経 済 為 替 ニュース SUMITOMO MITSUI TRUST BANK, LIMITED FX NEWS 第 2293 号 2016 年 01 月 25 日 ( 月 曜 日 ) the power, the willingness, the determination 先 週 の 金 曜 日 一 日 だけで VIX 指 数 (volatility S&P500)は4.35 16.3% も 低 下 して22.34となりました 一 時 30 前 後 に 上 がっていたことを 考 えれば 市 場 沈 静 化 は 顕 著 しかしこのまま 市 場 が 安 定 を 取 り 戻 すことはなく 今 までの 大 きな 相 場 要 因 である 中 国 経 済 と 原 油 市 場 動 向 を 注 意 深 く 見 る 展 開 となろう 今 週 は 特 に 日 米 で 金 融 政 策 結 締 会 合 が 開 かれ その 声 明 内 容 措 置 に 関 心 が 集 まる VIX 指 数 の 大 幅 反 落 の 原 因 を 作 ったのは ECB のドラギ 総 裁 日 本 時 間 の 木 曜 日 夜 に 終 わった 理 事 会 後 の 記 者 会 見 で 3 月 に 開 く 理 事 会 で 政 策 を 再 評 価 する と 述 べ た これをマーケットは ECB の 再 緩 和 と 受 け 取 った この 発 言 で 欧 州 の 株 価 が 上 げに 転 じた 段 階 で 筆 者 は また 中 銀 頼 みか とデジャブな 気 持 ちになったが マーケ ット 的 にはそれが 先 週 末 のニューヨークまで 株 価 を 押 し 上 げ 外 国 為 替 市 場 の 円 高 圧 力 を 緩 和 する 大 きな 力 となった 今 朝 のオセアニア 市 場 の 円 相 場 は1ドル=11 8 円 80 銭 台 と119 円 が 近 い 既 視 感 はあるものの ドラギ 発 言 は 決 意 を 感 じるものだった FT によれば 彼 は The ECB has the power, the willingness, the determination to act, and the fact that there are no limits to our action to bring inflation up to its target of just below 2 per cent と 発 言 2% 近 傍 のインフレ 率 は 何 としても 達 成 するとの 決 意 だ そして その 政 策 手 段 には 限 界 はない とし ECB は 政 策 を 実 現 する 力 意 欲 そして 決 意 ( 彼 の 表 現 では the power, the willingness, the determination to act)を 持 っていると 語 った その 上 での 現 在 の 政 策 の 効 果 があるかどうかを 早 ければ3 月 に 再 評 価 する との 発 言 普 通 に 読 めば 3 月 に 再 緩 和 と 読 める 彼 の 発 言 は 信 頼 性 が 高 い マーケットの 解 釈 は 間 違 っていない 加 えて 金 曜 日 に 出 た 日 経 記 事 が 日 銀 に 追 加 緩 和 論 世 界 の 中 央 銀 行 は 目 指 す 物 価 上 昇 率 を 達 成 できていない という 共 通 課 題 に 直 面 している 実 は 利 上 げで 先 行 した FRB も 実 現 は 未 だしだが 出 来 る 見 通 しが 立 った として 利 上 げに 踏 み 切 って いる しかし 利 上 げがあった 昨 年 の12 月 に 比 べて 産 業 基 礎 資 材 としての 石 油 価 格 はまた 一 段 と 下 がっている 日 銀 も 同 じ 状 況 で 2016 年 の 物 価 見 通 しは 従 来 の1. 4%から 0% 台 後 半 から1% 程 度 に 引 き 下 げる 見 通 し
一 方 で 黒 田 日 銀 総 裁 は 先 週 ダボスで 物 価 2%のために 必 要 なら 躊 躇 なく 金 融 政 策 を 調 整 する と 述 べている こうした 前 後 関 係 を 考 えるなら 日 銀 が 今 週 木 曜 日 か ら 開 く 金 融 政 策 決 定 会 合 で 新 たな 緩 和 措 置 が 出 るとの 見 方 は 当 然 出 てくる この 観 測 もあって 金 曜 日 の 東 京 株 式 市 場 では 日 経 平 均 で940 円 以 上 も 値 上 がりした そ れを 受 けて 世 界 の 株 価 が 上 昇 これが VIX 指 数 の 低 下 に 繋 がった 期 待 は 盛 り 上 がっているが 日 銀 が 実 際 に 動 くのか 動 いても 効 果 はどの 程 度 ある のか それとも 実 際 にはあまり 効 果 は 無 いのかが 問 題 だ 黒 田 総 裁 の 就 任 以 来 のコミ ットメント 2%の 物 価 上 昇 の 達 成 から 見 ると 今 週 かどうかは 別 にして 日 銀 は 動 かざるを 得 ない 状 況 にある 目 標 を 立 てながら それが 実 現 しそうもない 状 況 が 生 まれているのを 見 過 ごせば それは 目 標 達 成 を 諦 めた に 等 しい しかしつい 先 週 のダボス 会 議 で 黒 田 さんは 躊 躇 なく 動 く( 調 整 する) と 述 べている これは 中 銀 の 信 頼 性 に 関 わる 問 題 だ 日 銀 の 目 標 から 見 れば 今 は 物 価 目 標 に 黄 信 号 ( 日 経 )であり アベノミクス 全 体 を 見 てもその 最 大 の 推 進 役 であった 甘 利 経 産 大 臣 に 政 治 とカネ の 深 刻 な 問 題 が 生 じている かつ 資 産 価 格 の 上 昇 を 経 由 する 消 費 需 要 の 盛 り 上 がり にも 黄 信 号 がともっている 状 況 では 今 動 けるのは 日 銀 しかない という 認 識 は 政 府 にも 日 銀 にもあると 思 われる 実 際 にマーケット 番 組 などでは このような 状 況 では 日 銀 が 何 かしないのはおかしい ( 何 もしなければ)まるで 目 標 達 成 を 諦 めたように 映 る との 市 場 関 係 者 の 発 言 がしばしば 聞 かれる 黒 田 総 裁 が 繰 り 返 し 発 言 している 必 要 な 時 には 躊 躇 逡 巡 なく という 言 葉 の 中 身 (コンテンツ)を 市 場 は 求 めているとも 言 える a limit of monetary policy? しかし 経 済 政 策 の 全 体 像 を 見 ると 今 は 片 肺 飛 行 の 印 象 を 拭 えない 各 国 が 財 政 政 策 を 繰 り 返 し 使 っていたものの 効 果 切 れをおこし その 過 程 で 各 国 の 財 政 赤 字 は 対 GDP 日 で 大 きく 膨 らみ これ 以 上 の 発 動 が 制 約 される 状 況 になっている まだ 発 動 できそうな 財 政 状 況 なのは 中 国 くらいだが その 中 国 は 今 のところ それはやらな い ( 李 克 強 首 相 )と 言 っている 金 融 政 策 の 効 果 そのものも 検 証 する 必 要 がある 黒 田 さんのバズーカ1とバズー カ2のどちらに 効 果 があったかというのは 俄 には 比 べられないが 徐 々に 金 融 政 策 の 限 界 も 見 えてきた 非 伝 統 的 な 金 融 政 策 をこれだけ 発 動 しても 成 長 率 は 高 まら ない 水 準 維 持 がやっとで 先 進 各 国 では 雇 用 の 問 題 には 明 るさが 出 てきているが 物 価 については 中 銀 の 目 標 には 遠 い もう 大 丈 夫 だろう と FRB のように 利 上 げすると 世 界 中 の 資 本 の 動 きの 乱 れが 惹 起 され 途 上 国 から 巨 額 の 資 本 が 流 れ 出 す 状 況 が 生 まれている やはり 長 く 続 いた 状 況 は それを 変 えるために 周 到 に 準 備 して も 実 際 にそれが 始 まるとマーケットの 動 きは 時 に 暴 力 的 になることが 今 回 証 明 さ
れた だとしたら ECB や 日 銀 の 出 口 戦 略 も 同 様 に 難 しいと 予 測 できる 筆 者 は 2%の 物 価 上 昇 を 目 標 にすること 事 態 を 問 うべき 時 代 に 入 っていると 思 うが 各 国 の 中 銀 総 裁 はそれは 言 わない となると 公 表 した 目 標 と 低 インフ レ の 間 には 深 い 溝 が 残 り 各 国 中 銀 は 深 いジレンマに 直 面 し 続 けることになる そ こは 黒 田 さんにも 悩 みの 種 になっていると 思 う 日 本 時 間 の 木 曜 日 午 前 4 時 に 出 る 今 年 初 めての FOMC 声 明 に 関 しては 今 の 市 場 環 境 をどう 解 説 するかが 注 目 だ 今 回 は 追 加 利 上 げはない ポイントは 昨 年 末 から 再 燃 した 海 外 リスク に 再 び 触 れるのか それとも 触 れないのか 触 れないなら3 月 再 利 上 げの 可 能 性 が 出 てくる つまりそれは FRB が 今 年 に 入 ってからの 市 場 動 揺 を 大 きな 動 き アメリカ 経 済 の 先 行 きを 怪 しくするようなものではない と 判 断 し ていることを 意 味 している むろんアメリカ 経 済 に 関 しての 記 述 も 重 要 だ しかし 雇 用 が 強 かっただけに 順 調 に 推 移 している との 見 立 てだろう それを 受 けて 開 かれるのが 日 銀 の 金 融 政 策 決 定 会 合 となる いずれにせよ 黒 田 さ んは 決 断 の 時 期 を 迎 えている 何 もしないか ドラギ 式 に 強 く 示 唆 する のか それ とも 具 体 的 に 動 くのか いずれにせよ 私 には 2% 近 傍 のインフレ 率 達 成 の 旗 を 降 ろさないドラギ 黒 田 の 両 総 裁 には 決 断 せざるを 得 ない 状 況 が 迫 ってきていると 思 う 筆 者 はドラギ 発 言 でマーケットが 反 発 し VIX 指 数 大 幅 低 下 の 大 きな 要 因 になった ことを 認 めながらも マーケットの 内 部 要 因 が 相 場 反 発 の 素 地 を 作 ったとの 見 方 だ それは 今 後 のマーケットを 考 える 上 でも 一 つの 目 安 になると 思 う それは 20ドル 台 の 原 油 相 場 と 2000 台 の 上 海 株 式 だ ともに 台 として は 広 いが ともに 相 場 自 体 に 力 が 出 てくる 水 準 だと 思 っている 先 週 はその 二 つ の 条 件 が 週 の 半 ばに 実 現 し それがマーケットの 反 発 に 繋 がった まず 上 海 の 株 式 市 場 で 言 うと 2000 台 はスタート 地 点 である 不 動 産 投 資 が 活 発 だった 中 国 では 長 く 株 式 市 場 が 低 迷 した それが2000 台 だ その 後 預 金 金 利 の 低 下 や 不 動 産 市 況 の 悪 化 などで 一 気 に 株 式 市 場 に 資 金 が 流 れ 込 んで5000を 一 時 突 破 するほどにお 金 が 集 まった それが 先 週 の 引 値 でも2916.56と2000 台 まだ3000に 近 い2000 台 だが もともとの 水 準 が 見 えるレベルだ 次 に 原 油 相 場 について 言 うと 20ドル 台 は 時 間 の 経 過 と 共 にシェールオイル 生 産 業 の 事 業 継 続 が 苦 しくなる 価 格 帯 であり 政 治 的 には 対 立 しているサウジアラ ビアとイランもさすがに (その 水 準 での 価 格 ) 持 続 は 両 国 にとって 不 利 なレベル と 言 えることだ 先 週 報 じられたロシアの 政 府 支 出 一 律 10%カット は 産 油 国 全 体 が 直 面 している 苦 境 であり ロシアが 例 外 ということはない サウジも 石 油 収 入 の 減 少 に 応 じて 外 債 を 発 行 する ところまで 追 い 詰 められている 制 裁 が 解 除 されて 大 きな 石 油 代 金 が 喉 から 手 が 出 るほど 欲 しいイランも 今 の 石 油 価 格 には 不 満 だと
思 われる むろん 石 油 価 格 は10ドル 台 になる との 見 方 もあることは 承 知 しているが そ れは 恐 らくあってもワンタッチ 的 な 短 期 間 の 示 現 となろう やはり 産 油 側 も 事 業 継 続 にはバレル50ドル 前 後 は 必 要 と 思 われる とすると それは 案 外 時 間 がかかるか もしれないが その 経 過 の 中 で 原 油 価 格 は 修 正 局 面 に 入 ると 見 るのが 自 然 だ それが 先 週 の 石 油 価 格 の 大 幅 反 発 の 一 つの 要 因 と 筆 者 は 考 える 今 週 の 主 な 予 定 は 以 下 の 通 り 01 月 25 日 ( 月 曜 日 ) 12 月 貿 易 統 計 独 1 月 IFO 企 業 景 況 感 指 数 休 場 =マレーシア 01 月 26 日 ( 火 曜 日 ) 韓 国 10 12 月 期 GDP 12 月 企 業 向 けサービス 価 格 指 数 米 11 月 S&P ケース シラー 住 宅 価 格 指 数 米 1 月 コンファレンスボード 消 費 者 信 頼 感 指 数 米 11 月 FHFA 住 宅 市 場 指 数 米 FOMC( 27) 休 場 =インド 01 月 27 日 ( 水 曜 日 ) 米 12 月 半 導 体 製 造 装 置 BB レシオ 米 12 月 一 戸 建 て 住 宅 販 売 01 月 28 日 ( 木 曜 日 ) 米 FOMC の 結 果 発 表 (4:00) 1 月 上 旬 貿 易 統 計 12 月 商 業 動 態 統 計 金 融 政 策 決 定 会 合 米 12 月 耐 久 財 受 注 米 新 規 失 業 保 険 申 請 件 数 米 12 月 仮 契 約 住 宅 販 売 指 数 01 月 29 日 ( 金 曜 日 ) 12 月 全 国 1 月 都 区 部 消 費 者 物 価 12 月 失 業 率 有 効 求 人 倍 率 12 月 家 計 調 査 12 月 鉱 工 業 生 産 12 月 自 動 車 生 産 12 月 住 宅 着 工 金 融 政 策 決 定 会 合 の 結 果 発 表 日 銀 経 済 物 価 情 勢 展 望 ( 展 望 リポート) 発 表 黒 田 日 銀 総 裁 会 見
ユーロ 圏 1 月 消 費 者 物 価 米 10 12 月 期 GDP 速 報 値 米 10 12 月 期 雇 用 コスト 指 数 米 1 月 シカゴ 購 買 部 協 会 景 気 指 数 米 1 月 ミシガン 大 学 消 費 者 態 度 指 数 確 報 値 have a nice week 週 末 はいかがでしたか 東 京 の 週 末 は 曇 っても 降 らず 日 曜 日 などは 抜 けるような 青 空 でした だから 日 本 の 西 での 大 雪 情 報 にはちょっと 違 和 感 があった それにして も 長 崎 が17センチの 積 雪 と あの 坂 道 だらけの 街 は 今 日 大 変 だろうと 思 います 除 雪 車 もそれほどないだろうし もしかしたら 軍 艦 島 も 雪 景 色 そ れ は 写 真 に 撮 りたい 残 したい と 思 って 長 崎 の 人 に 呼 びかけたのですが 予 想 通 り 観 光 船 は 運 航 全 面 停 止 ちょっと 無 理 でした しかし 長 崎 の 方 が 送 ってくれた 雪 は 凄 かった 東 北 地 方 のような それにしても 昨 日 終 わった 大 相 撲 初 場 所 琴 奨 菊 にはおめでとうと 言 いたい 今 場 所 は 本 当 に 琴 奨 菊 の がぶり が 強 くて 気 持 ちが 良 かった いつになく 熱 心 にテレ ビを 見 てしまいました 千 秋 楽 の 取 り 組 みで 豪 栄 道 を 破 ったあと 花 道 で 同 期 の 豊 ノ 島 が 琴 奨 菊 を 迎 えたのは 良 い 絵 でした なぜなら 琴 奨 菊 に 唯 一 黒 星 を 付 けたのは 豊 ノ 島 だったので 琴 奨 菊 も あれは 嬉 しかった と 琴 奨 菊 は 夕 べの NHK の 番 組 でも 言 っていましたが 大 きな 原 動 力 は 嫁 さんでした 場 所 後 に 披 露 宴 を 控 えている 入 籍 したときに 優 勝 力 士 の 隣 に 座 らせて 上 げる と 約 束 したらしい 有 言 実 行 素 晴 らしい 見 ていて 人 間 やれば 出 来 る いざという ときには 不 思 議 な 力 が 出 る...と 強 く 思 いました なにせ3 横 綱 に 勝 った 中 で も 白 鵬 との 取 り 組 み 今 までの 対 戦 成 績 は 圧 倒 的 に 白 鵬 が 有 利 そして 今 場 所 の 白 鵬 は 終 盤 までは 体 調 もまずまずだった だから どうかな 勝 てるかな という 気 持 ち で 見 たが 全 然 心 配 いらずだった 豊 ノ 島 との 取 り 組 み 以 外 は 凄 いな こんなことが 琴 奨 菊 に 出 来 るんだ... と 直 ぐに 思 ったのは じゃ なぜ 今 までこれをしなかったのか... と 言 うこと それ にしても 心 配 なのは 白 鵬 です 昨 日 の 日 馬 富 士 との 取 り 組 みも 全 く 突 っ 込 みなし 覇 気 なし 体 調 でも 悪 いんじゃないですかね 先 日 も 書 きましたが ちょっとここ 数 場 所 の 白 鵬 はおかしい 体 力 が 持 たないというか 先 場 所 もそうですが 最 近 は 千 秋 楽 が 接 近 するとまともに 取 り 組 めていない さすがの 白 鵬 も 徐 々に 体 力 低 下 かな もし かしたら 引 退 が 近 いのか とも 思 う それでは 皆 様 には 良 い 一 週 間 をお 過 ごし 下 さい
当 ニュース は 三 井 住 友 トラスト 基 礎 研 究 所 主 席 研 究 員 の 伊 藤 (E-mail ycaster@gol.com)の 相 場 見 解 を 記 したものであり 三 井 住 友 信 託 銀 行 の 見 通 しとは 必 ずしも 一 致 しません 本 ニュースのデータ は 各 種 の 情 報 源 から 入 手 したものですが 正 確 性 完 全 性 を 全 面 的 に 保 証 するものではありません また 作 成 時 点 で 入 手 可 能 なデータに 基 づき 経 済 金 融 情 報 を 提 供 するものであり 投 資 勧 誘 を 目 的 としたものではありません 投 資 に 関 する 最 終 決 定 はお 客 様 ご 自 身 の 判 断 でなさるようにお 願 い 申 し 上 げます