4.データ 入 力 と 表 計 算 4-1 計 算 式 の 取 り 扱 い 1) 数 式 の 基 本 Excelのような 表 計 算 ソフトでは セルに 入 力 されたデータ( 定 数 )を 計 算 式 ( 数 式 )によって 計 算 することで さまざまな 処 理 が 行 えます 数 式 バーには 数 式 の 内 容 が 表 示 されます セルには 計 算 結 果 が 表 示 されます 数 式 の 入 力 数 式 を 入 力 するときは 必 ず 先 頭 を = 記 号 (もしくは + - )で 始 めます これ 以 降 のデータは どんな 内 容 で 入 力 されても 数 式 とみなされますので 注 意 下 さい セルに 数 式 が 入 力 されると 標 準 のセル 書 式 では セルには 入 力 された 数 式 ではなく 計 算 結 果 が 表 示 されます セルに 入 力 されている 数 式 は そのセルがアクティブになったとき 数 式 バーで 確 認 でき 数 式 バー 上 で 修 正 することもできます 数 式 のエラー 値 セルに 入 力 された 数 式 は 必 ずしも 正 しいとは 限 りません その 時 エラー 値 が 表 示 され 利 用 者 に 注 意 を 促 します エラー 値 は 一 種 のメッセージとなっていて その 表 示 を 見 れば どのようなエラーであるか ある 程 度 は 推 測 できます エラー 値 は # 記 号 で 始 まり 次 にあげる 種 類 のものがあります エラー 値 エラーの 内 容 #DEV/0! ゼロによる 除 算 が 行 われています #N/A 値 が 存 在 していません( 空 白 セルを 参 照 した 場 合 など) #NAME? 名 前 が 認 識 されていません #NULL! 範 囲 または 参 照 が 正 しくありません #NUM! 数 値 に 問 題 があります #REF! 参 照 が 無 効 になっています #VALUE! データの 種 類 または 演 算 子 が 正 しくありません ##### 結 果 の 桁 数 が 多 すぎて セルに 納 まりません 簡 単 な 数 式 の 入 力 例 1 数 値 を 入 力 する 数 式 ( 入 力 例 : =10+30 ) 2セル 同 士 の 計 算 (セルB1とB2に 入 っている 数 値 の 和 をB3に 求 める) 3その 他 に セル 番 地 をマウスポインタや 方 向 ( )キーを 使 って 入 力 することも できます 19
2) 演 算 子 について 計 算 に 使 用 する 演 算 子 Excelは 表 計 算 ソフトの 代 表 格 です そのため 計 算 に 使 用 する 演 算 子 には 算 術 演 算 子 比 較 演 算 子 と 文 字 列 演 算 子 の3つの 種 類 があります 1 算 術 演 算 子 これは 通 常 の 四 則 演 算 を 行 うための 演 算 子 で 数 値 の 組 み 合 わせによる 計 算 を 行 う ときに 使 用 します 演 算 子 は 下 記 の 記 号 に 演 算 の 意 味 をもたせております + 加 算 ( 足 し 算 ) - 減 算 ( 引 き 算 ) / 除 算 (わり 算 ) * 乗 算 (かけ 算 ) % パーセンテージ ^ べき 乗 計 算 例 10+20 >=10+20 40 2 >=40/2-4 40 >=-4*40または=(-4)*40 320 0.25 >=320*25%または=320*0.25 2 比 較 演 算 子 2つの 値 を 比 較 するときに 使 用 します 結 果 は 数 式 の 内 容 が 正 しいとき TRUE 正 しくないときには FALSE になります 比 較 演 算 子 には 次 のものがあります = 左 辺 と 右 辺 は 等 しい > 左 辺 が 右 辺 より 大 きい < 左 辺 が 右 辺 より 小 さい >= 左 辺 が 右 辺 より 以 上 <= 左 辺 が 右 辺 より 以 下 <> 左 辺 と 右 辺 は 等 しくない 比 較 演 算 子 は 論 理 演 算 と 呼 ばれる 条 件 内 容 の 判 断 を 行 う 計 算 で 使 用 します 主 に IF 関 数 との 組 み 合 わせで 使 用 されます 3 文 字 列 演 算 子 複 数 の 文 字 列 を 結 合 させる 演 算 子 のことで Excelでは & 記 号 を 使 用 します & 記 号 を 使 用 すると 2つ 以 上 の 文 字 列 を 組 み 合 わせて ひとつの 文 字 列 とするこ とができます 文 字 列 演 算 子 の 事 例 = Excel & 2007 >Excel2007 = Excel & A1 >Excel2007 (セルA1に 数 値 2007が 入 力 されているとき) = Excel & A1 >ExcelA1 文 字 列 演 算 子 を 使 用 した 数 式 に 文 字 列 を 直 接 入 力 するときは 文 字 列 を 記 号 で 囲 みます セル 番 地 を 指 定 するときは 記 号 で 囲 む 必 要 はありません 演 算 子 の 優 先 順 位 複 数 の 演 算 子 を 組 み 合 わせた 数 式 を 使 用 するときは 演 算 子 の 優 先 順 位 を 考 慮 する 必 要 があります 演 算 子 は 次 の 順 序 で 優 先 順 位 が 決 まっています 1 マイナス 符 号 として 使 う 場 合 ( -1 など) 2 % パーセント 3 ^ べき 乗 4 *と/ 乗 算 除 算 5 +とー 加 算 減 算 6 & 文 字 列 演 算 子 7 = < > <= >= <> 比 較 演 算 子 また 通 常 の 数 学 の 計 算 式 と 同 じように ( )を 使 用 して 演 算 の 優 先 順 位 を 決 めること ができます 簡 単 な 事 例 =6+4*2 と =(6+4)*2 及 び =2+8/2 と =(2+8)/2 では ( ) 内 が 優 先 して 計 算 されます 20
4-2 関 数 を 利 用 した 計 算 関 数 は あらかじめ 決 まった 論 理 で 用 意 されている 数 式 の 名 前 のことです 前 に 説 明 し した 演 算 子 の 組 み 合 わせで 目 的 とする 計 算 はできますが 関 数 を 利 用 することで 目 的 とする 計 算 が 簡 潔 に 行 えます 例 えば 次 のような 計 算 式 は 関 数 を 使 用 することで 簡 単 に 行 うことができます 1 普 通 に 計 算 (セルB1からB6までの 合 計 )をする 場 合 は =B1 + B2 + B3 + B4 + B5 + B6 となりますが 関 数 を 使 用 すると 2 SUM という 関 数 が 利 用 でき =SUM(B1:B6) と 簡 単 な 形 で 記 述 できます 関 数 の 種 類 Excelには 多 くの 関 数 ( 組 み 込 み 関 数 )が 用 意 されており ユーザーが 定 義 す ることもできます 主 な 組 み 込 み 関 数 には SUM 以 外 に 次 のものがあります AVERAGE() 平 均 値 を 求 める MAX() 最 大 値 を 求 める MIN() 最 小 値 を 求 める ABS() 絶 対 値 を 求 める 関 数 の 形 式 関 数 名 ( 関 数 は ほかの 演 算 子 と 組 み 合 わせて 使 用 できます) 引 数 ( 引 数 は 関 数 により 書 式 が 決 まっています) =SUM(A1:A9,50,B1) 引 数 をかっこでかこみます 引 数 が 複 数 ある 場 合 は, で 区 切 ります 引 数 をかっこで 囲 みます 関 数 は ネストして 多 重 に 使 用 =ABS(AVERAGE(SUM(A1:A8),B12)) この 例 では SUM 合 計 を 求 める AVERAGE 平 均 を 求 める ABS 絶 対 値 を 求 める の3つの 関 数 を 使 用 しています すなわち セルA1~A8の 合 計 と セルB12の 値 の 平 均 を 求 め その 平 均 値 の 絶 対 値 を 求 めるということです 実 際 に データを 入 力 し セルA10に 上 記 の 関 数 を 入 力 すると 以 下 の 通 りとなります 関 数 を 入 力 確 定 する 21
関 数 ツールバー 又 は 関 数 の 挿 入 を 使 った 数 式 の 入 力 上 記 の 例 のように 関 数 を 使 った 数 式 は キーボードからの 入 力 もできますが 関 数 ツールバー 又 は 関 数 の 挿 入 を 使 っても 関 数 をもった 数 式 を 入 力 することもできます 例 : 平 均 値 を 求 める 関 数 の 入 力 方 法 (3 通 り) 1 関 数 を 入 力 したいセルを アクティブにする 2 ツールバーから 平 均 (A) を 選 択 クリックすると 関 数 が 挿 入 されます なお 関 数 の 挿 入 ボタンを クリックし 関 数 の 挿 入 の 関 数 名 AVERAGEを 選 択 すると 関 数 の 引 数 画 面 が 表 示 さ ます 関 数 は ホーム タブ 又 は 数 式 タブ のリボン 上 の ボタンをクリックすると 自 動 的 に 挿 入 されます マウスで 範 囲 指 定 をするときにダイアロ グボックスがじゃまになることもありま す 範 囲 を 指 定 する 前 にあらかじめダイ アログボックスを 移 動 しておいて 下 さ い ダイアログボックスのタイトルバー にマウスポインタを 合 わせドラッグすれ ば 移 動 できます 3 関 数 の 引 数 ダイアログボックスの 数 値 を 確 認 変 更 が 必 要 であればマウスを 使 用 して 範 囲 の 始 まりのセルから 終 わりのセルまでをマウス ドラッグすると 薄 い 色 の 枠 が 表 示 点 線 で 囲 ま れます OK ボタンを 押 すか または ここを 変 更 することができます 関 数 ツールバーを 使 用 して マウスドラッグで 数 式 を 入 力 するか 数 式 バーに 計 算 式 をキーボードで 入 力 す かは 利 用 する 人 の 慣 れにもよります 操 作 状 況 により 使 い 分 けると 良 いでしょう! 22
4-3 セルの 相 対 参 照 と 絶 対 参 照 Excelでは セル(セル 範 囲 )を 参 照 する 方 法 に 相 対 参 照 と 絶 対 参 照 複 合 参 照 などの 方 法 があります セルに 入 力 した 計 算 式 をコピーしたり 移 動 したりする 場 合 セ ル 番 地 の 参 照 方 法 が 重 要 になります セルの 相 対 参 照 これまでに 行 ってきた A1 B1 C1 といったセル 番 地 の 指 定 方 法 は 相 対 参 照 と 呼 ばれるものです 数 式 の 中 で このようにセル 番 地 が 指 定 されているとき セル 番 地 は 現 在 数 式 が 入 力 されているセルから 見 た 相 対 的 な 位 置 関 係 で 指 定 されている ことになります 実 際 の 例 で 見 てみると 次 のようになっています =SUM(C3:E3) 下 側 のセルにコピーする コピー 先 の 数 式 は セル 番 地 が 変 化 しています =SUM(C3:E3) =SUM(C9:E9) 上 の 例 のように 集 計 表 を 作 るときに 合 計 を 出 すSUM 関 数 を 入 力 すると それをコピー して 活 用 できます 数 式 をコピーすると 数 式 の 中 に 相 対 参 照 で 指 定 されたセル 番 地 は 自 動 的 に 変 わり 各 々 にあった 数 式 となります また 表 全 体 を 別 の 位 置 に 移 動 しても 移 動 に 合 わせてセル 番 地 は 変 化 します セルの 絶 対 参 照 相 対 参 照 は 行 列 に 沿 って 数 式 をコピーするときは 役 立 ちますが 常 に 固 定 したセル の 値 をもとに 計 算 する 場 合 には 不 都 合 が 生 じます このようなときに 絶 対 参 照 と 呼 ばれる 方 法 で 対 処 します 数 式 の 中 でセル 番 地 を 絶 対 番 地 で 指 定 していれば 数 式 を 入 力 したセルを 移 動 したり コピーしても 参 照 されてい るセル 番 地 は 変 化 しません 1 数 式 の 中 でセル 番 地 が 絶 対 番 地 で 指 定 されていないときのコピー 数 式 の 分 子 は G3からG10に 変 化 し 分 母 はG10からG17に 変 化 するため 分 母 に 数 値 のない 値 (0)で 除 算 された 結 果 (#DEV/0!)で 表 示 されます 23
2 数 式 の 中 でセル 番 地 が 絶 対 番 地 で 指 定 されているときのコピー この 例 では 各 支 店 の 売 上 が 全 体 の 合 計 に 対 してどれくらいの 割 合 であるかを 計 算 して います 単 純 に 数 式 を 入 力 すると セルG3( 東 京 支 店 )の 割 合 は =F3/F10 東 京 支 店 の 合 計 / 合 計 となります しかし この 数 式 を 連 続 してコピーすると 合 計 欄 のセル 参 照 が ずれて1の 結 果 となり ます そこで 合 計 欄 のセルF10を 絶 対 参 照 で 指 定 します 絶 対 参 照 は セル 番 地 の 列 番 号 と 行 番 号 の 前 に $F$10 というように $ 記 号 を 付 けます すなわち =F3/$F$10 のようになります このように 数 式 を 変 更 して 入 力 しておくと 合 計 欄 の 指 定 はコピーしても 変 化 はしま せん セル 番 地 の 絶 対 参 照 への 変 更 は 数 式 バーでの $ の 挿 入 で 修 正 できます (f 4でも 可 ) 右 例 でもわかる 通 り 分 母 の 合 計 のセル 番 地 は 変 化 しません(=F10/$F$10) 分 子 はF3からF10に 変 化 しています セルの 複 合 参 照 絶 対 参 照 では 数 式 をほかのセルに 移 動 した 場 合 に 列 位 置 行 位 置 ともに 参 照 関 係 は 変 化 しません しかし 数 式 によっては 列 位 置 は 相 対 的 に 指 定 したいが 行 位 置 は 絶 対 参 照 にしたい また その 逆 もあります < 数 式 でのセル 番 地 の 指 定 方 法 のまとめ> 指 定 方 法 説 明 A1 相 対 参 照 コピー 先 移 動 先 のセルに 合 わせて 参 照 されている セル 番 地 が 変 化 する 相 対 参 照 $A$1 絶 対 参 照 コピー 移 動 を 行 っても 参 照 されているセル 番 地 は 変 化 しない 絶 対 参 照 C$10 複 合 参 照 ( 行 位 置 のみ 絶 対 参 照 ) コピー 移 動 を 行 うと 列 位 置 のみが 変 化 する 複 合 参 照 ( 行 が 固 定 される) $C10 複 合 参 照 ( 列 位 置 のみ 絶 対 参 照 ) コピー 移 動 を 行 うと 行 位 置 のみが 変 化 する 複 合 参 照 ( 列 が 固 定 される) 1: 相 対 参 照 とは 例 えば セルG3の 中 に 数 式 =F3/F10が 記 述 されており このセルG3をG4に コピー 又 は 移 動 すると 行 が 一 行 下 がった 為 数 式 も 一 行 下 げたF4 F11と 自 動 的 に 変 化 することを 相 対 参 照 と 云 います (コピー 移 動 したセルの 列 行 の 数 だけ 変 化 します) 2: 絶 対 参 照 とは コピー 移 動 した 列 行 の 数 だけ 変 化 するのを 避 け 固 定 化 することを 絶 対 参 照 と 云 いま す 例 えば 比 率 を 求 める 際 に 分 母 が 変 化 しては 困 ります このようなときに 絶 対 参 照 と してセル 番 地 を 指 定 します 絶 対 参 照 は 列 行 の 前 に$を 挿 入 します ( 上 記 記 載 ) 3: 複 合 参 照 とは 行 列 のいずれかが 絶 対 参 照 ($が 挿 入 )のことを 云 います 24