Similar documents
の と す る (1) 防 犯 カ メ ラ を 購 入 し 設 置 ( 新 設 又 は 増 設 に 限 る ) す る こ と (2) 設 置 す る 防 犯 カ メ ラ は 新 設 又 は 既 設 の 録 画 機 と 接 続 す る こ と た だ し 録 画 機 能 付 防 犯 カ メ ラ は

ロ ペ ミ ッ ク 小 児 用 % C ゲ シ ン L 錠 5 0 m g G ソ レ ル モ ン S R カ プ セ ル m g N1

イ ン チ ー ザ ヴ ィ チ ェ ン ツ ァ ヴ ィ ッ ロ ル バ ( ト レ ビ ゾ 近 郊 ) ヴ ィ ン チ ヴ ェ ル バ ニ ア ヴ ェ ロ ー ナ エ リ チ ェ カ タ ー ニ ャ ( 3 月 ~ 1 0 月 ) ( 1 1 月 ~ 2 月 ) 5 0 ユ ー ロ 以 上 介 護

Taro-学校だより学力調査号.jtd

積 載 せず かつ 燃 料 冷 却 水 及 び 潤 滑 油 の 全 量 を 搭 載 し 自 動 車 製 作 者 が 定 める 工 具 及 び 付 属 品 (スペアタイヤを 含 む )を 全 て 装 備 した 状 態 をいう この 場 合 に おいて 燃 料 の 全 量 を 搭 載 するとは 燃 料

試 験 概 略 試 験 目 的 同 同 一 一 規 規 格 格 の の 電 電 熱 熱 線 線 式 式 ヒーティングユニットを2 台 台 並 並 べ べ 片 片 方 方 のユニットに 遠 遠 赤 赤 外 外 線 線 放 放 射 射 材 材 料 料 である アルミ 合 金 エキスパンションメタルを 組

(Microsoft Word - \203A \225\345\217W\227v\227\314 .doc)

高濃度硫化水素削減のための汚泥脱気装置の開発

・モニター広告運営事業仕様書

Microsݯft Word - 91 forܠ2009November.docx

Microsoft Word - 養生学研究投稿規定(改)

第1回

<4D F736F F D E939A88C F087542D315F3289F196DA E69>

雇用保険被保険者資格取得届(様式)編

jouhoukyouikubukai

第三十六号の二様式(第五条関係)(A4)

神の錬金術プレビュー版

(5) 特 定 施 設 の 使 用 の 方 法 (6) 色 等 の 処 理 の 方 法 (7) 排 出 水 の 色 等 の 汚 染 状 態 及 び 量 2 一 の 施 設 が 特 定 施 設 となった 際 現 にその 施 設 を 設 置 している 者 ( 設 置 の 工 事 をしている 者 を 含

ATOK Syncの設定方法と使い方(Mac用)

想 像 思 行 ず 消 毒 擦 む 薄 血 混 じ 滲 み ぶ 痂 ぶ 取 下 薄 来 経 験 沢 山 お 思 健 常 人 間 元 々 備 能 力 中 具 的 何 起 ょ 簡 単 説 明 ず 人 間 負 部 リ ン パ 球 血 小 板 マ ク ロ フ ァ ジ 悪 食 べ 集 死 溶 食 べ 清 浄

消 防 庁 危 険 物 保 安 室 殿 ドラム 缶 に 係 る 可 燃 性 蒸 気 対 流 シミュレーション 分 析 業 務 成 果 報 告 書 2013 年 1 月 アドバンスソフト 株 式 会 社

158 高 校 講 座 習 モ 現 ラ 習 モ 距 離 置 示 終 向 据 示 唆 与 取 ょ 第 7576 回 第 :

目 次 第 1. 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 (1) 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 (2) 施 行 者 の 名 称 1 第 2. 施 行 区 1 (1) 施 行 区 の 位 置 1 (2) 施 行 区 位 置 図 1 (3) 施 行 区 の 区 域 1 (4) 施

サッカーの話をしよう 旅するワールドカップ 立ち読み版

Microsoft Word - No.10 西村.doc

その 他 事 業 推 進 体 制 平 成 20 年 3 月 26 日 に 石 垣 島 国 営 土 地 改 良 事 業 推 進 協 議 会 を 設 立 し 事 業 を 推 進 ( 構 成 : 石 垣 市 石 垣 市 議 会 石 垣 島 土 地 改 良 区 石 垣 市 農 業 委 員 会 沖 縄 県 農

<8C9A90DD94AD90B696D88DDE939982CC8DC48E918CB989BB82C98AD682B782E98E9696B18EE688B CC FC90B3816A2E786477>

理数科1年校外研修しおり

フ ェ ネ ル ミ ン 錠 鉄 5 0 m g F プ リ ン ド リ ル 細 粒 1 % C リ ザ ス ト 錠 3 m g F

Taro-産教連原稿 jtd

平成19年9月改定

第 2-2 表 耐 火 構 造 等 に 必 要 な 性 能 に 関 する 技 術 的 基 準 構 造 の 種 類 部 分 火 災 の 種 類 時 間 要 件 1 時 間 を 基 本 とし 建 耐 力 壁 柱 床 はり 屋 根 階 段 耐 火 構 造 ( 令 第 107 条 ) 壁 床 外 壁 屋 根

別紙3

Taro-H19退職金(修正版).jtd

新ひだか町住宅新築リフォーム等緊急支援補助金交付要綱

2. 予 測 2.1. 予 測 項 目 予 測 項 目 は 以 下 のとおりとした 1 埋 設 廃 棄 物 の 掘 削 除 去 に 伴 う 廃 棄 物 2 造 成 等 の 施 工 の 一 時 的 な 影 響 による 建 設 工 事 に 伴 う 副 産 物 ( 建 設 発 生 土 建 設 廃 棄 物

<4D F736F F D2095CA8E A90DA91B18C9F93A289F1939A8F D8288B3816A5F E646F63>

1 検 討 経 過 及 び 目 的 について 平 成 2 4 年 12 月 に 調 布 市 立 小 学 校 で 発 生 し た 食 物 レ ル ギ ー 死 亡 事 故 を 踏 まえ, 調 布 市 で は, 食 物 レ ル ギ ー 事 故 の 再 発 防 止 に 向 け て 調 布 市 食 物 レルギ

第 1 条 適 用 範 囲 本 業 務 方 法 書 は 以 下 の 性 能 評 価 に 適 用 する (1) 建 築 基 準 法 施 行 令 ( 以 下 令 という ) 第 20 条 の7 第 1 項 第 二 号 表 及 び 令 第 20 条 の 8 第 2 項 の 認 定 に 係 る 性 能 評

目 次 第 1 章 は じ め に... 3 第 2 章 基 本 的 な キ ー 操 作... 4 第 3 章 メ ニ ュ ー 画 面... 6 第 4 章 入 荷 業 務... 7 第 5 章 出 荷 業 務... 9 第 6 章 商 品 照 会...11 第 7 章 棚 卸 業 務...12 第


Microsoft Word - 土木報告No.3頁.doc

目 改 正 項 目 軽 自 動 車 率 の 引 上 げ 〇 国 及 び 地 方 を 通 じた 自 動 車 関 連 制 の 見 直 しに 伴 い 軽 自 動 車 の 標 準 率 が 次 のとおり 引 き 上 げられます 車 種 区 分 引 上 げ 幅 50cc 以 下 1,000 円 2,000 円

東京都立産業技術高等専門学校

(2) 国 道 196 号 自 転 車 走 行 空 間 社 会 実 験 ( 平 成 21 年 度 ) 概 要 松 山 市 内 の 国 道 196 号 において 自 転 車 レーンを 設 置 する 社 会 実 験 を 実 施 し 歩 行 者 と 自 転 車 の 分 離 による 走 行 空 間 の 安

1 総 合 設 計 一 定 規 模 以 上 の 敷 地 面 積 及 び 一 定 割 合 以 上 の 空 地 を 有 する 建 築 計 画 について 特 定 行 政 庁 の 許 可 により 容 積 率 斜 線 制 限 などの 制 限 を 緩 和 する 制 度 である 建 築 敷 地 の 共 同 化 や

目 次 表 紙... 1 目 次... 2 改 訂 記 録 目 的 対 象 製 造 部 門 品 質 部 門 組 織 PET 薬 剤 製 造 施 設 ( 施 設 長 )の 責 務 製 造 管 理 者 の 責 務... 7

Microsoft Word 印刷ver 本編最終no1(黒字化) .doc

Microsoft Word - 佐野市生活排水処理構想(案).doc

3 会 場 使 用 費 の 支 払 い 大 会 当 日, 会 場 使 用 費 を 各 学 校 ご と に ま と め て 大 会 本 部 に 納 め る 4 各 地 区 主 任 に よ る 手 続 き 各 地 区 主 任 は, 参 加 校 分 の 大 会 申 込 書 地 区 大 会 結 果 を 代

編 5ヶ 月 6 総 論 7 抜 ピ ド ピ ド 速 永 久 繰 ロ セ 慣 容 易 結 共 通 決 々 5 照 づ 具 ご 紹 介 与 監 査 比 較 場 限 提 始 箇 提 進 ご 安 心 話 提 与 監 査 雑 把 与 締 役 緒 算 類 作 機 関 従 来 税 始 忘 生 物 繰 切 忘 葉

Ⅰ. は じ め に 27 年 か ら の 不 況 の 影 響 で 不 動 産 競 売 物 件 が 増 加 し て い る 29 年 9 月 は 全 国 で 8 件 を 超 え た ( 前 年 同 月 は 約 6 件 ) ま た 不 動 産 競 売 の 情 報 が イ ン タ ー ネ ッ ト で 公

(Microsoft Word - \221\346\202P\202U\201@\214i\212\317.doc)

1

Microsoft Word - 答申本文.doc

公 営 企 業 職 員 の 状 況 1 水 道 事 業 1 職 員 給 与 費 の 状 況 ア 決 算 区 分 総 費 用 純 利 益 職 員 給 与 費 総 費 用 に 占 める ( 参 考 ) 職 員 給 与 費 比 率 22 年 度 の 総 費 用 に 占 A B B/A める 職 員 給 与

資料提供招請(登録版)

総合評価点算定基準(簡易型建築・電気・管工事)

< F2D A C5817A C495B6817A>

(5) 給 与 改 定 の 状 況 事 委 員 会 の 設 置 なし 1 月 例 給 事 委 員 会 の 勧 告 民 間 給 与 公 務 員 給 与 較 差 勧 告 A B A-B ( 改 定 率 ) 給 与 改 定 率 ( 参 考 ) 国 の 改 定 率 24 年 度 円 円 円 円 ( ) 改

Microsoft PowerPoint 資料6 技術基準.ppt [互換モード]

工 業 用 水 道 更 新 耐 震 化 事 業 の 費 用 対 効 果 の 算 定 工 業 用 水 道 更 新 耐 震 化 事 業 における 費 用 対 効 果 を 工 業 用 水 道 事 業 に 係 る 政 策 評 価 実 施 要 領 ( 経 済 産 業 省 ) 及 び 費 用 対 効 果 分 析

<4D F736F F D208E52979C8CA78E598BC68F5790CF91A390698F9590AC8BE08CF D6A2E646F6378>

人見知りを克服する方法

(Microsoft Word - \220V\227v\215j\221S\225\266.DOC)

高松市緊急輸送道路沿道建築物耐震改修等事業補助金交付要綱(案)

する ( 評 定 の 時 期 ) 第 条 成 績 評 定 の 時 期 は 第 3 次 評 定 者 にあっては 完 成 検 査 及 び 部 分 引 渡 しに 伴 う 検 査 の 時 とし 第 次 評 定 者 及 び 第 次 評 定 者 にあっては 工 事 の 完 成 の 時 とする ( 成 績 評 定

目 次 第 1 土 地 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 1. 土 地 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 2. 施 行 者 の 名 称 1 第 2 施 行 地 区 1 1. 施 行 地 区 の 位 置 1 2. 施 行 地 区 位 置 図 1 3. 施 行 地 区 の 区 域 1 4

インターネット取引に関する調査結果(平成13年3月末)について

Microsoft Word - 【word】自動車の点検及び整備に関する手引(告示全改正文).doc

<93798D488E7B8D488AC7979D977697CC5F F96DA8E9F2E786264>

第2章 施設の実態(用途別)

がん専門病院における薬剤師養成のあり方に関する調査研究

(5) 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しの 実 施 状 況 について 概 要 の 給 与 制 度 の 総 合 的 見 直 しにおいては 俸 給 表 の 水 準 の 平 均 2の 引 き 下 げ 及 び 地 域 手 当 の 支 給 割 合 の 見 直 し 等 に 取 り 組 むとされている

新居浜市印鑑登録及び証明書発行保護事務取扱要領

2. 建 築 基 準 法 に 基 づく 限 着 色 項 目 の 地 区 が 尾 張 旭 市 内 にはあります 関 係 課 で 確 認 してください 項 目 所 管 課 窓 口 市 役 所 内 電 話 備 考 がけに 関 する 限 (がけ 条 例 ) 都 市 計 画 課 建 築 住 宅 係 南 庁 舎

<4D F736F F D2093CD8F6F82AA954B977682C88C9A95A882CC94BB926682CC DD5F48508C668DDA E646F63>

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 平 成 27 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 役 名 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 2,142 ( 地 域 手 当 ) 17,205 11,580 3,311 4 月 1

歩 行 距 離 20m 以 下

6 構 造 等 コンクリートブロック 造 平 屋 建 て4 戸 長 屋 16 棟 64 戸 建 築 年 1 戸 当 床 面 積 棟 数 住 戸 改 善 後 床 面 積 昭 和 42 年 36.00m m2 昭 和 43 年 36.50m m2 昭 和 44 年 36.

1 フ ラ ッ シ ュ カ ー ド ( サ ン プ ル ) の ス ラ イ ド を パ ワ ー ポ イ ン ト で 作 っ て み ま し ょ う 以 下 の ス ラ イ ド ( 2 枚 目 ~ 4 枚 目 を 作 り ま す あ ら か じ め 作 業 用 の フ ァ イ ル を デ ス ク ト

( 医 療 機 器 の 性 能 及 び 機 能 ) 第 3 条 医 療 機 器 は 製 造 販 売 業 者 等 の 意 図 する 性 能 を 発 揮 できなければならず 医 療 機 器 としての 機 能 を 発 揮 できるよう 設 計 製 造 及 び 包 装 されなければならない 要 求 項 目 を

第 40 回 中 央 近 代 化 基 金 補 完 融 資 推 薦 申 込 み 公 募 要 綱 1 公 募 推 薦 総 枠 30 億 円 一 般 物 流 効 率 化 促 進 中 小 企 業 高 度 化 資 金 貸 付 対 象 事 業 の 合 計 枠 2 公 募 期 間 平 成 28 年 6 月 20

< DB8CAF97BF97A6955C2E786C73>

指 定 - 第 2 表 エネルギー 管 理 指 定 工 場 等 のエネルギーの 使 用 量 及 び 販 売 した 副 生 エネルギーの 量 平 成 27 年 度 エネルギーの 種 類 単 位 使 用 量 販 売 した 副 生 エネルギーの 量 数 値 熱 量 GJ 数 値 熱 量 GJ 原 油 (コ

Microsoft Word - H27概要版

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

<4D F736F F D AC90D1955D92E CC82CC895E DD8C D2816A2E646F63>

現 行 工 業 地 域 準 工 業 地 域 商 業 地 域 近 隣 商 業 地 域 改 正 後 準 工 業 地 域 ( 特 別 業 務 地 区 ( 第 2 種 ) 及 び 指 定 集 積 区 域 を 除 く) 近 隣 商 業 地 域 2 / 7

耐 震 診 断 受 付 期 間 4 月 16 日 ( 月 )~1 月 31 日 ( 木 ) 予 定 戸 数 100 戸 1 補 助 の 条 件 次 のすべての 要 件 に 該 当 すること (1) 市 民 自 らが 所 有 し 居 住 していること (2) 昭 和 56 年 5 月 31 日 以 前

ら 情 報 せ 先 先 ホムペジ

< F2D E616C817A91E D868FF096F189BC>


()NZI トラップ cm NZI トラップは 国 際 昆 虫 生 理 生 態 学 センタ ーにより 考 案 されたもの ) である 変 法 マニ トバトラップと 同 様 色 の 布 を 用 いている 外 観 は 図 に 示 すとおりで 布 を 平 面 的 に 展 開 した 構 造 に 設 置 した

0605調査用紙(公民)

第1章 設計マニュアル 本 編

<4D F736F F D2090BC8BBB959491BA8F5A91EE8A C52E646F63>

2016年夏のボーナス見通し

廃棄物熱回収施設設置者認定マニュアル

資 料 -6 平 成 20 年 度 第 2 回 北 陸 地 方 整 備 局 事 業 評 価 監 視 委 員 会 特 定 構 造 物 改 築 事 業 事 後 評 価 説 明 資 料 平 成 20 年 11 月 北 陸 地 方 整 備 局 -0-

Transcription:

JAEA-Testing 2011-008 Corrosion Countermeasure for Demonstration Scale Steam Reforming System Yoshiki NAKANISHI, Yoshio AOYAMA, Kazuharu NONAKA, Tomoyuki SONE Osamu NAKAZAWA and Kiyoshi TASHIRO Waste Management Department Nuclear Fuel Cycle Engineering Laboratories Tokai Research and Development Center JAEA-Testing March 2012 Japan Atomic Energy Agency

水 蒸 気 改 質 処 理 試 験 装 置 の 腐 食 対 策 日 本 原 子 力 研 究 開 発 機 構 東 海 研 究 開 発 センター 核 燃 料 サイクル 工 学 研 究 所 環 境 技 術 管 理 部 中 西 良 樹 青 山 佳 男 野 中 一 晴 曽 根 智 之 中 澤 修 田 代 清 (2011 年 12 月 28 日 受 理 ) 焼 却 処 理 が 困 難 なウランで 汚 染 されたリン 酸 トリブチルとノルマルドデカンの 混 合 廃 溶 媒 の 減 容 処 理 を 行 うため 水 蒸 気 改 質 処 理 法 の 開 発 を 行 っている この 混 合 廃 溶 媒 を 処 理 したところ 処 理 試 験 装 置 のガス 化 装 置 に 孔 食 状 の 腐 食 が 発 生 した こ のため 原 因 調 査 及 び 試 験 を 行 った この 結 果 ガス 化 装 置 に 発 生 した 腐 食 の 原 因 は 処 理 の 過 程 で 発 生 する 残 渣 による 隙 間 腐 食 であると 分 かった よって この 隙 間 腐 食 に 対 する 防 食 法 の 検 討 を 行 い 本 装 置 の 防 食 法 として 犠 牲 陽 極 方 式 のカソード 防 食 法 を 採 用 した この 腐 食 対 策 を 施 した 装 置 を 用 いて 混 合 廃 溶 媒 の 連 続 処 理 試 験 を 行 ったところ 638 時 間 の 処 理 でガス 化 装 置 に 隙 間 腐 食 が 発 生 しなかったことから 実 施 した 対 策 が 有 効 であることが 分 か った 核 燃 料 サイクル 工 学 研 究 所 : 319-1194 茨 城 県 那 珂 郡 東 海 村 村 松 4-33 i

Corrosion Countermeasure for Demonstration Scale Steam Reforming System Yoshiki NAKANISHI, Yoshio AOYAMA, Kazuharu NONAKA, Tomoyuki SONE, Osamu NAKAZAWA and Kiyoshi TASHIRO Waste Management Department Nuclear Fuel Cycle Engineering Laboratories, Tokai Research and Development Center Japan Atomic Energy Agency Tokai-mura, Naka-gun, Ibaraki-ken (Received December 28, 2011) Steam reforming technology has been developed to reduce the volume of liquid uranium waste such as a Tri-n-butyl phosphate adding n-dodecane solvent (TBP/nDD), which is difficult to incinerate. The localized corrosion like pitting corrosion occurred on the inner surface of the gasification chamber of the demonstration scale steam reforming system during the treatment of TBP/nDD. Therefore we conducted the tests to identify the form of corrosion. It is found that the form of corrosion is crevice corrosion which caused by the residues generated by treatment of TBP/nDD. The corrosion protection methods were studied, and the cathodic protection system using a galvanic anode was selected as the protection method of the gasification chamber. The continuous treatment test of TBP/nDD was conducted using the steam reforming system with the cathodic protection system. As a result, the crevice corrosion did not occur during 600 hours continuous treatment of TBP/nDD, and the effectiveness of the protection method was verified. Keywords: Steam Reforming, TBP, Crevice Corrosion, Cathodic Protection ii

目 次 1. はじめに...1 2. 腐 食 原 因 調 査...1 2.1 腐 食 状 況...1 2.2 腐 食 原 因 の 調 査...4 3. ガス 化 装 置 の 腐 食 対 策...20 3.1 隙 間 腐 食 対 策 の 検 討...20 3.2 処 理 試 験 装 置 への 適 用...22 3.3 隙 間 腐 食 対 策 の 効 果 の 実 証 試 験...24 3.4 試 験 結 果...25 4.まとめ...30 参 考 文 献...31 iii

Contents 1. Introduction...1 2. Investigation of cause of corrosion...1 2.1 Corrosion condition...1 2.2 Investigation of cause of corrosion...4 3. Corrosion countermeasures for gasification chamber...20 3.1 Investigation of crevice corrosion protection methods...20 3.2 Application to the system...22 3.3 Verification test...24 3.4 Result...25 4. Conclusion...30 References...31 iv

表 リスト Table 1 試 験 に 用 いた 試 薬 の 化 学 的 性 質 Table 2 ステンレス 鋼 で 想 定 される 腐 食 形 態 Table 3 廃 溶 媒 の 分 析 結 果 Table 4 基 礎 試 験 装 置 による 試 験 条 件 Table 5 基 礎 試 験 装 置 を 用 いた UNS N08028 の 腐 食 試 験 結 果 Table 6 インナー 厚 さの 最 適 化 試 験 の 試 験 条 件 Table 7 インナー 厚 さの 最 適 化 試 験 結 果 v

図 リスト Fig.1 ガス 化 装 置 Fig.2 ライナーの 腐 食 量 Fig.3 試 験 後 のライナー( 腐 食 部 ) Fig.4 孔 食 の 発 生 メカニズム Fig.5 隙 間 腐 食 の 発 生 メカニズム Fig.6 ライナー 表 面 写 真 (モータ 側 開 口 部 から 70cm) Fig.7 基 礎 試 験 装 置 模 式 図 Fig.8 腐 食 試 験 体 系 図 (ガス 化 部 ) Fig.9 隙 間 腐 食 試 験 体 系 図 Fig.10 試 験 後 の 状 況 ( 試 験 1: TBP, 水 蒸 気 雰 囲 気 ) Fig.11 試 験 後 の 状 況 ( 試 験 2: TBP, 窒 素 雰 囲 気 ) Fig.12 試 験 後 の 状 況 ( 試 験 3: 85%リン 酸, 水 蒸 気 雰 囲 気 ) Fig.13 試 験 後 の 状 況 ( 試 験 4: 85%リン 酸, 窒 素 雰 囲 気 ) Fig.14 試 験 後 の 状 況 ( 試 験 5: 85%リン 酸, 水 蒸 気 雰 囲 気, 隙 間 作 成 ) Fig.15 試 験 における 隙 間 腐 食 のモデル Fig.16 腐 食 温 度 の 推 定 Fig.17 95%リン 酸 中 における UNS N10276 の 腐 食 温 度 の 温 度 依 存 性 Fig.18 電 気 化 学 測 定 装 置 の 模 式 図 Fig.19 100%リン 酸 中 における 隙 間 を 持 つ UNS N10276 の 動 電 位 分 極 曲 線 Fig.20 外 部 電 源 方 式 の 装 置 への 適 応 模 式 図 Fig.21 インナーを 挿 入 したガス 化 装 置 模 式 図 Fig.22 インナー 及 びライナーの 働 き Fig.23 ライナーの 腐 食 量 ( 試 験 1:インナーの 厚 さ 1mm) Fig.24 ライナーの 腐 食 量 ( 試 験 2:インナーの 厚 さ 2mm) Fig.25 ライナーの 腐 食 量 ( 試 験 3:インナーの 厚 さ 3mm) Fig.26 インナー 厚 さの 最 適 化 試 験 後 のインナー Fig.27 インナー 厚 さの 最 適 化 試 験 のライナーの 腐 食 速 度 Fig.28 実 廃 溶 媒 処 理 試 験 のライナーの 腐 食 速 度 vi

1. はじめに ( 独 ) 日 本 原 子 力 研 究 開 発 機 構 ( 以 下 JAEA という ) では 焼 却 処 理 が 困 難 なリンやハロ ゲンを 含 む 有 機 溶 媒 機 械 油 等 の 有 機 系 液 体 廃 棄 物 を 保 管 している この 有 機 系 液 体 廃 棄 物 は 埋 設 処 分 に 際 して 廃 棄 体 への 混 入 が 禁 止 されている このため 廃 棄 体 化 前 に 無 機 化 処 理 を 行 う 必 要 がある また 極 力 減 容 し 環 境 負 荷 および 処 分 コストの 低 減 を 図 ることが 必 要 である しかし 一 般 的 な 無 機 化 減 容 技 術 である 焼 却 法 では リンやハロゲンを 含 む 溶 媒 等 を 処 理 した 場 合 装 置 の 腐 食 配 管 の 閉 塞 大 量 の 二 次 廃 棄 物 の 発 生 等 の 問 題 がある 環 境 技 術 管 理 部 処 理 技 術 課 では 有 機 系 液 体 廃 棄 物 であるウランで 汚 染 された TBP (Tributyl-Phosphate,リン 酸 トリブチル)と n-ドデカンの 混 合 廃 溶 媒 ( 以 下 TBP 廃 溶 媒 と いう )の 無 機 化 減 容 処 理 を 行 うため 水 蒸 気 改 質 処 理 法 の 開 発 を 行 ってきた 1) 水 蒸 気 改 質 処 理 法 は 有 機 系 液 体 廃 棄 物 と 過 熱 水 蒸 気 の 接 触 により 難 燃 物 の 分 解 ガス 化 を 行 う 水 蒸 気 改 質 プロ セスと 水 中 で 燃 焼 を 行 う 液 中 燃 焼 プロセスを 組 み 合 わせた 処 理 法 である これまで TBP 廃 溶 媒 処 理 試 験 中 に 試 料 の 分 解 ガス 化 を 行 う 装 置 ( 以 下 ガス 化 装 置 とい う)に 腐 食 の 発 生 が 問 題 となっていた そのため 各 種 材 料 の 文 献 調 査 リン 酸 への 浸 漬 腐 食 試 験 を 行 い リン 酸 に 対 する 耐 食 性 を 有 する 高 耐 食 ニッケル 合 金 (UNS N10276)をガス 化 装 置 に 使 用 し 定 期 的 に 交 換 する 腐 食 対 策 を 行 うこととされた 1) また ガス 化 装 置 を 保 護 するための UNS N10276 製 の 保 護 管 ( 以 下 ライナー という )を 挿 入 し ガス 化 装 置 の 長 寿 命 化 を 図 った この 対 策 の 効 果 を 確 認 するため ウランを 含 んでいない TBP と n-ドデカンの 混 合 物 ( 以 下 模 擬 TBP 廃 溶 媒 という )を 処 理 したところ 浸 漬 腐 食 試 験 で 得 られた 腐 食 速 度 よりもはるかに 大 きい 速 度 でライナーが 腐 食 した そこで 腐 食 状 況 を 確 認 し 腐 食 形 態 について 調 査 し 原 因 を 特 定 する 試 験 を 行 った 原 因 とし て 明 らかとなった 隙 間 腐 食 の 対 策 を 検 討 し 犠 牲 陽 極 方 式 のカソード 防 食 を 用 いることとした 採 用 したカソード 防 食 の 効 果 を 実 証 するため 実 廃 溶 媒 試 験 を 行 った 本 報 告 書 では ライナーに 発 生 した 腐 食 の 原 因 調 査 と 腐 食 原 因 特 定 試 験 の 結 果 と 原 因 である 隙 間 腐 食 の 対 策 を 検 討 するとともに 試 験 装 置 の 腐 食 対 策 を 実 施 して 実 廃 溶 媒 試 験 を 行 い その 隙 間 腐 食 対 策 の 効 果 についてまとめた 2. 腐 食 原 因 調 査 2.1 腐 食 状 況 模 擬 TBP 廃 溶 媒 を 用 いた 腐 食 対 策 確 認 試 験 中 にライナーに 発 生 した 腐 食 原 因 を 調 査 するため 試 験 後 のライナーの 腐 食 状 況 を 確 認 した 試 験 は Fig.1 に 示 すようにライナーをガス 化 装 置 に 挿 入 して 行 われた また 模 擬 TBP 廃 溶 媒 として Table 1 に 示 す 試 薬 を 用 いて TBP が 40wt% n- - 1 -

ドデカンが 60wt%となるように 調 製 した TBP( 大 八 化 学 工 業 ) 及 び n-ドデカン( 日 鉱 石 油 化 学 )は 試 薬 特 級 を 使 用 した 処 理 時 間 を 50 時 間 電 気 炉 及 びヒータの 温 度 は 600 とした ガ ス 化 装 置 以 外 の 試 験 条 件 は 過 去 の TBP 廃 溶 媒 処 理 試 験 と 同 じである 1) 試 験 後 にライナー 底 面 を 超 音 波 厚 さ 計 (JFE アドバンテック 社 製 TI-65C)で 測 定 した 結 果 を Fig.2 に 示 す 試 験 の 結 果 位 置 基 準 点 からおおむね 60cm~90cm の 範 囲 で 大 きく 腐 食 され 70cm の 位 置 では 貫 通 孔 が 生 じた 腐 食 速 度 は 処 理 時 間 50 時 間 で 厚 さ 3mm のライナーに 貫 通 孔 が 生 じ たことから 0.06 mm/h 以 上 であると 考 えられる これは 浸 漬 腐 食 試 験 で 得 られた 腐 食 速 度 (0.002 mm/h) 1) に 比 べ 大 幅 に 大 きい 速 度 である また Fig.3 に 試 験 後 のライナーに 生 じた 腐 食 の 写 真 を 示 す Fig.2 の 腐 食 量 測 定 結 果 と Fig.3 の 写 真 からこの 腐 食 が 局 部 腐 食 であることが 分 かる 実 際 の 腐 食 では 局 部 腐 食 が 発 生 し 浸 漬 腐 食 試 験 では 全 面 腐 食 であったため このような 速 い 腐 食 速 度 となったものと 考 えられる ライナー 円 筒 部 (1m) ライナー 半 円 部 (1m) 肉 厚 測 定 位 置 (10~100cm) 位 置 基 準 点 ライナー 底 面 中 央 試 料 ライナー ガス 化 装 置 排 気 電 気 炉 スクリュー 水 蒸 気 ヒータ 加 熱 部 (0.3m) 電 気 炉 加 熱 部 (1.4m) Fig.1 ガス 化 装 置 残 渣 Table 1 試 験 に 用 いた 試 薬 の 化 学 的 性 質 名 称 成 分 沸 点 ( ) 密 度 (g/cm 3 ) TBP [CH 3 (CH 2 )2CH 2 O] 3 PO 269( 分 解 ) 0.979 n-ドデカン CH 3 (CH 2 ) 10 CH 3 215 0.749-2 -

3.0 ( 貫 通 ) 1.2 ~ ~ 腐 食 量 (mm) 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 0 20 40 60 80 100 位 置 基 準 点 からの 位 置 (cm) Fig.2 ライナーの 腐 食 量 貫 通 孔 底 面 中 央 10mm Fig.3 試 験 後 のライナー( 腐 食 部 ) - 3 -

2.2 腐 食 原 因 の 調 査 腐 食 状 況 より ガス 化 装 置 の 腐 食 は 局 部 腐 食 であった 金 属 の 腐 食 形 態 2) のうち UNS N10276 で 想 定 される 腐 食 形 態 を 調 べ ガス 化 装 置 内 で 発 生 する 可 能 性 について 検 討 した その 結 果 を Table 2 にまとめた 検 討 結 果 より 孔 食 及 び 隙 間 腐 食 の 可 能 性 が 考 えられた このため (1) (2) にそれぞれの 可 能 性 について 評 価 を 行 った 結 果 を 示 す Table 2 ステンレス 鋼 で 想 定 される 腐 食 形 態 腐 食 形 態 検 討 結 果 粒 界 腐 食 孔 食 応 力 腐 食 割 れ 隙 間 腐 食 腐 食 発 生 場 所 の 装 置 外 面 の 温 度 は ステンレス 鋼 等 を 550~800 に 加 熱 500 程 度 であるため 装 置 内 面 温 度 するとクロムの 炭 化 物 が 析 出 し クロ は 500 以 下 であると 考 えられる ム 濃 度 が 低 下 した 結 晶 粒 界 に 沿 って 選 よって クロムの 炭 化 物 の 析 出 が 発 択 的 腐 食 が 進 行 する 生 しないため この 形 態 の 可 能 性 は ない 主 に 塩 素 イオンが 存 在 する 環 境 で 金 属 試 料 にハロゲンが 含 まれれば 発 生 す 表 面 の 不 動 態 化 被 膜 の 一 部 が 破 壊 さ るため 発 生 の 可 能 性 がある れ 腐 食 孔 を 生 じる 応 力 が 集 中 する 部 位 ではなく 応 力 引 張 応 力 と 腐 食 環 境 との 相 互 作 用 によ 腐 食 割 れに 特 有 の 亀 裂 状 の 腐 食 では って 亀 裂 が 発 生 し 腐 食 が 進 行 する ないため この 形 態 の 可 能 性 はない 金 属 表 面 上 の 付 着 物 との 隙 間 に 濃 淡 電 残 渣 を 起 点 として 発 生 している 可 能 池 が 発 生 するか ph の 低 下 が 発 生 して 性 がある 腐 食 が 進 行 する : 可 能 性 がある 腐 食 形 態 : 可 能 性 のない 腐 食 形 態 (1) 孔 食 の 評 価 孔 食 のメカニズムを Fig.4 に 示 す 孔 食 発 生 部 では M n+ のイオン 濃 度 が 増 大 し 孔 食 内 部 の 電 気 的 中 性 を 保 つために 溶 液 内 の 陰 イオン( 主 に Cl - などのハロゲン) が 泳 動 し 孔 食 部 内 で 濃 化 する 濃 化 した Cl - は M の 溶 解 を 促 進 するため 孔 食 が 進 行 する 3) そこで 蛍 光 X 線 分 析 装 置 ( 島 津 製 作 所 製 EDX-720)で TBP 廃 溶 媒 の 元 素 分 析 を 行 い ハロゲンなどの 孔 食 の 原 因 となる 元 素 の 有 無 を 確 認 し 局 部 腐 食 が 孔 食 によるものであるの かを 判 断 した 元 素 分 析 の 結 果 を Table 3 に 示 す TBP 廃 溶 媒 から 検 出 された 主 な 元 素 はリン(P)であり - 4 -

孔 食 を 促 進 させるハロゲン 等 の 元 素 は 検 出 されなかった 以 上 に 示 した 結 果 から 今 回 の 腐 食 は TBP の 熱 分 解 で 生 成 したリン 酸 により 進 行 していたものと 考 えられ 塩 素 等 のハロゲン による 孔 食 ではないと 推 察 される Fig.4 孔 食 の 発 生 メカニズム 損 傷 事 例 で 学 ぶ 腐 食 防 食 (1990)より 引 用 元 素 Table 3 廃 溶 媒 の 分 析 結 果 (wt%) 試 料 名 TBP 廃 溶 媒 P 96.36 Cr ND Fe ND Ni ND Si 3.57 Al ND K ND Cu 0.07 Cl ND U ND - 5 -

(2) 隙 間 腐 食 の 評 価 隙 間 腐 食 のメカニズムを Fig.5 に 示 す 3) 隙 間 腐 食 は 大 別 して 孔 食 と 同 様 のハロゲンによる もの 隙 間 内 部 と 外 部 の 金 属 又 は 酸 素 の 濃 淡 電 池 によるものに 分 けられる 濃 淡 電 池 による 隙 間 腐 食 の 進 行 は 腐 食 反 応 により 隙 間 内 の 金 属 濃 度 が 上 昇 すると 相 対 的 に 金 属 濃 度 が 低 い 隙 間 外 と 金 属 濃 淡 電 池 を 形 成 して 腐 食 が 進 行 する または 隙 間 内 部 の 酸 素 が 欠 乏 すると 酸 素 還 元 反 応 (カソード 反 応 )は 相 対 的 に 高 い 電 位 である 外 表 面 で 起 こるようになり 隙 間 内 部 では アノード 反 応 のみが 優 先 して 起 こるようになる さらに 溶 出 した 金 属 イオンが 隙 間 内 部 で 高 濃 度 になると 水 酸 化 物 を 生 成 し 局 部 的 に ph が 下 がる 現 象 も 発 生 し 腐 食 は 隙 間 内 部 で 急 激 に 進 行 する ガス 化 装 置 では 装 置 内 に 残 渣 が 堆 積 することで 隙 間 が 発 生 すると 考 えられる そこで 試 験 後 のライナー 表 面 を 観 察 したところ スクリューで 残 渣 をかき 出 す 機 構 になっているにもか かわらず Fig.6 に 示 すように 残 渣 の 堆 積 が 見 られる 残 渣 の 堆 積 によって 隙 間 腐 食 の 発 生 する 環 境 になっていたと 考 えられる Fig.5 隙 間 腐 食 の 発 生 メカニズム 損 傷 事 例 で 学 ぶ 腐 食 防 食 (1990)より 引 用 - 6 -

底 面 中 央 Fig.6 ライナー 表 面 写 真 (モータ 側 開 口 部 から 70cm) 10mm 次 に 隙 間 腐 食 の 再 現 試 験 を 行 い ガス 化 装 置 の 腐 食 原 因 の 特 定 を 行 った 試 験 は 小 型 の 水 蒸 気 改 質 処 理 試 験 装 置 ( 以 下 基 礎 試 験 装 置 という )を 用 いて 腐 食 試 験 を 行 った 基 礎 試 験 装 置 の 模 式 図 を Fig.7 に 腐 食 試 験 体 系 図 を Fig.8 に 示 す 腐 食 試 験 は 試 験 片 を UNS N10276 製 ライナーに 入 れて TBP 又 はリン 酸 を 試 料 として 処 理 し ながら 加 熱 した 電 気 炉 の 中 心 温 度 は 650 に 設 定 し 試 験 時 間 は 5 時 間 とした 試 験 終 了 後 に 試 験 片 を 取 り 出 して 表 面 の 付 着 物 を 取 り 除 き 厚 さを 測 定 し その 変 化 から 腐 食 速 度 を 評 価 した なお 試 験 片 は ライナーの 材 料 である UNS N10276 製 では 試 験 時 間 内 での 腐 食 が 見 られな かったため 加 速 試 験 とするために UNS N10276 に 比 べ 耐 食 性 が 低 い 高 ニッケル 合 金 の UNS N08028 を 使 用 した 隙 間 腐 食 の 原 因 になる 隙 間 の 原 因 として TBP の 熱 分 解 で 生 成 するリン 酸 による 腐 食 生 成 物 を 含 む 残 渣 が 考 えられる また 濃 淡 電 池 の 形 式 としてリン 酸 に 溶 解 した 金 属 による 金 属 濃 淡 電 池 と 水 蒸 気 中 の 酸 素 による 酸 素 濃 淡 電 池 が 考 えられた このため TBP をリン 酸 に 変 えた 試 験 及 び 水 蒸 気 投 入 の 有 無 による 隙 間 腐 食 の 発 生 状 況 を 確 認 した 試 験 条 件 を Table 4 に 示 す また 試 験 5 では 試 験 片 と 同 じ 材 質 を 用 いて 予 め 隙 間 を 造 った 試 験 片 を 用 いて 試 験 を 行 い 隙 間 に 沿 って 隙 間 腐 食 が 発 生 することを 確 認 した 試 験 5 の 体 系 図 を Fig.9 に 示 す - 7 -

過 熱 水 蒸 気 / 窒 素 加 熱 空 気 デミスタ 排 気 試 料 ライナー ガス 化 部 (650 ) 管 状 炉 酸 化 分 解 部 (800 ) フィルタ スクラバ Fig.7 基 礎 試 験 装 置 模 式 図 試 料 (TBP, リン 酸 ) 過 熱 水 蒸 気 / 窒 素 排 気 投 入 側 ライナー(UNS N10276 製 ) 試 験 片 (UNS N08028 製 ) ガス 化 部 (UNS N10276 製 ) Fig.8 腐 食 試 験 体 系 図 (ガス 化 部 ) 試 料 隙 間 作 成 板 (UNS N08028 製 ) 隙 間 の 作 成 (25 150mm) 試 験 片 Fig.9 隙 間 腐 食 試 験 体 系 図 - 8 -

Table 4 基 礎 試 験 装 置 による 試 験 条 件 試 験 番 号 処 理 試 料 窒 素 水 蒸 気 隙 間 1 TBP 無 2L/min 無 2 処 理 量 0.25ml/min 2L/min 無 無 3 無 2L/min 無 リン 酸 (85%) 4 2L/min 無 無 処 理 量 0.05ml/min 5 無 2L/min 有 試 験 で 得 られた 腐 食 状 況 及 び 腐 食 速 度 を Table 5 に 試 験 後 の 腐 食 状 況 及 び 腐 食 量 を Fig.10 ~14 に 示 す 水 蒸 気 を 入 れた 試 験 では 残 渣 が 少 ないのに 対 し 窒 素 を 入 れた 試 験 では 試 験 後 の 試 験 片 にタール 状 の 残 渣 が 多 く 残 った これは 窒 素 を 入 れた 試 験 では 試 料 を 処 理 しきれなかっ たことによると 考 えられる また リン 酸 を 処 理 した 試 験 では 緑 色 の 残 渣 に 覆 われており この 残 渣 は 水 洗 浄 によって 取 り 除 くことが 出 来 た このことから 残 渣 は 金 属 のリン 酸 塩 とポリリン 酸 が 混 合 したものと 推 定 される 水 洗 浄 後 の 試 験 片 には 緑 黄 色 のリン 酸 塩 のスケールと 見 られる 残 渣 が 付 着 していた これをやすりで 取 り 除 いた 後 試 験 片 を 観 察 し マイクロメータを 用 いて 厚 さを 測 定 して 減 少 分 を 試 験 時 間 で 除 して 腐 食 速 度 をもとめた 試 験 後 の 試 験 片 の 観 察 及 び 厚 さ 測 定 によって 全 ての 試 験 片 に 局 部 腐 食 が 発 生 していることが 確 認 された 局 部 腐 食 は 試 験 片 の 投 入 側 から 5cm 前 後 の 位 置 に 集 中 していた また 予 め 隙 間 を 造 った 試 験 5 では Fig.14 に 示 すように 隙 間 作 成 板 の 外 周 に 沿 って 4cm 程 度 の 筋 状 の 局 部 腐 食 が 試 験 片 及 び 隙 間 作 成 板 の 両 方 に 見 られた 腐 食 速 度 は 全 面 腐 食 部 で 約 0.02~0.04mm/h 局 部 腐 食 部 で 0.06~0.10mm/h の 範 囲 となり すべての 試 験 で 局 部 腐 食 部 の 腐 食 速 度 が 概 ね 全 面 腐 食 部 の 2~3 倍 であった 一 方 で 水 蒸 気 投 入 の 有 無 により 腐 食 速 度 に 違 いが 見 られた これは 水 蒸 気 がリン 酸 のポリマー 化 を 抑 制 し ポ リリン 酸 による 腐 食 を 減 少 させたためと 考 えられる 局 部 腐 食 の 原 因 を 考 察 すると TBP を 処 理 した 試 験 とリン 酸 を 処 理 した 試 験 で 腐 食 速 度 及 び 局 部 腐 食 の 発 生 状 況 に 差 が 見 られないことから 隙 間 の 生 成 は リン 酸 による 腐 食 生 成 物 を 含 む 残 渣 によるものであることが 分 かった また 水 蒸 気 を 投 入 した 試 験 と 窒 素 を 投 入 した 試 験 で 局 部 腐 食 の 腐 食 速 度 に 差 がみられないことか 隙 間 腐 食 は 酸 素 濃 淡 電 池 によるものではなく リン 酸 中 に 溶 解 した 金 属 による 金 属 濃 淡 電 池 によるものであると 推 定 される さらに 局 部 腐 食 が 見 られるのは 残 渣 下 部 及 び 人 工 的 に 作 成 した 隙 間 内 に 限 られていた これ は 残 渣 が 堆 積 して 隙 間 が 生 成 し そこにリン 酸 が 供 給 されることで 溶 解 した 金 属 を 含 む 金 属 濃 淡 電 池 が 形 成 されて 局 部 腐 食 が 進 行 したためと 考 えられる また より 高 温 になるとリン 酸 のポ リマー 化 がさらに 進 行 しリン 酸 が 隙 間 内 部 へ 供 給 されにくくなるため 局 部 腐 食 が 進 行 しにくく なると 推 定 される この 腐 食 モデルを Fig.15 に 示 す 隙 間 を 作 成 した 試 験 5 では 予 め 作 成 した 隙 間 に 沿 って 投 入 側 から 約 1cm~5cm の 位 置 で 局 部 腐 食 が 発 生 するが それよりも 高 温 側 のリン 酸 の - 9 -

ポリマー 化 が 進 行 したと 見 られる 残 渣 が 堆 積 している 部 分 では 局 部 腐 食 が 進 行 していないことも この 腐 食 モデルの 妥 当 性 を 裏 付 けている 以 上 をまとめると ガス 化 装 置 で 発 生 した 局 部 腐 食 は TBP が 分 解 するときに 生 じるリン 酸 がガス 化 装 置 を 腐 食 させ 生 成 したリン 酸 スケールとガス 化 装 置 の 間 に 生 じた 隙 間 にリン 酸 が 入 り 込 むことで 生 じる 隙 間 腐 食 であると 推 定 される Table 5 基 礎 試 験 装 置 を 用 いた UNS N08028 の 腐 食 試 験 結 果 試 験 番 号 処 理 試 料 水 蒸 気 隙 間 腐 食 の 発 生 位 置 腐 食 形 態 ( 腐 食 速 度 ) 1 TBP 有 投 入 側 より 5cm 2 TBP 無 投 入 側 より 5cm 3 リン 酸 (85%) 有 投 入 側 より 5cm 4 リン 酸 (85%) 無 投 入 側 より 5cm 5 リン 酸 (85%) 有 投 入 側 より 3~7cm 全 面 腐 食 (0.04mm/h) 局 部 腐 食 (0.10mm/h) 全 面 腐 食 (0.02mm/h) 局 部 腐 食 (0.07mm/h) 全 面 腐 食 (0.02mm/h) 局 部 腐 食 (0.04mm/h) 全 面 腐 食 (0.02mm/h) 局 部 腐 食 (0.06mm/h) 全 面 腐 食 (0.04mm/h) 局 部 腐 食 (0.08mm/h) - 10 -

試 験 後 の 試 験 片 ( 洗 浄 前 ) 試 験 後 の 試 験 片 ( 洗 浄 後 ) 局 部 腐 食 0.6 試 験 片 底 部 腐 食 量 (mm) 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 試 験 1 全 面 腐 食 量 試 験 1 局 部 腐 食 量 0.0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 投 入 側 からの 距 離 (cm) 試 験 後 の 腐 食 量 Fig.10 試 験 後 の 状 況 ( 試 験 1: TBP, 水 蒸 気 雰 囲 気 ) - 11 -

試 験 後 の 試 験 片 ( 洗 浄 前 ) 試 験 後 の 試 験 片 ( 洗 浄 後 ) 局 部 腐 食 0.6 試 験 片 底 部 腐 食 量 (mm) 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 試 験 2 全 面 腐 食 量 試 験 2 局 部 腐 食 量 0.0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 投 入 側 からの 距 離 (cm) 試 験 後 の 腐 食 量 Fig.11 試 験 後 の 状 況 ( 試 験 2: TBP, 窒 素 雰 囲 気 ) - 12 -

試 験 後 の 試 験 片 ( 洗 浄 前 ) 試 験 後 の 試 験 片 ( 洗 浄 後 ) 局 部 腐 食 0.6 試 験 片 底 部 腐 食 量 (mm) 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 試 験 3 全 面 腐 食 量 試 験 3 局 部 腐 食 量 0.0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 投 入 側 からの 距 離 (cm) 試 験 後 の 腐 食 量 Fig.12 試 験 後 の 状 況 ( 試 験 3: 85%リン 酸, 水 蒸 気 雰 囲 気 ) - 13 -

試 験 後 の 試 験 片 ( 洗 浄 前 ) 試 験 後 の 試 験 片 ( 洗 浄 後 ) 局 部 腐 食 0.6 試 験 片 底 部 腐 食 量 (mm) 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 試 験 4 全 面 腐 食 量 試 験 4 局 部 腐 食 量 0.0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 投 入 側 からの 距 離 (cm) 試 験 後 の 腐 食 量 Fig.13 試 験 後 の 状 況 ( 試 験 4: 85%リン 酸, 窒 素 雰 囲 気 ) - 14 -

試 験 後 の 試 験 片 ( 洗 浄 前 ) 試 験 後 の 試 験 片 ( 洗 浄 後 ) 隙 間 作 成 板 の 局 部 腐 食 局 部 腐 食 0.6 試 験 片 底 部 腐 食 量 (mm) 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 試 験 5 全 面 腐 食 量 試 験 5 局 部 腐 食 量 0.0 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 投 入 側 からの 距 離 (cm) 試 験 後 の 腐 食 量 Fig.14 試 験 後 の 状 況 ( 試 験 5: 85%リン 酸, 水 蒸 気 雰 囲 気, 隙 間 作 成 ) - 15 -

ポリマー 化 したリン 酸 残 渣 TBP 又 はリン 酸 金 属 高 全 面 腐 食 局 部 腐 食 温 度 Fig.15 試 験 における 隙 間 腐 食 のモデル 低 隙 間 により 局 部 腐 食 が 発 生 することが 確 認 された これにより 隙 間 腐 食 の 発 生 位 置 は 腐 食 反 応 が 発 生 し 隙 間 があるか 残 渣 が 堆 積 する 場 所 であれば 場 所 を 限 定 しないと 考 えられる 一 方 で Fig.16 に 示 すように 基 礎 試 験 装 置 による 腐 食 試 験 の 結 果 では 隙 間 腐 食 の 発 生 位 置 は 常 に 同 じであることから この 位 置 の 条 件 が 隙 間 腐 食 を 発 生 させる 要 因 を 含 んでいると 推 定 でき 常 に 同 じ 条 件 であるのは 温 度 であるため この 部 分 の 温 度 が 隙 間 腐 食 の 発 生 温 度 であると 考 えら れる そこでガス 化 装 置 内 の 温 度 状 況 を 推 定 した Fig.16 に 示 す 基 礎 試 験 装 置 のガス 化 装 置 内 部 底 面 の 温 度 分 布 を 見 ると 電 気 炉 中 心 部 を 650 に 設 定 した 場 合 ガス 化 装 置 は 200 から 650 の 温 度 勾 配 が 起 きている 腐 食 片 の 隙 間 腐 食 が 発 生 している 位 置 は 投 入 側 から 約 5cm であり ここは 試 料 を 処 理 しない 状 態 で 約 300 であった この 部 分 の 試 料 投 入 中 の 温 度 は 試 料 を 投 入 中 の 外 部 表 面 下 部 温 度 が 試 料 を 処 理 しない 状 態 に 比 べ 約 30 低 下 していることから 270 程 度 と 推 定 できる UNS N10276 製 ライナーに 発 生 した 貫 通 孔 について 考 察 すると Fig.17 に 示 すリン 酸 中 の UNS N10276 の 浸 漬 試 験 による 結 果 より 270 での 全 面 腐 食 速 度 は 0.004mm/h であり この 温 度 で 隙 間 腐 食 が 発 生 することで 寿 命 が 50 時 間 となり 想 定 の 750 時 間 より 短 くなったと 推 定 され る しかし このときの 腐 食 速 度 は 0.06mm/h( 全 面 腐 食 速 度 の 15 倍 )と UNS N08028 の 全 面 腐 食 と 局 部 腐 食 速 度 の 比 (2~3 倍 )と 比 べ 非 常 に 大 きい そこで 電 気 化 学 測 定 により UNS N10276 のリン 酸 中 での 腐 食 挙 動 を 調 査 した - 16 -

試 料 投 入 位 置 管 状 炉 過 熱 水 蒸 気 窒 素 0.60 腐 食 量 (mm) 0.50 0.40 0.30 0.20 試 験 3 全 面 腐 食 量 試 験 3 局 部 腐 食 量 試 験 4 全 面 腐 食 量 試 験 4 局 部 腐 食 量 0.10 0.00 0 5 10 15 20 投 入 側 からの 距 離 (cm) 試 験 前 後 の 肉 厚 の 変 化 700 温 度 ( ) 600 500 400 300 配 管 内 下 部 表 面 温 度 配 管 外 下 部 表 面 温 度 配 管 外 下 部 温 度 ( 試 験 中 ) 200 0 5 10 15 20 25 30 投 入 側 からの 距 離 (cm) 基 礎 試 験 装 置 内 の 温 度 Fig.16 腐 食 温 度 の 推 定 - 17 -

0.01 腐 食 速 度 (mm/h) 0.001 160 180 200 220 240 260 280 温 度 ( ) Fig.17 95%リン 酸 中 における UNS N10276 の 腐 食 温 度 の 温 度 依 存 性 (3) 電 気 化 学 測 定 による 腐 食 挙 動 の 確 認 隙 間 を 持 った UNS N10276 の 腐 食 挙 動 を 確 認 するために 電 気 化 学 測 定 を 行 った 試 験 は 特 定 の 温 度 における 動 電 位 分 極 測 定 を 行 い 温 度 と 腐 食 量 を 示 す 電 流 値 の 差 を 確 認 した 動 電 位 分 極 曲 線 は 外 部 から 電 位 を 与 え 金 属 の 酸 化 還 元 を 行 わせるものであり 動 電 位 分 極 曲 線 から は 金 属 が 溶 液 中 で 不 導 態 化 するか 否 か 及 び 不 導 態 を 維 持 する 電 位 範 囲 がわかる 分 極 特 性 測 定 用 の 試 験 試 料 として 寸 法 が 20 30mm 及 び 10 10mm で 厚 さ 1mm の UNS N10276 製 の 板 の 表 面 を 800 番 までのエメリ 紙 で 研 磨 し 純 水 中 で 超 音 波 洗 浄 したものを 使 用 した これらを 重 ねて 隙 間 を 造 り 大 きい 試 験 試 料 の 先 端 部 分 に 白 金 線 を 固 着 して 作 用 電 極 と した 参 照 極 には Ag/AgCl 電 極 を 使 用 し 対 極 には 白 金 電 極 を 用 いた 腐 食 液 としては 腐 食 試 験 では リン 酸 が 濃 縮 されて 高 濃 度 になると 考 えられるため 85%リン 酸 に 5 酸 化 2 リンを 添 加 して 95% 以 上 の 濃 度 に 調 整 したものを 使 用 した 空 気 中 の 水 分 によるリン 酸 濃 度 の 低 下 及 び 空 気 中 の 酸 素 による 通 気 差 電 池 の 生 成 の 抑 制 のため 装 置 内 には 窒 素 を 通 気 した これらを テフロン 製 容 器 に 設 置 し オートマチックポラリゼーションシステム( 北 斗 電 工 製 HSV-110) を 用 いて 測 定 した 装 置 の 模 式 図 を Fig.18 に 示 す - 18 -

作 用 電 極 ( 試 験 試 料 ) 参 照 電 極 (Ag/AgCl 電 極 ) 対 極 (Pt 電 極 ) 窒 素 腐 食 液 (リン 酸 ) マントルヒータ Fig.18 電 気 化 学 測 定 装 置 の 模 式 図 Fig.19 に 試 験 試 料 を 100 150 及 び 200 で 動 電 位 分 極 測 定 した 結 果 を 示 す 電 圧 は 2mV/s で 走 査 した 測 定 結 果 を 見 ると-0.25V から 0V (vs Ag/AgCl) 付 近 (-0.25:100, -0.08:150, 0.00:200 )にみ られる 電 流 密 度 の 低 下 は 試 料 を 腐 食 液 中 に 浸 漬 したときに 示 す 電 位 であり この 時 の 試 料 表 面 ではアノード 反 応 とカソード 反 応 が 平 衡 状 態 にある このときの 電 位 を 自 然 電 極 電 位 と 呼 ぶ 自 然 電 極 電 位 は 温 度 の 上 昇 とともに 貴 な 方 向 にシフトしているのがみられている 自 然 電 極 電 位 が 局 部 腐 食 の 臨 界 電 位 を 超 えると 局 部 腐 食 が 発 生 することから 温 度 上 昇 によって 局 部 腐 食 が 発 生 しやすくなることが 分 かる この 電 位 から 貴 の 電 位 の 方 向 に 走 査 すると それぞれ+0.1V 走 査 し た 付 近 で 電 流 密 度 の 増 加 が 現 われる この 部 分 が 不 動 態 の 生 成 による 不 動 態 化 域 である 100 では 電 流 密 度 の 弱 い 極 大 が 見 られるのは-0.2V(vs Ag/AgCl) 近 傍 でありこの 後 は 1.0V(vs Ag/AgCl) 付 近 まで 電 流 の 顕 著 な 増 加 は 見 られない 1.0V(vs Ag/AgCl) 付 近 の 電 流 増 加 は 表 面 の 不 動 態 が 破 壊 され 全 面 腐 食 が 進 む 過 不 動 態 域 である 一 方 で 150 200 では 第 2 の 電 流 増 加 が 観 測 されている この 増 加 が 隙 間 腐 食 の 発 生 を 示 していると 考 えられる 150 では 0.5V(vs Ag/AgCl) 付 近 だが 200 では 0.2V(vs Ag/AgCl)で 電 流 が 増 加 しており 温 度 の 上 昇 により 腐 食 反 応 が 活 発 になっていることが 分 かる また 電 流 密 度 は 腐 食 量 に 比 例 するため 0.5V(vs Ag/AgCl) 以 上 の 領 域 では 150 から 200 へ 温 度 が 上 がると 電 流 密 度 が 最 大 で 10 倍 になってい ることから 腐 食 速 度 も 最 大 で 10 倍 の 値 を 示 すと 考 えられる 以 上 より UNS N10276 のリン 酸 中 の 腐 食 挙 動 として 150 以 上 で 隙 間 腐 食 と 考 えられるピ ークが 見 られ 200 になると 150 に 比 べて 10 倍 近 い 腐 食 速 度 を 示 すことがわかった - 19 -

1 0.1 電 流 密 度 (A/cm 2 ) 0.01 0.001 0.0001 0.00001-1 -0.5 0 0.5 1 1.5 電 位 (V) 100 150 200 Fig.19 100%リン 酸 中 における 隙 間 を 持 つ UNS N10276 の 動 電 位 分 極 曲 線 3. ガス 化 装 置 の 腐 食 対 策 3.1 隙 間 腐 食 対 策 の 検 討 ガス 化 装 置 で 発 生 した 局 部 腐 食 は TBP が 分 解 するときに 生 じるリン 酸 がガス 化 装 置 を 腐 食 さ せ 生 成 した 残 渣 とガス 化 装 置 の 間 に 生 じた 隙 間 にリン 酸 が 入 り 込 むことで 生 じる 隙 間 腐 食 であ り 隙 間 内 部 でリン 酸 中 に 溶 け 出 した 金 属 の 金 属 濃 淡 電 池 が 形 成 されることで 進 行 することが 分 かった この 隙 間 腐 食 を 防 ぐため 防 食 法 を 調 査 した その 結 果 防 食 構 造 への 改 造 耐 食 材 の 使 用 カソード 防 食 法 ( 外 部 電 源 方 式 犠 牲 防 食 方 式 )が 挙 げられた 2) 以 下 にそれぞれの 防 食 方 法 について 検 討 した 結 果 を 示 す - 20 -

(1) 防 食 構 造 への 改 造 隙 間 腐 食 は 隙 間 が 存 在 することで 発 生 する 腐 食 であるから 隙 間 のできない 構 造 へ 改 造 する ことや 金 属 表 面 に 異 物 が 堆 積 しないようにすることで 防 ぐことができる 4) 残 渣 は TBP 廃 溶 媒 中 のガス 化 されない 成 分 と 装 置 が 腐 食 された 際 に 発 生 する 腐 食 生 成 物 からなり 処 理 試 験 中 ガス 化 装 置 内 にあるスクリューによって 掻 き 出 される 一 方 スクリューとガス 化 装 置 の 接 触 を 避 けるため ガス 化 装 置 の 内 径 に 対 しスクリューの 径 がわずかに 小 さくなっている これに より 残 渣 がすべて 掻 き 出 されず 隙 間 を 形 成 される スクリューとガス 化 装 置 の 隙 間 をなくす ことはできないため 防 食 構 造 への 改 造 は 困 難 である (2) 耐 食 材 の 使 用 防 食 法 として 耐 食 材 をガス 化 装 置 の 材 料 に 使 用 することにより 隙 間 の 原 因 となる 腐 食 生 成 物 の 発 生 を 抑 えることが 考 えられる 高 温 高 濃 度 リン 酸 による 全 面 腐 食 に 対 する 種 々の 材 質 の 耐 食 性 について 過 去 の 報 告 書 で 文 献 調 査 が 行 われている 1) その 報 告 では リン 酸 に 対 す る 耐 食 性 を 持 つ 材 質 は 白 金 モリブデン タンタル 銀 銅 銅 合 金 ハステロイであり そ のうち 白 金 は 非 常 に 高 価 であり ハステロイ 以 外 のモリブデン タンタル 等 の 高 耐 食 金 属 は 脆 化 等 の 問 題 で 本 装 置 に 使 用 することができないため UNS N10276 を 使 用 することとしてい る しかし 隙 間 腐 食 に 対 する 防 食 効 果 について 考 える 場 合 UNS N10276 は 腐 食 速 度 が 速 いた め 腐 食 生 成 物 が 多 く 生 成 され これにより 隙 間 が 形 成 されると 考 えられる このため 隙 間 腐 食 を 防 ぐことができない また 白 金 をガス 化 装 置 にめっきすることで 比 較 的 安 価 に 防 食 効 果 を 得 ることが 考 えられる しかし ガス 化 装 置 内 には 残 渣 を 掻 き 出 すためのスクリューがあり 試 験 中 は 常 に 回 転 し 一 部 はガス 化 装 置 内 面 に 接 触 している このため めっきが 剥 がされ 防 食 効 果 が 失 われると 予 想 される さらに めっきが 剥 がされた 部 分 が 選 択 的 に 腐 食 されることになると 考 えられるため めっきを 使 用 することができない このように 適 切 な 耐 食 材 の 選 定 は 困 難 である (3) カソード 防 食 法 カソード 防 食 法 とは 防 食 対 象 に 直 流 電 流 (カソード 電 流 )を 印 可 し 腐 食 を 防 止 する 方 法 であ る 防 食 対 象 の 電 位 を 卑 方 向 にシフトさせ 不 感 域 にもたらすことで 防 食 対 象 が 腐 食 すること を 防 ぐ 直 流 電 流 の 電 源 を 外 部 の 電 源 に 求 める 外 部 電 源 方 式 と 低 電 位 な 金 属 との 組 み 合 わせ による 電 池 に 求 める 犠 牲 陽 極 方 式 に 分 類 される 5) 外 部 電 源 方 式 は 直 流 電 源 と 陽 極 および 防 食 対 象 で 電 気 回 路 を 作 り 直 流 電 源 装 置 より 防 食 電 流 を 流 し 不 溶 性 のアノードを 通 して 防 食 電 流 を 印 可 する 外 部 電 源 方 式 は 直 流 電 源 装 置 により 防 食 電 流 の 調 整 ができ 電 極 の 不 溶 性 が 十 分 ならば 半 永 久 的 な 施 工 が 可 能 となる 外 部 電 源 方 式 の 適 用 法 として Fig.20 のように スクリューを 陽 極 として 利 用 することが 考 - 21 -

えられる 防 食 するためには 陽 極 が 電 解 質 の 液 ( 試 料 )に 接 している 必 要 がある しかし ス クリューと 装 置 の 間 には 隙 間 があり また 試 料 が 装 置 内 に 多 く 滞 留 しないため スクリュー と 試 料 の 接 触 が 十 分 に 行 われないと 考 えられる また 新 たに 陽 極 をガス 化 装 置 内 に 挿 入 する ことを 考 えた 場 合 ガス 化 装 置 の 外 に 配 置 される 電 源 と 回 路 を 構 成 することが 困 難 であると 考 えられる よって 外 部 電 源 方 式 のカソード 防 食 を 本 装 置 に 適 用 することはできない 犠 牲 陽 極 方 式 は 金 属 のイオン 化 傾 向 の 高 低 を 利 用 したものである 防 食 対 象 を 陰 極 として イオン 化 傾 向 の 高 い 卑 な 金 属 を 犠 牲 陽 極 として 電 池 を 完 成 させ 防 食 電 流 を 印 可 する 方 法 であ る 防 食 対 象 が 腐 食 する 代 わりに 犠 牲 陽 極 を 腐 食 させることにより 防 食 対 象 の 腐 食 を 防 ぐ 犠 牲 陽 極 法 は 犠 牲 陽 極 が 腐 食 されるため 一 定 期 間 ごとに 交 換 する 必 要 があるが 比 較 的 安 価 な 卑 な 金 属 を 用 いればよく 電 源 等 の 装 置 を 必 要 としないため 安 価 に 対 策 を 行 うことができ る 犠 牲 陽 極 方 式 の 適 用 法 として 犠 牲 陽 極 をガス 化 装 置 底 面 に 配 置 することが 考 えられる 底 面 に 陽 極 を 配 置 することで 十 分 に 試 料 に 接 触 させることが 可 能 となる また ガス 化 装 置 内 で 回 路 を 構 成 することができるため 構 造 が 容 易 である 一 方 犠 牲 陽 極 が 腐 食 されるため 定 期 的 に 交 換 する 必 要 があるが 処 理 試 験 終 了 後 に 装 置 を 分 解 清 掃 する 際 に 交 換 すればよく 実 際 の 試 験 装 置 に 適 用 可 能 であると 考 えられる (1)~(3)から ガス 化 装 置 に 適 用 可 能 な 防 食 法 として 犠 牲 陽 極 方 式 のカソード 防 食 を 選 択 す ることとした ガス 化 配 管 スクリュー Fig.20 外 部 電 源 方 式 の 装 置 への 適 応 模 式 図 3.2 処 理 試 験 装 置 への 適 用 実 際 の 対 策 として 円 筒 を 半 分 に 割 った 形 状 の 犠 牲 陽 極 ( 以 下 インナー という )を Fig.21 に 示 すようにライナーに 挿 入 した この 形 状 により インナーがライナーの 内 径 に 沿 って 配 置 さ れ 試 料 と 十 分 に 接 触 させることができる さらに 試 料 と 接 しやすくするため インナー 底 部 に 等 間 隔 に 穴 をあけた このインナーは UNS N10276 製 のライナーより 卑 な 金 属 である UNS S31008 を 採 用 した インナーをガス 化 装 置 に 挿 入 するため スクリューのフィンをインナーの - 22 -

内 径 に 縮 小 した インナーによるカソード 防 食 のみとした 場 合 長 時 間 に 及 ぶ 廃 溶 媒 の 処 理 ではインナーが 腐 食 されなくなり ガス 化 装 置 を 防 食 できなくなる 可 能 性 がある そこで ガス 化 装 置 が 腐 食 するこ とを 防 ぐため インナーとライナーをガス 化 装 置 に 挿 入 し インナーによるカソード 防 食 が 十 分 でなくなった 場 合 であってもガス 化 装 置 を 保 護 できるようにした このインナーとライナーを 組 み 合 わせた 対 策 により Fig.22 に 示 すように インナーがライナー をカソード 防 食 し インナーによる 防 食 効 果 が 無 くなった 場 合 でもライナーによりガス 化 装 置 を 保 護 することができる インナー 底 面 中 央 位 置 基 準 点 試 料 インナー ガス 化 装 置 排 気 電 気 炉 スクリュー 水 蒸 気 ライナー 円 筒 部 (1m) インナー(0.9m) ライナー 半 円 部 (1m) 残 渣 ヒータ 加 熱 部 (0.3m) 電 気 炉 加 熱 部 (1.4m) Fig.21 インナーを 挿 入 したガス 化 装 置 模 式 図 - 23 -

犠 牲 腐 食 の 発 生 有 機 ガス 水 蒸 気 試 料 のガス 化 試 料 残 渣 インナー( 犠 牲 陽 極 ) ライナー 防 食 電 流 防 食 電 流 ガス 化 配 管 Fig.22 インナー 及 びライナーの 働 き 3.3 隙 間 腐 食 対 策 の 効 果 の 実 証 試 験 (1)インナー 厚 さの 最 適 化 試 験 TBP 廃 溶 媒 処 理 試 験 は 最 大 5 日 間 の 連 続 処 理 を 予 定 しており 装 置 の 起 動 及 び 終 結 作 業 を 除 くと 処 理 時 間 は 約 95 時 間 となる インナーの 厚 さが 十 分 でない 場 合 試 験 中 にインナ ーが 過 大 に 腐 食 し カソード 防 食 の 効 果 が 得 られなくなる また ライナーが 腐 食 され 貫 通 孔 を 生 じ ガス 化 装 置 が 腐 食 される そこで 犠 牲 防 食 法 を 実 機 に 適 用 するにあたって イン ナーの 厚 さを 最 適 化 するため 厚 さを 1mm 2mm 3mm と 変 えて 試 験 を 行 った インナーの 厚 さの 最 適 化 条 件 は 連 続 95 時 間 (5 日 間 )の 処 理 後 においてもライナーに 腐 食 を 生 じさせないこととした 処 理 時 間 は Table 6 に 示 すように 試 験 1のインナーの 厚 さ 1mm の 場 合 は 20 時 間 (2 日 間 ) 試 験 2の 2mm の 場 合 は 50 時 間 (3 日 間 ) 試 験 3の 3mm の 場 合 は 95 時 間 (5 日 間 )とし た 試 験 には 2 章 に 述 べた 腐 食 が 発 生 した 試 験 と 同 じ 模 擬 TBP 廃 溶 媒 を 使 用 した 試 験 後 は 超 音 波 厚 さ 計 でライナーの 厚 さを 測 定 した 測 定 箇 所 は 過 去 にガス 化 装 置 に 隙 間 腐 食 が 発 生 した 場 所 の 近 傍 である 位 置 基 準 点 から 40cm~80cm の 底 面 中 央 を 2cm 間 隔 で 測 定 した また 底 面 中 央 以 外 に 顕 著 な 減 肉 が 確 認 された 場 合 はその 箇 所 の 厚 さを 測 定 した Table 6 インナー 厚 さの 最 適 化 試 験 の 試 験 条 件 試 験 1 2 3 インナーの 厚 さ 1mm 2mm 3mm 処 理 時 間 (h) 20 50 95-24 -

(2) 実 廃 溶 媒 処 理 試 験 (1) 項 で 検 討 した 腐 食 対 策 を 実 証 するため 厚 さを 最 適 化 したインナーを 用 いて ウラン を 含 む TBP 廃 溶 媒 の 処 理 試 験 を 行 った TBP 廃 溶 媒 中 のウラン 濃 度 は 0.08~2.68g/L TBP 濃 度 は 30~40wt%である 試 料 以 外 の 試 験 条 件 はインナー 厚 さの 最 適 化 試 験 と 同 じである インナー 及 びライナーは 試 験 時 間 が 95 時 間 を 超 える 前 に 交 換 し 合 計 638 時 間 の 処 理 試 験 を 行 った 3.4 試 験 結 果 (1) インナー 厚 さの 最 適 化 試 験 Table 7 に 試 験 1~3 終 了 後 のライナーの 腐 食 量 と 試 験 時 間 から 求 めた 腐 食 速 度 を 示 す イ ンナーの 肉 厚 が 厚 くなるごとに 腐 食 速 度 が 低 下 していることが 分 かる 次 に 試 験 中 のガス 化 装 置 の 温 度 の 関 係 を Fig.23~25 に 示 す インナーを 挿 入 している 場 合 厚 さが 1mm 2mm の 場 合 ガス 化 装 置 温 度 が 300 から 400 の 範 囲 でごくわずかな 範 囲 が 腐 食 され 3mm で はほとんど 腐 食 されていない これに 対 して インナーを 挿 入 せずにライナーのみとした 場 合 (Fig.2)には 60cm から 90cm の 範 囲 にわたって 広 く 激 しく 腐 食 された 試 験 後 のインナーの 写 真 を Fig.26 に 示 した 写 真 の 中 のスケールは 位 置 基 準 点 からの 距 離 を 示 している 試 験 1~3のインナーともに 50cm~60cm の 位 置 に 腐 食 による 穴 が 開 いてお り Fig.23~25 に 示 した 腐 食 箇 所 と 一 致 している また 腐 食 による 穴 の 開 口 部 の 面 積 は 厚 さ 1mm と 2mm のインナーに 比 べて 厚 さ 3mm のインナーが 少 し 小 さい インナーが 腐 食 され 穴 がある 大 きさ 以 上 となるとライナーに 腐 食 が 発 生 すると 考 えられる 次 に インナーの 厚 さとライナー 腐 食 速 度 の 関 係 を Fig.27 に 示 す インナーが 厚 くなるご とに 腐 食 速 度 が 低 下 している 厚 さが 3mm の 場 合 には 95 時 間 処 理 した 後 であってもほと んど 腐 食 していないのに 対 して 厚 さが 1mm と 2mm の 場 合 処 理 時 間 が 95 時 間 となる 前 に ライナーの 腐 食 が 始 まっている インナーを 挿 入 していない 試 験 では 急 速 に 腐 食 され 50 時 間 処 理 した 後 ではライナーに 貫 通 孔 を 生 じている このことから インナーの 厚 さ 1mm と 2mm の 場 合 では 95 時 間 処 理 する 前 にカソード 防 食 の 効 果 が 失 われており これ 以 降 はインナー を 挿 入 しない 場 合 の 試 験 のような 腐 食 速 度 でライナーが 急 激 に 腐 食 され 試 験 途 中 で 貫 通 孔 が 生 じる 恐 れがある よって 1 週 間 連 続 処 理 行 うためには 95 時 間 処 理 した 後 であってもライ ナーに 腐 食 がほぼ 起 こっていないインナーの 厚 さ 3mm が 妥 当 であると 考 えられる - 25 -

Table 7 インナー 厚 さの 最 適 化 試 験 結 果 試 験 1 2 3 インナーの 厚 さ 1mm 2mm 3mm 処 理 時 間 (h) 20 50 95 ライナー 最 大 腐 食 量 (mm) 0.23 0.40 0.05 ライナー 腐 食 速 度 (mm/h) 0.012 0.008 0.001 ライナー 腐 食 量 (mm) 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 ライナー 腐 食 量 ガス 化 装 置 温 度 600 500 400 300 200 ガス 化 装 置 温 度 ( ) 0.2 100 0.0 0 0 20 40 60 80 100 位 置 基 準 点 からの 位 置 (cm) Fig.23 ライナーの 腐 食 量 ( 試 験 1:インナーの 厚 さ 1mm) - 26 -

ライナー 腐 食 量 (mm) 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 ライナー 腐 食 量 ガス 化 装 置 温 度 600 500 400 300 200 ガス 化 装 置 温 度 ( ) 0.2 100 0.0 0 0 20 40 60 80 100 位 置 基 準 点 からの 位 置 (cm) Fig.24 ライナーの 腐 食 量 ( 試 験 2:インナーの 厚 さ 2mm) ライナー 腐 食 量 (mm) 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 ライナー 腐 食 量 配 管 温 度 600 500 400 300 200 100 ガス 化 装 置 温 度 ( ) 0.0 0 0 20 40 60 80 100 位 置 基 準 点 からの 位 置 (cm) Fig.25 ライナーの 腐 食 量 ( 試 験 3:インナーの 厚 さ 3mm) - 27 -

(a) 試 験 1(インナーの 厚 さ 1mm 20 時 間 処 理 後 ) (b) 試 験 2(インナーの 厚 さ 2mm 50 時 間 処 理 後 ) (c) 試 験 3(インナーの 厚 さ 3mm 95 時 間 処 理 後 ) Fig.26 インナー 厚 さの 最 適 化 試 験 後 のインナー - 28 -

ライナー 腐 食 速 度 (mm/h) 0.07 0.06 0.05 0.04 0.03 0.02 0.01 0 0 1 2 3 (なし) インナーの 厚 さ(mm) Fig.27 インナー 厚 さの 最 適 化 試 験 のライナーの 腐 食 速 度 (2) 実 廃 溶 媒 処 理 試 験 TBP 廃 溶 媒 処 理 試 験 時 のライナーの 腐 食 速 度 を Fig.28 に 示 す 最 大 腐 食 速 度 は 0.003mm/h であり ライナーに 腐 食 がほとんど 見 られなかった 今 回 ライナーもインナーと 同 様 に 95 時 間 を 超 える 前 に 交 換 した しかし ライナーの 厚 さが 3mm あり 最 大 腐 食 速 度 が 0.003mm/h であるとわかったことから ライナーに 貫 通 孔 ができるまで 約 1000 時 間 かかると 考 えられる このことからライナーの 交 換 までの 時 間 はもっと 長 くすることができると 考 えられる 実 廃 溶 媒 処 理 試 験 によって 最 大 連 続 94 時 間 合 計 638 時 間 の 処 理 することができ イン ナーによるカソード 防 食 とカソード 防 食 の 効 果 が 得 られなくなった 場 合 ライナーで 保 護 する という 対 策 によって 隙 間 腐 食 によるガス 化 装 置 の 腐 食 を 防 ぐことができた - 29 -

0.005 ライナー 腐 食 速 度 (mm/h) 0.004 0.003 0.002 0.001 0.000 40 50 60 70 80 位 置 基 準 点 からの 距 離 (cm) Fig.28 実 廃 溶 媒 処 理 試 験 のライナーの 腐 食 速 度 4.まとめ TBP 廃 溶 媒 を 処 理 する 際 に 問 題 となっていた 局 部 腐 食 の 原 因 調 査 を 行 い 隙 間 腐 食 であること が 判 明 した この 腐 食 を 解 決 するため 防 食 法 を 検 討 し 犠 牲 陽 極 方 式 のカソード 防 食 を 選 択 した 実 機 に 適 用 するにあたって 犠 牲 陽 極 として UNS S31008 製 のインナーを 挿 入 し さらに 犠 牲 陽 極 が 腐 食 され カソード 防 食 の 効 果 が 得 られなくなった 場 合 であってもガス 化 装 置 を 保 護 でき るようにライナーを 挿 入 した 95 時 間 (5 日 間 )の 連 続 試 験 に 耐 えることを 目 標 に インナーの 厚 さを 最 適 化 するため 厚 さ を 変 えて 試 験 を 行 った 結 果 連 続 処 理 試 験 をするためにはインナーの 厚 さは 3mm が 適 当 である ことが 分 かった インナーの 厚 さを 最 適 化 した 防 食 対 策 を 施 した 水 蒸 気 改 質 試 験 装 置 で 最 大 連 続 94 時 間 合 計 638 時 間 の TBP 廃 溶 媒 を 処 理 した 結 果 腐 食 問 題 を 起 こすことなく 処 理 することができた 犠 牲 陽 極 として UNS S31008 製 のインナーを 用 いたカソード 防 食 法 と 耐 食 性 を 有 する UNS N10276 製 のライナーによる ガス 化 装 置 の 保 護 により TBP 廃 溶 媒 の 処 理 中 に 発 生 するリン 酸 による 隙 間 腐 食 対 策 が 確 立 された - 30 -

参 考 文 献 1) 中 川 明 憲, 曽 根 智 之, 佐 々 木 紀 樹, 中 澤 修, 田 代 清 : 水 蒸 気 改 質 処 理 法 によるウランで 汚 染 された 廃 TBP/n-ドデカン 処 理 技 術 開 発,JAEA-Technology 2010-014,(2010) 2) H.H.ユーリック, R.W.レヴィー: 腐 食 反 応 とその 制 御 ( 第 3 版 ), 産 業 図 書 ( 株 ),(1989) 3) 社 団 法 人 腐 食 防 食 協 会 編 : 腐 食 防 食 ハンドブック, 丸 善 ( 株 ),(2000) 4) 小 若 正 倫 : 金 属 の 腐 食 損 傷 と 防 食 技 術,( 株 )アグネ 承 風 社,(1983) 5) 伊 藤 伍 郎 : 腐 食 科 学 と 防 食 技 術,( 株 )コロナ 社,(1969) - 31 -

This is a blank page.

国 際 単 位 系 (SI) 表 1.SI 基 本 単 位 SI 基 本 単 位 基 本 量 名 称 記 号 長 さ メ ー ト ル m 質 量 キログラム kg 時 間 秒 s 電 流 ア ン ペ ア A 熱 力 学 温 度 ケ ル ビ ン K 物 質 量 モ ル mol 光 度 カ ン デ ラ cd 表 2. 基 本 単 位 を 用 いて 表 されるSI 組 立 単 位 の 例 組 立 量 SI 基 本 単 位 名 称 記 号 面 積 平 方 メートル m 2 体 積 立 法 メートル m 3 速 さ, 速 度 メートル 毎 秒 m/s 加 速 度 メートル 毎 秒 毎 秒 m/s 2 波 数 毎 メートル m -1 密 度, 質 量 密 度 キログラム 毎 立 方 メートル kg/m 3 面 積 密 度 キログラム 毎 平 方 メートル kg/m 2 比 体 積 立 方 メートル 毎 キログラム m 3 /kg 電 流 密 度 アンペア 毎 平 方 メートル A/m 2 磁 界 の 強 さ アンペア 毎 メートル A/m 量 濃 度, 濃 度 モル 毎 立 方 メートル mol/m 3 質 量 濃 度 キログラム 毎 立 法 メートル kg/m 3 輝 度 カンデラ 毎 平 方 メートル cd/m 2 屈 折 率 (b) ( 数 字 の) 1 1 比 透 磁 率 (b) ( 数 字 の) 1 1 (a) 量 濃 度 (amount concentration)は 臨 床 化 学 の 分 野 では 物 質 濃 度 (substance concentration)ともよばれる (b)これらは 無 次 元 量 あるいは 次 元 1をもつ 量 であるが そのこと を 表 す 単 位 記 号 である 数 字 の1は 通 常 は 表 記 しない 表 3. 固 有 の 名 称 と 記 号 で 表 されるSI 組 立 単 位 SI 組 立 単 位 組 立 量 他 のSI 単 位 による SI 基 本 単 位 による 名 称 記 号 表 し 方 表 し 方 平 面 角 ラジアン (b) rad 1 (b) m/m 立 体 角 ステラジアン (b) sr (c) 1 (b) m 2/ m 2 周 波 数 ヘルツ (d) Hz s -1 力 ニュートン N m kg s -2 圧 力, 応 力 パスカル Pa N/m 2 m -1 kg s -2 エ ネ ル ギ ー, 仕 事, 熱 量 ジュール J N m m 2 kg s -2 仕 事 率, 工 率, 放 射 束 ワット W J/s m 2 kg s -3 電 荷, 電 気 量 クーロン C s A 電 位 差 ( 電 圧 ), 起 電 力 ボルト V W/A m 2 kg s -3 A -1 静 電 容 量 ファラド F C/V m -2 kg -1 s 4 A 2 電 気 抵 抗 オーム Ω V/A m 2 kg s -3 A -2 コ ン ダ ク タ ン ス ジーメンス S A/V m -2 kg -1 s 3 A 2 磁 束 ウエーバ Wb Vs m 2 kg s -2 A -1 磁 束 密 度 テスラ T Wb/m 2 kg s -2 A -1 イ ン ダ ク タ ン ス ヘンリー H Wb/A m 2 kg s -2 A -2 セ ル シ ウ ス 温 (e) 度 セルシウス 度 K 光 束 ルーメン lm cd sr (c) cd 照 度 ルクス lx lm/m 2 m -2 cd ( f 放 射 性 核 種 の 放 射 能 ベクレル (d) Bq s -1 吸 収 線 量, 比 エネルギー 分 与, カーマ グレイ Gy J/kg m 2 s -2 線 量 当 量, 周 辺 線 量 当 量, 方 向 シーベルト (g) 性 線 量 当 量, 個 人 線 量 当 量 Sv J/kg m 2 s -2 酸 素 活 性 カタール kat s -1 mol (a)si 接 頭 語 は 固 有 の 名 称 と 記 号 を 持 つ 組 立 単 位 と 組 み 合 わせても 使 用 できる しかし 接 頭 語 を 付 した 単 位 はもはや コヒーレントではない (b)ラジアンとステラジアンは 数 字 の1に 対 する 単 位 の 特 別 な 名 称 で 量 についての 情 報 をつたえるために 使 われる 実 際 には 使 用 する 時 には 記 号 rad 及 びsrが 用 いられるが 習 慣 として 組 立 単 位 としての 記 号 である 数 字 の1は 明 示 されない (c) 測 光 学 ではステラジアンという 名 称 と 記 号 srを 単 位 の 表 し 方 の 中 に そのまま 維 持 している (d)ヘルツは 周 期 現 象 についてのみ ベクレルは 放 射 性 核 種 の 統 計 的 過 程 についてのみ 使 用 される (e)セルシウス 度 はケルビンの 特 別 な 名 称 で セルシウス 温 度 を 表 すために 使 用 される セルシウス 度 とケルビンの 単 位 の 大 きさは 同 一 である したがって 温 度 差 や 温 度 間 隔 を 表 す 数 値 はどちらの 単 位 で 表 しても 同 じである (f) 放 射 性 核 種 の 放 射 能 (activity referred to a radionuclide)は しばしば 誤 った 用 語 で radioactivity と 記 される (g) 単 位 シーベルト(PV,2002,70,205)についてはCIPM 勧 告 2(CI-2002)を 参 照 表 4. 単 位 の 中 に 固 有 の 名 称 と 記 号 を 含 むSI 組 立 単 位 の 例 SI 組 立 単 位 組 立 量 SI 基 本 単 位 による 名 称 記 号 表 し 方 粘 度 パスカル 秒 Pa s m -1 kg s -1 力 の モ ー メ ン ト ニュートンメートル N m m 2 kg s -2 表 面 張 力 ニュートン 毎 メートル N/m kg s -2 角 速 度 ラジアン 毎 秒 rad/s m m -1 s -1 =s -1 角 加 速 度 ラジアン 毎 秒 毎 秒 rad/s 2 m m -1 s -2 =s -2 熱 流 密 度, 放 射 照 度 ワット 毎 平 方 メートル W/m 2 kg s -3 熱 容 量, エ ン ト ロ ピ ー ジュール 毎 ケルビン J/K m 2 kg s -2 K -1 比 熱 容 量, 比 エ ン ト ロ ピ ー ジュール 毎 キログラム 毎 ケルビン J/(kg K) m 2 s -2 K -1 比 エ ネ ル ギ ー ジュール 毎 キログラム J/kg m 2 s -2 熱 伝 導 率 ワット 毎 メートル 毎 ケルビン W/(m K) m kg s -3 K -1 体 積 エ ネ ル ギ ー ジュール 毎 立 方 メートル J/m 3 m -1 kg s -2 電 界 の 強 さ ボルト 毎 メートル V/m m kg s -3 A -1 電 荷 密 度 クーロン 毎 立 方 メートル C/m 3 m -3 sa 表 面 電 荷 クーロン 毎 平 方 メートル C/m 2 m -2 sa 電 束 密 度, 電 気 変 位 クーロン 毎 平 方 メートル C/m 2 m -2 sa 誘 電 率 ファラド 毎 メートル F/m m -3 kg -1 s 4 A 2 透 磁 率 ヘンリー 毎 メートル H/m m kg s -2 A -2 モ ル エ ネ ル ギ ー ジュール 毎 モル J/mol m 2 kg s -2 mol -1 モルエントロピー, モル 熱 容 量 ジュール 毎 モル 毎 ケルビン J/(mol K) m 2 kg s -2 K -1 mol -1 照 射 線 量 ( X 線 及 び γ 線 ) クーロン 毎 キログラム C/kg kg -1 sa 吸 収 線 量 率 グレイ 毎 秒 Gy/s m 2 s -3 放 射 強 度 ワット 毎 ステラジアン W/sr m 4 m -2 kg s -3 =m 2 kg s -3 放 射 輝 度 ワット 毎 平 方 メートル 毎 ステラジアン W/(m 2 sr) m 2 m -2 kg s -3 =kg s -3 酵 素 活 性 濃 度 カタール 毎 立 方 メートル kat/m 3 m -3 s -1 mol 表 5.SI 接 頭 語 乗 数 接 頭 語 記 号 乗 数 接 頭 語 記 号 10 24 ヨ タ Y 10-1 デ シ d 10 21 ゼ タ Z 10-2 セ ン チ c 10 18 エ ク サ E 10-3 ミ リ m 10 15 ペ タ P 10-6 マイクロ µ 10 12 テ ラ T 10-9 ナ ノ n 10 9 ギ ガ G 10-12 ピ コ p 10 6 メ ガ M 10-15 フェムト f 10 3 キ ロ k 10-18 ア ト a 10 2 ヘ ク ト h 10-21 ゼ プ ト z 10 1 デ カ da 10-24 ヨ ク ト y 表 6.SIに 属 さないが SIと 併 用 される 単 位 名 称 記 号 SI 単 位 による 値 分 min 1 min=60s 時 h 1h =60 min=3600 s 日 d 1 d=24 h=86 400 s 度 1 =(π/180) rad 分 1 =(1/60) =(π/10800) rad 秒 1 =(1/60) =(π/648000) rad ヘクタール ha 1ha=1hm 2 =10 4 m 2 リットル L,l 1L=11=1dm 3 =10 3 cm 3 =10-3 m 3 トン t 1t=10 3 kg 表 7.SIに 属 さないが SIと 併 用 される 単 位 で SI 単 位 で 表 される 数 値 が 実 験 的 に 得 られるもの 名 称 記 号 SI 単 位 で 表 される 数 値 電 子 ボ ル ト ev 1eV=1.602 176 53(14) 10-19 J ダ ル ト ン Da 1Da=1.660 538 86(28) 10-27 kg 統 一 原 子 質 量 単 位 u 1u=1 Da 天 文 単 位 ua 1ua=1.495 978 706 91(6) 10 11 m 表 10.SIに 属 さないその 他 の 単 位 の 例 名 称 記 号 SI 単 位 で 表 される 数 値 キ ュ リ ー Ci 1 Ci=3.7 10 10 Bq レ ン ト ゲ ン R 1 R = 2.58 10-4 C/kg ラ ド rad 1 rad=1cgy=10-2 Gy レ ム rem 1 rem=1 csv=10-2 Sv ガ ン マ γ 1γ=1 nt=10-9t フ ェ ル ミ 1フェルミ=1 fm=10-15m メートル 系 カラット 表 8.SIに 属 さないが SIと 併 用 されるその 他 の 単 位 名 称 記 号 SI 単 位 で 表 される 数 値 バ ー ル bar 1bar=0.1MPa=100kPa=10 5 Pa 水 銀 柱 ミリメートル mmhg 1mmHg=133.322Pa オ ン グ ス ト ロ ー ム A 1A =0.1nm=100pm=10-10 m 海 里 M 1M=1852m バ ー ン b 1b=100fm 2 =(10-12 cm)2=10-28 m 2 ノ ッ ト kn 1kn=(1852/3600)m/s ネ ー パ Np ベ ル B デ ジ ベ ル db 1メートル 系 カラット = 200 mg = 2 10-4kg ト ル Torr 1 Torr = (101 325/760) Pa 標 準 大 気 圧 atm 1 atm = 101 325 Pa カ ロ リ ー cal ミ ク ロ ン µ 1 µ =1µm=10-6 m SI 単 位 との 数 値 的 な 関 係 は 対 数 量 の 定 義 に 依 存 表 9. 固 有 の 名 称 をもつCGS 組 立 単 位 名 称 記 号 SI 単 位 で 表 される 数 値 エ ル グ erg 1 erg=10-7 J ダ イ ン dyn 1 dyn=10-5 N ポ ア ズ P 1 P=1 dyn s cm -2 =0.1Pa s ス ト ー ク ス St 1 St =1cm 2 s -1 =10-4 m 2 s -1 ス チ ル ブ sb 1 sb =1cd cm -2 =10 4 cd m -2 フ ォ ト ph 1 ph=1cd sr cm -2 10 4 lx ガ ル Gal 1 Gal =1cm s -2 =10-2 ms -2 マ ク ス ウ ェ ル Mx 1 Mx = 1G cm 2 =10-8 Wb ガ ウ ス G 1 G =1Mx cm -2 =10-4 T エ ル ス テ ッ ド ( c ) Oe 1 Oe (10 3 /4π)A m -1 (c)3 元 系 のCGS 単 位 系 とSIでは 直 接 比 較 できないため 等 号 は 対 応 関 係 を 示 すものである 1cal=4.1858J( 15 カロリー),4.1868J ( IT カロリー)4.184J( 熱 化 学 カロリー) ( 第 8 版,2006 年 改 訂 )