1 監 視 される 高 度 人 材 留 学 生 財 団 法 人 アジア 学 生 文 化 協 会 教 育 交 流 事 業 部 白 石 勝 己 113-8642 東 京 都 文 京 区 本 駒 込 2-12-13 Tel:03-3946-7565 shiraishi@abk.or.jp
2 テーマ 1 留 学 生 数 と 入 管 法 の 関 係 2 留 学 生 の 在 留 関 係 審 査 書 類 3 新 しい 在 留 管 理 と 留 学 生 4 新 しい 在 留 管 理 への 問 題 提 起 5 高 度 人 材 ポイント 制 の 意 味
1-1 留 学 生 数 と 入 管 法 の 関 係 10 万 人 計 画 30 万 人 計 画 と 留 学 生 数 の 推 移 3
4 1-2 留 学 生 数 と 入 管 法 の 関 係 留 学 生 数 の 変 遷 は 入 国 在 留 管 理 制 度 と 密 接 不 可 分 期 第 一 期 1983~1992 日 本 語 学 校 での 受 入 れ 混 乱 期 第 二 期 1993~1999 入 管 審 査 強 化 停 滞 期 第 三 期 2000~2005 認 定 審 査 大 幅 緩 和 急 増 期 第 四 期 2006~2010 再 び 審 査 強 化 30 万 人 計 画 円 高 震 災 原 発 トピック 1983 留 学 生 10 万 人 計 画 留 学 生 のアルバイト 解 禁 ( 法 務 省 ) 1988 就 学 生 不 法 就 労 顕 在 化 上 海 事 件 蛇 頭 1989 入 管 法 改 正 在 留 資 格 制 度 認 定 申 請 資 格 外 活 動 許 可 (1990 年 施 行 オールドカマーからニューカマーへの 体 制 整 備 ) 1994 在 留 管 理 状 況 に 応 じた 取 扱 い 経 費 支 弁 能 力 審 査 厳 格 化 1996 国 別 に 異 なる 提 出 書 類 の 設 定 メリハリのある 審 査 方 針 1997 資 格 外 申 請 に 副 申 書 を 求 める( 大 学 ) ( 受 入 れ 機 関 での 在 留 管 理 分 担 を 明 確 化 ) 2000 留 就 の 入 国 審 査 大 幅 緩 和 申 請 書 のみで 認 定 証 明 書 交 付 2002 留 学 生 10 万 人 突 破 酒 田 短 大 事 件 2003 留 就 学 生 の 犯 罪 が 社 会 問 題 化 福 岡 一 家 4 人 殺 害 事 件 ( 法 務 省 再 び 審 査 の 厳 格 化 方 針 を 決 定 ) 2006 韓 国 短 期 査 証 免 除 措 置 90 日 ( 台 湾 :2005 年 ) 2007 留 学 生 30 万 人 計 画 入 国 外 国 人 の 指 紋 顔 写 真 採 取 2009 入 管 法 改 正 (7 月 公 布 ) 留 就 一 本 化 技 能 実 習 在 留 カード ( 新 たな 在 留 管 理 制 度 2012 年 7 月 9 日 施 行 )
5 1-3 留 学 生 数 と 入 管 法 の 関 係 出 入 国 管 理 政 策 から 見 た 留 学 生 受 け 入 れの 地 域 別 特 性. 出 入 国 管 理 政 策 から 見 た 留 学 生 の 地 域 別 特 性 国 地 域 A 地 域 B 地 域 C 地 域 D 地 域 中 国 ベトナム モンゴ ル ネパール ミャン マー バングラディ シュ スリランカ 等 韓 国 台 湾 マレーシ ア シンガポール タイ 香 港 等 米 英 豪 カナダ EU 等 その 他 (アジア アフリ カ 中 南 米 ) 特 性 東 アジア 東 南 アジア 南 アジア 地 域 の 開 発 途 上 国 で 先 進 諸 国 への 出 国 圧 力 が 高 い 入 管 により 厳 格 な 審 査 を 実 施 する 国 地 域 として 指 定 短 期 資 格 での 入 国 も 厳 格 な 審 査 が 実 施 されている 中 国 は 個 人 的 地 域 的 に 経 済 格 差 が 大 きく 北 京 上 海 等 はB 地 域 に 分 類 できるか 就 学 資 格 での 在 留 資 格 認 定 証 明 書 発 給 率 は60% 以 下 ( 平 成 19 年 4 月 実 績 ) 東 アジア 東 南 アジア 地 域 の 中 進 国 で すでに 一 定 の 経 済 的 水 準 に 達 している 国 地 域 高 等 教 育 就 学 率 は20%~80% 日 本 に 査 証 免 除 で 短 期 入 国 できるようになってきている 就 学 資 格 の 在 留 資 格 認 定 証 明 書 発 給 率 は80% 以 上 ( 平 成 19 年 4 月 実 績 )である 留 学 生 受 入 れ 先 として 中 心 的 な 国 地 域 日 本 からの 主 な 留 学 先 であり 英 語 等 言 語 優 位 性 がある グローバルな 単 位 互 換 体 系 を 整 えつつある 留 学 生 受 入 による 経 済 メリットを 是 認 する 一 方 移 民 問 題 セキュリティー 問 題 等 で 議 論 が 生 じている 日 本 への 受 入 れは 短 期 交 換 留 学 が 主 流 日 本 には 査 証 免 除 により 短 期 での 入 国 ができる ODAからのアプローチ 日 系 人 受 入 れ 等 幾 つかの 複 合 的 な 留 学 生 の 受 入 れ 形 態
6 2-1 留学生の在留関係審査書類 入国時どのような書類によって審査されるか 在留資格認定審査 ー1
7 2-2 留学生の在留関係審査書類 入国時どのような書類によって審査されるか 在留資格認定審査 2
2-3 留 学 生 の 在 留 関 係 審 査 書 類 在 籍 管 理 関 係 報 告 毎 月 不 入 学 退 学 除 籍 不 明 者 を 報 告 8
9 3-1 新 しい 在 留 管 理 と 留 学 生 点 の 管 理 から 線 の 管 理 総 合 管 理 システムの 構 築 新 たな 在 留 管 理 制 度 ( 入 国 管 理 局 ) ハローワーク 在 留 カード 記 載 項 目 氏 名 生 年 月 日 性 別 国 籍 等 住 居 地 ( 市 区 町 村 ) 本 人 届 出 所 属 機 関 名 称 所 在 地 等 所 属 機 関 届 出 ( 大 学 日 本 語 学 校 等 ) 外 国 人 の 受 入 れ 開 始 終 了 受 入 れ 状 況 雇 用 対 策 法 によ る 届 出 (アルバイト 先 等 ) 氏 名 生 年 月 日 性 別 在 留 資 格 入 職 離 職 等 住 民 基 本 台 帳 市 区 町 村 窓 口 でデータ 照 合 可 統 合 データ 管 理 システム 出 入 国 審 査 在 留 カード 在 留 審 査 市 区 町 村 窓 口 日 本 版 US-VISIT (? 警 察 税 務 署 健 保 年 金 銀 行?)
10 3-2 新 しい 在 留 管 理 と 留 学 生 学 校 は 外 国 人 受 入 れ 主 体 として 在 留 管 理 (= 義 務 )を 分 担 一 般 的 な 学 生 対 応 求 められる 留 学 生 管 理 学 生 のプライバシーにはノータッチ 個 人 情 報 保 護 の 徹 底 基 本 的 にキャンパス 内 サービス ホテル 型 (チェックインからチェックアウトまで) 教 学 関 係 勉 学 環 境 勉 学 オリエンテーション サークル 活 動 健 康 管 理 保 険 就 職 サポート 外 国 人 を 受 入 れる( 招 聘 する) 主 体 としての 在 留 管 理 体 制 キャンパス 内 +キャンパス 外 パッケージ 型 管 理 ( 入 国 から 資 格 変 更 or 出 国 まで) 在 留 ( 在 籍 ) 管 理 の 分 担 経 済 状 況 ( 仕 送 額 年 収 預 金 残 高 ) ビザ 申 請 更 新 変 更 出 席 状 況 単 位 取 得 状 況 ( 再 入 国 ) アルバイト( 資 格 外 活 動 ) 不 法 残 留 者 を 出 すと 審 査 が 厳 格 となる < 個 別 機 関 個 人 がどこまで 外 国 人 を 管 理 監 督 する 権 限 責 任 を 有 するか>
11 4 新 しい 在 留 管 理 への 問 題 提 起 出 入 国 管 理 : 日 本 人 外 国 人 国 益 日 本 にとって 利 益 のある 外 国 人 のみ 選 別 入 国 させる 国 内 の 治 安 を 維 持 する 外 国 人 の 分 類 と 管 理 形 態 特 別 永 住 / 永 住 定 住 高 度 人 材 外 国 人 / 中 長 期 滞 在 者 / 短 期 滞 在 者 / 超 過 滞 在 者 等 1 外 国 人 の 受 入 れ 方 法 管 理 に 対 する 歯 止 め( 指 針 )をどこに 求 めるか 社 会 的 コンセンサス 形 成 は 可 能 か 2 日 本 に 滞 在 している 外 国 人 の 不 利 益 対 応 資 格 なし 等 外 国 人 に 対 する 対 応 方 法
12 5 高 度 人 材 ポイント 制 の 意 味 参 考 書 式 在 留 資 格 認 定 証 明 書 用 チェック 点 数 学 歴 博 士 30 20 10 職 歴 10 年 以 上 20 7~10 年 15 5~7 年 10 3~5 年 5 年 収 30 歳 未 満 30~34 歳 35~39 歳 40 歳 以 上 1000 万 円 以 上 1000 万 円 以 上 1000 万 円 以 上 1000 万 円 以 上 40 900~1000 万 円 900~1000 万 円 900~1000 万 円 900~1000 万 円 35 800~900 万 円 800~900 万 円 800~900 万 円 800~900 万 円 30 700~800 万 円 700~800 万 円 700~800 万 円 - 25 600~700 万 円 600~700 万 円 600~700 万 円 - 20 500~600 万 円 500~600 万 円 - - 15 400~500 万 円 - - - 10 年 齢 30 歳 未 満 15 研 究 実 績 資 格 高 度 人 材 ポイント 計 算 表 ( 高 度 専 門 技 術 分 野 ) 出 入 国 管 理 及 び 難 民 認 定 法 第 7 条 第 1 項 第 2 号 の 規 定 に 基 づき 高 度 人 材 外 国 人 等 に 係 る 同 法 別 表 第 1の5の 表 の 下 欄 (ニに 係 る 部 分 に 限 る )に 掲 げる 活 動 を 定 める 件 第 3 条 の 規 定 に 基 づき, ポイントの 自 己 計 算 を 行 ったので 提 出 します 修 士 又 は 専 門 職 学 位 大 卒 又 はこれと 同 等 以 上 の 教 育 30~34 歳 10 35~39 歳 5 特 許 発 明 1 件 以 上 外 国 政 府 からの 競 争 的 資 金 等 を 受 けた 研 究 3 回 以 上 学 術 論 文 データベースに 登 載 された 学 術 雑 誌 に 論 文 掲 載 3 本 以 上 その 他 法 務 大 臣 が 認 める 研 究 実 績 日 本 の 国 家 資 格 ( 業 務 独 占 資 格 又 は 名 称 独 占 資 格 )を 有 している, 又 はIT 告 示 に 定 める 試 験 に 合 格 若 しくは 資 格 を 有 している( 合 格 している 資 格 試 験 が1つの 場 合 ) 日 本 の 国 家 資 格 ( 業 務 独 占 資 格 又 は 名 称 独 占 資 格 )を 有 している, 又 はIT 告 示 に 定 める 試 験 に 合 格 若 しくは 資 格 を 有 している( 複 数 の 資 格 試 験 に 合 格 してい る 場 合 ) 5 10 特 別 加 算 所 属 機 関 がイノベーション 支 援 措 置 を 受 けている 10 日 本 の 大 学 を 卒 業 又 は 大 学 院 の 課 程 を 修 了 日 本 語 能 力 試 験 N1 合 格 相 当 又 は 日 本 語 専 攻 で 外 国 の 大 学 を 卒 業 15 5 10 優 遇 措 置 ポイント 評 価 の 結 果,70 点 以 上 獲 得 した 方 を 高 度 人 材 外 国 人 とします 高 度 人 材 外 国 人 には, 以 下 の 出 入 国 管 理 上 の 優 遇 措 置 が 付 与 されます 1 複 合 的 な 在 留 活 動 の 許 容 2 5 年 の 在 留 期 間 の 付 与 ( 注 ) 3 在 留 歴 に 係 る 永 住 許 可 要 件 の 緩 和 ( 概 ね5 年 で 永 住 許 可 の 対 象 とする) 4 入 国 在 留 手 続 の 優 先 処 理 5 高 度 人 材 の 配 偶 者 の 就 労 6 一 定 の 条 件 の 下 での 高 度 人 材 の 親 の 帯 同 の 許 容 7 一 定 の 条 件 の 下 での 高 度 人 材 に 雇 用 される 家 事 使 用 人 の 許 容 ( 注 ) 5 年 の 在 留 期 間 の 付 与 については, 平 成 21 年 に 可 決 成 立 した 改 正 入 管 法 の 施 行 日 ( 平 成 24 年 7 月 9 日 )から 実 施 学 術 研 究 高 度 専 門 技 術 経 営 管 理 合 計 ( 注 ) 年 齢 は 上 陸 申 請 の 時 点
報 告 者 は 日 本 語 学 校 を 運 営 する 財 団 に 勤 務 する 立 場 にある 日 本 語 学 校 は 入 管 とともに 留 学 生 を 管 理 監 視 する 側 にいるということから 実 際 に どのような 管 理 が 現 場 で 行 われているかを 中 心 に 報 告 する 1
2
1983 年 に 留 学 生 10 万 人 計 画 が 発 表 された 留 学 生 というと 文 部 科 学 省 ( 当 時 は 文 部 省 )がキーポイントの 省 庁 になるはずであるが この 計 画 に 最 初 に 動 いたのは 法 務 省 であった つまり 法 務 省 が 留 学 生 の アルバイト を 自 由 化 したのである 日 本 語 学 校 の 基 準 を 作 らないまま アルバイト が 自 由 化 されたため 一 部 で 留 学 が 労 働 目 的 の 隠 れ 蓑 として 利 用 される 事 態 が 発 生 した 1988-89 年 就 学 生 の 入 国 者 数 ( 青 の 棒 グラフ)が 非 常 に 増 えている が 彼 / 彼 女 らの 入 国 は 不 法 就 労 目 的 であるといった 報 道 もされた 90 年 代 になると グラフが 示 す 通 り ( 就 ) 留 学 生 の 数 が 横 ばいになる これは 入 管 によって 就 学 生 の 入 国 者 数 が 抑 制 されたためであり 結 果 として 10 万 人 計 画 を 標 榜 しながら ( 就 ) 留 学 生 が 増 えないという 状 況 が 続 く 90 年 代 後 半 になって このままでは 計 画 が 達 成 できないという 危 機 感 から 急 に 入 管 による 在 留 資 格 認 定 の 審 査 が 甘 くなった 申 請 書 と 写 真 がついていれば 留 学 ビザを 出 しますよといような 形 で 審 査 がなされた その 結 果 あっという 間 に 入 国 者 数 が 増 え 2003 年 目 標 である10 万 人 を 超 えた その 後 酒 田 短 大 事 件 ( 留 学 生 のほとんど 東 京 で 就 労 )や 福 岡 での 留 学 生 に よる 殺 人 事 件 などの 問 題 が 発 生 したことによって 再 び 留 学 生 のビザ 申 請 が 非 常 に 厳 しくなった 2007 年 には 留 学 生 30 万 人 計 画 が 策 定 され 再 度 入 管 の 審 査 が 甘 くなってきている なお 2009 年 の 入 管 法 改 定 ( 翌 10 年 施 行 )により 就 学 生 が 留 学 生 に 一 本 化 された 3
つまり 留 学 生 数 は 入 管 行 政 と 密 接 に 関 係 しているのである 留 学 生 10 万 人 計 画 以 降 の 両 者 の 関 係 を 表 のように4つに 分 けることが できる 4
入 管 は 留 学 生 の 出 身 地 域 によって ビザの 発 給 や 審 査 方 法 等 を 変 えること による 管 理 も 行 っている A 地 域 は 出 国 圧 力 が 非 常 に 強 い 中 国 ベトナム モンゴル ネパール ミャンマー バングラディシュ スリランカなどのアジア 地 域 である 留 学 生 と して 日 本 に 来 ても 不 法 残 留 者 になる 確 率 が 高 いために 警 戒 地 域 とされてい る B 地 域 は 韓 国 台 湾 シンガポール マレーシア タイ 香 港 などのその 他 のアジア 地 域 で 順 次 留 学 ビザ 発 給 が 緩 和 されている C 地 域 は アメリカやヨーロッパ オーストラリアなどの 留 学 生 の 受 入 れ が 主 体 になっている 地 域 である この 地 域 の 学 生 は どちらかというと 短 期 で 日 本 に 来 るケースが 多 い この 地 域 にはビザ 免 除 協 定 もあるため 比 較 的 自 由 に 行 き 来 が 可 能 である D 地 域 は その 他 の 地 域 で ODAや 日 系 人 受 入 れなど 複 合 的 な 形 態 での 受 入 れ( 支 援 )が 行 われている 5
では 具 体 的 な 審 査 方 法 をみていくことにする この 表 は 資 格 審 査 のための 必 要 書 類 であるが 審 査 基 準 には 経 済 的 能 力 と 勉 学 意 思 の2つがあり これは 勉 学 意 思 に 関 するものである 在 留 資 格 認 定 の 申 請 に 際 して 前 述 のA 地 域 である 中 国 ミャンマー バン グラディシュ モンゴル ベトナム ネパール 国 籍 の 者 に 関 しては 追 加 で こ のような 書 類 を 提 出 するよう 指 導 が 行 われている さらに 受 入 れ 校 の 不 法 残 留 率 によっても 提 出 書 類 は 異 なっており 不 法 残 留 率 が3%を 超 える あるいは 新 規 受 入 れ 校 の 場 合 には フル の 書 類 提 出 が 求 められる 一 方 で 3% 以 下 の 学 校 に 対 しては 本 来 提 出 しなけれ ばいけない 書 類 の 一 部 が 免 除 されている 6
この 表 は 経 済 的 能 力 に 関 する 提 出 書 類 である 例 えば 不 法 残 留 率 が3% 超 の 学 校 の 場 合 中 国 やモンゴルなどA 地 域 の 学 生 については 預 金 残 高 証 明 書 だけでなく その 財 産 が 形 成 された 経 緯 を 明 らかにする 資 料 の 提 出 まで 求 められる 過 去 3 年 分 の 収 入 証 明 書 や 納 税 証 明 書 などを 提 出 することで 初 めて ビザが 発 給 されるのだ 7
これは 留 学 生 を 受 け 入 れている 学 校 が 毎 月 入 管 当 局 に 提 出 する 報 告 で ある 受 入 れ 校 は 不 入 学 つまり 入 学 しなかった 学 生 退 学 した 学 生 除 籍 した 学 生 不 明 になった 学 生 をこのようなリストにまとめ 毎 月 10 日 までに 提 出 することになっている 8
このスライドは 新 たな 制 度 のもとで 教 育 現 場 を 含 めて どのような 形 で 留 学 生 の 管 理 が 行 われるかを 示 したものである 在 留 カードで 管 理 されるのみでなく 本 人 からの 届 出 所 属 機 関 - 大 学 や 日 本 語 学 校 から 入 管 へ さらに アルバイト 先 からハローワークを 経 由 して 入 管 へ とデータが 集 められ 点 から 線 の 管 理 が 徹 底 されていく 住 民 基 本 台 帳 も 管 理 の 中 に 組 み 込 まれていく これこそが 統 合 データ 管 理 システムであり このシステムが さらに 警 察 税 務 署 保 険 年 金 銀 行 などと 連 携 し 組 み 込 まれていくとすれば まさに 総 合 的 な 管 理 が 完 成 されることになる 9
学 校 は 日 本 人 学 生 に 対 しては 経 済 的 能 力 などの 個 人 のプライバシーには ノータッチであるのが 基 本 原 則 であり 基 本 的 にキャンパス 内 でのみサービスを 提 供 する いわばホテル 型 (チェックインからチェックアウトまで)である これに 対 して 留 学 生 の 場 合 には キャンパスの 中 だけでなくキャンパスの 外 まで パッケージ 型 の 管 理 が 求 められている これは 外 国 人 を 雇 用 している 現 場 でも 同 じであり 個 別 の 機 関 あるいは 職 員 個 人 が どこまで 外 国 人 を 管 理 監 督 するような 権 限 や 責 任 を 有 するのか この 点 を 議 論 する 必 要 があるだろう 受 入 れ 機 関 がこういった 管 理 を 一 生 懸 命 やればやるほど 高 い 評 価 を 獲 得 し 外 国 人 をスムーズに 受 け 入 れることができるようになる というのが 今 般 の 入 管 法 の 特 色 である 10
まとめとして 新 たな 在 留 管 理 制 度 に 対 して 2つの 問 題 提 起 をしたい 1つは 外 国 人 受 入 れにおける 管 理 強 化 が 進 行 するなかで 外 国 人 を 受 入 れ る 機 関 や 個 人 に その 外 国 人 を 入 管 の 代 行 として 管 理 させるという 制 度 が 進 行 し ているが このような 管 理 に 対 する 人 権 面 からの 歯 止 めはどこにあるのか この 点 に 関 する 社 会 的 コンセンサスを 作 ることができるか ということである 2つめは 既 に 日 本 に 滞 在 している 外 国 人 が 被 るであろう 不 利 益 に 対 して どのように 対 応 していくのか ということである 11
新 たな 在 留 管 理 制 度 とともに 高 度 人 材 ポイント 制 が 導 入 された これは 日 本 の 国 益 となる 人 材 に 対 してポイント 制 を 導 入 し 高 いポイントを 取 れば 優 遇 するというものである そして 留 学 生 は 高 度 人 材 の 潜 在 的 予 備 軍 と 言 われ その 受 入 れ 拡 大 が 政 策 的 にも 求 められている 一 方 で 徹 底 的 に 管 理 し 一 方 で 優 遇 される 可 能 性 を 持 つのが 留 学 生 なのであ る 12
2012/8/9 1 監 視 される 高 度 人 材 留 学 生 財 団 法 人 アジア 学 生 文 化 協 会 教 育 交 流 事 業 部 白 石 勝 己 113-8642 東 京 都 文 京 区 本 駒 込 2-12-13 Tel:03-3946-7565 shiraishi@abk.or.jp 2 テーマ 1 留 学 生 数 と 入 管 法 の 関 係 2 留 学 生 の 在 留 関 係 審 査 書 類 3 新 しい 在 留 管 理 と 留 学 生 4 新 しい 在 留 管 理 への 問 題 提 起 5 高 度 人 材 ポイント 制 の 意 味 1
2012/8/9 3 1-1 留 学 生 数 と 入 管 法 の 関 係 10 万 人 計 画 30 万 人 計 画 と 留 学 生 数 の 推 移 1-2 留 学 生 数 と 入 管 法 の 関 係 留 学 生 数 の 変 遷 は 入 国 在 留 管 理 制 度 と 密 接 不 可 分 期 第 一 期 1983~1992 日 本 語 学 校 での 受 入 れ 混 乱 期 第 二 期 1993~1999 入 管 審 査 強 化 停 滞 期 第 三 期 2000~2005 認 定 審 査 大 幅 緩 和 急 増 期 第 四 期 2006~2010 再 び 審 査 強 化 30 万 人 計 画 円 高 震 災 原 発 トピック 1983 留 学 生 10 万 人 計 画 留 学 生 のアルバイト 解 禁 ( 法 務 省 ) 1988 就 学 生 不 法 就 労 顕 在 化 上 海 事 件 蛇 頭 1989 入 管 法 改 正 在 留 資 格 制 度 認 定 申 請 資 格 外 活 動 許 可 (1990 年 施 行 オールドカマーからニューカマーへの 体 制 整 備 ) 1994 在 留 管 理 状 況 に 応 じた 取 扱 い 経 費 支 弁 能 力 審 査 厳 格 化 1996 国 別 に 異 なる 提 出 書 類 の 設 定 メリハリのある 審 査 方 針 1997 資 格 外 申 請 に 副 申 書 を 求 める( 大 学 ) ( 受 入 れ 機 関 での 在 留 管 理 分 担 を 明 確 化 ) 2000 留 就 の 入 国 審 査 大 幅 緩 和 申 請 書 のみで 認 定 証 明 書 交 付 2002 留 学 生 10 万 人 突 破 酒 田 短 大 事 件 2003 留 就 学 生 の 犯 罪 が 社 会 問 題 化 福 岡 一 家 4 人 殺 害 事 件 ( 法 務 省 再 び 審 査 の 厳 格 化 方 針 を 決 定 ) 2006 韓 国 短 期 査 証 免 除 措 置 90 日 ( 台 湾 :2005 年 ) 2007 留 学 生 30 万 人 計 画 入 国 外 国 人 の 指 紋 顔 写 真 採 取 2009 入 管 法 改 正 (7 月 公 布 ) 留 就 一 本 化 技 能 実 習 在 留 カード ( 新 たな 在 留 管 理 制 度 2012 年 7 月 9 日 施 行 ) 4 2
2012/8/9 5 1-3 留 学 生 数 と 入 管 法 の 関 係 出 入 国 管 理 政 策 から 見 た 留 学 生 受 け 入 れの 地 域 別 特 性. 出 入 国 管 理 政 策 から 見 た 留 学 生 の 地 域 別 特 性 国 地 域 A 地 域 B 地 域 C 地 域 D 地 域 中 国 ベトナム モンゴ ル ネパール ミャン マー バングラディ シュ スリランカ 等 特 性 東 アジア 東 南 アジア 南 アジア 地 域 の 開 発 途 上 国 で 先 進 諸 国 への 出 国 圧 力 が 高 い 入 管 により 厳 格 な 審 査 を 実 施 する 国 地 域 として 指 定 短 期 資 格 での 入 国 も 厳 格 な 審 査 が 実 施 されている 中 国 は 個 人 的 地 域 的 に 経 済 格 差 が 大 きく 北 京 上 海 等 はB 地 域 に 分 類 できるか 就 学 資 格 での 在 留 資 格 認 定 証 明 書 発 給 率 は60% 以 下 ( 平 成 19 年 4 月 実 績 ) 東 アジア 東 南 アジア 地 域 の 中 進 国 で すでに 一 定 の 経 済 的 水 準 に 達 している 国 地 域 韓 国 台 湾 マレーシ 高 等 教 育 就 学 率 は20%~80% ア シンガポール タイ 日 本 に 査 証 免 除 で 短 期 入 国 できるようになってきている 香 港 等 就 学 資 格 の 在 留 資 格 認 定 証 明 書 発 給 率 は80% 以 上 ( 平 成 19 年 4 月 実 績 )である 米 英 豪 カナダ EU 等 その 他 (アジア アフリ カ 中 南 米 ) 留 学 生 受 入 れ 先 として 中 心 的 な 国 地 域 日 本 からの 主 な 留 学 先 であり 英 語 等 言 語 優 位 性 がある グローバルな 単 位 互 換 体 系 を 整 えつつある 留 学 生 受 入 による 経 済 メリットを 是 認 する 一 方 移 民 問 題 セキュリティー 問 題 等 で 議 論 が 生 じている 日 本 への 受 入 れは 短 期 交 換 留 学 が 主 流 日 本 には 査 証 免 除 により 短 期 での 入 国 ができる ODAからのアプローチ 日 系 人 受 入 れ 等 幾 つかの 複 合 的 な 留 学 生 の 受 入 れ 形 態 6 2-1 留 学 生 の 在 留 関 係 審 査 書 類 入 国 時 どのような 書 類 によって 審 査 されるか( 在 留 資 格 認 定 審 査 )ー1 3
2012/8/9 2-2 留 学 生 の 在 留 関 係 審 査 書 類 入 国 時 どのような 書 類 によって 審 査 されるか( 在 留 資 格 認 定 審 査 )-2 7 8 2-3 留 学 生 の 在 留 関 係 審 査 書 類 在 籍 管 理 関 係 報 告 毎 月 不 入 学 退 学 除 籍 不 明 者 を 報 告 4
2012/8/9 9 3-1 新 しい 在 留 管 理 と 留 学 生 点 の 管 理 から 線 の 管 理 総 合 管 理 システムの 構 築 新 たな 在 留 管 理 制 度 ( 入 国 管 理 局 ) ハローワーク 在 留 カード 記 載 項 目 氏 名 生 年 月 日 性 別 国 籍 等 住 居 地 ( 市 区 町 村 ) 本 人 届 出 所 属 機 関 名 称 所 在 地 等 所 属 機 関 届 出 ( 大 学 日 本 語 学 校 等 ) 外 国 人 の 受 入 れ 開 始 終 了 受 入 れ 状 況 雇 用 対 策 法 によ る 届 出 (アルバイト 先 等 ) 氏 名 生 年 月 日 性 別 在 留 資 格 入 職 離 職 等 住 民 基 本 台 帳 市 区 町 村 窓 口 でデータ 照 合 可 統 合 データ 管 理 システム 出 入 国 審 査 在 留 カード 在 留 審 査 市 区 町 村 窓 口 日 本 版 US-VISIT (? 警 察 税 務 署 健 保 年 金 銀 行?) 10 3-2 新 しい 在 留 管 理 と 留 学 生 学 校 は 外 国 人 受 入 れ 主 体 として 在 留 管 理 (= 義 務 )を 分 担 一 般 的 な 学 生 対 応 求 められる 留 学 生 管 理 学 生 のプライバシーにはノータッチ 個 人 情 報 保 護 の 徹 底 基 本 的 にキャンパス 内 サービス ホテル 型 (チェックインからチェックアウトまで) 教 学 関 係 勉 学 環 境 勉 学 オリエンテーション サークル 活 動 健 康 管 理 保 険 就 職 サポート 外 国 人 を 受 入 れる( 招 聘 する) 主 体 としての 在 留 管 理 体 制 キャンパス 内 +キャンパス 外 パッケージ 型 管 理 ( 入 国 から 資 格 変 更 or 出 国 まで) 在 留 ( 在 籍 ) 管 理 の 分 担 経 済 状 況 ( 仕 送 額 年 収 預 金 残 高 ) ビザ 申 請 更 新 変 更 出 席 状 況 単 位 取 得 状 況 ( 再 入 国 ) アルバイト( 資 格 外 活 動 ) 不 法 残 留 者 を 出 すと 審 査 が 厳 格 となる < 個 別 機 関 個 人 がどこまで 外 国 人 を 管 理 監 督 する 権 限 責 任 を 有 するか> 5
2012/8/9 11 4 新 しい 在 留 管 理 への 問 題 提 起 出 入 国 管 理 : 日 本 人 外 国 人 国 益 日 本 にとって 利 益 のある 外 国 人 のみ 選 別 入 国 させる 国 内 の 治 安 を 維 持 する 外 国 人 の 分 類 と 管 理 形 態 特 別 永 住 / 永 住 定 住 高 度 人 材 外 国 人 / 中 長 期 滞 在 者 / 短 期 滞 在 者 / 超 過 滞 在 者 等 1 外 国 人 の 受 入 れ 方 法 管 理 に 対 する 歯 止 め( 指 針 )をどこに 求 めるか 社 会 的 コンセンサス 形 成 は 可 能 か 2 日 本 に 滞 在 している 外 国 人 の 不 利 益 対 応 資 格 なし 等 外 国 人 に 対 する 対 応 方 法 12 5 高 度 人 材 ポイント 制 の 意 味 参 考 書 式 在 留 資 格 認 定 証 明 書 用 高 度 人 材 ポイント 計 算 表 ( 高 度 専 門 技 術 分 野 ) 出 入 国 管 理 及 び 難 民 認 定 法 第 7 条 第 1 項 第 2 号 の 規 定 に 基 づき 高 度 人 材 外 国 人 等 に 係 る 同 法 別 表 第 1の5の 表 の 下 欄 (ニに 係 る 部 分 に 限 る )に 掲 げる 活 動 を 定 める 件 第 3 条 の 規 定 に 基 づき, ポイントの 自 己 計 算 を 行 ったので 提 出 します チェック 点 数 学 歴 博 士 30 修 士 又 は 専 門 職 学 位 20 大 卒 又 はこれと 同 等 以 上 の 教 育 10 職 歴 10 年 以 上 20 7~10 年 15 5~7 年 10 3~5 年 5 年 収 30 歳 未 満 30~34 歳 35~39 歳 40 歳 以 上 1000 万 円 1000 万 円 以 1000 万 円 以 1000 万 円 以 上 上 上 以 上 40 900~1000 万 円 900~1000 万 円 900~1000 万 円 900~1000 万 円 35 800~900 万 円 800~900 万 円 800~900 万 円 800~900 万 円 30 700~800 万 円 700~800 万 円 700~800 万 円 - 25 600~700 万 円 600~700 万 円 600~700 万 円 - 20 500~600 万 円 500~600 万 円 - - 15 400~500 万 円 - - - 10 30 歳 未 満 15 年 齢 30~34 歳 10 35~39 歳 5 研 究 実 績 特 許 発 明 1 件 以 上 外 国 政 府 からの 競 争 的 資 金 等 を 受 けた 研 究 3 回 以 上 15 学 術 論 文 データベースに 登 載 された 学 術 雑 誌 に 論 文 掲 載 3 本 以 上 その 他 法 務 大 臣 が 認 める 研 究 実 績 資 格 日 本 の 国 家 資 格 ( 業 務 独 占 資 格 又 は 名 称 独 占 資 格 )を 有 している, 又 はIT 告 示 に 定 める 試 験 に 合 格 若 しくは 資 格 を 有 している( 合 格 している 資 格 試 験 が1つの 5 場 合 ) 日 本 の 国 家 資 格 ( 業 務 独 占 資 格 又 は 名 称 独 占 資 格 )を 有 している, 又 はIT 告 示 に 定 める 試 験 に 合 格 若 しくは 資 格 を 有 している( 複 数 の 資 格 試 験 に 合 格 してい 10 る 場 合 ) 特 別 加 算 所 属 機 関 がイノベーション 支 援 措 置 を 受 けている 10 日 本 の 大 学 を 卒 業 又 は 大 学 院 の 課 程 を 修 了 5 日 本 語 能 力 試 験 N1 合 格 相 当 又 は 日 本 語 専 攻 で 外 国 の 大 学 を 卒 業 10 合 計 優 遇 措 置 ポイント 評 価 の 結 果,70 点 以 上 獲 得 した 方 を 高 度 人 材 外 国 人 とします 高 度 人 材 外 国 人 には, 以 下 の 出 入 国 管 理 上 の 優 遇 措 置 が 付 与 されます 1 複 合 的 な 在 留 活 動 の 許 容 2 5 年 の 在 留 期 間 の 付 与 ( 注 ) 3 在 留 歴 に 係 る 永 住 許 可 要 件 の 緩 和 ( 概 ね5 年 で 永 住 許 可 の 対 象 とする) 4 入 国 在 留 手 続 の 優 先 処 理 5 高 度 人 材 の 配 偶 者 の 就 労 6 一 定 の 条 件 の 下 での 高 度 人 材 の 親 の 帯 同 の 許 容 7 一 定 の 条 件 の 下 での 高 度 人 材 に 雇 用 される 家 事 使 用 人 の 許 容 ( 注 ) 5 年 の 在 留 期 間 の 付 与 については, 平 成 21 年 に 可 決 成 立 した 改 正 入 管 法 の 施 行 日 ( 平 成 24 年 7 月 9 日 )から 実 施 学 術 研 究 高 度 専 門 技 術 経 営 管 理 ( 注 ) 年 齢 は 上 陸 申 請 の 時 点 6