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漢 文 エディタ の 試 み 国 語 科 篠 崎 秀 樹 インターネットという 便 利 な 情 報 メディアのおかげで 個 人 でもほとんど 元 手 いらずで 情 報 を 発 信 す ることが 可 能 になったのは 90 年 代 の 半 ば 頃 からだったろうか 97 年 に 原 念 斎 東 條 琴 台 先 哲 叢 談 を 1 年 間 かけて 古 本 から 入 力 したのを 皮 切 りに 日 本 古 典 文 学 テキスト を 中 心 として 著 作 権 の 切 れた 電 子 データを 無 料 公 開 するサイトを 立 ち 上 げ その 他 参 考 文 献 類 近 代 文 学 テキストのほか 電 子 図 書 館 電 子 テキストのマークアップ 方 法 に 関 する 半 ば 以 上 趣 味 的 なデータの 収 集 や 公 開 を 個 人 的 に 行 ってきた たまたま 公 開 10 年 目 の 2006 年 から 漢 文 のマークアップについて 試 行 錯 誤 を 始 め Excel や Word 等 MS-Office ソフトに 標 凖 で 付 属 する VBA という 簡 易 マクロ 言 語 を 使 って 漢 文 エディタ という 漢 文 入 力 変 換 のアプリケーションを 作 り 始 めた Excel で 入 力 変 換 し Word や InternetExplorer 等 で 表 示 するというものであり Office 連 携 スクリプトによる 漢 文 資 料 作 成 補 助 ツールである 周 知 のごとく 普 通 に 漢 文 と 呼 ぶテキストには 漢 字 だけが 並 んだ 白 文 それに 句 読 点 返 り 点 送 り 仮 名 ( 本 来 は 添 え 仮 名 と 呼 ぶのがよい 注 1 と 言 われるが) 等 の 訓 読 記 号 ( 訓 点 )を 施 した 訓 読 漢 文 そして 返 り 点 に 従 って 読 み 下 し 漢 字 平 仮 名 交 じりの 文 語 文 として 表 記 した 書 き 下 し 文 等 一 つの 文 に 対 して 表 記 のしかたが 幾 通 りか 存 在 し 訓 読 には 振 り 仮 名 処 理 など 日 本 語 固 有 のマーク アップが 加 わる 古 典 学 習 にいわゆる 漢 文 とは 訓 読 漢 文 を 指 し 高 校 生 は 返 り 点 の 約 束 や 構 文 ( 句 形 ) 文 字 の 用 法 を 学 習 しながら 書 き 下 し を 通 して 伝 統 的 な 翻 訳 ( 訳 読 )になじむわけである 教 員 にとっては 学 習 プリント 小 テスト 作 りから 定 期 考 査 問 題 の 作 成 に 至 るまで 訓 読 漢 文 の 入 力 表 示 にはずいぶん 悩 まされるならわしで だいいち 通 常 のワープロソフトでは 返 り 点 と 送 り 仮 名 を 左 右 に 等 しく 按 配 することさえ 難 しい( 一 太 郎 の 漢 文 入 力 機 能 は 字 間 が 空 く) TeX(テフ)には 漢 文 表 示 用 のマク ロを 作 った 人 があり 注 2 一 応 教 科 書 並 みのきれいな 出 力 を 得 られるが これも 第 三 第 四 水 準 等 の 漢 字 の 表 示 には 特 別 な 工 夫 が 要 るらしく EasyTeX などでは 表 示 されないようである TAIMUS 標 凖 の MS-Word で 訓 読 漢 文 を 表 示 しようとすると 送 り 仮 名 には 上 付 き 文 字 返 り 点 と 再 読 文 字 の 送 り 仮 名 には 下 付 き 文 字 といった 苦 肉 の 手 法 で 表 示 するしかない しかも いちいち 文 字 ごとに 書 式 設 定 を 行 うのも Word のインテリジェントな 文 字 列 操 作 の 影 響 で 文 字 選 択 の 段 階 から 難 渋 する 羽 目 になる 漢 文 エディタ と 銘 打 った 拙 作 Excel Word その 他 の 連 携 マクロは こうした 漢 文 の 入 力 の 手 間 表 示 の 手 間 を 極 小 に 抑 えることと 併 せて 漢 文 データの 電 子 テキスト としての 蓄 積 を 目 指 している ちなみに TeX の 環 境 をインストールしておけば 注 3 前 記 sfkanbun.sty( 注 2 参 照 )のデータ 形 式 に 変 換 して TeX エディタにデータを 渡 すことも 可 能 である 生 徒 に 対 して 有 用 であるというよりは 教 員 に 対 して 日 常 実 務 の 省 力 化 に 役 立 つという 位 置 づけのマクロだ 昨 年 前 任 校 で IT 関 係 のディスプレイを せざるを 得 なくなった 際 授 業 の 合 間 に 15 分 ほど 時 間 をとり レ 点 ( 雁 点 )や 一 二 点 の 簡 単 な 表 示 変 換 の 様 子 を PowerPoint に 埋 め 込 んだ 動 画 で 流 して 返 読 の 概 念 を 視 覚 的 に 把 握 する 一 助 として 生 徒 に 披 露 した そんなこともしてみたが 生 徒 は 特 に 興 味 を 引 かれた 様 子 もなかった 国 語 とコンピュータと の 奇 妙 な 付 き 合 い 方 に 興 味 を 持 つような 少 し 風 変 わりな 人 の 出 現 でも 竢 つしかなさそうだ それはさておき ここで 漢 文 エディタ 注 4 の 使 い 方 を 紹 介 したい 尤 も 完 成 品 ではない 仕 事 の 合 間 にたらたらと 10 年 近 くいじっているものの ver.0.65 くらいの 代 物 だ それなら どうしてお こがましくもここで 紹 介 するのか 簡 単 に 言 えば この 辺 りで 中 仕 切 りをしておく 必 要 があるからだ これは ユニークな 作 品 である 書 き 下 し の 自 動 処 理 について これの 他 にこれまで 類 似 の 試 み を 殆 ど 聞 かない 補 足 世 に 漢 文 エディタ と 称 する 専 用 ソフトや 一 太 郎 のマクロは 概 して 入 力 表 示 の 省 力 化 のツールにとどまっていると 言 ってもそれほど 的 外 れではない データベースでなくとも

文 書 の 入 力 作 業 という 少 からぬ 労 力 がかかるからには 電 子 データ の 蓄 積 と 利 用 という 目 標 まで 開 発 の 射 程 範 囲 を 広 げる 必 要 はないか しきりとそう 思 うのだが このような 大 風 呂 敷 を 広 げるためには 少 々 草 臥 れた ネットの 諸 規 格 の 変 貌 は 速 いのだ (この 機 会 に 補 足 しておくと 日 本 古 典 文 学 テキスト アー カイブの 発 足 は 97 年 であると 前 に 書 いた これはかの 青 空 文 庫 と 同 い 年 のはずである 多 数 の 参 加 による 共 同 作 業 がどれほどの 成 果 を 挙 げたかは このサイトが 今 日 の 電 子 ブックのコンテンツとして 揺 るぎない 地 位 を 築 いていることで も 分 かる これに 反 して 一 人 相 撲 でごたごたやってもこの 程 度 というのが 私 のサイトの 現 状 だ しかし 電 子 テキスト という コンテンツの 充 実 に 向 けて この 20 年 ほどの 間 に 画 期 的 な 進 陟 を 示 す 事 例 はいかに 乏 しかったか 国 語 関 連 では NDL のオンライン 検 索 や 近 代 デジタルライブラリ 国 文 学 研 究 資 料 館 早 稲 田 大 学 の 古 典 籍 総 合 データベー ス 等 PDF 画 像 を 中 心 とした 公 開 が 進 んでいるが テキストベースでは 民 間 の 自 助 努 力 があるばかりといってよい できるかぎり 信 頼 度 を 確 保 したテキストの 提 供 を 目 指 せば 量 はこなせない それにも 誤 入 力 は 必 ず 伴 うのだ ) 長 い 前 置 きは 以 上 で 擱 き 私 が 漢 文 テキストの 普 及 に 向 けて 工 夫 した 点 について 具 体 的 な 紹 介 に 入 り たい このアプリケーションの 最 大 の 特 長 は 一 定 のマークアップを 施 して 入 力 したテキストを 上 記 のさまざまなスタイルのテキスト 形 式 に 自 在 に 変 換 するところにある 主 な 機 能 は 次 の 通 りである 白 文 訓 読 漢 文 書 き 下 し 文 への 変 換 ( 書 き 下 し 文 の 変 換 精 度 は 現 在 も 調 整 中 である ) TeX(LaTeX), HTML への 変 換 とファイルへの 書 き 出 し Word ファイル テキストファイルへの 書 き 出 し 文 字 種 の 変 換 検 索 置 換 注 記 の 抽 出 データの 結 合 並 べ 替 え(ソート) 印 刷 等 新 旧 漢 字 変 換 ユニコード 16 進 文 字 実 体 参 照 へのエンコード 等 このうち 検 索 置 換 抽 出 結 合 ソート 等 の 機 能 は データ 蓄 積 や 印 刷 と 同 じく Excel 本 来 の 機 能 を 利 用 している ひらがな カタカナ 変 換 や 新 旧 漢 字 変 換 文 字 実 体 参 照 (Character Entity Reference) 等 への 符 号 化 (encode)と 復 号 (decode)の 機 能 は テキスト 処 理 のためにぽつぽつ 貯 め 込 ん できた 自 作 マクロを 組 み 込 んだものだ 特 に 文 字 実 体 参 照 は 便 利 なもので このおかげで 通 常 ならエデ ィタや HTML 等 の 制 限 で 表 示 できない 環 境 依 存 文 字 等 に 対 して これを 数 値 に 変 換 することで 文 字 化 け することなくテキストベースで 交 換 したり 表 示 したりすることを 可 能 にする デザインされた フォントという 文 字 実 体 に 対 応 させた コード 番 号 と 似 た 考 え 方 エイリアス(alias)である 例 え ば 槩 を槩に 玉 玦 を 玉 玦 というように 当 該 文 字 だけエンコードすると Shift-JIS の 範 囲 でデータ 交 換 が 可 能 になる そうでないと これらの 環 境 依 存 文 字 は 高 機 能 ワープロソフト やユニコード 対 応 エディタ 等 でないと 表 示 すらできず? のような 表 示 に 置 き 換 わってしまうか 空 白 になってしまう 国 語 の 教 員 は 従 来 今 昔 文 字 鏡 indexfont (16 万 字 ) 等 の 高 価 なソフトに 付 属 する フォントを 使 って 表 示 するしかなかった(ただし MojiCharMap という 昔 のツールは 今 日 でも 入 手 可 能 ) 今 日 では ATOK その 他 の IME でも 手 書 き 文 字 入 力 や 文 字 コード 表 等 のツールがあり フリーのフ ォントでは IPA 明 朝 やとくに IPAmj 明 朝 (6 万 字 )ができたおかげで よほど 表 示 が 楽 になった とは いえ 文 字 の 検 索 データ 交 換 に 際 しては 依 然 として 従 来 の 障 壁 が 立 ち 塞 がっている 参 考 までに 私 は 自 作 漢 文 エディタ と 合 せてフリーソフトの Mana2 というエディタを 使 って 古 典 作 品 を HTML 化 している これはユニコード 表 示 も 可 能 なエディタだが たいていは Shift-JIS モードで 使 い マク ロを 登 録 しておき 異 体 字 の 取 り 扱 い 等 を 除 いて ほとんどあらゆる 文 字 を 取 り 扱 う マクロの 一 例 を 挙 げる ( 選 択 状 態 にあるテキストを 変 数 に 格 納 し これに 様 々な 加 工 を 施 してもとのテキストに 代 入 する 加 工 に は VBScript 等 を 使 うが これは Windows 標 凖 で 言 語 の 仕 様 も 複 雑 ではないので 文 系 人 間 でも 取 り 扱 える ) txt = Editor.GetSelText vbs では txt など 適 当 な 名 前 で タイプの 定 義 なしに 変 数 を 使 用 できる txt = & txt & この 変 数 に 選 択 範 囲 のテキストを 格 納 し 加 工 ここは 前 後 に 文 字 を 加 えている txt = Editor.SetSelText( txt ) 入 出 力 の 命 令 文 はエディタによって 規 則 が 異 なるが Mana2 ではこのようにし

て 変 換 したテキストを 代 入 する この 3 行 の 枠 組 みを 基 本 形 として 加 工 過 程 を 順 次 複 雑 化 していく Script の 本 体 は 下 線 を 施 した 3 行 だけだ これを 例 えば kakko.vbs として 保 存 する エディ タに 登 録 して 実 行 すれば 吾 が 輩 は 猫 である という 文 が 吾 が 輩 は 猫 である となる この 伝 で 入 力 行 と 出 力 行 の 間 (2 行 目 )を vbs の 操 作 を 少 しずつ 覚 えながら 自 由 に 加 工 していけばよい 話 がとかく 脇 道 に 逸 れていくので 漢 文 エディタ に 戻 る 慣 れるまでちょっと 手 間 なのは 最 初 の 入 力 時 だけである (ファイルは LZH 形 式 で 圧 縮 してあるので Lhaca 等 のアーカイバ(archiver)を 使 って 解 凍 する 名 前 は 好 きなものに 改 めて 使 えばよい )xlsm ファイルを 開 くと( 残 念 ながら TAIMUS ではマクロはほとん ど 働 かないようだ) 1 2 行 目 にボタン 等 のついた Excel 画 面 が 出 るので コンテンツの 有 効 化 を 押 し てマクロを 有 効 にし 次 に 左 上 の 漢 文 入 力 フォーム をクリックすると 下 のフォームが 表 れる 起 動 図 1 起 動 時 の 画 面 とセキュリティの 警 告 図 2 漢 文 エディタ 入 力 画 面 ここから 入 力 操 作 を 始 めることになる 書 誌 事 項 はフォーム 下 方 に 入 力 できるが これらは 空 白 でも よいので まずは 真 ん 中 の 大 きなテキストボックスに 文 字 を 打 ち 込 んでいく ( 本 当 は 縦 書 きにしたいとこ ろだが Excel にはまだ 縦 書 きフォームというものがなく リッチテキストフォームも 標 凖 では 付 属 しないので 仕 方 がな い ) 途 中 で 入 力 や 操 作 を 間 違 えたら DEL キーや BS キー 等 で 修 正 する 決 して Esc キーを 使 っては ならない Esc を 2 回 押 すと テキストボックスの 性 質 として それまで 何 百 字 入 力 していようが そ のカードで 入 力 したすべての 内 容 が 消 えてしまって 復 活 できない そこだけ 注 意 すれば たいていのこ とは 大 丈 夫 である 一 通 り 入 力 を 終 えたら 登 録 ボタンを 押 して 内 容 を 登 録 する カードは 次 のデー タを 入 力 する 状 態 になる いったん 終 了 して 表 計 算 画 面 にデータが( 入 力 時 とはスタイルが 少 々 変 わって) 転 記 されているのが 確 認 できる (この 表 計 算 画 面 でもデータの 統 合 配 置 換 えなどの 作 業 ができる ) Excel Word のバージョンや 設 定 によって 起 動 できない 場 合 がある Web にヘルプを 出 し 対 処 法 を 示 してある

データ 入 力 具 体 的 な 入 力 手 順 は 次 のようになる 例 1 右 のタイトル 文 の 場 合 1 守 る と 漢 字 ひらがな 交 じり 文 で 入 力 ( 自 動 でカタカナに 変 換 ) 2 上 の レ のボタンを 押 す ^ という 独 自 記 号 が 入 力 される 3 株 を と 入 力 して Enter を 2 回 押 す 1 行 スペースができる 例 2 続 けて 本 文 1 行 目 を 作 成 4 上 の ルビ ボタンを 押 す ` というやや 見 苦 しい 独 自 記 号 が 入 力 される カーソル 位 置 に 宋 人 を 入 力 し キーボードの ボタンで 1 文 字 右 に 移 動 し そうひと と 入 力 さらに ボタン で 記 号 の 外 に 出 て に と 入 力 する ( 漢 字 以 外 は 全 てひらがなでよい ) 図 3 サンプル 文 5 続 けて 有 り を 入 力 フォームの 上 の 二 点 ボタンを 押 す 2( のような 記 号 が 入 力 される そのまま( 半 角 スペースを 削 除 してはならない ) 耕 す と 入 力 レ 点 ボタンを 押 し ルビ ボタ ン 田 (カーソルを 移 動 ) でん (カーソルを 移 動 ) を 者 と 続 けて 入 力 し 一 点 ボタン を 押 す 守 る^ 株 を 宋 人 `そうひと に 有 り 2( 耕 す^ 田 `でん を 者 )1 のように 打 つこ とになる 慣 れるまでは 多 少 違 和 感 があるが 要 は 印 刷 の 順 次 に 従 ってぽつぽつと 漢 字 ひらが な 交 じり 文 で 入 力 していく この 方 式 は 慣 れると 意 外 な 速 度 で 打 てるようになる ( 図 4) 図 4 入 力 文 と 使 用 したボタン 6 入 力 が 終 了 したら 登 録 ボタンを 押 して 入 力 内 容 を 確 定 する なお 文 字 実 体 参 照 はあくまでデータの 記 録 交 換 用 であり 各 種 変 換 はこれに 対 応 していない 次 に 2 データ 操 作 のタブを 選 択 する ここで 現 れる 画 面 から ほとんどの 変 換 操 作 を 行 う 図 5 データ 操 作 タブをクリック タブが 切 り 替 わる 図 6 データ 操 作 画 面

変 換 1 訓 読 漢 文 の Word への 書 き 出 し 1 図 6 の 番 号 順 に 操 作 まず 下 向 きの ボタンを 押 すと 最 後 ( 最 新 )のデータが 表 示 される 2 訓 読 漢 文 ボタンを 押 す 下 段 に 記 号 スタイルの 若 干 変 換 した 文 が 表 示 される ( 図 7) 3 続 けて MS-Word ボタンを 押 す Office 連 携 マクロが 動 作 し Word が 起 動 して Word 流 の 訓 読 漢 文 が 表 示 される ( 図 8) 図 7 訓 読 漢 文 ボタンを 押 した 状 態 ( 下 段 に 表 示 される ) 図 8( 右 ) ワードが 起 動 し それなりに 体 裁 を 作 った 文 ができる (ルビ 処 理 や 割 注 処 理 は マクロ 化 できない Word の 制 限 である ) 変 換 2 白 文 への 変 換 4 白 文 ボタンを 押 す ( 図 9) 結 果 の 書 き 出 しももちろんできる 変 換 3 書 き 下 し 文 への 変 換 5 書 き 下 し 文 ボタンを 押 す ( 図 10) 万 一 フリーズした 場 合 は Ctrl+Shift+Del でタスクを 消 去 図 9 白 文 の 表 示 6 その 状 態 で MS-Word ボタンを 押 せば 書 き 下 し 文 が 表 示 される ( 図 11) 7 また 下 の <ruby> ボタンを 押 すと HTML のルビ タグが 付 加 される ( 次 項 ) 変 換 結 果 を 下 の Clip ボタンでクリップ 図 10 書 き 下 し 文 への 変 換 ボードに 送 ることができ Word やエディタ に 貼 り 付 けることができる 変 換 4 HTML への 変 換 8 データ 操 作 画 面 にある HTML の 文 字 をクリックするとボタンの 種 類 が 入 れ 替 わる ( 図 12) 9 この 状 態 で TAG(IE) を 押 す ( 難 字 を 表 示 するため)ワードパッドが 起 動 し HTML ファイルのタグ 付 けを 施 したテキストが 生 成 される ワ ードパッドのままではワードと 同 じくリッチテキストになってしまう ので ( 難 字 は 文 字 実 体 参 照 にするなど 処 理 した 上 で).htm 等 の 名 を 付 け ファイル 形 式 では テキストドキュメント を 選 んで 保 存 する 図 11 Word に 転 記 図 12 HTML 関 連 のボタン 類

これを InternetExplorer で 開 くと 縦 書 き 表 示 の HTML ドキュメントとなる ( 縦 書 きは 今 なお IE でしかできない )( 図 13) 変 換 5 TeX への 変 換 10 データ 操 作 画 面 にある LaTeX の 文 字 をクリックするとボタンの 種 類 が 入 れ 替 わ る ( 図 12) TeX への 変 換 には 予 め TeX の 環 境 を 作 っておく 必 要 がある 11 この 状 態 で LaTeX- 漢 文 ボタンを 押 す 入 力 文 が sfkanbun.sty マクロの 指 定 形 式 に 変 換 される そのまま(TeX 本 体 と EasyTeX エディタが 正 しくインストール されていた 場 合 ) EasyTeX ボタンを 押 せば EasyTeX が 立 ち 上 がる ( 図 15) 12 EasyTeX 画 面 で コンパイル する (この 時 sfkanbun.sty が 漢 文 エディタ の 保 存 先 テキストボックスで 指 定 した 箇 所 に 入 っていなければならない 場 所 が 異 なるとコンパイ ル エラーが 起 こる )ファイル 保 存 画 面 が 現 れるので.dvi という 形 で DVI フ ァイル( 表 示 用 ファイル)を 保 存 する 図 13 13 続 けてエディタ 画 面 か ら DVI メニューを 実 行 すると dvi ファイルが 実 行 され sfkanbun.sty で 整 形 された TeX 形 式 の 表 示 が 出 来 上 が る ( 図 16) 図 14 LaTeX のマクロパッケージ sfkanbun.sty 用 書 式 に 変 換 TeX についての 知 識 と 関 心 を 私 はあまり 持 ち 合 わせてい ない 一 応 Word よりはやや 見 栄 えのする 表 示 ができると いうに 過 ぎない 図 16 DVI への 出 力 結 果 図 15 EasyTeX に 出 力 して DVI ファイルにコンパイル

以 上 駆 け 足 で 入 力 から 各 種 表 示 形 式 への 変 換 までの 作 業 手 順 を 示 した その 他 Notepad 等 にテキ ストファイルとして 書 き 出 すことや データの 結 合 並 べ 替 え 検 索 抽 出 等 も 可 能 である HTML は 横 書 きが 今 なお 基 本 であるが これでは 訓 読 漢 文 の 視 認 性 が 極 端 に 劣 ってしまう InternetExplorer は Ver.10 から HTML5 に 対 応 したため これまでの 多 彩 な 表 示 を 維 持 するためのタグ 付 けの 仕 様 がすっか り 変 わってしまった それでも 縦 書 き 表 示 はこのブラウザに 依 存 するしかない なお 現 在 は 思 い つきに 止 まるが 青 空 文 庫 形 式 に 変 換 することで このタグ 付 けに 対 応 した AIR 草 紙 (シェアウェア だが 優 秀 なツールである )や T-Time などのビューア(viewer)を 活 用 でき 電 子 読 書 が 可 能 になる その 他 補 助 ツールを 通 しての EPUB 形 式 への 変 換 など これらの 意 味 は 今 日 大 きいかもしれない 授 業 や 定 期 考 査 補 助 プリント 等 に 活 用 する 場 合 には MS-Word への 書 き 出 し 機 能 が 役 に 立 つはずで ある インターネット(ウェブ)での 公 開 には HTML への 変 換 を データの 蓄 積 と 交 換 には MS-Excel ファイルそのもの または 漢 文 エディタ 独 自 形 式 のテキスト 書 き 出 しが 使 えるだろう ただし 環 境 依 存 文 字 や Shift-JIS で 対 応 できない 文 字 を 含 むデータの 蓄 積 交 換 にはユニコード 16 進 文 字 実 体 参 照 への 変 換 を 行 い 数 値 記 号 とアルファベットの 組 み 合 わせにより 代 替 する そうしてできたテキ ストファイルをブラウザで 表 示 したり ユニコード 表 示 対 応 のワード プロセッサかエディタ 等 でデコ ードして 表 示 したりする 私 は 前 述 のエディタに 自 作 マクロ 注 5 を 組 み 込 み 変 換 している 表 示 フォ ントも MS 明 朝 等 だと 文 字 化 け する 場 合 があるので New Gulim 等 の 韓 国 フォント( 表 示 に 対 応 する 文 字 種 が 多 い )か MinLiU Simsun Simhei FangSong 等 の 中 国 フォントを 当 該 文 字 に 指 定 することでブラウザ 等 での 表 示 が 可 能 になる (これらはほとんどが Windows 標 凖 のフォントである Word や 一 太 郎 を 使 う 場 合 には このように 一 々 変 換 する 必 要 はなく 表 示 の 問 題 は 生 じないだろう また Word から HTML に 書 き 出 す 場 合 にも HTML 形 式 で 保 存 すると 自 動 で JIS10 進 文 字 実 体 参 照 に 変 換 されて 表 示 されるようだ なお 鷗 外 啄 木 等 の 旧 字 体 表 示 に 使 える 癸 羊 明 朝 という 便 利 なフォントもある ) 例 李 徴 と 袁 傪 李 徴 と 袁 <span style="font-family: New Gulim;">傪</span> 以 上 の 各 種 変 換 は 書 き 下 し 文 への 変 換 以 外 は ほとんど 誤 変 換 が 無 いはずである なぜなら 機 械 的 にタグを 付 加 削 除 するだけの 機 能 だからだ しかし 書 き 下 し 文 への 変 換 は なかなか 容 易 に 問 屋 が 卸 さない 特 に 再 読 文 字 の 変 換 には 何 年 もてこずっている 有 様 だ また 置 き 字 の 処 理 なども 中 国 語 と 日 本 語 の 言 語 の 仕 組 みが 大 きく 異 なる 点 である 例 えばいわゆる 於 于 乎 等 の 前 置 詞 を 単 に 削 除 する 処 理 だけでは 於 戯 (ああ) 于 定 国 炳 乎 等 の 語 句 はどうするかという 問 題 が 出 て 来 る 接 続 詞 而 なども 同 様 だ 文 章 解 析 構 文 解 析 等 の 高 度 な 技 術 でもなければ 満 足 のいく 結 果 は 望 めないに 違 いない 機 械 的 なパターンだけでは 生 きた 言 語 は 容 易 に 掌 握 しきれない にもかかわらず これが 漢 文 訓 読 の 最 終 段 階 であることも 確 かである 所 詮 完 璧 は 期 しがたいので むしろコンピュータのツー ルは 人 間 が 修 正 する 手 間 をなるべく 抑 制 する 補 助 手 段 であればよいと 割 り 切 って 使 うことが コンピュ ータに 振 り 回 されないための 健 康 法 ともなるだろう それでも 最 近 はわりあい 練 れてきて 誤 変 換 やフ リーズ 現 象 も 比 較 的 少 くなってきたので この 機 会 に 紹 介 してみようと 思 ったわけである 雑 然 とした コードだが 正 規 表 現 (Microsoft VBScript Regular Expressions 5.5)を 使 っているので 200 字 や 400 字 程 度 の 文 章 なら 瞬 時 に 変 換 する その 代 わり 返 り 点 の 付 け 間 違 いをすると このパワフルなスクリプ トによってまず 間 違 いなく Excel は 暴 走 して 画 面 が 真 っ 白 になってしまう ( 万 一 そうなってしまった 場 合 には Ctrl+Shift+Del キーでタスクマネージャを 起 動 し メモリに 残 存 している Excel を 強 制 終 了 させる その 場 合 を 想 定 して データをバックアップする 仕 様 にはしてあるが 保 存 していないデータは 救 出 できない 場 合 がある ) 最 近 では 代 表 的 なミスの 可 能 性 については 書 き 下 し 文 にする 前 にチェックするように 作 ってある この 書 き 下 し 文 変 換 機 能 も データの 蓄 積 と 再 利 用 と 合 わせて 漢 文 エディタ の 重 要 な 特 長 である 先 蹤 は 皆 無 と 思 っていたので 変 換 の 仕 組 みを 一 から 作 った 変 換 精 度 もまずまずだが

出 来 上 がった 日 本 文 は 置 き 字 や 終 尾 詞 等 の 助 字 類 をいたずらに 削 除 して 誤 読 の 原 因 とならぬよう 相 当 数 をそのまま 残 している 置 き 字 は 彼 我 の 言 語 仕 様 の 違 いを 表 し 終 尾 詞 を 訓 読 する 可 否 の 判 断 は 個 人 差 が 大 きい その 他 古 典 原 文 のカタカナ 類 は 読 み 仮 名 送 り 仮 名 であるよりは 添 え 仮 名 であるのが 実 態 であろうから これを 送 り 仮 名 としてみると 出 来 上 がったものが 日 本 文 としては 極 端 に 仮 名 文 字 が 少 い あるいは 送 り 仮 名 がおかしいということになる どうしても 多 少 怪 しげな 日 本 文 とならざるを 得 ないが とにかく 読 めることの 便 益 は 大 きい ( 副 詞 では 最 後 の 一 字 を 送 るのが 原 則 と いうのも 添 え 仮 名 ゆえだろう 他 にも 者 が ハ であり モノ の 場 合 者 ノ と 書 くとか 中 は ウチ と 読 み 中 カ を ナカ と 読 ませるなど 名 詞 でも 同 様 のことがある 活 用 語 においても 誤 読 を 防 ぐために 最 小 限 添 え た 添 え 仮 名 なのである 戦 後 定 められた 送 り 仮 名 の 基 準 通 りに 活 用 語 尾 を 送 ってあるわけではない 教 科 書 本 文 だけを 対 象 にするのでなく 多 少 なりとも 汎 用 性 を 考 えるなら 想 定 どおりの 書 き 下 し 文 が 出 力 できなくてもしかたが ない 古 典 の 原 文 に 従 う 必 要 がない 場 合 には 自 分 で 考 えた 基 準 通 りに 読 み 仮 名 送 り 仮 名 を 入 力 すればよい ) 書 き 下 し 文 変 換 その 他 の 変 換 の 実 例 は 現 に 古 典 テキストの 入 力 文 を 作 成 中 なので 前 記 古 い 訓 読 文 の 用 例 なのだが そちらで 出 来 栄 えを 参 照 してほしい 注 6 漢 文 エディタ はマークアップ 方 法 が 独 特 である ありふれた 記 号 類 では 各 種 変 換 に 際 してエラー につながるので なるべく 通 常 は 使 わない 記 号 を 採 用 したからである ただし 一 二 点 では() 上 中 下 点 では{} 甲 乙 丙 点 では[ ]を 使 った それぞれの 返 り 点 の 特 徴 が 数 学 記 号 とも 照 応 して ちょっと 見 にも 符 号 化 変 換 のイメージが 把 握 しやすくなっていないだろうか レ 点 は^を 使 い 最 小 スペースで 片 付 けている もとよりマークアップ 一 つでも 好 み というものは 分 かれるので この 方 式 が 普 及 す るとはさすがに 想 定 していない それでも 曲 がりなりに 書 き 下 し 文 変 換 を 含 め 統 合 的 な 古 典 漢 文 のマークアップ の 試 作 品 として 自 ら 位 置 づけ ここに 紹 介 するのである なお TAIMUS ではセキュリティ チェックによるせいか Excel マクロ 自 体 がそのままでは 働 かな い 動 いた 場 合 でも 2003 以 前 の xls 形 式 に 戻 して 保 存 し VB エディタを 起 動 してから 実 行 するなど 実 用 どころでなく 起 動 にすら 四 苦 八 苦 する 有 様 である 自 宅 か 他 の 環 境 で 使 っていただくしかなさそうだ 一 方 文 字 コードの 規 格 は 日 進 月 歩 である Windows8 では Unicode IVS という 異 体 字 取 り 扱 いの 符 号 化 規 格 が 採 用 された 漢 文 エディタ のいくつかの 機 能 はどこでまたすぐに 古 びてしまうか 分 からない Excel に 依 存 する 寄 生 木 状 態 なのだが 漢 文 の 電 子 化 にはこれでも 頼 もしいツールである (2014.2) 注 記 ( 敬 称 略 ) (1) 漢 文 の 場 合 は 送 仮 名 ではなく 漢 文 を 読 むために 必 要 な 仮 名 を 添 えたものであって 語 幹 に 対 して 語 尾 を 送 る 送 り 仮 名 とは 違 うものである 例 えば ミ 自 ラ は みずから オ 自 ラ は おのずから を 示 すために 添 えた 仮 名 である そのほか 最 後 の 一 音 を 添 えると 便 利 な 故 (も)と 唯 (た)だ 猶 (な)ほ などのト ダ ホも 送 り 仮 名 では ないのだから 添 仮 名 というのが 非 常 によい 称 呼 であるが ( 以 下 略 ) ( 原 田 種 成 漢 文 のすゝめ 諸 橋 大 漢 和 編 纂 秘 話 ( 新 潮 選 書 新 潮 社 1992.9.15)pp.112-113 (2) 藤 田 眞 作 漢 文 の 訓 点 文 の 組 版 にマクロ パッケージ(sfkanbun.sty)が 公 開 されている (http://homepage3.nifty.com/xymtex/fujitas/kanbun/kanbunex.html) (3) 奥 村 宏 TeX Wiki-EasyTeX (http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/texwiki/?easytex) (4) http://www2s.biglobe.ne.jp/~taiju/index.html (5) unicode_entity_reference.vbs(エンコード 用 ), unicode_entity_reference_d.vbs(デコード 用 ) 等 (http://www2s.biglobe.ne.jp/~taiju/leaf/tjsoft49_unicode_entity_reference.htm)なお MS-Word には Word VBA (.bas)を 組 み 込 む Word 画 面 で Alt+F11 キーを 押 すと VB エディタ(Microsoft Visual Basic エディタ)が 立 ち 上 がるので ファイル - インポート で bas ファイルを 指 定 して 読 み 込 むと Word から ツール - マク ロ で 呼 び 出 して 使 えるようになる (6) 世 説 新 語 (http://www2s.biglobe.ne.jp/~taiju/5c_sesetsu_shingo_01.htm) 聖 徳 太 子 伝 暦 (http://www2s.biglobe.ne.jp/~taiju/10c_shoutokutaishi_denryaku_1.htm) 等 を 参 照 それぞれまだ 入 力 途 中 のも のだが 各 種 変 換 の 出 来 上 がりのイメージを 摑 むことができる

補 足 (1) テキスト 形 式 MS-Word 形 式 HTML 形 式 その 他 への 自 動 変 換 と 合 わせて 書 き 下 し 文 への 変 換 を 試 みたこの 作 品 では 変 換 方 法 を 一 から 工 夫 してきた この 機 会 に 類 似 の 試 みを Web で 探 してみると 漢 文 作 成 マクロ(1) 白 文 訓 読 漢 文 書 き 下 し 文 作 成 スクリプト(2)を 試 みているサイトがあった 1は Word での 表 示 に 特 化 しているが フォントの 大 きさや 文 字 間 隔 まで 調 整 できる 2はブラウザでの 表 示 を 前 提 にしているようである データの 蓄 積 に 関 しては 青 空 文 庫 のタグ 付 けを 前 提 にしているが 入 力 用 のツールはまだ 無 いようだ (また 漢 字 データベースプロジェクト の 更 新 それ 自 体 が 2010 年 で 止 まっている )なお このプロジェクトでは 花 園 フォント (9 万 字 )を 配 布 している 収 録 文 字 数 からいえば IPA フォントを 超 えるようである 1 大 島 裕 明 漢 文 便 利 だなー (http://www.dl.kuis.kyoto-u.ac.jp/~ohshima/wiki/index.php?frontpage) 2 漢 字 データベースプロジェクト( 上 地 宏 一 ( 大 東 文 化 大 学 ) 作 成 か ) 漢 文 訓 読 JavaScript (http://kanji-database.sourceforge.net/software/kanbun.html) なお 1の フォントの 大 きさ 指 定 に 着 想 を 得 て Word に 出 力 するフォントの 種 類 大 きさ 色 を 指 定 するフ ォームをこの 機 会 に 作 った Excel から Word に 値 を 渡 す 方 法 も 調 べ より 連 携 マクロらしくなった ( 図 18) (2) 独 自 のマークアップ 付 加 は 誰 しも 抵 抗 感 があるかと 思 う また 難 解 な 文 字 は 文 字 実 体 参 照 を 使 う 以 外 に 単 語 登 録 しておき 訂 正 保 存 ボタンを 使 って 再 登 録 する 方 法 もなぜか 使 える 便 利 な 漢 文 エディタ だが 漢 文 を 作 成 するのに どうして 一 々Excel を 起 動 しなければならないか と 面 倒 に 思 える 時 もあった その 時 作 成 したのが Word VBA による 簡 易 漢 文 エディタ (http://www2s.biglobe.ne.jp/~taiju/leaf/tjsoft93_easy_kanbun_editor.htm) である これは 直 感 的 なタグ 付 けにしたので 入 力 に 際 して 感 じる 抵 抗 感 はあまり 無 いはずである ( 注 記 の 制 約 等 はある )Word の 入 力 フォームなので 結 果 は Word に 直 接 書 き 出 す それを 後 で 漢 文 エディタ の 別 のタブに 組 み 込 み 独 自 マークアップに 自 動 変 換 することで 細 部 は 不 十 分 なままに 一 応 統 合 した ( 図 19)もう 一 歩 進 ん で 初 めから 抵 抗 感 の 少 いやり 方 で 進 めそうなものだが まだそういう 工 夫 はしていない 現 在 は 古 典 漢 文 テキ ストの 他 高 校 生 向 けの 漢 文 提 要 の 類 の 各 種 例 文 を 入 力 し 書 き 下 し 文 への 変 換 精 度 を 調 整 している 図 17 再 読 文 字 は 直 感 的 に 入 力 できる 図 18 Word への 出 力 文 字 の 体 裁 を 指 定 図 19 マークアップを 見 やすくした 簡 易 入 力 フォーム (Word ベースの 簡 易 漢 文 エディタ を 組 み 込 んだもの )