15 5/2-9 CONTENTS 36 38 40 42 46 50 53 54 56 58 62 65 66 72 74 68 76 80 82 77 84 INTERVIEW 30 25 15 10 5 0 42 50
9 11 29 94 18 22 24 15 5/2-9 CONTENTS 25 18 100 102 104 106 110 111 112 113 114 26 26 27 26 118 123 126 9 114 11 118 30 5 12 86 98 108 116
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特 集 /トヨタ 進 撃 再 開 第 1 特 集 トヨタ 巨 人 がさらに 強 くなって 帰 ってきた クルマ 造 りも 工 場 も 徹 底 的 に 革 新 今 やトヨタの 戦 略 を 知 らずに 明 日 のビジネスは 語 れない 本 誌 : 山 田 雄 大 西 村 豪 太 中 川 雅 博 許 斐 健 太 松 浦 大 デザイン: 川 邊 玲 奈 進 行 管 理 : 中 島 康 順 37 週 刊 東 洋 経 済 15.5.2-9 進 撃 再 開 1.0 2.0 3.0 国 内 生 産 台 数 海 外 生 産 台 数 営 業 損 益 4.036 15.5.2-9 週 刊 東 洋 経 済
未 来の風を感じた 10年5月 電気自 動車 EV ベンチャーの米テスラ モーターズとの資本 業務提携を発 表したトヨタ自動車 豊田章男社長 はテスラのスポーツカー ロードス ター に試乗した感想をこう語っ た 豊田氏とテスラのイーロン マ スクCEOが初めて会ってからわず 25 ガッチリと握手し た豊田社長とマス クCEOだったが なぜ 燃 料 電 池 車 な の か げられるが どれも一長一短だ 国 や地域によってエネルギー政策も異 なり 将来の自動車用エネルギーの 方向性は絞り切れない 世界最大手のトヨタであろうと すべての次世代エネルギーに対して るわけではない 最注力分野はこれ 惜しみなく人的 技術的資源を注げ までの延長線上にあるHVとなる 1997年の初代 プリウス 発売 以来 車種を徐々に広げ 年には 累計販売700万台を超えた トヨ タを追ってホンダも参入し 2社の 競争を軸として 国内では 年以降 HVが爆発的に普及した ただ HVの売り上げの中心は一 貫して日本と米国に限られ 他地域 への展開が進まない 4月の中国 上海モーターショーでは 初めて現 地の研究拠点で開発したHVシステ ムを搭載した カローラ と レビ ン を発表 現地生産のシステムを 撮影 大澤 誠 車 覇 者 の 選 択 今のところばらばらだが 年 2 には収斂し CO 二酸化炭素 排 出量で約100 以下 燃費 でいえばガソリン1 当たり 前後にすることが義務づけられる見 込みだ テスラが本拠を置く米カリフォル ニア州にはZEV ゼロエミッショ ン車 規制が存在し 新車販売のう ち一定割合以上をEVやFCV P HVで満たさなければならない Z EVに対応するためだけに カリフ ォルニア限定でEVを販売している メーカーもあるほどだ トヨタだけが 強すぎたジレンマ トヨタは環境対応に関して H V EV FCVと 全方位 で取 り組むことを基本方針としてきた 石油に代わるものとしては電気や水 素 天然ガス バイオ燃料などが挙 14 か1カ月での決断 文字どおりの電 撃的提携は世界を驚かせた テスラとの提携で 次世代車戦 略の体制がさらに盤石になる 会 見で豊田氏はこうも語り 将来はハ イブリッド車 HV やプラグイン なるとしつつも EVや燃料電池車 ハイブリッド車 PHV が中心と FCV の重要性を強調すること も忘れなかった 多くの自動車メーカーが頭を悩ま せているのが ますます厳しくなる 燃費規制の問題だ 日米欧の規制は 03 次 世 代 特集 トヨタ 進撃再開 との絆 新日鉄住金の生命線はトヨタ 毎 年2回 自動車業界がかたずをの んで見守るのがトヨタ自動車と新 日鉄住金の鋼材価格交渉だ 交渉のテーマはトヨタが下請けや協力 会社に支給する鋼材の値段だ この価格 が業界の相場を形成する 日本の鉄鋼需要からすれば 自動車用 鋼材の需要は年間 1100 万 と全体の 1 割を占めるにすぎない ただ自動車用鋼 板などは先端技術の固まりで 汎用品の 建築用鋼材に比べて収益性が高い その 最大ユーザーであるトヨタとの密接な関 JFEスチールや神戸製鋼所が長期的に 日本の鋼材需要は減ると分析する中 新 日鉄住金の首脳は トヨタが国内生産300 点が稼動する予定だ どちらもトヨタが 自動車の骨格 ホワイトボディ 上 万台を維持し老朽インフラの建て替え需 高シェアを誇る市場である 図 に占めるハイテンの使用比率は 90 要があるかぎり 日本の鋼材需要はこれ 以上減らない と強気な見通しを語る 週刊東洋経済 15.5.2-9 トヨタに育てられた先端技術 年代には2割にすぎなかったが 14年に は6割程度まで上昇 これにより車体の ただ頼みの綱であるトヨタの国内生産 トヨタの厳しい品質管理や軽量化の要 強度を高め 10 以上の軽量化ができ は 07 年の 422 万台をピークに 14 年 求に応えてきたからこそ 新日鉄住金は た には326万台まで縮小した 今後も国内 じめ 日本の鉄鋼業は世界最高水準の技 新日鉄住金はこうした独自素材の開発 生産の拡大は見込み薄だ 術力を培うことができた を進めるだけでなく 利用加工技術の そこで新日鉄住金もトヨタの海外進出 新日鉄住金にとって自動車向けの最大 提案も行っている と水口俊直 自動車 と歩調を合わせて 00 年代から続々と の武器が高張力鋼板 ハイテン だ 鋼板商品技術室長は説明する 拠点を設立している 下表 ハイテンは普通鋼材に成分調整や加工 高強度の鋼材は軽量化には有効だが 14 年にはアルセロール ミタルと共 時に厳格な温度管理を行うことで強度を 加工が難しい そこで単に鋼板を供給す 同で北米の加工工場を約 15 億 で買収 増した鋼材で 薄くて強度に優れている るだけでなく 生産方法や構造設計の提 した インドネシアにも 17 年に加工拠 ハイテンそのものは古くからある技術 案まで踏み込んだ連携を行っている だが 1980 90 年代に自動車の軽量化 ただアルミや炭素繊維などのライバル ニーズの高まりと乗員の安全を守る衝突 も台頭してきた どちらの素材も高価だ 安全規制の強化を受け 両方を満たす切 が 鉄よりずっと軽い 鋼材使用量がぐ んと減る電気自動車 EV の普及が遅れ 新日鉄住金の車用鋼板の海外拠点 00 年代から設立加速 場所 稼働時期 年間生産能力 米国 1990年 0万トン り札として 開発が急速に進んできた タイ 99年 150万トン 新日鉄住金のハイテンの強みは その ぎみなのは救いだが 鉄の代替素材との 00年 100万トン 種類の豊富さにある と大村忠 自動車 競争は厳しさを増しているのだ 01年 技術供与のみ 鋼板営業部上席主幹は語る すでにプリウスやクラウンのボンネッ トには 00 年代前半からアルミが使われ ブラジル 欧州 中国 05年 250万トン 自動車で一般的に使われる溶融亜鉛メ タイ 13年 40万トン ッキ鋼板だけでなく アルミメッキ鋼板 ている レクサスなど上級車種では今 後 アルミの使用部位がより増える見通 メキシコ 13年 40万トン をそろえるなど 強度 品種で分類す インド 14年 60万トン れば数え切れないほどある 同 しだ ハイテンのさらなる技術開発と一 0万トン こうしたハイテンを 自動車メーカー 層の海外展開がとりあえずの解だが そ 50万トン の海外拠点にスムーズに供給できる体制 の先はトヨタの戦略次第という面があ も強みの一つとなっている る 米国 14年に買収 インドネシア 出所 新日鉄住金資料 77 骨格にハイテンを使うこと で 10 超の軽量化を実 現しながら 衝突安全基 準を満たすことができる 係は新日鉄住金の大きな財産だ 17年 予 15.5.2-9 週刊東洋経済 76