裁決録



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裁決録

平成18年第二審第37号

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岡山県警察用航空機の運用等に関する訓令

4 参 加 資 格 要 件 本 提 案 への 参 加 予 定 者 は 以 下 の 条 件 を 全 て 満 たすこと 1 地 方 自 治 法 施 行 令 ( 昭 和 22 年 政 令 第 16 号 ) 第 167 条 の4 第 1 項 各 号 の 規 定 に 該 当 しない 者 であること 2 会 社

した 開 示 決 定 等 に 当 たっては, 法 11 条 を 適 用 して, 平 成 23 年 5 月 13 日 まで 開 示 決 定 等 の 期 限 を 延 長 し, 同 年 4 月 11 日 付 け 防 官 文 第 号 により,1 枚 目 を 一 部 開 示 した そして, 同 年

出 力 6,620キロワット (2) 設 備 及 び 性 能 等 ア おおいた おおいたは, 平 成 15 年 9 月 に 進 水 した, 航 行 区 域 を 沿 海 区 域 とする 全 通 二 層 甲 板 型 でバウバ イザー 及 びバウスラスターを 有 する 鋼 製 旅 客 船 兼 自 動 車

(3) 育 児 休 業 (この 号 の 規 定 に 該 当 したことにより 当 該 育 児 休 業 に 係 る 子 について 既 にし たものを 除 く )の 終 了 後 3 月 以 上 の 期 間 を 経 過 した 場 合 ( 当 該 育 児 休 業 をした 教 職 員 が 当 該 育 児 休 業

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 24 年 4 月 1 日 現 在 ) 1 号 給 の 給 料 月 額 最 高 号 給 の 給 料 月 額 1 級 135,6 2 級 185,8 ( 注 ) 給 料 月 額 は 給 与 抑 制 措 置 を 行 う 前 のものである 3 級

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不 利 益 処 分 に 係 る 法 令 名 漁 港 漁 場 整 備 法 第 39 条 の2 第 1 項 工 作 物 建 造 許 可 等 の 取 消 無 許 可 行 為 の 中 止 復 旧 命 令 等 法 令 の 定 め 第 39 条 の2 第 1 項 漁 港 管 理 者 は 次 の 各 号 のいずれ

( 減 免 の 根 拠 等 ) 第 1 条 こ の 要 綱 は, 地 方 税 法 第 条 の 規 定 に 基 づ く 市 税 条 例 第 6 9 条 の 2 の 規 定 を 根 拠 と す る 身 体 障 害 者 等 に 対 す る 軽 自 動 車 税 の 減 免 の 具 体 的 な 対

積 載 せず かつ 燃 料 冷 却 水 及 び 潤 滑 油 の 全 量 を 搭 載 し 自 動 車 製 作 者 が 定 める 工 具 及 び 付 属 品 (スペアタイヤを 含 む )を 全 て 装 備 した 状 態 をいう この 場 合 に おいて 燃 料 の 全 量 を 搭 載 するとは 燃 料

(8) 危 険 物 火 災 等 で 逗 子 北 化 学 1を 必 要 とする 火 災 指 令 時 は 逗 子 北 1を 同 時 編 成 する (9) 未 承 認 対 象 物 からの 即 時 通 報 は 当 該 署 所 の1ケ 部 隊 編 成 とする (10) 通 常 災 害 時 及 び 異 常 災

ミニ統計平成27年(HP用 訂正版)

Microsoft Word - h doc

損 益 計 算 書 ( 自 平 成 25 年 4 月 1 日 至 平 成 26 年 3 月 31 日 ) ( 単 位 : 百 万 円 ) 科 目 金 額 営 業 収 益 75,917 取 引 参 加 料 金 39,032 上 場 関 係 収 入 11,772 情 報 関 係 収 入 13,352 そ

目 改 正 項 目 軽 自 動 車 率 の 引 上 げ 〇 国 及 び 地 方 を 通 じた 自 動 車 関 連 制 の 見 直 しに 伴 い 軽 自 動 車 の 標 準 率 が 次 のとおり 引 き 上 げられます 車 種 区 分 引 上 げ 幅 50cc 以 下 1,000 円 2,000 円

入札公告 機動装備センター

3車検等点検整備業務仕様書

大規模特殊災害時における広域航空消防応援実施細目

Microsoft Word - H24様式(那珂市版).doc

(4) 運 転 する 学 校 職 員 が 交 通 事 故 を 起 こし 若 しくは 交 通 法 規 に 違 反 したことにより 刑 法 ( 明 治 40 年 法 律 第 45 号 ) 若 しくは 道 路 交 通 法 に 基 づく 刑 罰 を 科 せられてから1 年 を 経 過 していない 場 合 同

●電力自由化推進法案

参 考 改 正 災 害 対 策 基 本 法 1 ( 災 害 時 における 車 両 の 移 動 等 ) 第 七 十 六 条 の 六 道 路 管 理 者 は その 管 理 する 道 路 の 存 する 都 道 府 県 又 はこれに 隣 接 し 若 しくは 近 接 する 都 道 府 県 の 地 域 に 係

第 節 ○○計画

今後の原子力発電所の安全確保に係る 取り組みについて(高経年化関連) 添付資料

裁決録

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Ⅶ 東 海 地 震 に 関 して 注 意 情 報 発 表 時 及 び 警 戒 宣 言 発 令 時 の 対 応 大 規 模 地 震 対 策 特 別 措 置 法 第 6 条 の 規 定 に 基 づき 本 県 の 東 海 地 震 に 係 る 地 震 防 災 対 策 強 化 地 域 において 東 海 地 震

2 一 般 行 政 職 給 料 表 の 状 況 ( 平 成 23 年 4 月 1 日 現 在 ) ( 単 位 : ) 1 級 2 級 3 級 4 級 5 級 6 級 7 級 8 級 1 号 給 の 給 料 月 額 135,6 161,7 222,9 261,9 289,2 32,6 366,2 41

入 札 参 加 者 は 入 札 の 執 行 完 了 に 至 るまではいつでも 入 札 を 辞 退 することができ これを 理 由 として 以 降 の 指 名 等 において 不 利 益 な 取 扱 いを 受 けることはない 12 入 札 保 証 金 免 除 13 契 約 保 証 金 免 除 14 入


の 購 入 費 又 は 賃 借 料 (2) 専 用 ポール 等 機 器 の 設 置 工 事 費 (3) ケーブル 設 置 工 事 費 (4) 防 犯 カメラの 設 置 を 示 す 看 板 等 の 設 置 費 (5) その 他 設 置 に 必 要 な 経 費 ( 補 助 金 の 額 ) 第 6 条 補

受 託 工 事 費 一 般 管 理 費 何 地 区 給 料 手 当 賞 与 引 当 金 繰 入 額 賃 金 報 酬 法 定 福 利 費 退 職 給 付 費 備 消 品 費 厚 生 福 利 費 報 償 費 旅 費 被 服 費 光 熱 水 費 燃 料 費 食 糧 費 印 刷 製 本 費 測 量 調 査

第 節 ○○計画

( 運 用 制 限 ) 第 5 条 労 働 基 準 局 は 本 システムの 維 持 補 修 の 必 要 があるとき 天 災 地 変 その 他 の 事 由 によりシステムに 障 害 又 は 遅 延 の 生 じたとき その 他 理 由 の 如 何 を 問 わず その 裁 量 により システム 利 用 者

目 次 第 1. 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 等 1 (1) 土 区 画 整 理 事 業 の 名 称 1 (2) 施 行 者 の 名 称 1 第 2. 施 行 区 1 (1) 施 行 区 の 位 置 1 (2) 施 行 区 位 置 図 1 (3) 施 行 区 の 区 域 1 (4) 施

別紙3

駐 車 場 管 理 規 程

Microsoft Word )40期決算公開用.doc

PowerPoint プレゼンテーション

6. 共 有 等 に 係 る 固 定 資 産 の 判 定 3 共 有 に 係 る 固 定 資 産 については それぞれの 共 有 者 が 他 に 固 定 資 産 を 所 有 している 場 合 であっても その 資 産 とは 別 個 に 共 有 されている 固 定 資 産 を 別 の 人 格 が 所

の 提 供 状 況 等 を 総 合 的 に 勘 案 し 土 地 及 び 家 屋 に 係 る 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 減 額 せずに 平 成 24 年 度 分 の 固 定 資 産 税 及 び 都 市 計 画 税 を 課 税 することが 適 当 と 市 町 村 長 が 認 め

( 別 途 調 査 様 式 1) 減 損 損 失 を 認 識 するに 至 った 経 緯 等 1 列 2 列 3 列 4 列 5 列 6 列 7 列 8 列 9 列 10 列 11 列 12 列 13 列 14 列 15 列 16 列 17 列 18 列 19 列 20 列 21 列 22 列 固 定

1 特 別 会 計 財 務 書 類 の 検 査 特 別 会 計 に 関 する 法 律 ( 平 成 19 年 法 律 第 23 号 以 下 法 という ) 第 19 条 第 1 項 の 規 定 に 基 づき 所 管 大 臣 は 毎 会 計 年 度 その 管 理 する 特 別 会 計 について 資 産

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Microsoft Word - 19年度(行情)答申第081号.doc

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理化学研究所の役職員への兼業(兼職)依頼について

( 別 紙 ) 以 下 法 とあるのは 改 正 法 第 5 条 の 規 定 による 改 正 後 の 健 康 保 険 法 を 指 す ( 施 行 期 日 は 平 成 28 年 4 月 1 日 ) 1. 標 準 報 酬 月 額 の 等 級 区 分 の 追 加 について 問 1 法 改 正 により 追 加

Microsoft Word - 不正アクセス行為の禁止等に関する法律等に基づく公安

東近江行政組合職員の育児休業等に関する条例

Taro-事務処理要綱250820

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( の 復 旧 ) 3. 南 相 馬 市 エリアの 避 難 指 示 解 除 準 備 区 域 及 び 居 住 制 限 区 域 内 の 路 線 数 ( ) 10 路 線 うち 被 災 した 路 線 ( 工 区 ) 数 10 路 線 52 箇 所 うち 応 急 対 策 を 実 施 した 路 線 ( 工 区

以 内 とする (5) 据 置 期 間 償 還 金 の 据 置 期 間 は 償 還 期 間 のうち6ケ 月 以 内 とする (6) 償 還 方 法 据 置 期 間 終 了 後 月 賦 隔 月 賦 又 は3ケ 月 毎 の 均 等 分 割 償 還 とする (7) 担 保 保 証 人 取 扱 金 融 機

法 改 正 の 内 容 Ⅰ. 期 限 後 特 例 申 告 に 係 る 無 申 告 加 算 税 についての 改 正 改 正 のポイント:これまでは 所 定 の 条 件 を 満 たしていて 特 例 申 告 書 の 提 出 期 限 から2 週 間 以 内 に 期 限 後 特 例 申 告 書 が 提 出 さ

6-1 第 6 章 ストック オプション 会 計 設 例 1 基 本 的 処 理 Check! 1. 費 用 の 計 上 ( 1 年 度 ) 2. 費 用 の 計 上 ( 2 年 度 )- 権 利 不 確 定 による 失 効 見 積 数 の 変 動 - 3. 費 用 の 計 上 ( 3 年 度 )-

送 信 局 を 電 気 通 信 事 業 者 に 貸 し 付 けるとともに 電 気 通 信 事 業 者 とあらかじめ 契 約 等 を 締 結 する 必 要 があること なお 既 に 電 気 通 信 事 業 者 において 送 信 局 を 整 備 している 地 域 においては 当 該 設 備 の 整 備

Taro-契約条項(全部)

国税連携ファイル記録項目一覧

第 1 章 総 括 事 項 第 1 節 一 般 事 項 1 仕 様 書 の 適 用 この 仕 様 書 は 山 形 県 企 業 局 酒 田 水 道 事 務 所 発 注 の 平 成 28 年 度 平 田 浄 水 場 及 び 酒 田 工 業 用 水 道 天 日 乾 燥 床 管 理 業 務 委 託 に 適

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内 宿 泊 料 国 外 滞 在 費 及 び 予 防 注 射 諸 手 数 料 とし それぞれ 次 の 各 号 に 定 めるとこ ろにより 支 給 する (1) 交 通 費 は 現 に 利 用 した 経 路 及 び 方 法 により 支 給 する なお 国 外 への 旅 行 の 場 合 の 交 通 費 は


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情 報 通 信 機 器 等 に 係 る 繰 越 税 額 控 除 限 度 超 過 額 の 計 算 上 控 除 される 金 額 に 関 する 明 細 書 ( 付 表 ) 政 党 等 寄 附 金 特 別 控 除 額 の 計 算 明 細 書 国 庫 補 助 金 等 の 総 収 入 金 額 不 算 入 に 関

損 益 計 算 書 自. 平 成 26 年 4 月 1 日 至. 平 成 27 年 3 月 31 日 科 目 内 訳 金 額 千 円 千 円 営 業 収 益 6,167,402 委 託 者 報 酬 4,328,295 運 用 受 託 報 酬 1,839,106 営 業 費 用 3,911,389 一


1.H26年エイズ発生動向年報ー概要

とする ( 減 免 額 の 納 付 ) 第 6 条 市 長 は 減 免 を 受 け た 者 が 偽 り そ の 他 不 正 な 方 法 に よ り 減 免 の 決 定 を 受 け た こ と を 知 っ た と き 前 の 申 告 が あ っ た と き 又 は 同 条 第 2 項 の 規 定 によ

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2. 建 築 基 準 法 に 基 づく 限 着 色 項 目 の 地 区 が 尾 張 旭 市 内 にはあります 関 係 課 で 確 認 してください 項 目 所 管 課 窓 口 市 役 所 内 電 話 備 考 がけに 関 する 限 (がけ 条 例 ) 都 市 計 画 課 建 築 住 宅 係 南 庁 舎

説 明 内 容 料 金 の 算 定 期 間 と 請 求 の 単 位 について 分 散 検 針 制 日 程 等 別 料 金 料 金 の 算 定 期 間 と 支 払 義 務 発 生 日 日 程 等 別 料 金 の 請 求 スケジュール 料 金 のお 支 払 い 方 法 その 他 各 種 料 金 支 払

スライド 0

2. ど の 様 な 経 緯 で 発 覚 し た の か ま た 遡 っ た の を 昨 年 4 月 ま で と し た の は 何 故 か 明 ら か に す る こ と 回 答 3 月 17 日 に 実 施 し た ダ イ ヤ 改 正 で 静 岡 車 両 区 の 構 内 運 転 が 静 岡 運

の 基 礎 の 欄 にも 記 載 します ア 法 人 税 の 中 間 申 告 書 に 係 る 申 告 の 場 合 は 中 間 イ 法 人 税 の 確 定 申 告 書 ( 退 職 年 金 等 積 立 金 に 係 るものを 除 きます ) 又 は 連 結 確 定 申 告 書 に 係 る 申 告 の 場

スライド 1

個人住民税徴収対策会議

2 役 員 の 報 酬 等 の 支 給 状 況 役 名 法 人 の 長 理 事 理 事 ( 非 常 勤 ) 平 成 25 年 度 年 間 報 酬 等 の 総 額 就 任 退 任 の 状 況 報 酬 ( 給 与 ) 賞 与 その 他 ( 内 容 ) 就 任 退 任 16,936 10,654 4,36

続 に 基 づく 一 般 競 争 ( 指 名 競 争 ) 参 加 資 格 の 再 認 定 を 受 けていること ) c) 会 社 更 生 法 に 基 づき 更 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなされている 者 又 は 民 事 再 生 法 に 基 づき 再 生 手 続 開 始 の 申 立 てがなさ

(8) 日 本 国 籍 を 有 し 日 本 国 憲 法 及 びその 下 に 成 立 した 政 府 を 暴 力 等 で 破 壊 すること を 主 張 する 団 体 等 その 他 を 結 成 し 又 は 加 入 し 若 しくは 協 力 していないことを 証 明 又 は 誓 約 し 若 しくは 保 証 で

川越市幼稚園就園奨励費補助金交付要綱

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(5) 事 業 者 等 自 転 車 及 び 自 動 車 の 製 造 輸 入 販 売 又 は 修 理 を 業 として 行 っている 者 及 びそ れらの 者 の 団 体 並 びにその 他 の 事 業 者 をいう (6) 所 有 者 等 自 動 車 の 所 有 権 占 有 権 若 しくは 使 用 権 を

(2) 支 状 況 保 育 所 ( 定 員 60 人 以 上 ) 支 状 況 は 次 とおりです 1 総 入 構 成 比 は 割 合 が88.1% 活 動 外 入 が2.1% 特 別 入 が9.8%でした 2 構 成 比 は 運 営 費 入 が80.1% 経 常 経 費 補 助 金 入 が17.8%

所沢市告示第   号

1 変更の許可等(都市計画法第35条の2)

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(1) 船 舶 の 堪 航 能 力 が 不 十 分 であるとき (2) 天 候 本 船 の 状 態 積 荷 の 種 類 又 は 水 路 等 の 状 況 に 照 らし 運 航 に 危 険 のおそれがあるとき (3) 水 先 船 の 航 行 に 危 険 のおそれがあるとき (4) 水 先 人 の 乗 下

(2) 協 会 加 入 月 の1カ 月 前 までに 様 式 1が 提 出 された 市 町 村 等 に 対 して 契 約 書 及 び 掛 金 請 求 書 を 送 付 します その 後 返 送 されてきた 様 式 2-2を 保 管 し 掛 金 の 納 入 を 確 認 します 第 2 章 契 約 更 新

平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

ア 運 営 管 理 業 務 に 関 する 事 項 管 理 事 務 所 の 使 用 に 関 すること( 電 話 金 庫 警 備 鍵 等 名 義 変 更 の 必 要 な もの( 電 気 水 道 ガス 機 械 警 備 消 防 計 画 書 危 険 物 取 扱 設 置 許 可 等 )) 年 間 行 事 予 定

弁護士報酬規定(抜粋)

Transcription:

平 成 19 年 那 審 第 10 号 貨 物 船 りゅうなん 機 関 損 傷 事 件 言 渡 年 月 日 平 成 19 年 7 月 20 日 審 判 庁 門 司 地 方 海 難 審 判 庁 那 覇 支 部 ( 西 林 眞, 岩 渕 三 穂, 黒 田 敏 幸 ) 理 事 官 上 原 直 受 審 人 A 職 名 りゅうなん 機 関 長 海 技 免 許 四 級 海 技 士 ( 機 関 )( 機 関 限 定 ) 損 害 主 機 5 シリンダ 排 気 弁 棒 に 曲 損,ピストン,シリンダライナに 排 気 弁 による 打 痕 傷 等 原 因 C 重 油 常 用 タンクのドレン 排 出 不 十 分, 復 旧 措 置 不 適 切 主 文 本 件 機 関 損 傷 は,C 重 油 常 用 タンクのドレン 排 出 が 不 十 分 で, 主 機 燃 料 油 系 統 が 閉 塞 して 同 油 の 供 給 が 阻 害 されたばかりか, 主 機 の 運 転 再 開 に 向 けての 復 旧 措 置 が 不 適 切 で, 過 回 転 を 生 じたことによって 発 生 したものである 受 審 人 Aを 戒 告 する 理 由 ( 海 難 の 事 実 ) 1 事 件 発 生 の 年 月 日 時 刻 及 び 場 所 平 成 18 年 12 月 28 日 23 時 40 分 鹿 児 島 県 与 論 島 北 方 沖 合 ( 北 緯 27 度 06.0 分 東 経 128 度 41.7 分 ) 2 船 舶 の 要 目 等 (1) 要 目 船 種 船 名 貨 物 船 りゅうなん 総 ト ン 数 749 トン 全 長 98.40 メートル 機 関 の 種 類 過 給 機 付 4 サイクル 8 シリンダ ディーゼル 機 関 出 力 2,942 キロワット 回 転 数 毎 分 525 (2) 設 備 及 び 性 能 等 ア りゅうなん りゅうなんは, 平 成 16 年 4 月 に 進 水 した 船 尾 船 橋 型 の 鋼 製 貨 物 船 で,B 社 が 用 船 した うえ, 専 ら 沖 縄 県 那 覇 港 と 福 岡 県 博 多 港 間 のコンテナ 及 び 雑 貨 輸 送 に 従 事 しており, 機 関 室 には, 下 段 中 央 に 主 機 を, 中 段 の 主 機 後 方 に 発 電 機 駆 動 用 ディーゼル 機 関 3 機 ( 以 下 補 機 という )を, 中 段 最 後 部 に 熱 媒 油 ボイラ( 以 下 ボイラ という )をそれ ぞれ 備 え, 燃 料 油 として, 主 機 が 出 入 港 時 はA 重 油 を, 航 海 中 はC 重 油 をそれぞれ 使 用 し, 補 機 及 びボイラが 常 時 A 重 油 を 使 用 していた イ 主 機 - 661 -

主 機 は,C 社 が 製 造 した 8DKM-36 型 と 称 する, 油 圧 クラッチ 内 蔵 の 逆 転 減 速 機 ( 以 下 クラッチ という )を 連 結 したディーゼル 機 関 で, 各 シリンダに 船 首 側 から 順 番 号 が 付 され,シリンダブロックの 左 舷 前 部 に 設 けた 機 側 操 縦 台 に 機 側 操 作 レバーと 油 圧 式 調 速 機 を 設 置 し, 同 ブロック 左 舷 側 に 各 シリンダ 毎 の 燃 料 噴 射 ポンプを 取 り 付 け, 調 速 機 の 出 力 レバーから,リンク 機 構 を 介 して 燃 料 加 減 軸 を 回 転 させ, 同 ポンプの ラック( 以 下 燃 料 ラック という )を 動 かし, 回 転 数 制 御 を 行 うようになっており, 年 間 運 転 時 間 が 約 7,000 時 間 であった ウ 燃 料 油 系 統 機 関 室 には, 中 段 左 舷 側 に, 容 量 3 キロリットル(kL)のC 重 油 澄 タンク, 容 量 5.2kL のC 重 油 常 用 タンク 及 びいずれも 容 量 3kL のA 重 油 常 用 タンク 2 個 をそれぞれ 設 置 し, 各 タンクの 底 部 にばね 式 の 自 動 閉 鎖 排 油 弁 ( 以 下 ドレン 弁 という )を 設 け,A 重 油 常 用 タンクのうち 1 個 を 予 備 タンクとしており,A 重 油 が, 船 体 付 タンクから 移 送 ポン プによりA 重 油 常 用 タンクに 自 動 移 送 され, 一 方,C 重 油 が 船 体 付 タンクから 移 送 ポン プによりC 重 油 澄 タンクに 自 動 移 送 されたのち, 遠 心 分 離 式 清 浄 機 ( 以 下 清 浄 機 と いう )を 通 してC 重 油 常 用 タンクに 送 られるようになっていた 主 機 の 燃 料 油 系 統 は,A 重 油 中 間 弁 とC 重 油 常 用 タンク 取 出 し 弁 とによって 使 用 燃 料 油 の 切 換 えが 行 われたのち, 呼 び 径 40Aで 連 絡 した, 流 量 計, 電 動 燃 料 供 給 ポンプ, 燃 料 油 加 熱 器,ろ 過 能 力 10 ミクロンの 多 筒 型 エレメントを 内 蔵 した 精 密 こし 器 及 び 350 メ ッシュの 2 次 複 式 こし 器 を 経 て 入 口 主 管 に 至 り, 各 シリンダの 燃 料 噴 射 ポンプに 供 給 さ れるようになっており, 主 機 の 入 口 付 近 には 加 熱 用 の 熱 媒 油 を 燃 料 油 管 の 外 側 に 通 す 二 重 管 が 設 けられていた また, 同 ポンプからの 余 剰 油 が 出 口 主 管 からC 重 油 常 用 タンク の 船 尾 側 に 設 置 されたエアセパレータ 上 部 に 送 られ, 下 部 から 供 給 ポンプ 入 口 に 戻 るよ うになっており, 入 口 主 管 と 出 口 主 管 との 間 には 弁 付 きの 連 絡 管 が 設 けられていた ところで,C 重 油 常 用 タンクは, 清 浄 機 によって 油 中 に 含 まれた 炭 素 系 固 形 物 や 水 分 などの 不 純 物 を 除 去 したものが 送 油 されるようになっているものの, 同 機 で 完 全 に 除 去 されなかったアスファルテン 成 分 や 分 離 不 良 によって 混 入 した 不 純 物 などがスラッジを 形 成 して 底 部 に 沈 殿 するため,タンク 内 部 の 状 態 を 確 認 することを 兼 ね, 定 期 的 にドレ ン 弁 を 開 けてスラッジ 等 を 排 出 する 必 要 があった 3 事 実 の 経 過 (1) 主 機 停 止 に 至 る 経 過 A 受 審 人 は, 航 海 中 の 機 関 当 直 を 他 の 機 関 士 2 人 と 3 直 輪 番 で 行 い, 燃 料 油 系 統 の 管 理 にあたっては, 主 機 の 精 密 こし 器 が 4 時 間 毎 に 自 動 逆 洗 するよう 設 定 するとともに,2 週 間 毎 にこし 器 類 の 開 放 掃 除 を 行 うようにし,A 重 油 が 主 機, 補 機 及 びボイラの 3 系 統 に 供 給 されることもあって,A 重 油 常 用 タンクのドレン 排 出 を 各 航 海 当 直 で 行 うようにしてい たが,C 重 油 系 統 は 清 浄 機 を 使 用 しているので 問 題 ないと 考 え, 乗 船 以 来 自 らC 重 油 常 用 タンクのドレン 排 出 を 十 分 に 行 うことも, 他 の 機 関 士 に 指 示 することもなかったので, 同 タンク 底 部 に 多 量 のスラッジ 等 が 堆 積 する 状 態 になっていることに 気 付 かないまま, 主 機 の 運 転 を 続 けていた こうして,りゅうなんは,A 受 審 人 ほか 6 人 が 乗 り 組 み, 空 コンテナ 120 個 を 積 み, 船 首 2.5 メートル 船 尾 3.5 メートルの 喫 水 をもって, 平 成 18 年 12 月 28 日 10 時 30 分 那 覇 港 を 発 し,10 時 35 分 主 機 の 使 用 燃 料 油 をA 重 油 からC 重 油 に 切 り 換 えたのち, 主 機 回 転 数 を 毎 分 400 に 増 速 して 16 ノットの 速 力 で 博 多 港 に 向 かった - 662 -

りゅうなんは,12 時 30 分 に 備 瀬 埼 を 航 過 後, 針 路 を 048 度 ( 真 方 位, 以 下 同 じ )とし て 航 行 していたところ, 次 第 に 強 まった 北 北 西 風 と 同 方 向 からの 風 浪 を 左 舷 方 から 受 ける ようになって,ローリング 等 が 大 きくなったために,C 重 油 常 用 タンク 底 部 に 堆 積 してい た 多 量 のスラッジ 等 が 浮 遊 して 主 機 燃 料 油 系 統 に 混 入 するようになり,やがて 同 油 系 統 の こし 器 等 が 目 詰 まりし,15 時 20 分 ごろ 精 密 こし 器 の 差 圧 警 報 が 吹 鳴 するとともに 主 機 の 回 転 数 が 徐 々に 低 下 し 始 め, 主 機 の 異 変 を 認 めた 機 関 室 当 直 中 のA 受 審 人 が, 直 ちに 燃 料 油 をA 重 油 に 切 り 換 えたものの,さらに 回 転 数 が 低 下 したことから,15 時 40 分 与 論 島 赤 埼 灯 台 から 358 度 13.8 海 里 の 地 点 で, 同 人 が 船 長 に 報 告 のうえ 主 機 を 停 止 した (2) 機 関 損 傷 に 至 る 経 過 A 受 審 人 は, 主 機 のアイドリング 運 転 は 可 能 なものの,クラッチを 嵌 合 すると 回 転 数 が 低 下 して 自 停 することから, 燃 料 油 系 統 に 問 題 があると 認 め, 機 関 室 に 急 行 した 他 の 機 関 士 2 人 にも 指 示 し, 約 1 時 間 を 要 して 精 密 こし 器 のエレメント 取 替 えや 2 次 こし 器 などの 開 放 掃 除 を 行 い,その 間 に 燃 料 油 入 口 主 管 から 連 絡 管 を 経 てエアセパレータに 至 る 配 管 や 燃 料 噴 射 ポンプから 系 統 内 の 空 気 抜 きを 行 ったうえ, 主 機 を 始 動 したものの, 同 油 供 給 量 の 不 足 からクラッチを 嵌 合 すると 停 止 することが 2 回 続 いた その 間,りゅうなんは, 鹿 児 島 県 与 論 島 と 同 県 沖 永 良 部 島 の 間 の 海 域 を 南 東 方 に 圧 流 さ れながら 漂 流 を 続 けた A 受 審 人 は,こし 器 類 の 開 放 掃 除 や 系 統 内 の 空 気 抜 きを 行 っても 主 機 の 負 荷 運 転 が 困 難 で, 配 管 中 に 残 留 C 重 油 やスラッジ 等 で 閉 塞 気 味 になっている 箇 所 があることは 十 分 に 考 えられたが, 配 管 の 一 部 を 取 り 外 したうえで 閉 塞 物 を 除 去 するなど, 主 機 の 運 転 再 開 に 向 けての 復 旧 措 置 を 適 切 に 行 うことなく,その 後 もこし 器 類 の 掃 除 や 系 統 内 の 空 気 抜 きを 行 って 始 動 することを 3 ないし 4 回 繰 り 返 した そして,A 受 審 人 は,5 ないし 6 回 試 みても 主 機 を 負 荷 運 転 に 移 行 できず, 漂 流 状 態 と なってすでに 8 時 間 近 く 経 過 していたことから, 早 く 航 行 を 再 開 しなければと 気 が 焦 り, 依 然 として 運 転 再 開 に 向 けての 復 旧 措 置 を 適 切 に 行 わないまま,アイドリング 状 態 で 燃 料 ラックを 手 動 で 増 方 向 に 操 作 することで, 燃 料 油 の 流 れをよくしようと 考 え, 機 関 室 に 呼 んだ 甲 板 員 を 含 む 4 人 が 各 々2 シリンダずつ 同 ラックを 操 作 する 配 置 につけ, 何 かあった ら 操 作 を 止 めるよう 注 意 したうえで 主 機 を 始 動 した りゅうなんは,A 受 審 人 が 主 機 の 調 速 機 を 増 速 方 向 に 手 動 操 作 すると 同 時 に, 他 の 3 人 とともに 全 シリンダの 燃 料 ラックを 増 方 向 に 操 作 したとき, 燃 料 噴 射 ポンプの 吸 引 作 用 で 配 管 の 閉 塞 状 況 が 緩 和 されて 燃 料 油 が 過 剰 供 給 され,23 時 40 分 与 論 島 赤 埼 灯 台 から 070 度 13.8 海 里 の 地 点 において, 主 機 が 過 回 転 した 当 時, 天 候 は 曇 で 風 力 5 の 北 北 西 風 が 吹 き, 海 上 には 白 波 が 立 っていた A 受 審 人 は, 過 回 転 を 認 めて 直 ちに 主 機 を 停 止 し,ターニングはできたものの,エアラ ンニングを 行 うことができなかったことから, 運 転 は 不 能 と 判 断 し,その 旨 を 船 長 に 報 告 した りゅうなんは, 奄 美 海 上 保 安 部 に 通 報 するとともに, 会 社 に 引 船 の 手 配 を 要 請 し, 翌 29 日 11 時 30 分 来 援 した 引 船 によって 曳 航 が 開 始 されて 沖 縄 県 本 部 港 に 引 きつけられ, 修 理 業 者 の 手 によって 主 機 を 精 査 した 結 果,5 シリンダで 排 気 弁 棒 が 曲 損 したうえ,ピストン とシリンダライナに 排 気 弁 による 打 痕 傷 が 生 じていることなどが 判 明 し, 全 シリンダの 排 気 弁 及 び 吸 気 弁 を 新 替 えするとともに,ピストン 及 びシリンダライナなどが 修 理 された - 663 -

( 本 件 発 生 に 至 る 事 由 ) 1 C 重 油 系 統 は 清 浄 機 を 使 用 しているので 問 題 ないと 考 え,C 重 油 常 用 タンクのドレン 排 出 を 十 分 に 行 っていなかったこと 2 荒 天 航 行 中 にC 重 油 常 用 タンク 底 部 に 堆 積 していた 多 量 のスラッジ 等 が 浮 遊 し, 主 機 燃 料 油 系 統 に 混 入 したこと 3 こし 器 などが 目 詰 まりを 起 こして 主 機 への 燃 料 油 供 給 が 阻 害 されたこと 4 こし 器 類 を 開 放 掃 除 や 系 統 内 の 空 気 抜 きを 行 っても 主 機 の 負 荷 運 転 が 困 難 であった 際, 主 機 の 運 転 再 開 に 向 けての 復 旧 措 置 を 適 切 に 行 わなかったこと 5 こし 器 類 を 開 放 掃 除 しては 主 機 を 始 動 することを 数 回 繰 り 返 すうち 長 時 間 経 過 し, 早 く 航 行 を 再 開 しなければと 気 が 焦 り, 燃 料 ラックを 増 方 向 に 手 動 操 作 したこと 6 全 シリンダの 燃 料 ラックを 増 方 向 に 操 作 したとき, 燃 料 噴 射 ポンプの 吸 引 作 用 で 配 管 の 閉 塞 状 況 が 緩 和 され, 燃 料 油 が 過 剰 供 給 されて 過 回 転 したこと ( 原 因 の 考 察 ) 本 件 は, 主 機 の 燃 料 油 系 統 にスラッジ 等 が 混 入 したため, 主 機 の 運 転 がいったん 不 能 となっ て 約 8 時 間 漂 流 状 態 となり,その 後 主 機 の 運 転 を 再 開 する 過 程 で 過 回 転 が 生 じ, 主 機 が 損 傷 し たものである 主 機 の 運 転 がいったん 不 能 となった 経 過 については,C 重 油 常 用 タンクのドレン 排 出 を 定 期 的 に 行 っていたなら, 同 タンク 底 部 にスラッジ 等 が 多 量 に 堆 積 することはなく, 荒 天 航 行 中 の スラッジ 等 が 浮 遊 して 主 機 燃 料 油 系 統 に 混 入 すること, 及 びこし 器 などが 目 詰 まりを 起 こして 主 機 への 燃 料 油 供 給 が 阻 害 されることは,いずれも 防 止 できたものと 認 められる したがって,A 受 審 人 が,C 重 油 系 統 は 清 浄 機 を 使 用 しているので 問 題 ないと 考 え,C 重 油 常 用 タンクのドレン 排 出 を 十 分 に 行 っていなかったことは, 本 件 発 生 の 原 因 となる 次 に, 主 機 の 運 転 を 再 開 する 過 程 については,こし 器 類 の 開 放 掃 除 や 系 統 内 の 空 気 抜 きを 行 っても 負 荷 運 転 が 困 難 であった 際, 配 管 中 に 残 留 C 重 油 やスラッジ 等 で 閉 塞 気 味 になっている 箇 所 があることは 十 分 に 考 えられることであり, 配 管 の 一 部 を 取 り 外 したうえで 閉 塞 物 を 除 去 するなど, 主 機 の 運 転 再 開 に 向 けての 復 旧 措 置 を 適 切 に 行 っていれば,こし 器 類 を 開 放 掃 除 し ては 主 機 を 始 動 することを 数 回 繰 り 返 すうち 長 時 間 経 過 することは 避 けられ,また, 早 く 航 行 を 再 開 しなければと 気 が 焦 り, 燃 料 ラックを 増 方 向 に 手 動 操 作 することはなく, 主 機 が 過 回 転 することは 防 止 できたものと 認 められる したがって,A 受 審 人 が,こし 器 類 の 開 放 掃 除 や 系 統 内 の 空 気 抜 きを 行 っても 負 荷 運 転 が 困 難 であった 際, 配 管 の 一 部 を 取 り 外 したうえで 閉 塞 物 を 除 去 するなど, 主 機 の 運 転 再 開 に 向 け ての 復 旧 措 置 を 適 切 に 行 わなかったことは, 本 件 発 生 の 原 因 となる ( 海 難 の 原 因 ) 本 件 機 関 損 傷 は,C 重 油 常 用 タンクのドレン 排 出 が 不 十 分 で, 荒 天 航 行 中, 同 タンクの 底 部 に 堆 積 していたスラッジ 等 が 主 機 燃 料 油 系 統 に 混 入 し, 同 油 系 統 のこし 器 などが 閉 塞 して 同 油 の 供 給 が 阻 害 されたばかりか, 主 機 の 運 転 再 開 に 向 けての 復 旧 措 置 が 不 適 切 で, 全 シリンダの 燃 料 ラックを 増 方 向 に 手 動 操 作 したとき, 燃 料 噴 射 ポンプの 吸 引 作 用 で 配 管 の 閉 塞 状 況 が 緩 和 され, 燃 料 油 が 過 剰 供 給 されて 過 回 転 を 生 じたことによって 発 生 したものである ( 受 審 人 の 所 為 ) - 664 -

A 受 審 人 は, 燃 料 油 系 統 にスラッジ 等 が 混 入 し,こし 器 類 の 開 放 掃 除 や 系 統 内 の 空 気 抜 きを 行 っても 主 機 の 負 荷 運 転 が 困 難 であった 場 合, 配 管 中 に 残 留 C 重 油 やスラッジ 等 で 閉 塞 気 味 に なっている 箇 所 があることは 十 分 に 考 えられたから, 配 管 の 一 部 を 取 り 外 したうえで 閉 塞 物 を 除 去 するなど, 主 機 の 運 転 再 開 に 向 けての 復 旧 措 置 を 適 切 に 行 うべき 注 意 義 務 があった とこ ろが, 同 人 は, 主 機 の 運 転 再 開 に 向 けての 復 旧 措 置 を 適 切 に 行 わなかった 職 務 上 の 過 失 によ り, 長 時 間 を 要 しても 負 荷 運 転 に 移 行 できずに, 早 く 航 行 を 再 開 しようと 気 が 焦 り, 燃 料 油 の 流 れをよくしようと 全 シリンダの 燃 料 ラックを 増 方 向 に 操 作 したとき, 燃 料 油 が 過 剰 供 給 され て 過 回 転 を 招 き, 排 気 弁 棒 の 曲 損,ピストン 及 びシリンダライナに 打 痕 傷 を 生 じさせるに 至 っ た 以 上 のA 受 審 人 の 所 為 に 対 しては, 海 難 審 判 法 第 4 条 第 2 項 の 規 定 により, 同 法 第 5 条 第 1 項 第 3 号 を 適 用 して 同 人 を 戒 告 する よって 主 文 のとおり 裁 決 する - 665 -