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Transcription:

第 3 回 コウノトリ 市 民 研 究 所 企 画 展 冬 の 猛 禽 類 会 期 2013 年 1 月 20 日 ( 日 )~2 月 16 日 ( 土 ) 写 真 文 NPO 法 人 コウノトリ 市 民 研 究 所 高 橋 信

コウノトリ 市 民 研 究 所 企 画 展 コウノトリが 暮 らす 豊 岡 盆 地 とその 周 辺 の 生 物 多 様 性 第 3 回 展 示 テーマ 冬 の 猛 禽 類 写 真 文 NPO 法 人 コウノトリ 市 民 研 究 所 主 任 研 究 員 高 橋 信 自 然 界 の 中 で 鳥 は 食 物 連 鎖 の 上 位 にランクされる 生 きものです 小 鳥 は 木 の 実 や 虫 を 食 べ カモは 水 中 のプランクトンや 植 物 を 食 べます 猛 禽 類 (もうきんるい)と 呼 ばれる 鳥 のグループは ほかの 鳥 を 襲 って 食 べます また 野 ネズミや 魚 を 専 門 に 食 べるものも います 猛 禽 類 は 獲 物 を 捕 まえるための 鋭 い 鉤 爪 (かぎづめ)を 持 っています また 肉 を 引 き 裂 くための 強 力 で 尖 ったくちばしを 持 っています フォークの 爪 と ナイフのくちばし これが 猛 禽 類 に 備 わっている 体 の 特 徴 です 猛 禽 類 は 大 きく2つのグループで 構 成 されます ひとつがタカの 仲 間 もうひとつがフ クロウの 仲 間 です 多 くの 猛 禽 類 は 高 い 山 や 北 の 地 方 の 住 人 で 餌 がとれなくなる 冬 の 間 だけ 移 動 してきます 豊 岡 盆 地 の 円 山 川 流 域 は 冬 鳥 としての 猛 禽 類 が 集 まる 場 所 です 彼 らの 餌 となる 小 鳥 や 野 ネズミがたくさんいるからです 猛 禽 類 は 精 悍 な 顔 つきと 美 しい 羽 根 模 様 を 持 った 魅 力 的 な 野 鳥 です 今 回 の 企 画 展 では 冬 の 豊 岡 盆 地 で 観 察 できる 猛 禽 類 16 種 を 紹 介 します 1.トビ(タカ 目 タカ 科 Milvus migrans) 2.ノスリ(タカ 目 タカ 科 Buteo japonicus) 3.ケアシノスリ(タカ 目 タカ 科 Buteo lagopus) 4.オオタカ(タカ 目 タカ 科 Accipiter gentilis) 5.ハイタカ(タカ 目 タカ 科 Accipiter nisus) 6.クマタカ(タカ 目 タカ 科 Spizaetus nipalensis) 7.オジロワシ(タカ 目 タカ 科 Haliaeetus albicilla) 8.ミサゴ(タカ 目 ミサゴ 科 Pandion haliaetus) 9.チュウヒ(タカ 目 タカ 科 Circus spilonotus Kaup) 10.ハイイロチュウヒ(タカ 目 タカ 科 Circus cyaneus) 11.ハヤブサ(ハヤブサ 目 ハヤブサ 科 Falco peregrinus) 12.チョウゲンボウ(ハヤブサ 目 ハヤブサ 科 Falco tinnunculus) 13.コチョウゲンボウ(ハヤブサ 目 ハヤブサ 科 Falco columbarius) 14.フクロウ(フクロウ 目 フクロウ 科 Strix uralensis) 15.コミミズク(フクロウ 目 フクロウ 科 Asio flammeus) 16.トラフズク(フクロウ 目 フクロウ 科 Asio otus)

1.トビ(タカ 目 タカ 科 Milvus migrans) 猛 禽 類 の 中 で 最 も 身 近 な 野 鳥 がトビです トビは 自 然 界 の 掃 除 屋 として 重 要 な 役 割 を 果 たしています 道 や 野 原 で 死 んだ 動 物 を 見 ることが 少 ないのは 彼 らがその 死 体 を 餌 とし て 食 べているからです トビは1 年 中 見 ることのできる 猛 禽 類 です 写 真 はオオタカ( 右 ) の 狩 ったキジの 残 渣 を 横 取 りするトビ( 左 )

2.ノスリ(タカ 目 タカ 科 Buteo japonicus) 兵 庫 県 レッドデータCランク ノスリは 秋 の 終 盤 になると 豊 岡 盆 地 にやってきます 遠 目 にはトビに 似 ますが トビよ り 一 回 り 小 さく 前 から 見 ると 白 っぽいのがトビとの 違 いです この 写 真 のノスリは 目 の 色 が 白 っぽい 幼 鳥 です 飛 ぶとさらに 白 い 色 が 目 立 つので すぐにカラスが 寄 ってきて 威 嚇 します こちらは 成 鳥 のノスリです 目 が 茶 色 くなり 全 体 的 に 羽 根 の 色 も 黒 っぽくなっていま す ノスリの 主 食 は 野 ネズミです 電 柱 や 杭 の 上 で 待 ち 伏 せして 捕 まえます このときに はミサゴが 獲 ったコイを 横 取 りして 食 べました 冬 の 間 ノスリはトビに 次 いで 観 察 しや すい 猛 禽 類 です

3.ケアシノスリ(タカ 目 タカ 科 Buteo lagopus) 何 年 かおきに 飛 来 するケアシノスリは 野 鳥 ファンあこがれの 野 鳥 のひとつです ノス リの 仲 間 ですが 名 前 の 通 り 短 い 毛 に 足 が 覆 われています 飛 来 する 殆 どが 幼 鳥 または 若 鳥 です 河 原 の 上 をホバリングしながら 地 上 の 野 ネズミを 探 し 見 つけると 急 降 下 して 一 瞬 のうちにわしづかみにします これまで 何 度 かの 観 察 チャンスがあったケアシノスリですが この 個 体 だけは 明 らかに 違 った 雰 囲 気 を 持 っていました 若 いケアシノスリの 羽 根 色 はアイボリーに 近 い 白 ですが この 個 体 は 真 っ 白 でした 顔 の 周 りも 黒 っぽく 凄 味 のあるケアシノスリの 成 鳥 でした

4.オオタカ(タカ 目 タカ 科 Accipiter gentilis) 環 境 省 準 絶 滅 危 惧 兵 庫 県 レッドデータBランク 六 方 田 んぼ 周 辺 の 里 山 にはオオタカが 住 んでいます 冬 になると 餌 を 求 めて 田 んぼや 河 原 などに 姿 を 現 します オオタカは 狩 の 名 手 で 古 来 より 鷹 狩 の 道 具 として 大 切 にされて きました 水 辺 のカモや 自 分 よりはるかに 大 きなサギやキジなども 襲 って 食 べます 成 鳥 は 白 黒 の 羽 根 模 様 ですが 幼 鳥 は 全 体 的 に 茶 色 っぽい 色 です

5.ハイタカ(タカ 目 タカ 科 Accipiter nisus) 環 境 省 準 絶 滅 危 惧 兵 庫 県 レッドデータBランク オオタカより 小 さいタカで 主 に 小 鳥 を 襲 って 食 べます 成 鳥 オスは 白 黒 のはっきりし た 羽 根 模 様 ですが メスは 写 真 のように 茶 色 っぽい 姿 をしています 鋭 い 目 は 遠 くまでよ く 見 えていて 獲 物 を 見 つけると 猛 スピードで 追 いかけて 捕 まえます

6.クマタカ(タカ 目 タカ 科 Spizaetus nipalensis) 環 境 省 絶 滅 危 惧 1B 類 兵 庫 県 レッドデータAランク 奥 山 で 少 数 が 暮 らすクマタカは イヌワシに 次 いで 希 少 な 大 型 猛 禽 類 です 普 段 は 山 で 小 型 哺 乳 類 や 鳥 類 などを 餌 にしていますが 雪 で 餌 が 獲 れなくなると 平 地 に 下 りてくるこ とがあります カモが 多 く 集 まる 水 辺 の 山 腹 で 木 に 止 って 待 ち 伏 せ 猟 をします 写 真 は 6 月 の 山 中 で 撮 影 したもの

7.オジロワシ(タカ 目 タカ 科 Haliaeetus albicilla) 国 の 天 然 記 念 物 環 境 省 絶 滅 危 惧 1B 類 2012 年 1 月 とても 珍 しいタカが 現 れました トビよりはるかに 大 きいのですが 高 い 木 のてっぺんにじっと 止 っていると トビと 見 間 違 えるほどでした 翼 を 広 げるとコ ウノトリと 同 じ2mほどもあり 飛 翔 姿 にその 大 きさを 感 じます 出 石 川 では 水 中 に 沈 ん でいたサケの 死 骸 を 引 き 上 げて 食 べました この 幼 鳥 は 円 山 川 での 越 冬 が 確 認 されました

8.ミサゴ(タカ 目 ミサゴ 科 Pandion haliaetus) 環 境 省 準 絶 滅 危 惧 兵 庫 県 レッドデータAランク ミサゴは 数 は 多 くないですが トビと 同 じく 豊 岡 盆 地 で 一 年 中 観 察 できるタカです 餌 は 魚 専 門 で 水 面 の 上 空 でホバリングしながら 魚 を 探 します 獲 物 を 捕 捉 すると 頭 から 真 っ 逆 さまに 落 下 し 水 面 すれすれで 翻 って 足 から 突 っ 込 んで 魚 を 捕 まえます ミサゴの 英 名 は Ospray(オスプレイ)です 米 軍 の 輸 送 機 の 名 に 使 われて 一 躍 有 名 になりました

9.チュウヒ(タカ 目 タカ 科 Circus spilonotus Kaup) 環 境 省 絶 滅 危 惧 1B 類 兵 庫 県 レッドデータAランク 稀 に 飛 来 するタカで 当 地 へは 越 冬 飛 来 というより 渡 りの 途 中 に 立 ち 寄 る 程 度 です 農 地 に 着 地 している 姿 はトビにそっくりです 飛 び 立 つと 足 の 色 尾 羽 の 形 状 翼 の 模 様 などでトビとの 違 いが 分 かります 顔 はフクロウに 似 た 形 をしており 空 中 から 地 上 の 獲 物 の 小 さな 声 を 聞 き 分 けます

10.ハイイロチュウヒ(タカ 目 タカ 科 Circus cyaneus) ハイイロチュウヒのメスはチュウヒによく 似 ますが 腰 に 太 く 白 い 帯 が 明 瞭 に 出 るのが 大 きな 特 徴 です 低 空 をV 字 飛 翔 しながら 獲 物 を 探 し 垂 直 に 落 下 して 小 鳥 などを 捕 まえ ます 助 走 なしに 垂 直 に 飛 び 立 つのも チュウヒの 仲 間 の 特 徴 です ハイイロチュウヒのメスは 比 較 的 よく 観 察 されますが 名 前 の 由 来 でもある 灰 色 のオス の 飛 来 は 稀 です モノトーンの 羽 根 模 様 はシックで 美 しく 猛 禽 らしい 金 色 の 目 が 際 立 っ て 見 えます 河 川 敷 や 田 んぼの 上 をフワフワゆっくり 飛 んでいたのが 突 然 視 界 から 消 え たかと 思 うと また 突 然 地 上 から 舞 い 上 がるという 行 動 を 繰 返 します

11.ハヤブサ(ハヤブサ 目 ハヤブサ 科 Falco peregrinus) 環 境 省 絶 滅 危 惧 2 類 兵 庫 県 レッドデータBランク このあたりのハヤブサは 日 本 海 に 面 した 断 崖 が 住 みかです 厳 しい 冬 の 間 彼 らは 内 陸 に 入 って 餌 を 求 めます ハヤブサの 獲 物 は 小 鳥 や 中 型 の 鳥 です ハヤブサに 目 をつけられ 空 中 に 飛 び 上 がったところをハヤブサの 強 烈 なキックを 受 けて 蹴 落 とされます 捕 まえた 獲 物 は 電 柱 の 上 などの 安 定 した 場 所 まで 運 び 羽 根 をむしって 裸 にしてから 食 べます このときの 餌 はツグミでしたが 大 雪 で 餌 に 困 っていた 様 子 で 観 察 者 が 近 くに 寄 っても 逃 げることなく 無 心 に 食 べ 続 けました

12.チョウゲンボウ(ハヤブサ 目 ハヤブサ 科 Falco tinnunculus) ハヤブサの 仲 間 で 比 較 的 よく 観 察 できる 種 です ハトくらいの 大 きさ この 写 真 は 成 鳥 オスですが コントラストの 強 い 美 しい 羽 根 色 をしています 越 冬 飛 来 するチョウゲン ボウの 中 でも 成 鳥 オスは 出 会 う 確 率 が 低 いです 冬 は 小 鳥 やネズミを 捕 まえます よく 見 かけるのがこちらのメスタイプです わざと タイプ と 表 現 するのは オスの 幼 鳥 はメスとの 区 別 が 難 しいからです 詳 しく 見 ないとどちらか 分 からないときはメスタ イプとしておきます この 時 は 畦 の 杭 の 上 で 狩 ったムクドリを 食 べていました

13.コチョウゲンボウ(ハヤブサ 目 ハヤブサ 科 Falco columbarius) 小 型 のチョウゲンボウでコチョウゲンボウの 名 があります チョウゲンボウに 比 べ 飛 来 数 が 少 なく さらに 成 鳥 オスは 稀 です チョウゲンボウが 杭 や 木 の 上 で 待 ち 伏 せするのに 対 し コチョウゲンボウは 田 んぼの 中 に 下 りて 餌 を 狙 う 傾 向 があります こちらは 地 味 なメスタイプです メスタイプはチョウゲンボウとの 識 別 に 迷 うことがあ ります 餌 待 ちをしている 場 所 顔 つき 胸 の 羽 根 模 様 の 違 いなどから 判 断 します 第 一 印 象 として チョウゲンボウの 方 がスリムでシャープな 感 じがします

14.フクロウ(フクロウ 目 フクロウ 科 Strix uralensis) タカは 昼 のハンターですが 同 じフィールドの 夜 のハンターがフクロウの 仲 間 です フ クロウは 森 の 中 にいるイメージがありますが 私 たちのごく 身 近 に 住 んでいます 雪 で 餌 に 困 ったときなど 日 中 の 河 原 でもフクロウの 姿 を 見 かけることがあります 昼 間 はじっ と 動 かずに 眠 っています

15.コミミズク(フクロウ 目 フクロウ 科 Asio flammeus) 兵 庫 県 レッドデータCランク コミミズクは 冬 になるとやってくる 小 型 のフクロウです 夜 行 性 ですが 天 気 の 悪 い 日 中 や 夕 暮 れに 活 動 するのを 観 察 できます 木 や 杭 に 止 って 地 上 の 野 ネズミを 待 ち 伏 せしま す 雪 の 下 に 隠 れた 野 ネズミも 音 だけで 探 し 当 て 雪 の 中 に 足 から 突 っ 込 んで 獲 物 を 捕 ら えます コミミズクの 飛 翔 姿 は まるで 丸 太 に 翼 が 生 えたようです ゆっくりしたストロークで 優 雅 に 飛 びます 下 から 見 ると 白 い 姿 がよく 目 立 ち 獲 物 のネズミを 抱 えている 場 合 は 横 取 りを 狙 ってトビやカラスに 激 しく 絡 まれ せっかくの 獲 物 を 盗 られてしまうことが 多 いです

16.トラフズク(フクロウ 目 フクロウ 科 Asio otus) 兵 庫 県 レッドデータCランク コミミズクと 同 じく 冬 になるとやってくるトラフズク コミミズクと 同 じフィールド で 野 ネズミを 餌 にします コミミズクより 一 回 り 大 きく 耳 に 見 える 飾 り 羽 根 が 長 いのが 特 徴 またコミミズクの 目 が 黄 色 なのに 対 し トラフズクは 橙 色 です コミミズクに 比 べ て 飛 来 数 が 少 なく 当 地 で 雪 が 深 くなると 雪 のない 地 方 へと 移 動 してゆきます トラフズクは 数 羽 の 群 れで 越 冬 飛 来 する 傾 向 にあります 日 中 の 活 動 を 行 うことはほと んどなく 重 なった 枝 の 中 で 上 手 に 身 を 隠 して 夜 が 来 るまでじっとしています 飛 翔 姿 は コミミズクとよく 似 ていますが コミミズクほど 下 面 の 白 色 が 目 立 ちません