HIV 感 染 防 止 のための 予 防 服 用 マニュアル 平 成 27 年 4 月 島 根 県 健 康 福 祉 部 薬 事 衛 生 課
目 次 マニュアル 使 用 上 の 注 意 1 曝 露 事 故 発 生 後 の 予 防 服 用 フローチャート 2 1. 事 故 の 発 生 した 一 般 医 療 機 関 での 対 応 3 2.エイズ 予 防 薬 配 備 医 療 機 関 での 対 応 4 3. 事 故 後 の 拠 点 病 院 への 受 診 4 4. 費 用 負 担 4 5. 予 防 服 用 にあたっての 留 意 事 項 5 予 防 内 服 決 定 チェックリスト 6 責 任 者 ( 医 療 事 故 担 当 医 ) 用 チェックリスト 7 被 災 者 本 人 用 : 服 用 のための 説 明 文 書 とチェックリスト 8 抗 HIV 薬 予 防 服 用 同 意 書 様 式 10 抗 HIV 薬 予 防 投 与 依 頼 書 様 式 10 医 療 事 故 時 の 緊 急 連 絡 先 リスト 11 平 成 25 年 6 月 作 成 平 成 27 年 4 月 一 部 改 訂
曝 露 事 故 発 生 後 の 予 防 服 用 フローチャート 体 液 曝 露 事 故 の 発 生 応 急 処 置 現 場 責 任 者 に 報 告 曝 露 由 来 患 者 はHIV 抗 体 が 陽 性 か 否 か 一 陽 性 不 明 または 陰 性 であるがHIV 抗 体 陽 性 が 強 く 疑 わ れる 陰 性 かつウインド ウ 期 も 否 定 できる 予 防 内 服 不 要 で 般 妊 娠 の 有 無 の 確 認 妊 娠 の 有 無 の 確 認 き 医 予 防 内 服 の 確 認 (p6) 責 任 者 の 確 認 (p7) 予 防 内 服 の 確 認 (p6) 責 任 者 の 確 認 (p7) る だ 療 機 1 曝 露 由 来 患 者 の 情 報 ( 内 服 中 の 抗 HIV 薬, 薬 剤 耐 性,B 型 肝 炎 など) 収 集 2 被 災 者 への 予 防 内 服 の 説 明 (p8~p9) 1 曝 露 由 来 患 者 へのHIV 検 査 の 説 明 及 び 同 意 採 血 2 曝 露 由 来 患 者 の 情 報 (B 型 肝 炎 など) 収 集 3 被 災 者 への 予 防 内 服 の 説 明 (p8~p9) け 関 服 用 を 希 望 しない 経 過 観 察 服 用 を 希 望 する 服 用 を 希 望 する 経 過 観 察 服 用 を 希 望 しない 早 く ( 2 時 間 以 内 に) エ イ ズ 予 防 薬 配 備 医 療 機 関 3 同 意 書 依 頼 書 (p10)の 作 成 エイズ 予 防 薬 配 備 医 療 機 関 には 1 及 び3を 持 参 して 受 診 する エイズ 予 防 薬 配 備 医 療 機 関 (p11 参 照 )への 電 話 連 絡 拠 点 病 院 へ 診 察 依 頼 実 施 済 み 等 のため 不 要 陽 性 または 陰 性 であるが HIV 抗 体 陽 性 が 強 く 疑 われる 希 望 する 抗 HIV 薬 の 内 服 希 望 しない 被 災 者 への 予 防 内 服 の 説 明 (p8~p9) エイズ 予 防 薬 配 備 医 療 機 関 を 受 診 曝 露 由 来 患 者 のHIV 迅 速 検 査 の 実 施 可 4 同 意 書 依 頼 書 (p10)の 作 成 エイズ 予 防 薬 配 備 医 療 機 関 には 1の 検 体 2 及 び4を 持 参 して 受 診 する 曝 露 由 来 患 者 のHIV 迅 速 検 査 の 結 果 陰 性 かつウインドウ 期 も 否 定 できる 予 防 内 服 不 要 経 過 観 察 希 望 しない 不 可 抗 HIV 薬 の 内 服 被 災 者 への 予 防 内 服 の 説 明 (p8~p9) 希 望 する 抗 HIV 薬 受 領 内 服 抗 HIV 薬 受 領 内 服 エ イ ズ 拠 点 病 院 曜 エイズ 予 防 薬 配 備 医 療 機 関 が エイズ 拠 点 病 院 でなかった 場 合 は エイズ 拠 点 病 院 を 受 診 内 服 継 続 の 判 断 2 エイズ 予 防 薬 配 備 医 療 機 関 が エイズ 拠 点 病 院 でなかった 場 合 は エイズ 拠 点 病 院 を 受 診 曝 露 由 来 患 者 のHIV 迅 速 検 査 の 実 施
1. 事 故 の 発 生 した 一 般 医 療 機 関 での 対 応 (1) 事 故 発 生 事 故 とは 針 刺 し 事 故 や 鋭 利 な 医 療 器 具 による 切 創 等 皮 内 への HIV 汚 染 血 液 の 曝 露 及 び 粘 膜 や 傷 のある 皮 膚 への 血 液 等 感 染 性 体 液 の 曝 露 を 指 す (2) 応 急 処 置 汚 染 事 故 が 発 生 した 場 合 は 血 液 又 は 体 液 に 曝 露 された 創 部 又 は 皮 膚 を 血 液 を 絞 り 出 しなが ら 流 水 によって 十 分 に 洗 浄 する (3) HIV 陽 性 血 液 及 び 陽 性 が 強 く 疑 われる 血 液 陽 性 が 強 く 疑 われる 血 液 とは HIV 抗 体 検 査 の 結 果 は 不 明 だが ニューモシスチス 肺 炎 ク リプトコッカス 髄 膜 炎 等 の 症 状 があり HIV 陽 性 であることが 推 定 できる 血 液 を 指 す (4) 医 療 事 故 担 当 医 に 報 告 被 災 者 は 事 故 の 発 生 時 刻 状 況 程 度 事 故 の 原 因 となった 患 者 の 病 状 等 を 直 ちに 院 内 の 医 療 事 故 担 当 医 に 報 告 する 担 当 医 は 事 故 の 状 況 を 確 認 し 感 染 のリスクが 高 いと 判 断 される 場 合 には 予 防 内 服 決 定 チェックリスト (p6) 責 任 者 ( 医 療 事 故 担 当 医 ) 用 チェックリスト (p7) を 確 認 し 被 災 者 本 人 用 : 服 用 のための 説 明 文 書 とチェックリスト (p8~p9)により 服 用 の 効 果 と 副 作 用 について 説 明 する 被 害 を 受 けた 医 療 従 事 者 は 予 防 服 用 の 利 益 と 不 利 益 を 考 慮 し て 服 用 を 開 始 するかどうか 自 己 決 定 する その 際 担 当 医 は 被 災 者 のプライバシーの 保 護 につ いて 十 分 に 留 意 する 必 要 がある 診 療 所 などの 医 師 で 医 療 事 故 担 当 医 を 兼 ねている 場 合 など 自 身 で 判 断 する (5) 妊 娠 の 有 無 の 確 認 妊 娠 の 有 無 を 確 認 し 可 能 な 場 合 は 妊 娠 反 応 検 査 を 実 施 する (6) 同 意 書 依 頼 書 作 成 被 災 者 が 予 防 服 用 を 希 望 する 場 合 は 抗 HIV 薬 予 防 服 用 同 意 書 の 希 望 薬 剤 チェック 欄 と 署 名 欄 を 被 災 者 自 身 が 記 載 し 同 時 に 担 当 医 が 抗 HIV 薬 予 防 投 与 依 頼 書 を 記 載 する ( 様 式 はp10) (7) エイズ 予 防 薬 配 備 医 療 機 関 へ 電 話 連 絡 予 防 投 与 を 依 頼 する 場 合 は 医 療 事 故 時 の 緊 急 連 絡 先 リスト (p11)に 基 づき 必 ず 事 前 にエイズ 予 防 薬 配 備 医 療 機 関 担 当 者 に 電 話 連 絡 する (8) エイズ 予 防 薬 配 備 医 療 機 関 に 受 診 薬 剤 受 領 服 用 事 故 後 できるだけ 早 く(2 時 間 以 内 に) 服 用 を 開 始 するため エイズ 予 防 薬 配 備 医 療 機 関 に 緊 急 受 診 し 抗 HIV 薬 予 防 服 用 同 意 書 及 び 抗 HIV 薬 予 防 投 与 依 頼 書 を 提 出 して 薬 剤 を 受 領 後 直 ちに 第 1 回 目 の 服 用 を 開 始 する なお エイズ 予 防 薬 配 備 医 療 機 関 での 緊 急 受 診 が 不 可 能 な 場 合 には 事 故 発 生 医 療 機 関 と 配 備 3
医 療 機 関 との 協 議 のうえ 代 理 人 が 薬 剤 を 受 け 取 ることができる (9) その 他 曝 露 由 来 患 者 の 抗 体 検 査 が 未 実 施 の 場 合 は 検 査 について 説 明 し 必 ず 患 者 の 同 意 を 得 た 上 で 採 血 し 拠 点 病 院 及 びエイズ 予 防 薬 配 備 医 療 機 関 において 迅 速 検 査 を 実 施 する また 曝 露 由 来 患 者 についての 情 報 収 集 も 行 う 2.エイズ 予 防 薬 配 備 医 療 機 関 での 対 応 (1) 平 時 の 対 応 他 医 療 機 関 等 から 緊 急 の 予 防 投 与 の 依 頼 が 代 表 電 話 にかかってきたときに 備 え 電 話 に 出 た 者 が 速 やかに 担 当 医 に 連 絡 できるよう 医 療 機 関 内 部 で 緊 急 連 絡 体 制 を 整 えておく (2) 事 前 準 備 電 話 で 緊 急 の 予 防 投 与 の 依 頼 を 受 けた 場 合 エイズ 予 防 薬 配 備 医 療 機 関 は 事 故 後 できるだ け 早 く 第 1 回 目 の 服 用 が 可 能 となるよう 直 ちに 薬 剤 の 準 備 をする (3) 緊 急 処 方 エイズ 予 防 薬 配 備 医 療 機 関 の 担 当 医 は 予 防 内 服 決 定 チェックリスト (p6)を 確 認 し 自 院 で 扱 う 予 防 薬 による 注 意 点 や 副 作 用 について 被 災 者 本 人 用 : 服 用 のための 説 明 文 書 とチ ェックリスト (p8~p9) 及 び 薬 剤 の 添 付 文 書 により 被 災 者 に 説 明 する 初 回 の 予 防 服 用 については 被 災 者 が 決 定 する エイズ 予 防 薬 配 備 医 療 機 関 では 抗 HIV 薬 予 防 服 用 同 意 書 及 び 抗 HIV 薬 予 防 投 与 依 頼 書 の 提 出 があった 場 合 は 専 門 医 に 受 診 できるまでの 間 に 必 要 な 最 小 限 の 緊 急 用 薬 剤 を 処 方 する 服 用 開 始 前 には 活 動 性 B 型 肝 炎 腎 機 能 低 下 糖 尿 病 妊 娠 の 有 無 などを 確 認 し 必 要 が あれば 専 門 医 に 相 談 する また 常 用 薬 がある 場 合 には 相 互 作 用 にも 注 意 する (4) 事 後 の 対 応 エイズ 予 防 薬 配 備 医 療 機 関 は 県 が 配 備 した 抗 HIV 薬 を 使 用 した 場 合 には 事 故 内 容 薬 剤 処 方 年 月 日 薬 剤 名 使 用 数 量 補 充 の 必 要 有 無 について 薬 事 衛 生 課 に 報 告 する 3. 事 故 後 の 拠 点 病 院 への 受 診 エイズ 予 防 薬 配 備 医 療 機 関 が 拠 点 病 院 以 外 の 場 合 予 防 服 用 を 開 始 した 者 は 事 故 後 早 めに 拠 点 病 院 に 受 診 して 服 用 継 続 の 適 否 について 相 談 のうえ 決 定 し 併 せて HIV 抗 体 検 査 を 実 施 する 専 門 医 は 感 染 の 有 無 について 必 要 な 期 間 評 価 する 4. 費 用 負 担 (1) 抗 HIV 薬 の 予 防 服 用 は 健 康 保 険 の 給 付 対 象 ではないが 医 療 従 事 者 等 がHIVに 汚 染 された 血 液 等 に 業 務 上 接 触 する 機 会 としたことに 起 因 してHIVに 感 染 した 場 合 以 下 1~4につい ては 労 災 保 険 の 給 付 対 象 とされている 4
1 受 傷 部 位 の 洗 浄 消 毒 等 の 処 置 2 受 傷 後 の 被 災 者 のHIV 抗 体 検 査 等 の 検 査 ( 曝 露 由 来 患 者 の 検 査 は 対 象 外 ) 3 受 傷 後 のHIV 感 染 の 有 無 が 確 認 されるまでの 間 に 行 われた 抗 HIV 薬 の 投 与 4HIV 感 染 判 明 後 の 治 療 なお 労 災 保 険 の 給 付 対 象 にならなかった 場 合 の 費 用 の 請 求 については 県 が 配 備 した 抗 HIV 薬 は 県 が 取 扱 いを 決 定 し それ 以 外 は 受 診 先 医 療 機 関 が 取 扱 いを 決 定 する また 医 療 機 関 内 の 医 療 事 故 による 医 療 従 事 者 の 感 染 予 防 策 は 各 医 療 機 関 の 責 任 において 実 施 されるべきものであるので 費 用 の 請 求 があった 場 合 は 事 故 が 発 生 した 医 療 機 関 が 支 払 う 平 成 5 年 10 月 29 日 付 け 基 発 第 619 号 ( 平 成 22 年 9 月 9 日 付 け 基 発 0909 第 1 号 によ り 改 正 ) C 型 肝 炎 エイズ 及 び MRSA 感 染 症 にかかる 労 災 保 険 における 取 扱 いについて 参 照 5. 予 防 服 用 にあたっての 留 意 事 項 (1)HIV の 医 療 事 故 による 感 染 確 率 は B 型 C 型 肝 炎 の 感 染 確 率 と 比 較 してかなり 低 く B 型 肝 炎 の100 分 の1 C 型 肝 炎 の10 分 の1 程 度 で 感 染 の 平 均 リスクは0.3%である しかし 以 下 のような 大 量 の 血 液 や HIV 量 の 多 い 血 液 に 曝 露 された 場 合 そのリスクは 上 昇 する 1 傷 が 深 部 に 達 しているとき 2けがを 起 こした 器 具 が 目 に 見 えるほど 血 液 が 付 着 している 場 合 3HIV 患 者 の 静 脈 動 脈 に 使 われた 器 具 による 事 故 の 場 合 (2) 抗 HIV 薬 の 予 防 服 用 の 効 果 については 科 学 的 に 十 分 に 証 明 されたものではなく 予 防 服 用 に より100% 感 染 が 防 止 できるものではないが 医 療 事 故 の 際 の 感 染 率 は5 分 の1 以 下 に 低 下 すると 考 えられている そして 現 在 行 われている 抗 HIV 薬 の 多 剤 併 用 療 法 を 行 うことで 曝 露 後 の 予 防 効 果 は 更 に 高 まると 考 えられている (3) 予 防 服 用 の 副 作 用 のリスクについては 明 らかになっていない 特 に 妊 娠 中 の 予 防 服 用 の 安 全 性 や 胎 児 への 安 全 性 は 確 認 されていない (4) 抗 HIV 薬 は 副 作 用 が 強 い 薬 であるため 予 防 服 用 は 安 易 に 開 始 すべきではない 事 故 の 原 因 となった 血 液 等 が HIV 抗 体 陽 性 であることが 明 らかな 場 合 及 び 抗 体 の 有 無 が 不 明 であって も 患 者 の 症 状 等 から 陽 性 であることが 推 定 出 来 る 場 合 にのみ 実 施 すべきである (5) 初 回 の 予 防 服 用 の 実 施 については 担 当 医 とよく 相 談 のうえで 被 災 者 本 人 が 自 己 決 定 する (6) 予 防 服 用 に 際 しては インフォームドコンセントが 必 要 である 5
予 防 内 服 決 定 チェックリスト = チェック 欄 ( にチェックを 入 れ 確 認 しながら 進 んでください ) 皮 膚 曝 露 に 関 しては 正 常 ではない 皮 膚 ( 皮 膚 炎 擦 過 傷 開 放 創 など)への 曝 露 の 場 合 のみ 予 防 内 服 の 検 討 が 必 要 であり フォローアップが 必 要 です 暴 露 後 予 防 内 服 が 推 奨 される 臨 床 状 況 感 染 性 体 液 ( 注 )による 以 下 の 暴 露 があった 場 合 - 針 刺 し 事 故 - 鋭 利 物 による 受 傷 - 正 常 ではない 皮 膚 あるいは 粘 膜 への 暴 露 ( 注 ) 感 染 性 体 液 の 例 血 液 血 性 体 液 精 液 膣 分 泌 液 脳 脊 髄 液 関 節 液 胸 水 腹 水 心 囊 水 羊 水 次 については 外 観 が 非 血 性 であれば 感 染 性 なしと 考 える 便 唾 液 鼻 水 痰 汗 涙 尿 予 防 内 服 は 抗 HIV 薬 の3 剤 ( 以 上 )の 組 み 合 わせの 内 服 となります 妊 娠 しているあるいは 妊 娠 の 可 能 性 がある 場 合 も 予 防 内 服 薬 は 同 じです 島 根 県 では インテグラーゼ 阻 害 剤 であるラクテグラビル{RAL(アイセントレス)}または プロテアーゼ 阻 害 剤 のロピナビル リトナビル 合 剤 {LPVrtv(カレトラ)}と 核 酸 系 逆 転 写 酵 素 阻 害 剤 のテノホビル エムトリシタビン 合 剤 {TDF/FTC(ツルバダ)}を 配 置 しています 下 記 の 条 件 に 該 当 がなければ RAL(アイセントレス)またはLPVrtv(カレトラ)とTDF/FTC (ツルバダ)を 内 服 して 下 さい 活 動 性 B 型 肝 炎 が 存 在 しない 腎 機 能 低 下 や 糖 尿 病 が 存 在 しない 妊 娠 の 可 能 性 が 存 在 しない 常 用 する 内 服 薬 が 存 在 しない 下 記 の 条 件 に 該 当 があれば 速 やかにエイズ 拠 点 病 院 等 の 専 門 医 に 相 談 してください 活 動 性 B 型 肝 炎 が 存 在 する 腎 機 能 低 下 や 糖 尿 病 が 存 在 する 妊 娠 しているあるいは 妊 娠 の 可 能 性 がある 常 用 する 内 服 薬 が 存 在 する 曝 露 源 患 者 の 抗 HIV 薬 に 対 する 耐 性 や 予 想 される 副 作 用 などを 考 慮 し 可 能 な 限 りエイズ 拠 点 病 院 等 の 専 門 医 からのアドバイスを 受 けた 上 で 自 己 決 定 してください 内 服 開 始 は 可 及 的 速 やかに 開 始 してください 24~36 時 間 以 後 では 効 果 が 減 弱 します 4 週 間 の 内 服 を 継 続 してください 6
責 任 者 ( 医 療 事 故 担 当 医 ) 用 チェックリスト 曝 露 後 の 有 効 な 予 防 のためには 第 1 回 目 の 服 用 が 最 も 大 事 と 考 えられます できるだけ 速 やかに 第 1 回 目 を 服 用 させてください 24~36 時 間 以 後 では 効 果 が 減 弱 すると 考 えられます しかし 例 え36 時 間 を 超 えていても 必 要 と 判 断 された 場 合 には 予 防 内 服 を 開 始 すべきであると されています 服 用 する 場 合 の 投 与 期 間 は 4 週 間 です 予 防 内 服 について 標 準 的 な 薬 剤 の 服 用 方 法 例 は 以 下 の 通 りです RAL(アイセントレス) 1 日 2 回 1 回 1 錠 または LPVrtv(カレトラ) 1 日 2 回 1 回 2 錠 1 日 の 総 量 として4 錠 + TDF/FTC(ツルバダ) 1 日 1 回 1 錠 食 事 は 無 関 係 LPVrtv(カレトラ)では 下 痢 を 合 併 することがあります 必 要 時 はロペラミド(ロペミン) 1 日 1カプセルから4カプセルを 併 用 することで 内 服 継 続 可 能 となります 参 考 :LPVrtv(カレトラ)はチトクロームP450(CYP3A4)に 対 する 競 合 的 阻 害 作 用 により 以 下 薬 剤 とは 併 用 禁 忌 とされている ピモジド(オーラップ) エルゴタミン 酒 石 酸 塩 (クリアミン) ジヒドロエルゴタミン メシル 酸 塩 (ジヒデルゴットなど) エルゴメトリンマレイン 酸 塩 (エルゴメトリン) メチルエルゴメトリンマレイン 酸 塩 (メテルギンなど) ミダゾラム(ドルミカム) ト リアゾラム(ハルシオン) バルデナフィル 塩 酸 塩 水 和 物 (レビトラ) シルデナフィル クエン 酸 塩 (レバチオ) タダラフィル(アドシルカ) ブロナンセリン(ロナセン) ア ゼルニジピン(カルブロックなど) ボリコナゾール(ブイフェンド) 7
被 災 者 本 人 用 : 服 用 のための 説 明 文 書 とチェックリスト 被 災 者 は 以 下 チェックリストに 従 い 感 染 予 防 のための 服 薬 についての 説 明 文 書 を 良 く 読 み 服 用 の 意 義 注 意 点 等 について 確 認 して 下 さい ( =チェック 欄 ) 服 用 の 意 義 針 刺 し 事 故 などでHIV 汚 染 血 液 に 曝 露 された 場 合 の 感 染 のリスクは 最 も 高 い 場 合 でも0.3~ 0.5%とされており B 型 肝 炎 やC 型 肝 炎 の 同 じ 様 な 事 故 の 場 合 の 感 染 リスクに 比 べそれぞれ1/100 ~1/10と 低 いことは 知 られています しかし 低 いとはいえ 感 染 リスクは0%ではなく 1,000 回 の 事 故 につき3~5 人 は 感 染 するとい うことを 意 味 しています しかも 今 のところ 感 染 が 成 立 してしまった 場 合 治 癒 できるような 治 療 法 は 確 立 されておりません 一 方 感 染 直 後 に 以 前 予 防 内 服 に 使 用 されていた 核 酸 系 逆 転 写 酵 素 阻 害 剤 AZT(ジドブジン)を 服 用 することで 感 染 のリスクを 約 80% 低 下 させうることが 分 かりました 今 回 すすめている 多 剤 併 用 の 服 用 方 法 であればさらに 効 果 的 であろうと 考 えられています 予 防 服 用 により100% 感 染 を 防 げる わけではありませんが 予 防 服 用 を 強 くすすめる 理 由 はこのためです 服 用 の 意 義 を 理 解 し 次 に 進 んで 下 さい 服 用 に 当 たっての 注 意 点 感 染 予 防 の 効 果 をあげるためには 事 故 後 できるだけ 早 く 予 防 薬 を 服 用 するのが 望 ましく 24~ 36 時 間 以 後 では 効 果 が 減 弱 する 可 能 性 があります このため 専 門 医 に 相 談 できる 前 に 自 己 判 断 で 服 用 を 開 始 せざるを 得 ない 場 合 もあります どうして 良 いかわからない 場 合 とりあえず 第 1 回 目 の 服 用 をする 事 をすすめます 妊 娠 しているあるいは 妊 娠 の 可 能 性 がある 場 合 妊 娠 初 期 での 胎 児 への 安 全 性 は 確 認 されていません しかし 胎 児 へのHIV 感 染 予 防 のために DHHS(アメリカ 合 衆 国 保 健 社 会 福 祉 省 )ガイドラインで HIV 抗 体 陽 性 の 妊 婦 に 対 して 抗 HIV 薬 内 服 が 推 奨 されています 妊 娠 していても 抗 HIV 薬 の 内 服 は 可 能 ですが その 場 合 は 内 服 開 始 前 内 服 開 始 後 も 専 門 医 に 受 診 または 相 談 して 下 さい B 型 肝 炎 の 既 往 がある 場 合 抗 HIV 薬 は B 型 肝 炎 の 治 療 薬 として 使 われるものがあります B 型 肝 炎 の 既 往 がある 場 合 は 専 門 医 への 相 談 が 必 要 です 予 防 服 用 される 抗 HIV 薬 の 注 意 点 及 び 副 作 用 代 表 的 な 副 作 用 を 掲 載 しています 詳 しい 副 作 用 等 は 薬 剤 添 付 文 書 を 参 照 して 下 さい RAL:アイセントレス 1 回 1 錠 1 日 2 回 服 用 副 作 用 は 比 較 的 少 ないといわれています 8
LPVrtv:カレトラ 1 回 2 錠 1 日 2 回 服 用 1 日 の 総 量 として4 錠 この 薬 剤 は LPVとRTVの 合 剤 です HI Vプロテアーゼの 働 きを 阻 害 することにより 感 染 性 を 持 つウイルスの 産 生 を 阻 害 します < 注 意 点 > 次 の 人 は この 薬 を 使 用 することはできません 過 去 にカレトラ 配 合 錠 に 含 まれる 成 分 で 過 敏 な 反 応 を 経 験 したことがある 人 次 の 薬 を 使 用 している 人 ピモジド(オーラップ) エルゴタミン 酒 石 酸 塩 (クリアミン) ジヒドロエルゴタミンメ シル 酸 塩 (ジヒデルゴットなど) エルゴメトリンマレイン 酸 塩 (エルゴメトリン) メチ ルエルゴメトリンマレイン 酸 塩 (メテルギンなど) ミダゾラム(ドルミカム) トリアゾ ラム(ハルシオン) バルデナフィル 塩 酸 塩 水 和 物 (レビトラ) シルデナフィルクエン 酸 塩 (レバチオ) タダラフィル(アドシルカ) ブロナンセリン(ロナセン) アゼルニジピ ン(カルブロックなど) ボリコナゾール(ブイフェンド) 次 の 人 は 慎 重 に 使 う 必 要 があります 使 い 始 める 前 に 医 師 に 告 げてください 肝 臓 に 障 害 のある 人 血 友 病 の 人 著 しく 出 血 しやすい 人 心 臓 に 障 害 のある 人 脈 を 遅 くする 作 用 をもつ 薬 などを 使 用 している 人 この 薬 には 併 用 してはいけない 薬 や 併 用 を 注 意 すべき 薬 があります 他 の 薬 を 使 用 してい る 場 合 や 新 たに 使 用 する 場 合 は 必 ず 医 師 に 相 談 してください TDF/FTC:ツルバダ 詳 しい 副 作 用 等 は 薬 剤 添 付 文 書 を 参 照 して 下 さい 1 回 1 錠 1 日 1 回 服 用 この 薬 剤 は TDF とFTCの 合 剤 です HIV-1 逆 転 写 酵 素 の 活 性 を 阻 害 し 感 染 力 のあるウイルスの 増 殖 を 抑 えます < 注 意 点 > B 型 慢 性 肝 炎 にかかっている 人 では この 薬 の 使 用 を 中 止 するとB 型 慢 性 肝 炎 が 悪 化 するこ とがあります 特 に 進 行 したB 型 慢 性 肝 炎 の 場 合 は 症 状 が 重 くなることがあります TDF による 胎 児 での 骨 代 謝 異 常 の 報 告 があります 次 の 人 は この 薬 を 使 用 することはできません 過 去 にツルバダ 配 合 錠 に 含 まれる 成 分 で 過 敏 な 反 応 を 経 験 したことがある 人 次 の 人 は 慎 重 に 使 う 必 要 があります 使 用 する 前 に 医 師 に 告 げてください 腎 臓 に 障 害 のある 人 この 薬 には 併 用 を 注 意 すべき 薬 があります 他 の 薬 を 使 用 している 場 合 や 新 たに 使 用 する 場 合 は 必 ず 医 師 に 相 談 してください < 参 考 資 料 > RAL(アイセントレス)またはLPVrtv(カレトラ)と TDF/FTC(ツルバダ)での 服 用 方 法 は 以 下 の 通 りです RAL(アイセントレス) 1 回 1 錠 1 日 2 回 LPVrtv(カレトラ) 1 回 2 錠 1 日 2 回 1 日 の 総 量 として4 錠 TDF/FTC(ツルバダ) 1 回 1 錠 1 日 1 回 9
抗 HIV 薬 予 防 服 用 同 意 書 私 は HIV 感 染 血 液 等 曝 露 後 の 抗 HIV 薬 予 防 服 用 における 利 益 と 不 利 益 について 説 明 を 受 け 妊 婦 への 安 全 性 が 確 認 されていないことを 含 め 十 分 に 理 解 しました 私 は 自 らの 意 志 により 予 防 服 用 を 行 います エイズ 予 防 薬 配 備 医 療 機 関 病 院 長 様 年 月 日 署 名 : 抗 HIV 薬 予 防 投 与 依 頼 書 氏 名 : 生 年 月 日 : 年 月 日 生 性 別 : 男 女 妊 娠 : 有 ( 週 ) 無 被 災 者 活 動 性 B 型 肝 炎 : 有 無 腎 機 能 低 下 : 有 無 糖 尿 病 : 有 無 現 在 服 用 中 の 薬 剤 : 備 考 : 発 生 日 時 : 年 月 日 時 分 頃 事 故 状 況 事 故 内 容 : 原 因 患 者 の 病 状 : AIDS HIV 抗 体 陽 性 HIV 抗 体 陽 性 疑 い 不 明 上 記 の 者 は HIV 感 染 の 恐 れがあり 予 防 服 用 について 同 意 したため 抗 HIV 薬 の 投 与 を 依 頼 します エイズ 予 防 薬 配 備 医 療 機 関 病 院 長 様 依 頼 医 療 機 関 所 在 地 : 医 療 機 関 名 : 連 絡 先 : 年 月 日 時 分 担 当 医 署 名 : 10
医 療 事 故 時 の 緊 急 連 絡 先 リスト 必 ず 事 前 に 電 話 連 絡 してから 緊 急 受 診 すること エイズ 予 防 薬 配 備 医 療 機 関 には 抗 HIV 薬 予 防 服 用 同 意 書 及 び 抗 HIV 薬 予 防 投 与 依 頼 書 (p10)を 必 ず 持 参 すること どの 医 療 機 関 にも TDF/FTC(ツルバダ) 及 び RAL(アイセントレス)または LPVrtv(カレ トラ)が 配 備 されている <エイズ 予 防 薬 配 備 医 療 機 関 > 区 分 病 院 名 所 在 地 連 絡 先 ( 代 表 ) 島 根 大 学 医 学 部 附 属 病 院 ( 中 核 拠 点 病 院 ) 出 雲 市 塩 冶 町 89-1 0853-23-2111 エイズ 拠 点 病 院 松 江 赤 十 字 病 院 松 江 市 母 衣 町 200 0852-24-2111 国 立 病 院 機 構 浜 田 医 療 センター 浜 田 市 浅 井 町 777-12 0855-25-0505 益 田 赤 十 字 病 院 益 田 市 乙 吉 町 イ 103-1 0856-22-1480 雲 南 市 立 病 院 雲 南 市 大 東 町 飯 田 96-1 0854-43-2390 エイズ 対 策 協 力 病 院 大 田 市 立 病 院 大 田 市 大 田 町 吉 永 1428-3 0854-82-0330 隠 岐 広 域 連 合 立 隠 岐 病 院 隠 岐 郡 隠 岐 の 島 町 城 北 町 355 08512-2-1356 その 他 隠 岐 広 域 連 合 立 隠 岐 島 前 病 院 隠 岐 郡 西 ノ 島 町 大 字 美 田 2071-1 08514-7-8211 11