2-2-2 公 的 助 成 支 援 の 仕 組 みを 活 用 する 医 療 費 の 自 己 負 担 分 には 上 限 が 設 けられているほか 休 職 している 間 に 生 活 を 支 える 制 度 など さまざまな 助 成 支 援 の 仕 組 み が あります 第 2 部 がんに 向 き 合 う 第 2 章 経 済 的 負 担 と 支 援 について 公 的 助 成 支 援 の 仕 組 みを 活 用 するには 主 な 問 い 合 わせ 先 を 確 認 する( 地 域 の 療 養 情 報 も 併 せてご 活 用 くだ さ い ) がん 診 療 連 携 拠 点 病 院 などのがん 相 談 支 援 センター 各 医 療 機 関 の 相 談 窓 口 ソーシャルワーカー 各 自 治 体 の 相 談 窓 口 (インターネットで 情 報 を 得 られることもありま す )な ど 本 人 と 家 族 の 医 療 介 護 その 他 療 養 生 活 での 支 払 いの 領 収 書 などは なくさないように 保 管 しておく 各 制 度 の 対 象 となる 基 準 には 本 人 だけでなく 家 族 ( 世 帯 )の 所 得 や 状 況 も 関 係 するものもあるので 家 庭 全 体 の 状 況 から 活 用 できる 制 度 はないか 調 べてみる 新 しく 治 療 を 始 めるとき 退 院 したり 療 養 場 所 を 変 えるとき 家 族 の 状 況 が 変 わったりしたとき 転 居 のときなどの 機 会 に 活 用 できる 制 度 について 見 直 してみる 患 者 必 携 わたしの 療 養 手 帳 に 調 べたり 問 い 合 わせたりした 仕 組 みや 窓 口 手 続 きした 助 成 や 支 援 の 記 録 を 残 しておく 患 者 必 携 わたしの 療 養 手 帳 も 併 せてご 活 用 ください 101
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第 2 部 がんに 向 き 合 う 第 2 章 経 済 的 負 担 と 支 援 について 経 済 的 負 担 に 対 する 制 度 高 額 医 療 高 額 介 護 合 算 療 養 費 制 度 医 療 介 護 サービスの 両 方 を 受 けている 方 の 負 担 を 減 らすために 2008 年 4 月 から 始 まった 制 度 です すでに 説 明 したように 公 的 医 療 保 険 には 1ヵ 月 の 自 己 負 担 額 の 限 度 を 定 めた 高 額 療 養 費 制 度 があります 介 護 保 険 でも 同 様 に 高 額 介 護 高 額 介 護 予 防 サービス 費 制 度 が 設 けられています しかし これらの2つの 制 度 を 利 用 しても 高 額 の 医 療 と 介 護 をともに 受 けた 場 合 大 きな 負 担 が 生 じます そこで 医 療 介 護 双 方 にかかった 費 用 について 1 年 間 に 円 まで と 負 担 の 上 限 を 決 めたのがこの 制 度 です この 制 度 の 対 象 となる 方 公 的 医 療 保 険 と 介 護 保 険 の 両 方 を 利 用 している 方 主 な 仕 組 み 1 年 間 (8 月 1 日 から 翌 年 7 月 末 日 まで)にかかった 医 療 費 介 護 費 の 自 己 負 担 ( 保 険 適 用 のもの)が 限 度 額 を 超 えた 場 合 に 利 用 できます 世 帯 全 体 での 医 療 介 護 費 の 合 計 額 が 対 象 になります( 一 定 の 条 件 があ ります) 手 続 きの 窓 口 各 市 区 町 村 役 場 の 介 護 保 険 の 窓 口 加 入 する 公 的 医 療 保 険 の 窓 口 医 療 費 控 除 1 年 間 に 一 定 以 上 の 医 療 費 の 自 己 負 担 があった 場 合 に 税 金 を 軽 減 しま す 税 制 上 の 仕 組 みのため 高 額 療 養 費 制 度 などとは 控 除 の 対 象 となる 医 療 費 や 手 続 きなどが 異 なります 医 療 費 控 除 を 受 けるには 会 社 などの 年 末 調 整 とは 別 に 自 分 で 確 定 申 告 をする 必 要 があります このとき 医 療 費 の 領 収 書 なども 添 付 します この 制 度 の 対 象 となる 方 一 定 の 収 入 がある 全 ての 方 107
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第 2 部 がんに 向 き 合 う 第 2 章 経 済 的 負 担 と 支 援 について 生 活 保 護 病 気 で 仕 事 ができない 収 入 が 乏 しいといった 理 由 で 生 活 が 苦 しい 場 合 に 経 済 的 援 助 を 行 う 制 度 です あらゆる 手 段 を 尽 くしても 最 低 限 度 の 生 活 を 維 持 できないときに 初 めて 適 用 されます 生 活 保 護 の 給 付 には 日 常 生 活 に 必 要 な 費 用 については 生 活 扶 助 必 要 な 医 療 は 医 療 扶 助 必 要 な 介 護 サービスは 介 護 扶 助 というように 種 類 があ ります 申 請 を 行 うと 福 祉 事 務 所 のケースワーカーが 自 宅 を 訪 れ 生 活 や 仕 事 資 産 状 況 などを 調 査 します その 結 果 をもとに 給 付 の 可 否 や その 世 帯 に とって 必 要 な 扶 助 が 決 められます 手 続 きの 窓 口 各 市 区 町 村 役 場 の 福 祉 窓 口 や 福 祉 事 務 所 医 療 費 や 生 活 資 金 などを 借 りる 生 活 福 祉 資 金 貸 付 制 度 低 所 得 者 世 帯 障 害 者 世 帯 介 護 を 要 する 方 のいる 高 齢 者 世 帯 に 都 道 府 県 の 社 会 福 祉 協 議 会 が 生 活 福 祉 資 金 として 貸 し 付 ける 制 度 です 貸 付 資 金 の 種 類 として 総 合 支 援 資 金 福 祉 資 金 教 育 支 援 資 金 不 動 産 担 保 型 生 活 資 金 の4 種 類 があり 用 途 別 に 貸 付 の 条 件 ( 貸 付 限 度 額 据 置 期 間 償 還 期 限 貸 付 利 子 連 帯 保 証 人 )が 設 けられています 手 続 きの 窓 口 各 市 区 町 村 の 社 会 福 祉 協 議 会 111
年 金 などからの 支 給 障 害 年 金 ( 障 害 基 礎 年 金 障 害 厚 生 年 金 ) 病 気 などで 重 度 の 障 害 が 残 った65 歳 未 満 の 方 に 年 金 を 早 くから 支 給 す いんとう る 制 度 です 人 工 肛 門 の 造 設 や 咽 頭 部 摘 出 を 受 けた 方 のほか 日 常 生 活 で 介 助 が 不 可 欠 だったり 生 活 や 仕 事 に 著 しい 制 限 を 受 ける 状 態 になった 方 で 受 給 できることがあります 加 入 している 年 金 保 険 によって 障 害 基 礎 年 金 ( 国 民 年 金 ) 障 害 厚 生 年 金 ( 厚 生 年 金 )に 分 かれます 障 害 基 礎 年 金 は 障 害 等 級 1 2 級 が 対 象 ですが 障 害 厚 生 年 金 は1~3 級 までとなっています なお 障 害 等 級 は 身 体 障 害 者 手 帳 の 等 級 とは 異 なり 手 続 きも 別 に 行 う 必 要 があります そのほか 原 則 としていずれかの 年 金 に 加 入 中 に 障 害 を 負 った 方 保 険 料 を 一 定 期 間 納 めていることなどの 要 件 を 満 たしている 必 要 があります な お 障 害 基 礎 年 金 は 20 歳 未 満 または60 歳 以 上 65 歳 未 満 の 方 でも 条 件 が 合 えば 対 象 になります 手 続 きの 窓 口 障 害 基 礎 年 金 各 市 区 町 村 役 場 の 国 民 年 金 の 窓 口 障 害 厚 生 年 金 職 場 の 担 当 年 金 事 務 所 共 済 組 合 事 務 局 障 害 手 当 金 障 害 手 当 金 ( 一 時 金 )は 厚 生 年 金 の 加 入 者 が 対 象 です 障 害 年 金 の 対 象 に ならない 軽 度 の 障 害 を 負 った 方 に 一 度 だけ 支 給 されるものです 手 続 きの 窓 口 職 場 の 担 当 年 金 事 務 所 共 済 組 合 事 務 局 112
第 2 部 がんに向き合う 第 2 章 経済的負担と支援について そのほかの助成制度 高額介護 高額介護予防サービス費 介護保険サービスを利用した場合 サービス料の1割を自己負担しますが その額が高くなった場合は助成する制度があります 1ヵ月に支払う自己負担 の上限額が定められていて 超過分の費用は後日払い戻される仕組みです この制度の適用対象になると 各市区町村役場から通知があります それ に従って申請を行うと 1 2ヵ月後に超過分の費用が払い戻されます 一度申請すれば 次回以降は手続きの必要はありません 手続きの窓口 各市区町村役場の介護保険窓口 身体障害者手帳 身体障害者手帳は 身体に障害が残った方の日常生活の不自由を補うた めに さまざまな助成 支援を受けられるようにするものです 人工肛門や ぼうこう 人工膀胱を造設したり 咽頭部を摘出した方などが対象になります 利用できる助成 支援には 人工肛門や人工膀胱などの補装具や 会話 補助装置や介護用のベッドなど日常生活用具などの支給 貸与 税金の減 額免除 公共交通機関運賃の免除 割引などがあります ただし 手帳は 障害の種類や程度などによって1 6級に区分され 級によって受けられる 助成が変わります 原則として障害の状態が固定してから申請手続きを行いますが 障害の 内容によってはすぐに申請できる場合もあります 申請には 都道府県知事に 指定された医師に 診断書を作成してもらう必要があります 手続きの窓口 各市区町村役場の窓口 福祉事務所 i 関連情報 P29 がん相談支援センターにご相談ください 113