵抗性の対立性検定と新規抵抗性遺伝子の同定を行った 国内研究では これまでに DNA マーカーにより 3

分析したゲノムの多様性情報を基に 乾燥 干ばつ耐性 アルカリ土壌耐性 ミネラル吸収特性 病害抵抗性形質に関するゲノムワイドアソシエーション (GWAS) 解析を行い アフガニスタンの不良環境に耐性のある有望育種素材とそのイデオタイプを選抜した その結果を用い 次年度秋の播種で アフガン現地圃場で再評価を行う これまでの成果を学術論文にまとめ発表する 2) 不良環境耐性の高いコムギ育種資源の育種利用技術開発発芽初期生育期において地下水を獲得する能力の高い遺伝資源の探索するため アフガン在来コムギ遺伝資源の種子根の伸長角度に関する遺伝的変異を評価して交雑し 分離世代で遺伝解析を行った また深播き耐性と子葉鞘長さらには草丈との関連を明らかにした そしてアフガニスタンの天水耕作地で求められる半長稈耐乾性品種の育成に向け 根茎の遺伝的特徴を明らかにするため 2m 長の揚水式 PVC パイプを用いた疑似旱魃耐性の試験を継続し 生理学的特性 ( 葉緑素量 気孔開口度 NDVI 等 ) の評価を行い中期 後期乾燥耐性を選抜した Ca 2+ 過剰のアルカリ土壌耐性を分析するためカップ簡易水耕栽培法で遺伝資源の評価選抜を行い ムギ根酸活性や Fe 分吸収能力と関連する遺伝子型を解析した さらに前年度に続きアフガン在来コムギの秋播き性程度について 播種期移動試験による至穂日数と春化処理要求性の Vrn 遺伝子型との関連を明らかにし 様々な環境に適応するよう播き性程度の異なる病害抵抗性の交配母本を選定した 3 研究題目 1の当初の計画 ( 全体計画 ) に対する当該年度の成果の達成状況とインパクト 1) アフガニスタンコムギ遺伝資源の多様性評価 * 相手国カウンターパートのアフガニスタン留学生 ( 博士前期課程 ) の研究成果 参画学生による日本育種学会第 127 回講演会での口頭発表 Genome wide association studies for yield components in a collection of Afghan wheat local varieties: In order to improve wheat yield, a combination of grain yield and other traits which are involved in determination of grain yield were challenged here. We used association mapping, which is an alternative and efficient method for testing the association between molecular markers and phenotypic traits. 226 KAWLR along with three leading cultivars as checks were evaluated for all the agronomic and grain yield traits and investigated the genetic and phenotypic variation, correlation and effect of yield related components to grain yield. Population structure was analyzed with 226 accessions using a software (STRUCTURE 2.3.3) with 7546 SNP and 6331 DArT markers. A genome wide association studies also were conducted using a mixed linear model (MLM) in TASSEL 3. which simultaneously took into account population structure and kinship matrix. We found a good phenotypic variation for most of the traits we have observed. Population structure analysis resulted 11 subpopulation in this germplasm Marker trait association analysis also revealed many linked markers (SNP & DArT) for each character (Fig. 1). This study is expected to be useful in the future breeding programs especially in Afghanistan. [by Ahmad Massoud Maqsodi] 4

2) 不良環境耐性の高いコムギ育種資源の育種利用技術開発耐旱性に関連して アフガン在来小麦遺伝資源の根に関係する形質 ( 深根性と根系の特徴 根の伸長速度の評価 浸透圧ストレスに対する反応 ) を 相手国からの留学生および日本人学生の修士論文 卒業論文 高大連携高校生研究のテーマーとして調査解析を進めた 根系の特徴に関する遺伝的多様性の評価するために 2 m( 旱魃区 ) 及び 1 m 長 ( 対照区 ) の塩ビ (PV) パイプを使い 地下水位勾配を調整した簡易耐旱性選抜システムを開発し 深根性と根系の発達による中期乾燥耐性 その後に地下水位を落とした際の根の伸長速度と収量への影響を見る後期乾燥耐性の評価選抜を進めた ( 図 2) その結果アフガン在来小麦には 2 m パイプの旱魃区において特に根を長く最長 230 cm まで伸長するものが見出され ( 図 2 左 図 3) 高い中期乾燥耐性を示す系統を見出した 図 2 地下水位を制御して根系特性を評価する簡易耐乾性選抜システムを構築 5

10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 120 130 140 150 160 170 180 190 200 210 220 230 240 250 More 系統数 20 18 16 14 12 10 8 6 4 2 0 2m パイプ ( 旱魃区 ) における収穫時の根長 (cm) 図 3 旱魃区における収穫時の根長のヒストグラム ( 黄色 : 対照区の改良品種 青色 : アフガン在来種 ) * 相手国カウンターパートのアフガニスタン留学生 ( 博士前期課程 ) の研究成果 参画学生による日本育種学会第 127 回講演会での口頭発表 Study of root system of Afghanistan wheat local variety under mid and late drought condition: Drought is an insidious hazard of nature. It is related to a deficiency of precipitation over an extended period of time, usually for a season or more. This deficiency results water shortage for some activity, group, or environmental sector. Drought is also related to the timing of precipitation. Other climatic factors such as high temperature, high wind, and low relative humidity are often associated with drought. Afghanistan is an agricultural country where most of people are busy in agriculture sector. Main food and crop for afghan people is wheat. Which affecting by many crop limitation factors such as drought, diseases, insect, pest etc. wheat is basically cultivate in irrigated and rain fed lands where production of wheat is depend on annual precipitation which is around 400 mm. Root is the most important part of the plant that absorb moisture and nutrients from the soil and transfer to the upper part of the plant. The root traits such as root architecture, root density and root length are very important to the plant s adaptation in an environment especially in drought condition. In Afghanistan the wheat production is mostly damaged by the mid and late drought, because the moisture level is going down. Here we established a simulated condition to study the importance of wheat root architecture under mid and late drought condition. In this study 30 Afghan wheat land race were selected based on root architecture along with five leading cultivars as checks and planted in 1 m and 2 m PVC pipes as control and stress conditions respectively, which were filled with volcanic soil. To record the moisture movement in the soil we installed a sensor in each 40 cm from the top to the bottom of the pipe. All the pipes were installed in a pool which contained 35 cm water from the bottom fig1. Irrigation was done four times based on the plant condition to keep it alive until tillering stage. We controlled water level up to 100 cm in to the 2 m PVC pipes from the bottom as same as 1m PVC pipe control condition by observation of sensor. So by this way after tillering stage I withhold the irrigation and the water level was reducing from both top and bottom. Based on our observation and results we 6

have found that the moisture can reach up to 1m from the bottom fig2, and the genotypes with a longer root system could survive better. In this study I established simulated drought condition for study of root architecture under mid and later drought condition and the value of volumetric water content were presented in Fig1. The data will be discussed during presentation. [by Ahmadi Sayed] 図 4 アフガン在来コムギ遺伝資源の中期 後期乾燥耐性及び根系構造解析の概要 乾燥条件下において根を長く深く伸ばし低い地下水でも水分を吸収して高い中期乾燥耐性を示す系統について 乾燥条件下で根を伸長し続けるのか 早い速度で根を長く深く伸長するのかを検証した 根を長く伸ばす系統 LR-595(LR) 根が短い系統を SR-815(SR) を近代改良品種の Lalmi-2(Lal) と比較し 異なる土壌水分条件での種子根の伸長速度を比較した 途中の根の伸長程度を確認するために直径 8 cm で長さ 20 cm 30 cm 40 cm 60 cm のパイプに芝用土を入れて それぞれの長さでのパイプ下端に根が到達した日数を記録した 発芽条件をそろえるために ベンレートで種子消毒処理を施した種子を 高吸水水性樹脂の保水材 ( ウォーターキープ http://www.kubota-e.com/awhat.htm) を用土に混ぜた上部 2 cm 保水層をに3 粒ずつ播いた このパイプを各品種 3 反復 1 セットとし 下層まで水を浸み込ませ保水区と下層に水を与えない乾燥区の 2 処理条件を用意し 上部保水層には 40mL/2 日の潅水した ( 図 5) 保水区の LR において 20 cm まで値が伸長し 約 3 週間でいずれの遺伝子型も保水区で 40 cm まで伸長したのに対し 乾燥区は 3 週間では 20 cm のパイプでも出根が認められなかった 保水区においては Lal の 20 cm までの伸長が早かったが 30 cm~40 cm では SR の伸長が Lal よりも早くなっており 深さによって各遺伝子型の根の伸長速度が大きく異なっていた 地上部は 第 2 葉期までは乾燥区がパイプの長さに比例して生育が抑制されていたが 第 2 葉期のころにまでには生育の差が小さくなっていた コムギの種子根の伸長速度は遺伝子型により差異があることが認められた この研究成果は 第 56 回日本植物整理学会年会 高校生生物研究発表会 で横浜サイエンスフロンティア高校生によりポスター発表した 図 6 7

図 5 アフガン在来コムギ遺伝資源の根の伸長速度解析の概要 図 6 高校生による研究成果の発表 乾燥条件下で根を長く深く伸ばすことができるアフガン在来コムギ遺伝資源について 種子根の解剖学的解析を進めた 1 m 及び 2 m 長の塩ビパイプを使い 保水区と乾燥区の水管理を行い根の上層部 中間部 先端部付近の根の形態と断面細胞構造の比較を始めた ( 図 7) また植物細胞内での浸透圧ス 8

トレスが乾燥ストレスを引き起こして根の成長に影響することが考えられるため ポリエチレングリコール (PEG6000) を用いたは浸透圧ストレスに対する生育阻害について遺伝的な多様性を評価いている を乾燥状態を再現するのに広く用いられる 2つのカップ容器を用いた半水耕栽培法により 異なる濃度のポリエチレングリコールを用いた浸透圧ストレス状態を再現した結果 濃度 30% のポリエチレングリコールを用いることでアフガン在来コムギ遺伝資源の反応性の違いを評価できるようになった ( 図 8) [by Eid Mohammad Zaheri] 図 7 乾燥条件下で根を伸ばすアフガン在来コムギ遺伝資源の種子根の解剖学的解析 図 8 ポリエチレングリーコール (PEG6000) による浸透圧ストレス耐性実験 アフガニスタンの主要作物である小麦栽培栽培地域では Ca 2+ 過剰の高アルカリ土壌の影響により鉄欠乏や土壌から水を通して生育に必要なリン酸などの栄養素を吸収できないという大きな問題に影響を受けている この問題を解決する育種素材を探索するために Ca 2+ を添加した高アルカリ水溶液を用いたカップ型簡易水耕法を開発し 3つの ph 条件 ( 水道水 ph7.5 CaCo 3 飽和水溶液 ph8.5 Ca(OH) 2 水溶液 ph11.0) で3つのタイプの播き性 ( 春コムギ 冬小麦 中間型 ) に分類した遺伝資源の評価を行い 表現型と元素吸収の解析により Ca 2+ 過剰の高アルカリ土壌耐性系統の選抜を行った 水酸化カルシウム溶液 (ph11.0) で処理した個体の根の長さと乾燥重量を調べた結果 春コムギの減少が最も大きく 続いて中間型 冬コムギ型の順に生育障害を受けた ( 図 9) 水酸化カルシウム溶液 9

で生育した何れのコムギも 根の分岐が見られず細く短くなった クロロフィルの減少は葉の先端から見られたが冬コムギ型のクロロフィル減少は見られなかった この結果から 本研究で用いた冬コムギ型の遺伝資源は根からの水分吸収と葉の蒸散が水酸化カルシウム水溶液の基では減少したと判断した Ca 2+ を添加した高アルカリ水溶液を用いたカップ型簡易水耕法は Ca 2+ 過剰の高アルカリ土壌耐性系統の選抜法としては有効であり 植物が栄養素の不足や水分吸収の為に成長を抑制していると予測された 図 9 アフガン在来コムギのアルカリ土壌耐性に関する遺伝的多様性評価と有効母本の選抜 地球規模での温暖化の要因である CO 2 の増加は 植物にとって良い面と悪い面が存在すると考えられ アフガニスタンのコムギ生産にも大きな影響を及ぼすと懸念される 良い面を例に挙げれば 窒素肥料を十分に植物に供給した場合 二酸化炭素の上昇に伴い 植物体は成長し 穂に栄養を蓄積し質の良い作物を生産する事が可能になる 一方 悪い面として 窒素肥料の供給が十分に供給できない場合 原粒の質の低下が挙げられる それに伴い 作物の品質に大きく負の影響を与えると同時に 短寿命の種子や病気に弱い種子が生産される また CO2 増加による光合成量増加の可能性 世界の穀物生産地 3 分の1である石灰質アルカリ土壌の主成分 CaCO3 の Ca 2+ が溶けだすことにより高 CO 2 濃度の下でのコムギの生育を調べ適応可能な遺伝子をもつ品種を探索を始めた CO 2 濃度が標準 ( 低濃度 ) の 500 ppm と高濃度の 1000 ppm のインキュベーターを用い 20 12 時間日長条件で 3 つのコムギ遺伝子型 Lalmi-2 LR-595 SR-815 をそれぞれ 4 反復 種子消毒と催芽を行い ph7.2 の水道水 ph8.5 の CaCO 3 飽和水溶液 ph11 の Ca(OH) 2 飽和水溶液の 3 つの培養水で育てた 5 日ごとに換水し 肥料源として Hyponex (N:P:K=5:2:4) を換水時 3 回毎に1 回の頻度で添加した ( 図 10) その結果 どの遺伝子型も低 CO 2 より高 CO 2 濃度の方がしっかりとした植物体が成長する傾向が観察された 高 CO 2 濃度中で育てると葉の長さと幅の関係性の個体差が出てしまうが 低 CO 2 濃度区では栽培溶液の ph の影響を受けにくくなった 高 CO 2 濃度中では低 CO 2 濃度より Lalmi-2 は成長効率が悪くなるが アフガン在来コムギの LR-595 と SR-815 は反対に成長効率が良くなる傾向にあった この研究成果は 第 56 回日本植物整理学会年会 高校生生物研究発表会 で横浜サイエンスフロンティア高校生によりポスター発表した 図 6 10

図 10 異なる土壌 ph でのアフガン在来コムギ遺伝資源の生育に及ぼす CO 2 濃度上昇に伴う影響の評価 有望な育種素材の不良環境耐性を十分に発揮する栽培的応用技術開発を考慮し 植物由来成分やナノバブル水応用による アフガン在来コムギ遺伝資源のストレス耐性向上の可能性を評価した 資生堂によって開発された KODA(https://www.shiseidogroup.jp/technology/detail/10.html) は アオウキクサからジャスモン酸生合成の分岐経路で生成する成分として単離された KODA はストレスで誘導生成される成分でありストレスからの回復に寄与していると考えられ 花芽形成促進 発根促進 休眠の抑制など多岐に亘る作用が報告されている アフガニスタンでの小麦栽培の主な環境ストレスは乾燥とアルカリ土壌であり どちらの場合も水と栄養分の吸収の面で根が最初に影響を受けることになる 乾燥とアルカリは遺伝的改良の不可欠のパートであり KODA がアフガニスタンの過酷な環境下で根の特性を調整し生育を改良することが期待される 乾燥ストレスの実験では アフガニスタンの主要な改良品種である Lalmi-2 またアフガン在来コムギの長根品種と短根品種の種子に KODA 0, 1, 5μM を処理した後 容量 300L のドラム缶にセットした乾燥状態の土壌に播種した 強度乾燥条件下では対照区の発芽率は低かったが KODA 処理区ではそれをかなり回復する傾向が観察された 現在 その他の特質 分けつ数 花芽形成の時期 収量などを観察中である カップを用いたアルカリ負荷実験では KODA の効果は 1-3 葉ステージでは認められていないが 14 日までに 3 葉までが発生し 35 日までにはこの最初の 3 葉は枯れ 新しく 4-7 葉が出現した ( 図 11) 今後 4-7 葉のステージ あるいは大葉や花芽形成時期での KODA の作用を評価する ナノバブル水はナノメーターサイズのバブルが水の中に溶解しており 溶存酸素量が普通の水よりも非常に高い また ナノバブルが破裂する際に発生するといわれるラジカルも生理効果を持つと言われる ph7.5( 対照区 ) ph8.5(caco 3 ) および ph11(ca(oh) 2 ) からなるカップ実験でナノバブル水の効果について検討した ナノバブル水は 14 日間までの 1-3 葉期では ph11 の対照区に比べて葉は緑色をよく保っていた またペーパー上での発根の様子も観察しているが ナノバブル水でコムギを発育させると根はより長くなりかつ分岐が少なくなる傾向が観察された ( 図 12) 11

図 11 植物由来成分 KODA によるアフガン在来コムギ遺伝資源のストレス耐性向上の評価 図 12 ナノバブル水によるアフガン在来コムギ遺伝資源のストレス耐性向上の評価 4 研究題目 1のカウンターパートへの技術移転の状況カウンターパートのアフガニスタン留学生に 研究成果をまとめて学会発表することを習得させた 日本育種学会第 127 回講演会での口頭発表 5 研究題目 1の当初計画では想定されていなかった新たな展開特になし (3) 研究題目 2: コムギ遺伝資源の能力開発 1 研究題目 2の研究のねらい在来コムギに比べ非常に高い不良環境耐性を示す近縁種の潜在的能力を明らかにし 新規コムギ育種素材を開発する アフガニスタンに分布する近縁野生種を用い 特にバイオマス 耐旱性 耐塩 ( アルカリ ) 性 耐病性 窒素利用能力向上と地球温暖化ガスの N 2 O の低減などこれまでの作物に無い能力を明らかにし 遠縁交雑と染色体工学手法により野生種の染色体及びその断片をコムギに導入する 研究グループ B: 鳥取大 12

2 研究題目 2の研究実施方法合成コムギとパンコムギの組換え近交系統およびその親系統の DArT 分析を行い 遺伝地図を作成し QTL 解析を行い 論文を執筆する 様々な地域から採集された Ae. tauschii の耐乾性関連形質調査し DArT マーカーとの連鎖不平衡分析を行った これまでに多様な Ae. tauschii を用いて作られた合成コムギ 41 系統にコムギ品種 Sephadak Ishkashim Chonte1 を交配し さらに同品種で戻し交配および自殖により MSD 集団 (BC1F2) を育成した 今年度はこれらの MSD 集団を用い 耐乾性及び耐病性関連形質についてアフガニスタン及び日本の圃場で選抜する リン欠乏に耐性を示す異種染色体添加系統にパンコムギ品種 Sephadak Ishkashim を交配した雑種に戻し交配を行う 形質調査に必要な合成コムギ種子を増殖する 3 研究題目 2の当初の計画 ( 全体計画 ) に対する当該年度の成果の達成状況とインパクト 1) パンコムギ品種 Saphedak Ishkashim を遺伝的背景とする MSD 集団の確立と現地圃場での評価 2013 年度に開発した Saphedak Ishkashim の多重合成コムギ派生系統集団 (MSD)(BC1F2 世代 ) を 2013 秋 アフガニスタンおよび鳥取の圃場に播種し 2014 年春に観察した 約 3000 個体からなる集団の生育は良好で どの個体も形態は Saphedak Ishkashim に類似するが 詳細に観察すると多様性が見られた ( 図 13) 例えば 茎は帯白性と非帯白性が明瞭に分離し 74% が帯白性であった また 2014 年春期の鳥取は日本では珍しく乾燥ストレスが生じたが ストレスに対する葉の巻き方が個体によって異なっており 気孔開度に変異があるものと思われた 最終的に 生育した約 3000 個体をバルクで収穫し BC1F3 集団の種子を得た 2014 年の秋には この BC1F3 をアフガニスタンおよび鳥取で播種した これまでの目視では 受容親である Saphedak Ishkashim より生育の旺盛な個体が存在している ( 図 14) 2) アフガニスタン改良コムギ品種 Chonte 1 への近縁種遺伝子の導入プロジェクト開始後にアフガニスタン側より Saphedak Ishkashim に加え アフガニスタンの改良コムギ品種 Chonte 1 の MSD 集団を作ってほしいとの要望があり 一年遅れで集団作成を開始した 2013/14 作期の植物は BC1F1 世代であったが この段階で現品種 Chonte 1 より明らかにバイオマスの大きい個体の存在を認めた そこで この世代で特に優れた 8 系統を個体別に収穫し 2014 年の秋にこの種子を 2 分し アフガニスタンと鳥取に播種し 観察と選抜を続けることにした ( 図 15) 3) 合成コムギのミネラル含量の調査多重合成コムギ派生系統集団の親系統として用いた一次合成コムギ 47 系統の種子を溶解させ 種子中の元素含有量を ICP 発光分析装置で測定した ( 図 16) 測定した元素は カリウム マグネシウム 鉄 銅 亜鉛 ナトリウム アルミニウム 珪素 リン イオウおよび金である 特に 重要な鉄 亜鉛 リンについて見ると 大きい変異が見られた 一般に元素量と種子の粒重には負の相関があると考えられているが 相関はあまり大きくなく これらの元素を遺伝的に多く含む合成コムギ系統の存在を認めた このことは Saphedak Ishkashim 等の合成コムギ派生系統の集団中に これら元素を多く含むものが潜在することを示唆するものである 4) 組換え近交系統の DArT 解析と連鎖地図の構築合成コムギ系統 ABD-4 パンコムギ品種 Chinese Spring およびそれらの組換え近交系統 115 を 15000 の DArTSeq マーカーで解析した ( 図 17 昨年度の成果) これらの系統をアフガニスタンで栽培し 農業形質を調査した 系統の中には 幼苗期の生育が旺盛で 圃場被覆度の高いものがあり 土壌水分を保持する能力が高いと思われる 特にこの系統を 育種母本として アフガニスタンの系統に交配した 13

5) 砂地環境における アフガニスタン在来系統の形質評価 ( 研修生の受入 ) カブール大学より若手教員 1 名を約 2 ヶ月間受け入れ 研修を行った 研修項目は アフガニスタンの在来品種 317 系統の農業形質およびうどんこ病抵抗性の調査 農業機械 ( トラクター等 ) 運転等である ( 図 18 左 ) また アフガニスタンのコムギ研究者を受入れ 鳥取大学乾燥地研究センター 鳥取二十世紀梨記念館 京都大学農学部植物生殖質研研究施設において 植物遺伝資源の保存と利用に関する研修を行った ( 図 18 右 ) 図 13 Saphedak Ishkashim の多重合成コムギ派生集団 (2013/14 作期 ) 図 14 Saphedak Ishkashim の多重合成コムギ派生集団 (2014/15 作期 ) 14

図 15 Chonte 1 の多重合成コムギ派生集団の育成図 ( 左 ) と選抜した系統 図 16 一次合成コムギ種子の元素含量 15

表 1 アフガニスタン在来系統の元祖含量 図 17 合成コムギとパンコムギの組換え近交系統を用いた連鎖地図 16

図 18 研修生の受入 ( 砂地環境におけるアフガニスタン在来系統の形質評価と遺伝資源研修 ) 4 研究題目 2のカウンターパートへの技術移転の状況 トラクターの運転 耕耘技術の指導 植物形態調査法の指導 5 究題目 2 の当初計画では想定されていなかった新たな展開特になし (4) 研究題目 3: 最先端技術を用いたコムギ遺伝資源の特性解明 1 研究題目 3の研究のねらいアフガニスタンのコムギ遺伝資源からの有用系統の単離や これらを利用した有用な育種素材開発のために 本プロジェクトで利用するアフガニスタンコムギの在来種 近縁野生種の系統の性質について調査しておく事は重要であると考えられる 当研究所は植物体内の元素組成のハイスループットな測定技術や 植物体の精密計測技術等を有している これらの測定システムを利用して アフガニスタンコムギ系統について表現型データを内 ( 元素組成 ) と外 ( 形状 ) から測定し 網羅的フェノタイピングを行う この結果を利用して遺伝子資源からの有用系統の単離を行っていくだけでなく 多型マーカーの解析データと有機的にリンクさせる事により育種に有用な遺伝子型を明らかにする事も目指していく また アフガニスタンの様々な環境で栽培されるコムギ系統について同様な解析を行う事によって アフガニスタンの土壌環境に対するコムギ遺伝資源の不良環境反応性を診断するための研究基盤を構築する 研究グループ C: 理研 2 研究題目 2の研究実施方法平成 24 年度までに 本プロジェクトで用いるアフガニスタン在来種 近縁野生種系統等について 日本で栽培した種子を粉砕 圧縮し エネルギー分散型 X 線分析装置 (EDX-700HS 島津) により 277 系統の種子中に含まれる元素量を網羅的に測定した また島津 X 線 CT 装置を利用し 日本で生育可能なアフガニスタンコムギの在来種 近縁野生種系統等の 374 系統について 種子形状に関する様々な値 ( 胚乳の縦や横の長さ 小穂の殻の厚さ等 ) を抽出した 得られた元素量の網羅的データを利用して平成 25 年度には 日本やアフガニスタン等の様々な環境 17

における栽培でも P と Fe を高蓄積する有用系統の候補を アフガニスタン在来種 近縁野生種系統から選抜した これらの系統について 平成 26 年度には これら有用系統の候補の種子について エネルギー分散型 X 線分析法ではなく 誘導結合プラズマ発光分光分析法 (ICP-AES) により元素組成の測定を行ったところ 期待通り P と Fe が高蓄積していた ( 図 19) 元素の高蓄積は種子の生育不良による濃縮によるものである可能性があるため これらの系統についてアフガニスタンで採取した種子の重量を測定したところ 幾つかの系統について十分な種子重量があるものを見いだした ( 表 1) 論文投稿準備中 プロジェクト後半では アフガニスタンで栽培したアフガニスタン在来種 近縁野生種系統について網羅的な元素組成分析を行い 網羅的データと多型マーカーとの相関解析を行い 育種に有用な遺伝子型を明らかにしていく予定である 得られた種子形状に関するデータの中でも 収量と直結する種子重量が特に重い系統について アフガニスタンで栽培したアフガニスタン在来種 近縁野生種系統についても測定を行った その結果 日本で栽培して種子重量が重かった系統が 必ずしもアフガニスタンでも重量が重いとは限らないことが解った この結果は 種子重量が栽培環境に大きく依存していることを示している 3 研究題目 2の当初の計画 ( 全体計画 ) に対する当該年度の成果の達成状況とインパクト平成 23 年度に木原生物学研究所にて栽培され 277 系統のアフガニスタンの在来種 近縁野生種系統の種子について 当研究所のシステムを用いて網羅的なミネラル成分の測定及び形状計測を実施した その結果 研究プロジェクト初期に測定スループットの向上に取り組んだことから プロジェクト前半で 300 系統近くの日本で生育させたアフガニスタンの在来種 近縁野生種系統の種子について 元素組成及び種子形状の測定を終了することが出来た その結果 平成 26 年度には アフガニスタン在来種 近縁野生種系統から 日本やアフガニスタン等の様々な環境でも有用形質を示す有用系統を幾つか単離することに成功した ( 図 19 表 2) このハイスループットな測定技術を利用して アフガニスタンで栽培したアフガニスタン在来種 近縁野生種系統のうち 測定に必要な種子量が十分に確保出来る全て系統について 平成 26 年の後半に網羅的な元素組成分析を開始した 平成 27 年度前半には全て網羅的な元素組成分析を終了する予定であるが この分析の際に木原生物学研究所の学生を受け入れ測定原理および測定法を学ばせる等 教育的なプログラムも実施出来ている mg/kg 5000 Phosphorus (P) mg/kg 35 Iron (Fe) 4500 4000 30 3500 25 3000 20 2500 2000 15 1500 10 1000 5 500 0 0 BB556 Arf7(Lami2) BB756 BB782 図 19 ICP-AES による有用系統の種子内の元素蓄積量測定 ( 赤で示している系統が 本プロジェクトで単離した系統 Arf7 と Arf10 は アフガニスタンの栽培種 ) 18

表 2 単離した有用系統の種子重量 ( 赤で示している系統が アフガニスタンの栽培種である Arf7 や Arf10 Seed eight と比較しても 十分な種子重量を示している ) 系統 平均重量 標準偏差 表現型 Arf7 35.82 17.62332869 P 756 39.25555556 7.703913147 P 782 24.53333333 6.868090467 P Arf10 50.755 15.30574301 Fe 504 51.81111111 3.725736318 Fe 528 41.84 6.28917942 Fe 585 29.42857143 12.20282949 Fe 665 26.525 3.270448491 Fe 700 52.78571429 4.367084676 Fe 718 47.675 4.912883936 Fe 761 21.9 4.814301611 Fe 4 研究題目 2のカウンターパートへの技術移転の状況特になし 5 究題目 2 の当初計画では想定されていなかった新たな展開特になし Ⅱ. 今後のプロジェクトの進め方 および成果達成の見通し ( 公開 ) 平成 27 年度は本プロジェクトの最終年次にあたり これまでの共同研究成果の取りまとめに向けて プロジェクトで選抜したコムギ育種素材をアフガニスタン現地圃場 ( カブール2カ所 ジャララバッド ヘラート タカール バーミアン ) 及び第三国研修でのメキシコ トルコ圃場で 年次反復の特性評価と環境適性試験を行い 持続的食糧生産のための育種素材のコアセットを構築する 相手国アフガニスタンの治安状況は予断を許さず 2014 年 9 月 21 日に現大統領の当選が確定し挙国一致政権の枠組みが動き始めたものの 未だに共同研究機関の農業灌漑牧畜省 (MAIL) の大臣も決まらず 全ての幹部人事 採用人事の凍結と喫緊以外の海外出張制限のため SATREPS プロジェクトに関するアフガニスタン 本邦 第三国での JCC の開催も滞っている TV 会議システムを使った相手機関研究局担当との能力に最大限依存しながら 相手側のイニシアティヴを引き出しプロジェクト推進の努力を続けている そのため引き続き 国内研究 第三国研修及び研究サイトの活用 相手国からの SATREPS/PEACE 留学生の一時帰国や短期研修生のモニタリングによる現地試験の継続 ( シャトルリサーチ ) を活用し国際共同研究を実施する 横浜市立大学を中核に連携大学院を組む鳥取大学及び理化学研究所の日本国内の研究チームによる遺伝子型の研究と不良環境をシュミレートした精緻実験系で有用育種素材の選抜を行い 一方でこれまで 19

に構築した CIMMYT など国際機関とのネットワークとメキシコ トルコ ケニアにある CIMMYT の特性検定国際検定試験の結果を活用し 遺伝資源 育種素材のデータベース化とコアセットの構築を進める 表現型を調査解析し 得られた学術的所見を国際雑誌への論文として また国内外の学会でのホップ王の形で公表する 本プロジェクトの学術的成果を 類似の生産環境を持つ周辺国のコムギ改良に寄与するよう社会実装を進める アフガン在来コムギ遺伝資源を栽培し農業特性を評価する際の評価法の標準化と遺伝育種学的な意義について SATREPS/PEACE 留学生の一時帰国や短期研修生に習得させ 第三国研修 ワークショップ Polycom による TV 会議で現地研究現場への普及と情報共有を行う Ⅲ. 国際共同研究実施上の課題とそれを克服するための工夫 教訓など ( 公開 ) (1) プロジェクト全体 プロジェクト全体の現状と課題 プロジェクト最終年における共同研究成果の相手国への受け渡しと定着のために アフガニスタンの治安状況を見ながら次の課題とそれを克服する方策を検討する必要がある アフガニスタンの治安と今後の政治情勢の不確かさ アフガニスタン相手先の MAIL( 農業灌漑牧畜省 ) とその研究局 (ARIA-ARD) の脆弱性 人材の繰り返し研修によるシャトル教育の実施で 両国の懸け橋となる中核人材を確保する 各種課題を踏まえ 研究プロジェクトの妥当性 有効性 効率性 自立発展性 インパクトを高めるために実際に行った工夫 アフガニスタンの持続的食料生産に向けたコムギ育種システム (Plant Genetic Resource Department:PGRD) を機能化 本邦研修 国際研究連携 第三国研修 南南協力のフレームを活かした人材育成と現地連絡試験 インターネット TV 会議システム 第三国での JCC プロジェクトの自立発展性向上のために 今後相手国 ( 研究機関 研究者 ) が取り組む必要のある事項 共同研究のための MAIL の組織体制の強化に向けた対応について JICA とともに検討を続ける 相手機関研究局担当との能力に最大限依存しながら 相手側のイニシアティヴを引き出しプロジェクト推進し 人材育成 施設 機材の整備 業務機能化のため 相手国自身による PGRD プロジェクトの実現化を目指す それによりプロジェクト成果の移転と定着 帰国留学生のポジションを確保し遺伝資源研究の場の整備を目指す (2) 研究題目 1: アフガニスタン向け育種素材 育種技術開発 相手国側研究機関との共同研究実施状況と問題点 その問題点を克服するための工夫 今後への活用 試験研究材料をカウンターパートによアフガニスタンの圃場 ( カブール ダルラマン / バダンバック ヘラート ジャララバッド タカールの5 圃場に秋播き バーミアン圃場に 2015 年 4 月播種予定 ) に播種して試験を実施しているが 昨年 2014 年の大統領選挙における政局の不安と混乱により JICA アフガニスタン事務所も正常に業務を進められず またその後の組閣と相手機関の 20

MAIL 大臣が決まらないために省内のすべての人事やプロジェクト 不要不急の出張の制限などで アフガン国内での材料を逐次調査するのが困難になった MAIL 職員にインセンティブを支払わないと仕事をしない風潮が蔓延しており 政局と治安の先行きの不安が現地オペレーションを困難にしている そのため 毎週の TV 会議による現地とのコンタクトと 人材育成として横浜市立大学に修士課程に留学している MAIL のカウンターパートを現地調査のために一時帰国させ 現地オペレーションを維持している (3) 研究題目 2: コムギ遺伝資源の能力開発研究課題目 1と同じ 国際農業協同研究に携わる若手日本人人材の人出不足 研究補助員で国内試験の対応しながら ポスドク等の人材育成を進める (4) 研究題目 3: 最先端技術を用いたコムギ遺伝資源の特性解明国際農業協同研究に携わる若手日本人人材の育成 横浜市立大学 ( グループ A ) の研究室専攻学部 3 年生に元素分析法を指導し 卒業研究の一環としての研究指導とデータ分析を進めている Ⅳ. 社会実装 ( 研究成果の社会還元 )( 公開 ) (1) 成果展開事例 (2) 社会実装に向けた取り組み よこはま国際フェスティバル 2014 よこはま国際委フォーラム 2015 などへの参加 市民講座 日本植物学会公開シンポジウム等で SATREPS プロジェクトの活動を発信 新聞 雑誌等での取材対応と SATREPS プロジェクトの活動を発信 facebook や Twitter などで SATREPS プロジェクトの活動を発信 アフガニスタン カブールでの AgFair( 農業祭 ) ブースでの SATREPS プロジェクトの紹介 21

Ⅴ. 日本のプレゼンスの向上 ( 公開 ) 日本の新聞誌上で 本プロジェクトの科学的以後と人材育成について大きく取り上げられた 朝日新聞 科学の扉: 伝統品種が 食 を救う H26.9.29 読売新聞 復興の種子アフガン帰国 H26.10.1 神奈川新聞 アフガニスタン在来小麦品種改良し 里帰り H27.2.11 第三国研修を展開するメキシコにおいて 日本との連携によるアフガニスタンの復興支援について新聞 Web 記事で紹介されるとともに H27.2 月の大使会合においてメキシコ外務大臣から日本とのアフガン支援に向けて SATREPS プロジェクトの貢献に感謝の言葉が伝えられた ( 駐メキシコ特命全権大使 在メキシコ大使館 ) almomentp NOTICAS Firman Mexico u Japon conveniro para la produccion sustetable de trogo ( メキシコと日本における持続可能な小麦生産のための科学技術連携 ) H26.7.24 Ⅵ. 成果発表等 ( 公開 ) Ⅶ. 投入実績 ( 非公開 ) Ⅷ. その他 ( 公開 ) 以上 22

Ⅵ(1)( 公開 ) 論文発表等 国内 国際 原著論文本プロジェクト期間累積件数 0 6 1 原著論文 ( 相手側研究チームとの共著論文 ) 著者名, 論文名, 掲載誌名, 出版年, 巻数, 号数, はじめ - おわりのページ DOI コード 国内誌 / 国際誌の別 発表日 出版日 特記事項 ( 分野トップレベル雑誌への掲載など 特筆すべき論文の場合 ここに明記くだ 2 原著論文 ( 相手側研究チームとの共著でない論文 ) 著者名, 論文名, 掲載誌名, 出版年, 巻数, 号数, はじめ - おわりのページ Alagu Manickavelu, Abdulqader Jighly, Tomohiro Ban, "Molecular evaluation of orphan Afghan common wheat (Triticum aestivum L.) landraces collected by Dr. Kihara using single nucleotide polymorphic markers" BMC Plant Biology 2014, 14:320-330. Niwa Sayaka, Kubo Katashi, Lewis Janet, Kikuchi Rie, Manickavelu Alagu, Ban Tomohiro, "Variation for Fusarium head blight resistance associated with genomic diversity in different sources of the resistant wheat cultivar 'Sumai 3', Breeding Science, 2014, 64: 1-7. Quahir Sohail, Alagu Manickavelu, Tomohiro Ban, " Genetic diversity analysis of Afghan wheat landraces using DArT markers", Genet Resour Crop Evol 2015. Ayumi Kosaka, Alagu Manickavelu, Daniela Kajihara, Hiroyuki Nakagawa and Tomohiro Ban, "Altered Gene Expression Profiles of Wheat Genotypes against Fusarium Head Blight", Toxins 2015, 7, 604-620 論文数うち国内誌うち国際誌公開すべきでない論文 DOI コード 10.1186/s12870-014- 0320-5 国内誌 / 国際誌の別 0 件 0 件 0 件 0 件 発表日 出版日 国際誌出版済み Impact Factor: 3.94 10.1270/jsbbs.64.90 国際誌出版済み Impact Factor: 1.04 10.1007/s10722-015- 0219-5 10.3390/toxins702060 4 論文数うち国内誌うち国際誌公開すべきでない論文 国内 国際 その他の著作物本プロジェクト期間累積件数 0 0 国際誌出版済み Impact Factor: 1.48 国際誌出版済み Impact Factor: 2.48 4 件 0 件 4 件 0 件 特記事項 ( 分野トップレベル雑誌への掲載など 特筆すべき論文の場合 ここに明記くだ 3 その他の著作物 ( 相手側研究チームとの共著のみ )( 総説 書籍など ) 著者名, タイトル, 掲載誌名, 巻数, 号数, 頁, 年 出版物の種類 発表日 出版日 特記事項 著作物数公開すべきでない著作物 0 件 0 件

4 その他の著作物 ( 相手側研究チームとの共著でないもの )( 総説 書籍など ) 著者名, 論文名, 掲載誌名, 出版年, 巻数, 号数, はじめ - おわりのページ 出版物の種類 発表日 出版日 特記事項 著作物数公開すべきでない著作物 0 件 0 件 5 研修コースや開発されたマニュアル等 研修コース概要 ( コース目的 対象 参加資格等 ) 研修実施数と修了者数 開発したテキスト マニュアル類 特記事項

Ⅵ(2)( 公開 ) 学会発表 招待講演本プロジェクト期間累積件数口頭発表本プロジェクト期間累積件数ポスター発表本プロジェクト期間累積件数 国内国際 2 3 6 1 9 3 1 学会発表 ( 相手側研究チームと連名のもののみ )( 国際会議発表及び主要な国内学会発表 ) 国内 / 年度発表者 ( 所属 ) タイトル 学会名 場所 月日等招待講演口頭発表ポスター発表国際の 26 国内学会 Haque Md.Emdadul( 横浜市立大学木原生物学研究所 ) アフガンコムギ在来種の高 Ca + 及び高 ph 条件の適応特性 日本育種学会第 127 回講演会 玉川大学 H27.3.21-22 1 26 国内学会 26 国内学会 Maqsodi Ahmad Massoud( 横浜市立大学木原生物学研究所 ) Genome wide association studies for yield components in a collection of Afghan wheat local varieties. 日本育種学会第 127 回講演会 玉川大学 H27.3.21-22 Ahmadi Sayed( 横浜市立大学木原生物学研究所 ) Study of roor system of Afghanistan wheat local variety under mid and late drought condition. 日本育種学会第 127 回講演会 玉川大学 H27.3.21-22 1 1 0 3 0 件 2 学会発表 ( 相手側研究チームと連名でないもの )( 国際会議発表及び主要な国内学会発表 ) 年度 国内 / 国際の 発表者 ( 所属 ) タイトル 学会名 場所 月日等 招待講演 口頭発表 ポスター発表 元川知歩 佐藤奈緒 ( 横浜サイエンスフロンティア高校 ) 乾燥土壌で育つコム 26 国内学会ギは食糧危機を救えるか燥土壌で育つコムギは食糧危機を救えるか 日本植 1 物生理学会 東京農業大学 H27.3.18 元川知歩 佐藤奈緒 ( 横浜サイエンスフロンティア高校 ) コムギは地球温暖化 26 国内学会に負けないのか 日本植物生理学会 東京農業大学 H27.3.18 1 0 0 2 件

Ⅵ(3)( 特許出願した発明件数のみを公開し 他は非公開 ) 特許出願 1 国内出願 記載例 No.1 No.2 No.3 No.4 No.5 No.6 No.7 No.8 No.9 No.10 出願番号 出願日 発明の名称 出願人 知的財産権の種類 出願国等 相手国側研究メンバーの共同発明者への参加の有無 その他 ( 出願取り下げ等についても こちらに記載して下さ 関連する論文の DOI 2012-123456 2012/4/1 戦略太郎 関連する外国出願があれば その出願番号を記入ください 国内特許出願数 0 公開すべきでない特許出願数 0 発明者 発明者所属機関 大学 研究科 専 関連する外国出願 PCT/JP2012/123456 2 外国出願 出願番号 出願日 発明の名称 出願人 知的財産権の種類 出願国等 相手国側研究メンバーの共同発明者への参加の有無 その他 ( 出願取り下げ等についても こちらに記載して下さ 関連する論文の DOI 記載例 PCT/JP2012/123456 2012/9/20 戦略太郎 No.1 No.2 No.3 No.4 No.5 No.6 No.7 No.8 No.9 No.10 関連する国内出願があれば その出願番号を記入ください 外国特許出願数 0 公開すべきでない特許出願数 0 発明者 発明者所属機関 大学 研究科 専 関連する国内出願 特願 2010-123456

Ⅵ(4) ( 公開 ) 受賞等 1 受賞 年度 賞の名称 業績名等 ( の開発 など ) 0 件 受賞日受賞者主催団体 プロジェクトとの関係 ( 選択 ) 特記事項 2マスコミ ( 新聞 TV 等 ) 報道 ( プレス発表をした場合にはその概要もお書き下さい ) 9 件プロジェクトとの関係年度掲載媒体名タイトル / 見出し等掲載日掲載面特記事項 ( 選択 ) 25 読売新聞アフガン在来コムギ復活へ H25.11.26 1. 当課題研究の成果である http://pgsource.sci.yokohama- 25 JICA's World 英語版 Developmg Foodd for the Future 25 中日新聞私の先生 H26.2.12. その他 cu.ac.jp/yomiuri.pdf 2014 年 1 月号 1. 当課題研究の成果である http://pgsource.sci.yokohamacu.ac.jp/jica.pdf http://pgsource.sci.yokohamacu.ac.jp/tyuniti.pdf 25 AGRI GARAGE 育種技術と人材育成でアフガニスタンの食糧生産基盤を再 2014 年 3 月号 1. 当課題研究の成果である http://pgsource.sci.yokohamacu.ac.jp/agri.pdf 建する 26 almomentp NOTICAS Firman Mexico u Japon http://www.almomento.mx/fir conveniro para la produccion 3. 一部当課題研究の成果 ma-inifap-convenio-con- sustetable de trogo ( メキシコ H26.7.24 が含まれる japon-para-la-produccion- sustentable-de-trigo/ と日本における持続可能な小麦生産のための科学技術 26 朝日新聞 科学の扉 : 伝統品種が 食 3. 一部当課題研究の成果 http://pgsource.sci.yokohamacu.ac.jp/asahi2014.09.29.pdf H26.9.29 科学欄を救うが含まれる 26 読売新聞 復興の種子アフガン帰国 H26.10.1 1. 当課題研究の成果である http://pgsource.sci.yokohama- 26 神奈川新聞 アフガニスタン在来小麦品種改良し 里帰り H27.2.11 26 中日新聞活躍 OB 未来に挑め H26.10.23 その他 cu.ac.jp/yomiuri2014.10.01.pdf 1. 当課題研究の成果である http://pgsource.sci.yokohamacu.ac.jp/kanagawa2014211.pdf

Ⅵ(5) ( 公開 ) ワークショップ セミナー シンポジウム アウトリーチ等の活動 1 ワークショップ セミナー シンポジウム アウトリーチ等 年月日名称場所参加人数概要 H26.9.14 日本植物学会第 78 回大会 公開講演会 コムギと唐辛子の多様な遺伝資源 日本 80 (0) 植物研究の現状を市民や学生 生徒の皆様に知っていただくための公開講演会 H26.10.7 東南アジア諸国への農業支援と食品ビジネスの展望 日本 15 (0) アフガニスタンでのコムギ栽培復興プロジェクトから 研究成果が日本のコムギの生産に貢献する点や世界的な食糧危機を防ぐ役割について紹介 (file:///c:/users/chipper/dow nloads/agrigarage_008.pdf) 2 合同調整委員会開催記録 ( 開催日 出席者 議題 協議概要等 ) 年月日出席者議題概要 2015.1.27 坂智広 ( 横浜市大 ) 辻本壽 ( 鳥取大学 ) 近藤雄一 ( 理研 ) マニカヘ ルアラク ( 横浜市大 ) モハマト エムタ ト ウルハク ( 横浜市大 ) 小平憲祐 (JST), アハマト オスマンサ イ (JICA-MAIL) シャースタニクサ イ (MAIL) アフガニスタン留学生 SATREPS プロジェクトの平成 26 年度報告書作成 平成 27 年度 ( 最終年度 ) の計画書作成の目標達成の準備と達成率向上のための計画について H26 年度報告書 : 活動内容 進捗と研究実施報告 及び問題点と解決方法 H27 年度計画書 : 最終年度として 役割分担の確認及び SATREPS プロジェクトの目標達成の準備と達成率向上のための計画 ( 大体夏までの達成を予定 ) 及び成果物

JST 成果目標シート JST 上位目標 研究課題名 持続的食料生産に向けたコムギ育種システム構築 持続的なコムギ育種システムの構築と育種素材の応用によるコムギ品種母本の作出 研究代表者名 ( 所属機関 ) 坂智広 ( 横浜市立大学木原生物学研究所教授 ) 研究期間 H22 採択平成 23 年 4 月 1 日 ~ 平成 28 年 3 月 31 日 (5 年間 ) アフガニスタンの環境に順化したコムギ育種素材の拡充および遺伝子資源バンクの運用 相手国名 / 主要相手国研究機関 アフガニスタン / 農業灌漑牧畜省 (MAIL) 農業研究所 (ARIA) JST プロジェクト目標 付随的成果 アフガニスタンにおけるコムギ遺伝資源の多様性解明と不良環境耐性の高い育種素材の開発およびそれら遺伝資源の保全 100% 日本政府 社会 産業への貢献 科学技術の発展 知財の獲得 国際標準化の推進 生物資源へのアクセス等 世界で活躍できる日本人人材の育成 技術及び人的ネットワークの構築 成果物 ( 提言書 論文 プログラム マニュアル データなど ) 日本の科学技術 研究ノウハウを活かしたアフガニスタンの復興支援 ゲノムデザインによる環境適応型の育種素材開発加速 ポストゲノム時代の遺伝育種学成果を地球規模の食料環境問題に向け 基礎研究を現場につなげる領域で フロンティア的研究 国内外の研究者が共同研究を通じて更なるコムギ遺伝資源の研究と育種利用に取り組むプラットフォーム構築 国際的に活躍可能な日本側の若手研究者の育成 ( 国際会議への指導力 レビュー付雑誌への論文掲載など ) CGIAR センターとの連携 第三国でのシミュレーション研修や南南協力を活かし インターネット会議を活用してコムギ研究国際連携人的ネットワークを構築 JICA のアフガニスタン支援の新しい進め方として先鞭的役割を担う アフガニスタンコムギ遺伝資源の多様性評価 不良環境耐性の高いコムギ遺伝資源の育種利用技術開発 近縁野生種等の潜在的能力を導入した新規コムギ育種素材の開発 アフガニスタンコムギ遺伝資源の保全と育種利用 H27 年度 H26 年度 H25 年度 中間報告時 里帰りさせたアフガニスタン在来コムギの育種素材仔アセットを構築する アフガニスタンにおける特性が評価される 有用形質および遺伝子系統が選抜される 形質および遺伝的多様性が評価される メタゲノム解析による有用マーカーが開発される 不良環境耐性系統が評価 選抜される 不良環境耐性系統の選抜システムが構築される 表現型アプローチ 遺伝子型アプローチ アフガニスタンに適した育種素材を作出し選抜される 交雑種の不良環境耐性が評価される アフガニスタンコムギと近縁種の F1 交雑種ができる コムギ近縁種の不良環境耐性が解明される フィールドアプローチ ラボアプローチ MAIL-ARIA における Germplasm Center 機能が整備される アフガニスタンコムギの遺伝子資源に関わる人材の育成 アフガニスタンコムギの遺伝子資源が把握される コムギ遺伝資源の多様性評価育種利用技術開発育種素材の開発コムギ遺伝資源の保全と利用 80% 60% 40% 20% 0%