Journal of Japanese Society for Emergency Medicine 症 例 報 告 二 期 的 手 術 により 救 命 し 得 た, 軸 捻 転 症 による 急 性 胃 壊 死 の 一 例 多 田 祐 介 則 本 和 伸 北 岡 寛 教 福 島 英 賢 伊 藤 瓜 園 真 吾 泰 之 2 川 井 畑 廉 之 倫 明 關 奥 地 匡 彦 一 夫 要 旨 症 例 は 50 代 男 性 嘔 吐, 腹 部 膨 満 を 主 訴 に 近 医 に 救 急 搬 送 された CT 検 査 にて 胃 軸 捻 転 による 著 明 な 胃 拡 張 像 を 認 めたため, 緊 急 上 部 消 化 管 内 視 鏡 にて 脱 気 胃 管 挿 入 が 行 わ れた しかしその 後 も 呼 吸 循 環 動 態 が 不 安 定 であったため 当 センターへ 転 院 搬 送 となった 当 センターで 施 行 した 造 影 CT では, 胃 壁 の 造 影 不 良 が 認 められた 不 安 定 な 循 環 動 態 の 改 善 には 胃 の 切 除 が 必 要 と 考 え, 手 術 室 での 開 腹 術 を 予 定 していた しかし, 手 術 待 機 中 に 収 縮 期 血 圧 が 50mmHg まで 低 下 し, 輸 液 昇 圧 剤 に 反 応 が 悪 く, 手 術 室 入 室 まで 数 時 間 を 必 要 とし たため,ICU にて 緊 急 開 腹 手 術 を 行 った 40 分 間 で 壊 死 した 胃 を 摘 出 し, 再 建 は 行 わずに 閉 腹 した 術 後,ICU にて 全 身 状 態 の 改 善 を 図 り, 翌 日 に Roux-Y 再 建 術 を 行 った 本 症 例 は 比 較 的 まれな 胃 軸 捻 転 症 によるショックであったが,ICU にて 緊 急 開 腹 術 を 行 い, 二 期 的 手 術 により 救 命 し 得 た 索 引 用 語 : 胃 軸 捻 転,ショック, 二 期 的 手 術 はじめに 症 例 胃 軸 捻 転 症 は 胃 が 生 理 的 範 囲 を 超 えて 病 的 に 捻 転 し た 状 態 であり, 比 較 的 まれな 疾 患 である その 多 くは 捻 転 が 軽 度 で 腹 部 膨 満, 食 思 不 振 などの 軽 い 腹 部 症 状 のみで 慢 性 に 経 過 する しかし 急 性 に 高 度 な 胃 軸 捻 転 が 生 じると, 血 流 障 害 から 出 血, 穿 孔, 壊 死 といった 重 篤 な 経 過 をとることがある 今 回 われわれは, ショックを 呈 したため ICU にて 緊 急 胃 全 摘 術 を 行 い 二 期 的 に 再 建 術 を 行 った 急 性 胃 軸 捻 転 症 の 例 を 経 験 したので, 若 干 の 文 献 的 考 察 を 加 えて 報 告 する case of acute gastric necrosis due to gastric volvulus successfully treated by staged operation Yusuke TD, Hironori KITOK, Singo ITO 2, Yasuyuki KWI, Tadahiko SEKI, Kazunobu NORIMOTO, Hidetada FUKUSHIM, Yasuyuki URISONO, Michiaki HT, Kazuo OKUCHI Department of Emergency and Critical Care Medicine, Nara Medical University, 2 Emergency and Critical Care Center, Nara Prefectural Nara Hospital 奈 良 県 立 医 科 大 学 附 属 病 院 高 度 救 命 救 急 センター, 2 奈 良 県 立 奈 良 病 院 救 命 救 急 センター 原 稿 受 付 日 :203 年 0 月 2 日 原 稿 受 理 日 :204 年 4 月 4 日 患 者 :50 代, 男 性 主 訴 : 嘔 吐, 腹 部 膨 満 既 往 歴 : 小 児 麻 痺 現 病 歴 :X 日 より 嘔 吐 をするようになり,X + 日 朝 から 反 応 が 乏 しくなり, 近 医 に 救 急 搬 送 された 初 診 時 に 著 明 な 腹 部 膨 満 を 認 め, 腹 部 単 純 レントゲンに て 著 明 に 拡 張 した 胃 泡 が 認 められた( 図 ) 精 査 目 的 に 施 行 した CT 撮 影 にて 著 明 な 胃 拡 張 像 が 認 めら れ, 下 大 静 脈 は 圧 迫 されていた( 図 2) 緊 急 上 部 消 化 管 内 視 鏡 が 行 われ, 胃 粘 膜 壊 死, 出 血 を 認 めた 内 視 鏡 下 にて 脱 気 胃 管 挿 入 が 行 われ 入 院 となったが, 意 識 状 態 が 悪 化 し, 呼 吸 循 環 不 全 が 遷 延 していたた め, 精 査 加 療 目 的 に X+2 日, 当 センターへ 転 院 搬 送 となった 来 院 時 現 症 : 前 医 により 気 管 挿 管 及 びミダゾラムで 鎮 静 された 状 態 で 搬 入 となった 体 格 は 中 等 度 で, 血 圧 :88/56mmHg, 脈 拍 :30 回 / 分, 呼 吸 数 :25 回 / 分, 体 温 :38.0 腹 部 は 著 明 に 膨 満 していた 来 院 時 血 液 検 査 所 見 :ジャクソンリースで 酸 素 0L/ 分 投 与 下 の 血 液 ガス 分 析 で,PaO 2:88.0mmHg,PaCO 2: 486 日 臨 救 医 誌 (JJSEM)204;7:486-90
軸 捻 転 症 による 急 性 胃 壊 死 図 前 医 でのレントゲン 腹 部 全 体 に 巨 大 なガス 像 を 認 め る 胃 管 の 先 端 は 胃 食 道 接 合 部 で 留 まっていた( 黒 矢 印 ) C (b) (a) 図 2 前 医 での CT(), 前 医 での CT(),シェーマ(C) : 胃 は 著 明 に 拡 張 し, 幽 門 部 が 左 側 (a)に, 噴 門 部 が 右 側 (b) に 存 在 していた : 脾 臓 は 右 上 腹 部 に 遊 走 していた( 白 抜 き 矢 印 ) 下 大 静 脈 は 拡 張 した 胃 により 圧 迫 された 状 態 であった( 白 矢 印 ) C:シェーマ 脾 臓 が 右 上 腹 部 に 遊 走 し, 間 膜 軸 性 に 胃 が 捻 転 した 状 態 日 臨 救 医 誌 (JJSEM)204;7:486-90 487
多 田 祐 介, 他 図 3 当 院 での 造 影 CT : 胃 の 捻 転 は 解 除 されていたが, 胃 壁 は 著 明 に 浮 腫 状 変 化 を 来 しており, 造 影 不 良 であった( 白 矢 印 ) : 脾 臓 は 左 上 腹 部 に 脱 転 していた( 白 矢 印 ) 図 4 切 除 標 本 : 胃 体 上 部 から 弓 隆 部 にかけて 漿 膜 面 に 黒 色 変 化 を 認 めていた 胃 壁 の 全 層 壊 死 をきたしていると 考 えられる : 胃 粘 膜 に 広 範 囲 壊 死 と 思 われる 黒 色 変 化 を 認 めた 潰 瘍 形 成 や 腫 瘍 性 病 変 は 認 めなかった 50.6mmHg と 酸 素 化 不 良 を 認 め た ま た Lactate: 3.7mmol/l と 末 梢 循 環 不 全 を 示 す 所 見 を 認 めた 血 算 では Hb:2.4g/dl と 軽 度 の 貧 血 を 認 め, 血 小 板 数 は.4 万 /μl と 低 値 を 示 した 白 血 球 数 は 7,00/μl と 正 常 であったが,CRP 値 は 3.3mg/dl と 上 昇 していた また 血 清 クレアチニン 値 は.02mg/dl と 軽 度 腎 機 能 障 害 を 呈 し,ST:04 IU/l,LDH:326 IU/l,CK:3,755 IU/l と 上 昇 が 認 められた 当 院 で 行 った CT では 胃 の 拡 張 は 前 院 での 検 査 と 比 較 すると 改 善 していたが, 胃 壁 は 著 明 に 肥 厚 し, 胃 か ら 十 二 指 腸 水 平 脚 まで 造 影 不 領 域 を 認 めた また 脾 臓 及 び 膵 尾 部 は 胃 の 前 面 に 位 置 していた( 図 3) 前 医 での CT 所 見 も 併 せると, 脾 臓 が 腹 側 へ 遊 走 したこと による 間 膜 軸 性 の 胃 軸 捻 転 症 による 胃 壊 死 であり, 前 医 での 内 視 鏡 により 捻 転 がある 程 度 解 除 されたものと 考 えられた 来 院 後 経 過 :CT 検 査 後 ICU に 入 室 したが, 手 術 を 待 機 中 に 収 縮 期 血 圧 が 再 度 50mmHg まで 低 下 し た 大 量 輸 液 カテコラミン 投 与 を 行 ったが 反 応 な く, 軸 捻 転 による 虚 血 壊 死 した 胃 の 切 除 がショックか らの 早 期 離 脱 に 不 可 欠 と 判 断 した しかし 手 術 室 入 室 まで 数 時 間 を 必 要 としたため,やむなく ICU にて 緊 急 開 腹 手 術 を 行 うこととした 手 術 方 法 及 び 術 中 所 見 : 腹 部 正 中 切 開 にて 開 腹 した ところ 血 性 腹 水 を 認 めた 脾 臓 膵 尾 部 は 後 腹 膜 に 固 定 されておらず, 胃 の 前 面 に 遊 走 していた 胃 体 上 部 から 弓 隆 部 にかけて 漿 膜 面 がすでに 壊 死 に 至 っていた ため, 漿 膜 壊 死 の 認 めない 胃 噴 門 部 幽 門 部 でリニア カッターを 用 いて 胃 を 切 除 し, 摘 出 した 可 及 的 にそ の 他 の 腸 管 を 確 認 したが 明 らかな 壊 死 所 見 を 認 めず, 488 日 臨 救 医 誌 (JJSEM)204;7:486-90
軸 捻 転 症 による 急 性 胃 壊 死 表 本 邦 での 胃 切 除 を 要 した 急 性 胃 軸 捻 転 症 の 成 人 例 症 例 著 者 年 年 齢 性 別 既 往 ショック 穿 孔 壊 死 転 帰 Nasu 988 33 F 特 記 事 項 なし + + 生 存 2 Komatsu 989 28 M 胃 下 垂, 胃 潰 瘍, 鉄 欠 乏 性 貧 血 + + 生 存 3 sami 2002 52 M 精 神 遅 滞,S 状 結 腸 捻 転 症 + + 生 存 4 Ito 2007 39 M 脳 性 麻 痺 + + 生 存 5 Hirashima 2008 24 M 脳 性 麻 痺, 精 神 発 達 遅 滞 + 不 明 6 Nakagawa 2008 72 M 特 記 事 項 なし + + + 生 存 7 Hagiwara 2008 87 F 認 知 症 + 生 存 8 Tsukahara 2009 76 F 子 宮 筋 腫, 肺 結 核 ( 胸 郭 形 成 術 ),パーキンソン 病 + + + 生 存 9 Yamamoto 2009 70 F パーキンソン 病 + + 生 存 0 Matsumoto 2009 79 F 裂 孔 ヘルニア + + 生 存 Kawaguchi 200 79 M パーキンソン 病,S 状 結 腸 捻 転 症 + 生 存 2 Ito 20 90 F 高 血 圧, 陳 旧 性 脳 梗 塞, 間 質 性 肺 炎 + 生 存 3 Fukase 20 74 F 裂 孔 ヘルニア, 胆 嚢 結 石, 脳 梗 塞 + + 生 存 4 Our case 202 58 M 小 児 麻 痺 + + 生 存 5 Kodama 203 72 F 高 血 圧 + + + 生 存 上 行 結 腸 に 浮 腫 性 変 化 を 認 めるのみであった 腹 腔 内 を 洗 浄 後, 布 鉗 子 を 用 いて 腹 壁 を 層 で 閉 創 し 40 分 間 で 手 術 を 終 了 した 摘 出 した 標 本 ( 図 4)では, 胃 体 上 部 から 弓 隆 部 にかけて 漿 膜 面 に 黒 色 変 化 を 呈 して おり, 全 層 性 の 胃 壊 死 が 認 められたが, 潰 瘍 形 成 や 腫 瘍 性 病 変 は 認 めなかった 術 後 経 過 : 術 後, 血 圧 は 徐 々に 安 定 し( 収 縮 期 血 圧 00 20mmHg 程 度 ), 全 身 状 態 が 安 定 した 翌 X+3 日 に Roux-Y 法 にて 再 建 を 行 った X+3 日 より 経 口 摂 取 を 開 始 し,X+38 日 他 院 に 軽 快 転 院 となった 考 察 本 症 例 は 急 性 胃 軸 捻 転 症 にてショックに 至 った 一 例 であったが, 全 身 状 態 と 時 間 的 制 約 のため,やむなく ICU でショックの 原 因 と 考 えられた 胃 を 速 やかに 切 除 した 後 に,ICU で 全 身 状 態 の 改 善 を 図 ってから 再 建 手 術 を 行 い, 救 命 し 得 た 胃 軸 捻 転 症 は 比 較 的 まれな 疾 患 である 本 症 の 頻 度 に 関 してはさまざまな 報 告 があるが, 一 過 性 で 自 然 整 復 される 例 があることや, 診 断 に 至 らない 例 もあるた め 正 確 な 有 病 率 などについては 明 らかとされていな い ) またそのほとんどは 捻 転 が 軽 度 であるため 症 状 が 軽 く, 腹 部 膨 満 食 思 不 振 などの 軽 い 腹 部 症 状 のみ で 慢 性 的 な 経 過 をたどるとされている また 治 療 を 要 する 症 例 の 多 くが 胃 管 内 視 鏡 の 挿 入 などによる 脱 気 により 改 善 する 保 存 的 加 療 で 改 善 しない 症 例, 再 発 を 繰 り 返 す 症 例 に 対 しては 待 機 的 に 胃 固 定 術 などの 手 術 療 法 が 選 択 される 2) 急 性 胃 軸 捻 転 症 では 急 性 腹 症 を 呈 し,orchardt 三 徴 ( 著 明 な 上 腹 部 痛 と 腹 部 膨 満,2 吐 物 のない 嘔 吐,3 胃 管 挿 入 困 難 )を 認 めるとされる しかし, 慢 性 経 過 した 症 例 では 軽 度 の 心 窩 部 痛 や 腹 部 膨 満 を 訴 えるのみ で, 虚 血 壊 死 に 至 らず 自 然 整 復 する 例 が 多 いとされ る 3) また 本 疾 患 は, 既 往 にパーキンソン 病 のような 腸 管 運 動 機 能 低 下 を 来 す 疾 患 や 胃 と 他 臓 器 との 固 定 が 先 天 的 に 弱 い 場 合 などに 起 こりやすいとされる 4) 胃 軸 捻 転 症 は 回 転 軸 により 臓 器 軸 性 と 間 膜 軸 性 に 分 類 される 軸 捻 転 による 虚 血 から 壊 死 に 至 るものは 前 者 であることが 多 いとされる ) が, 本 症 例 は 前 医 CT で 脾 臓 が 右 上 腹 部 に 位 置 しており 遊 走 脾 に 起 因 する 間 膜 軸 性 胃 軸 捻 転 症 であったと 考 えられ, 捻 転 の 程 度 が より 高 度 であったため 虚 血 壊 死 に 至 ったものと 考 えら れる 本 症 例 のように 急 性 経 過 をたどる 症 例 はその 致 命 率 も 高 く,5 20% とも 報 告 される 5) しかし 胃 は 血 流 が 豊 富 な 臓 器 であり, 捻 転 による 虚 血 壊 死 によって ショックに 至 り, 手 術 加 療 が 必 要 な 症 例 は 非 常 にまれ である 本 邦 で 胃 切 除 を 要 した 胃 軸 捻 転 症 の 成 人 報 告 例 は, 文 献 的 にわれわれが 検 索 した 限 りでは 自 験 例 も 含 めて 5 例 であり,うちショックを 呈 した 症 例 は 8 例 であった( 表 ) 高 度 の 胃 軸 捻 転 では, 拡 張 した 胃 による 肺 心 臓 の 圧 排 から 静 脈 還 流 量 が 低 下 する 閉 塞 性 ショックが 生 じ る 5) 本 症 例 においても CT 所 見 から, 前 医 での 循 環 不 全 は 閉 塞 性 ショックによるものと 考 えられた しか し 当 院 来 院 後 に 撮 影 した CT では, 胃 軸 捻 転 はある 程 度 整 復 されて 下 大 静 脈 の 圧 迫 が 解 除 されているにも 関 わらず, 循 環 不 全 が 遷 延 し, 大 量 輸 液, 昇 圧 剤 にも 反 日 臨 救 医 誌 (JJSEM)204;7:486-90 489
多 田 祐 介, 他 応 しなかった 詳 細 な 機 序 は 明 らかではなかったが, 本 症 例 におけるショックからの 離 脱 には 虚 血 壊 死 に 至 った 胃 の 切 除 が 不 可 欠 であると 考 え,ICU にて 短 時 間 に 壊 死 した 胃 を 切 除 し, 救 命 し 得 た 表 で 示 した 過 去 の 報 告 例 においても,ショックを 呈 した 症 例 の 86% に 胃 壊 死 を 伴 っており,また 明 確 な 感 染 巣 がない にも 関 わらず, 消 化 管 の 虚 血 再 灌 流 障 害 から 多 臓 器 不 全 に 至 る 6) ことから, 本 症 例 のショックには, 捻 転 か ら 壊 死 に 至 った 胃 の 虚 血 再 灌 流 が 関 与 しているものと 考 えられる 本 症 例 は 来 院 後 短 時 間 のうちにさらなる 血 圧 低 下 を 認 めたため, 原 因 と 考 えられる 壊 死 した 胃 の 切 除 のみを 初 回 手 術 に 行 い, 全 身 状 態 を 集 中 治 療 にて 回 復 させた 後 に 二 期 的 に 消 化 管 再 建 を 行 って 救 命 し 得 た 循 環 動 態 が 不 安 定 な 重 症 例 に 対 して 行 われるこうした 手 術 戦 略 を, 外 傷 の 蘇 生 手 術 に 準 じて, 急 性 腹 症 に 対 するダ メージコントロール 手 術 として 推 奨 する 報 告 もある 7) 結 語 今 回 われわれはショックとなり ICU にて 緊 急 胃 全 摘 術 を 行 った 急 性 胃 軸 捻 転 症 の 一 例 を 経 験 した 胃 は 血 流 が 豊 富 であるが, 捻 転 が 高 度 な 場 合 は 血 流 障 害 に よる 壊 死 に 至 り,さらにはショックを 呈 することがあ る 保 存 的 治 療 に 時 間 を 費 やし, 外 科 的 治 療 の 時 期 を 逸 さぬように 診 断 治 療 をすることが 重 要 である 文 献 ) 梅 澤 久 輝, 一 和 多 雅 雄, 五 島 雅 和, 他 : 胃 軸 捻 転 を 伴 った 成 人 食 道 裂 孔 ヘルニアの 例. 日 臨 外 会 誌 2000 ; 6 : 92-5. 2) 木 村 和 恵, 山 懸 基 維, 金 城 直, 他 : 異 なる 治 療 法 が 有 用 で あった 胃 軸 捻 転 症 の 2 例. 臨 牀 と 研 究 2008 ; 85 : 58-4. 3) 畑 倫 明, 村 尾 佳 則, 小 延 俊 文, 他 : 緊 急 腹 腔 鏡 下 手 術 にて 治 療 しえた 急 性 胃 軸 捻 転 症 の 例. 日 腹 部 救 急 医 会 誌 999; 9 : 67-20. 4) 山 元 英 資, 串 畑 史 樹, 小 林 展 章 : Parkinson 病 経 過 中 に 胃 穿 孔 をきたした 胃 軸 捻 転 症 の 例. 日 腹 部 救 急 医 会 誌 2009; 29 : 895-8. 5) 岡 部 敏 夫, 綿 貫 文 夫, 大 和 田 進, 他 : 心 不 全, 胆 嚢 穿 孔, 間 膜 軸 性 胃 軸 捻 転 を 伴 った 食 道 裂 孔 ヘルニアの 例. 日 消 外 会 誌 2006 ; 39 : 797-802. 6) 深 柄 和 彦, 望 月 英 隆 : 腸 管 虚 血 再 灌 流 障 害 その 機 序 と 予 防 法 治 療 法. 外 科 と 代 謝 栄 養 2007 ; 4 : - 5. 7)Weber DG, endinelli C, alogh ZJ: Damage control surgery for abdominal emergencies. r J Surg 204; 0: e09-8. 490 日 臨 救 医 誌 (JJSEM)204;7:486-90