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Transcription:

自動車技術会関東支部学生自動車研究会国際交流事業 2018 年台湾派遣報告書 (Web) 日本大学大学院沢田直哉日本大学大学院小笠紘太郎関東学院大学仲田智工学院大学大学院高木智規 1. 国際交流事業台湾派遣の目的台湾への派遣活動における 台湾の自動車関連企業および研究所の訪問 日本と異なる生活様式 文化の体感 台湾での学会参加 台湾の学生との交流を通じて 国外の技術や文化を学ぶことで エンジニアとして必要なグローバルな視点を養うとともに グローバル化に必要不可欠な英語運用能力の向上を目指す 2. 台湾派遣のスケジュール 11/30( 金 ) SAE Conference 12/1( 土 ) SAE Conference 三義木雕博物館 (Sanyi Wood Sculpture Museum) 勝興駅 (Shangxing Train Station) 台中環中夜市 (Night market) 国際交流活動にご協力いただいた台湾学生 國立総合大学 2 名 国立台北科技大学 1 名 3. 活動報告 11 月 30 日 ( 金 ) 12 月 1 日 ( 土 ) SAE Conference 台湾の国立総合大学で開催された The 23rd National Conference on Vehicle Engineering 2018 に参加させていただいた 他の参加者と同じセッションに組み込んでいただき 自らの研究を台湾の先生 学生 台湾の自動車関連企業の方に向けて発信し 質問や意見をいただくことができ 派遣学生一同貴重な経験をさせていただいた また 台湾の学生の研究発表を聴講できたことも 非常に刺激となった 12/2( 日 ) 雅聞七里香玫瑰森林 薰衣草森林 明徳店 南庄老街 天向湖 12/3( 月 ) Maxxis Tires ARTC(Automotive Research & Testing Center) 鹿港老街 (Lukang Old Street) 12/4( 火 ) 裕隆汽車(YULON MOTOR) NOVEL TEK Dahu winery 12/5( 水 ) ITRI (Industrial Technology Research Institute) Sanyi Wood Sculpture Museum ( 三義木雕博物館 ) 三義木雕博物館は 大型家具から 神像 芸術品 生活小物など様々な木彫製品を展示する博物館である 三義の木彫は日本統治時代から発展し始め 1960 1970 年代に全盛期を迎え 何人もの巨匠を育てた 三義は今も台湾の木彫アートの中心となっており 台湾一の木彫村と知られている

台中環中夜市 (Night Market) 台中環中夜市 で台湾文化の一つである夜市に訪れた 台湾の郷土料理や果物の屋台が軒を連ね 台湾の食文化を知ることができた 雰囲気は日本のお祭りや縁日に近く 非常に多くの人で賑わっていた Shangxing Train Station ( 勝興駅 ) 勝興駅 ( しょうこうえき ) はかつて台湾苗栗県三義郷にあった台湾鉄路管理局台中線の駅であり 苗栗県の著名な観光地である 2010 年 6 月 5 日より観光専用鉄道の駅として再開業した 標高は海抜 402.326 メートルで 西部縱断鉄道の中で最も自然景観の豊かな地域である 勝興駅の駅舍は日本風の木造建築で釘を 1 本も使わない木造建築であるのが特徴で 虎牙式 と呼ばれる設計は魔除けの作用がある 12 月 2 日 ( 日 ) 雅聞七里香玫瑰森林 (Arwin 雅聞 ) 最初の観光スポットは台湾の化粧品メーカー Arwin 雅聞 の観光工場の一つ 雅聞七里香玫瑰森林 を訪れた このメーカーはバラの香りを使った商品を扱っていることから敷地内には入場無料のバラ園があり 香りを楽しみながら散策できる観光スポットとなっていた 工場に併設された売店ではこのメーカーの化粧品や衣類が販売されていた 薰衣草森林 明徳店明徳水庫 ( ダム湖 ) の湖畔に位置する 薰衣草森林 を訪れた ラベンダー畑が広がる園内の壁や小道はメルヘンチックな装飾で演出されており 観光客だけでなく地元のカップルや家族連れなど多くの人が訪れていた

南庄老街 南庄老街 は台北の九份に似た雰囲気の古い町並みが残る商店街である ここは日本統治時代の建物が多く日本人にとって親しみやすい街であった 肉や餅 お菓子など様々な食べ物が売られており街中が良い香りで包まれていた 天向湖 天向湖 はサイシャット族と縁のある湖である 天向湖は自然豊かな山林の中にあり 空気も澄んでいてとても癒される場所であった 二年に一度 矮靈祭 ( パスタアイ ) というお祭りが開かれこの時には多くの人が訪れる 12 月 3 日 ( 月 ) Maxxis Tires Maxxis Tires は 1991 年に創業した正新タイヤ (Cheng Shin Rubber) グループの最上級ブランドである 自転車やオートバイ用タイヤメーカがルーツであり, 現在でも自転車やオートバイ用タイヤの年間生産量は世界 1 位である. 現在は世界 9 位のシェアを誇るタイヤメーカになっており, 有名なタイヤメーカへのOEMも行っており また 2014 年には品質に関わる認証を取得している. 初めにMaxxisタイヤの製造工場を訪問し タイヤ製造ラインを見学させていただいた 工場内は 人と車両の通行領域の分離や 異常時における機械の自動停止など安全管理が徹底されていた また製造工程では原料をバーコード管理しており, 工程ごとにバーコードをスキャンしなければ機械を動かすことが出来ないため同じラインで様々な製品を製造することが可能となっており 生産技術の高さを感じた 次に正新タイヤ本社の研究開発センターを訪問した 研究開発センターでは 無響室でのタイヤ走行騒音試験や 転がり抵抗試験など様々なタイヤ性能試験が行われていた タイヤ試験機はタイヤの輪荷重やスリップ角を変えることができ, 路面も低ミュー路と高ミュー路の二パターンの計測が可能とのことだった. 研究施設のショールームでは軍事用のタイヤや自転車用のタイヤ, ロシア向けのスパイクタイヤなどの展示もあり技術力のあるグローバルな企業であると実感した. ARTC ARTC (Automotive Research & Testing Center) は 1990 年に設立され, 台湾国内での多岐にわたる車両の試験場として現在まで発展してきた. 施設内には

約 120 ヘクタールに及ぶテストコースや, 衝突試験, 無響室などの設備があり, 新車の基準値のテストから, 並行輸入車の公認車検まで対応している. 現在 ARTC ではインテリジェンスセーフティー, コネクティッドカーそして EV の 3 つをメインに研究を行っており 具体的には障害物検知システムや緊急ブレーキシステム,EV の非接触充電システムなどの製品の開発に取り組んでいる 今回の訪問では ARTC の実験設備として環境試験設備と衝突試験設備を見学させていただいた 環境試験設備ではダスト試験機や温度試験機, 振動試験機などのさまざまなシチュエーションを想定した試験機があり耐久性能に関する研究を行っていた. 日本製の試験機が数多く導入されていたことが印象的であった. 衝突試験設備では衝突試験に用いられるダミーについて説明していただいた 成人男性サイズのダミー人形から子供サイズのダミー人形まで多くのダミー人形があり, それぞれに衝突時の状態量計測のためにロードセル, 加速度センターなど様々な計測器が搭載されており 衝突試験は非常にコストを要する試験であると改めて感じた 最後に EV 車用の充電設備を見学させていただいた. 様々な規格に対応した EV 車の充電プラグが配備されており, 各国の EV 車の充電に対応していた. 充電器の中には 盗難防止の観点から充電器側からではなく車両側から充電ケーブルを伸ばす方式の充電器があり 大変興味深かった 車の生産を行っている 2009 年からは 自社の高級ブランドとして LUXGEN を立ち上げ 開発 生産をスタートさせた 今回の台湾派遣では 本社工場である裕隆苗栗三義工場と 2018 年 8 月にオープンしたばかりの Yulon Experience Center を見学させていただいた 工場の見学では 裕隆汽車の生産技術について学ぶことができた 裕隆汽車は日産自動車の生産手法を導入しており 生産工程を共通化することで 同一の生産ラインでの日産自動車の車両と LUXGEN の車両の生産を可能にしている 工場内の部品の運搬には AGV(Automated Guided Vehicle) が導入されており 生産の自動化が進められていた Yulon Experience Center の見学では 裕隆汽車の歴史や自動車の製造工程 ( プレス 塗装 組み立て等 ) について 解説パネルや 実際の部品 製品を通して学び 理解を深めることができた Lukang Old Street 鹿港老街 (Lukang Old Street) はオランダおよび清王朝において台湾の最も重要な外国ビジネス港であり, これまで商業開発のため繁栄してきた. 鹿港老街には鹿港天后宮という道教の寺院があり, この寺院では台湾の学生に道教の説明やお参りの方法を教えてもらい実際にお参りをおこなった. 宗教観やお参り方法は日本の仏教に近いものが多くあったが鹿港天后宮は装飾が派手であり異文化を強く感じた. 12 月 4 日 ( 火 ) YULON MOTOR 裕隆汽車裕隆汽車は 台湾の裕隆企業集団に属する自動車メーカーで 苗栗県三義郷に本社を構える 台湾における日産自動車の現地パートナーであり 1957 年より日産自動車との技術提携を開始して以来 日産自動 NOVEL TEK NOVEL TEK は 1990 年創業の運搬機器を製造する台湾の大手メーカーである NOVEL TEK のシェアの 82% は海外マーケットが占めており 世界 38 カ国へ輸出されている 中でも日本への輸出が最も多い NOVEL TEK の運搬機器は電動だけでなく 燃料電池を動力とするものもあり 将来的には燃料電池化を進めていきたいという また 工場での生産効率を向上させるため 運搬機器の自動化にも取り組まれている 同社の ATT-60SW という製品は 路面に設けた線を検知して自動運転を行う AGV であり 裕隆汽車の向上でも用いられていた NOVEL TEK の製品は全て赤色で塗装されている これは 運搬機器も乗用車と同様 見た目にも綺麗なものを提供したいとの思いからである 見学を通して NOVEL TEK の製品に対する思いとこだわりを強く感じることができた

Dahu winery 苗栗県大湖郷は イチゴの生産で有名な観光地である 現在 台湾国内のイチゴの約 90% を大湖郷で生産している 今回は 大湖郷にある Dahu winery(dahu Strawberry Central Center) を訪問した Dahu winery にはイチゴ製品 ( お菓子 ワイン等 ) のお土産屋や イチゴかき氷のお店 大湖郷とイチゴの歴史を伝える資料館などがある Dahu winery のまわりはにはイチゴ畑が広がっており 大湖郷がイチゴの有名な産地であることが伺えた 12 月 5 日 ( 水 ) ITRI 工業技術研究所工業技術研究院 (Innovating a better future) は 1973 年に設立され 研究者数は 6,000 名を超える世界的な研究機構である 科学技術の研究開発により 産業発展と経済価値を創造し 社会福祉を促進する事を目指している 先端技術イノベーションの技術成果によりベンチャー産業の発展を促進し続け 連続 11 年 R&D 100 Awards を受賞している 受賞した技術は国内企業へ技術転換して商品化され 先端技術による産業の新しい価値を創造している また CES イノベーション賞 エジソン賞 フロスト & サリバン新製品イノベー ション賞等を受賞 2017 年にクラリベイト アナリティクス Top100 グローバル イノベーター賞にも 2 度選出された これまでの特許取得累計は 2 万 7,000 件を超え 273 社以上の企業を新設 育成するなど 産業の発展に大きく貢献した ITRI は産業の変遷に応じ オープンイノベーションシステムプラットフォーム を開設し システム ソフトウェア サービスで 異分野技術を融合 スマートライフ ヘルスケア 持続可能な環境 などの科学技術イノベーションに取り組んでいる 同時に 研究成果の事業化と産業サービスの強化 領域横断型人材の育成や技術の統合実現 連携した研究開発や顧問サービス 技術移転など様々な産業サービスの提供をおこなっている オープンラボやインキュベーションセンターを設置し 積極的にベンチャー企業や新たなハイテク産業の育成を加速している 4. 総括台湾派遣での自動車関連企業や研究所の訪問 また台湾学生との交流は 本活動ならではの取り組みであり 活動に参加することで大変貴重な学びを得ることができた 台湾の自動車関連企業や研究所の見学を通して 国外の技術について学んだ 台湾は開発の現場において日本と同等の研究設備 試験設備を有しており 技術で世界をリードしていくためには さらなる技術の差別化と付加価値の創造が必要であると感じた 台湾学生との交流を通じて 台湾の文化について学んだ 台湾の大学生活は日本のそれと大きく変わらないが 朝食を家族や友人とレストランやカフェで摂ること バイク通学の学生が多いことなど日本との違いを知ることができた 台湾の食文化や歴史についても案内していただいた学生の皆さんに丁寧に教えていただき 理解を深めることができた また同年代の海外の学生の学生生活や研究活動を知ることは非常に刺激になった 英語でのコミュニケーションは難しいところもあったが 自らの思いや考えを英語で伝えることの楽しさを改めて体感することができた 今回勉強させていただいたことは 今後の学生生活にしっかりと活かしていきたい この度の台湾派遣におきまして 一週間案内していただいた國立総合大学の学生 2 名の方と国立台北科技大学 1 名の方 ならびに能源工程學 ( エネルギー工学科 ) の Kan-Lin Hsueh 教授と研究室の皆様に感謝致します また国際交流活動にご協力いただきました SAE-Taipei の皆様 見学を受け入れていただいた企業 研究所の皆様にも御礼申し上げます