三池港



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32 島 原 海 湾 水 先 区 水 先 人 会 [ 三 池 港 三 角 港 及 び 島 原 湾 有 明 海 / 八 代 港 及 び 八 代 海 ] 32-1 三 池 港 三 池 港 での 主 要 な 揚 貨 物 は 石 炭 アルミ 地 金 塩 オイルコークスである また 小 型 の 外 航 コ ンテナ 船 も 週 1 回 当 港 に 寄 港 している 気 象 海 象 1 風 冬 季 の 北 風 の 影 響 が 大 きい 一 方 で 港 口 から 内 港 に 続 く 約 1 マイルに 及 ぶ 北 防 砂 堤 と 陸 地 間 の 水 路 ( 以 下 防 砂 堤 間 水 路 という ) は 南 側 の 陸 地 が 風 を 遮 るため 南 風 の 影 響 は 受 けにくい 地 形 となっている ( 北 防 砂 堤 及 び 砂 防 堤 間 水 路 の 位 置 については 図 32-1-1 を 参 照 のこと ) 1 図 32-1-1 北 防 砂 堤 及 び 砂 防 堤 間 水 路

2 台 風 (i) 台 風 の 来 襲 が 予 想 される 場 合 当 港 に 常 駐 するタグボートの 馬 力 は 小 さく 大 型 船 が 荷 役 途 中 ( 貨 物 半 載 状 態 )で 沖 出 し することは 困 難 であることから 台 風 の 来 襲 が 予 想 されるときには そのおそれがなくな るまでは 着 岸 しない また 警 戒 体 制 については 台 風 対 策 委 員 会 の 勧 告 に 従 う (ii) 高 潮 台 風 等 による 高 潮 は 聞 いたことがない ただし 過 去 には 台 風 に 伴 ってできた 南 西 から のうねりや 波 で 防 砂 堤 や 内 港 の 石 垣 に 被 害 が 発 生 したことがある (iii) 避 泊 島 原 湾 及 び 有 明 海 は 台 風 の 避 泊 に 適 した 海 域 である 当 港 南 方 の 熊 本 県 長 洲 町 に ユ ニバーサル 造 船 有 明 事 業 所 があるが ここで 建 造 された 載 貨 重 量 トン 数 30 万 トンクラス のタンカー 新 造 船 ( 空 船 )が 造 船 所 沖 の 指 定 錨 地 で 避 泊 しているほどである 加 えて 天 草 下 島 の 北 東 側 及 び 天 草 上 島 の 北 側 ( 図 32-1-2 参 照 )でも 避 泊 する 船 がある また より 小 型 の 船 舶 は 八 代 海 に 抜 けて 避 泊 することもある 図 32-1-2 天 草 下 島 の 北 東 側 及 び 天 草 上 島 の 北 側 海 域 3 波 及 びうねり 南 西 の 強 風 が 連 吹 するとうねりとなり 下 げ 潮 ( 南 流 )のときには 特 に 港 口 付 近 で 波 高 が 増 大 し 水 先 人 の 港 外 での 乗 下 船 に 影 響 が 出 る 防 砂 堤 間 水 路 では 風 上 へ 切 上 がるとともに 風 下 に 流 されることに 加 え 側 壁 影 響 も 受 けることとなり 状 況 はさらに 厳 しくなる また 波 やうねりが 大 きい 場 合 には 港 外 では 水 先 人 が 下 船 できなくなることもある 2

4 潮 流 潮 流 は 防 砂 堤 外 側 の 港 口 部 において 上 げ 潮 で 北 に 下 げ 潮 で 南 に 最 大 で 1.5~2.0 ノット で 流 れる したがって 防 砂 堤 間 水 路 に 入 っていく 場 合 には 横 潮 となるので 注 意 する 必 要 が ある 港 内 では 潮 高 差 は 最 大 5m あり 防 砂 堤 間 水 路 及 び 閘 門 ( 図 32-1-3 参 照 )で 潮 流 は 最 大 0.5 ~1.0 ノット 程 度 である 目 安 として 長 さ 100m 以 上 の 船 総 トン 数 6,000 トン 以 上 の 船 については 満 潮 時 の 潮 流 が なくなる 時 期 を 選 んで 着 岸 す る 大 型 船 の 夜 間 の 入 出 港 は 行 わない(ただし 定 期 航 路 のコンテナ 船 だけは 夜 間 出 港 も 行 っている )ことから 一 日 一 回 の 着 岸 チャンスとなる ( 冬 季 には 日 中 に 満 潮 時 がな いときがあり このような 場 合 には 着 岸 できない 日 が 発 生 することとなる) また 大 型 船 を 2 隻 続 けて 着 岸 させる 場 合 もあるが 時 間 的 な 観 点 か ら 2 隻 が 限 界 である 出 港 は UKC が 確 保 できる 満 潮 時 の 3 時 間 前 後 内 で 行 う 図 32-1-3 防 砂 堤 間 水 路 及 び 閘 門 5 霧 霧 の 発 生 は 年 に 数 回 であるが その 影 響 がまったくないわけではない なお 視 程 につい ての 水 先 引 き 受 け 基 準 は 1,000m 以 上 である 6 雷 雷 の 影 響 はほとんどない 当 港 には 小 型 タンカーのバースもあるが 雷 で 荷 役 がストップ したということは 聞 いたことがない 7 長 周 期 波 長 周 期 波 による 影 響 はない 8 副 振 動 副 振 動 による 影 響 はない 3

水 先 1 引 受 基 準 大 型 船 に 対 しては 入 港 の 場 合 は 風 速 6m/s 以 下 出 港 の 場 合 は 風 速 10m/s 以 下 で 水 先 を 引 き 受 けることとしている 風 速 は 水 先 人 会 事 務 所 屋 上 の 風 速 計 で 計 測 しているが 北 防 砂 堤 の 突 端 にある 北 防 砂 堤 灯 台 ( 図 32-1-4 参 照 )にも 海 上 保 安 部 の 風 速 計 があり この 風 速 計 の 計 測 値 も 参 考 にすることがある ( 北 防 砂 堤 灯 台 の 計 測 値 の 方 が 水 先 人 会 事 務 所 屋 上 の 計 測 値 より 通 常 3~4m/s ほど 高 い 数 値 を 示 す ) 入 港 及 び 出 港 でそれぞれ 水 先 引 き 受 けの 基 準 風 速 が 異 なるのは 入 港 時 には 防 砂 堤 間 水 路 を 抜 けて からの 内 港 の 奥 行 きが 短 いため 防 砂 堤 水 路 内 を 大 きな 速 力 をもっ て 航 行 することができず 風 の 影 響 を 受 けやすいからである ( 出 港 時 は 防 砂 堤 内 水 路 を 増 速 しながら 航 行 できる ) 図 32-1-4 北 防 砂 堤 灯 台 2 着 岸 着 岸 舷 は 原 則 入 船 左 舷 付 け である 出 港 時 には 船 回 しをして 出 港 することになる また 防 砂 堤 間 水 路 の 可 航 幅 は 50~60m しかない( 平 成 23 年 度 中 には 可 航 幅 は 89m 水 深 10m に 拡 幅 される )ため タグボートをとるのは 内 港 に 入 ってからである なお 防 砂 堤 内 航 路 の 可 航 幅 は 狭 隘 であるため 総 トン 数 100 トン 以 上 の 船 舶 に 対 しては 入 出 港 とも 一 方 通 航 の 管 制 が 行 われ 運 航 調 整 担 当 ( 港 湾 管 理 者 )の 指 示 を 受 けることとな る 3 閘 門 内 への 嚮 導 閘 門 内 ( 図 32-1-5 参 照 )へ 硫 酸 運 搬 船 ( 内 航 ) スクラップ 船 及 び 材 木 船 ( 最 近 ではロシア 船 が 多 い)などを 嚮 導 することがある 閘 門 の 可 航 幅 は 約 19m{ 閘 門 幅 (20m)-フェン ダー 厚 }であり 船 幅 15m ぐらいの 船 までは 閘 門 内 にそのまま 走 り 込 みで 入 れる 過 去 には 最 大 で 船 幅 18m の 船 まで 入 れた が このときは 走 り 込 みではなく 両 側 を タグボートにアシストさせて 先 取 りロープ をキャプスタンにとって 入 航 させた ただ し 最 近 この 方 法 を 実 施 したケースはない 図 32-1-5 閘 門 の 内 側 海 域 4

4 出 港 北 岸 壁 からの 出 港 時 大 型 船 はタグボートを 2 隻 使 用 し 本 船 のロープを 使 用 しての 船 尾 引 きで 作 業 を 行 う 船 回 しを 行 うため 一 旦 船 を 引 き 出 すが 北 風 が 強 いと 船 回 し 中 に 南 に 落 とされるため 適 切 な 対 応 が 必 要 となる タグボート タグボートは 1,100PS のものが 2 隻 600PS のものが 1 隻 常 駐 する 固 定 式 コルトノズルの 可 変 ピッチプロペラ 型 で 後 進 出 力 は 前 進 出 力 の 半 分 ぐらいしか 期 待 できない また ダックペ ラや Z ペラ 型 のような 小 回 りも 利 かない 錨 泊 北 防 砂 堤 灯 台 から 1~1.5 マイル 程 度 離 して 錨 泊 する 船 が 多 い(このおお よその 海 域 については 図 32-1-6 を 参 照 のこと) 有 明 海 全 体 で 底 質 はほとん ど 貝 殻 混 じりの 砂 のため 錨 かきはそ れほどよくないが 風 速 20m/s 程 度 ま での 風 であれば 通 常 は 走 錨 するような ことはない 図 32-1-6 北 防 砂 堤 灯 台 から 1 マイルの 範 囲 漁 船 漁 具 の 状 況 三 池 港 の 中 に 漁 船 の 船 溜 まりはあるが 三 池 港 付 近 で 操 業 するものは 少 ない 朝 夕 には この 船 溜 まりに 出 入 りする 漁 船 と 防 砂 堤 間 水 路 ですれ 違 うことが 多 々あるが 漁 船 側 で 避 航 してくれ る 三 池 港 への 入 出 港 においては 漁 労 船 による 影 響 は 少 ないが 網 かご 等 漁 具 から 延 びる 旗 竿 が 島 原 沖 から 三 池 港 沖 にかけて 多 数 設 置 されていることがあり 大 型 船 ではこれらを 避 けて 入 港 す るのに 苦 労 するときがある なお 重 要 な 漁 具 には 灯 火 が 設 置 されており 夜 間 でも 視 認 できる ものがある 5

32-2 三 角 港 気 象 海 象 1 風 地 形 上 北 方 向 が 遮 蔽 されている 天 然 の 良 港 であり 北 からの 風 の 影 響 は 少 ない 2 潮 流 三 角 港 自 体 が 狭 い 水 道 の 中 に 位 置 しており 水 道 に 入 ってから 潮 流 の 影 響 を 顕 著 に 受 ける こととなる 上 げ 潮 ( 西 流 ) 時 の 着 岸 が 容 易 であることから 東 港 においては 左 舷 付 けで 着 岸 する 場 合 が 多 い 6

水 先 人 の 乗 下 船 水 先 人 は 南 北 の 検 疫 錨 地 付 近 で 乗 船 する 大 型 船 は 八 代 海 を 経 由 して 南 の 港 口 から 入 港 することが 多 い 北 方 から 三 角 ノ 瀬 戸 ( 大 瀬 戸 ) を 経 由 して 入 港 する 船 舶 は 入 口 が 狭 く また 架 橋 ( 天 文 橋 )がある 等 の 理 由 により 総 トン 数 5,000~6,000 トンクラスに 限 られる したがって 北 側 で 乗 船 する 場 合 と 比 して 南 側 で 水 先 人 が 乗 船 する 場 合 の 方 が 頻 度 は 高 いといえる (それぞれの 位 置 については 図 32-2-1 を 参 照 のこ と ) 図 32-2-1 三 角 港 の 入 港 経 路 タグボート 当 港 にタグボートは 常 駐 しておらず 入 出 港 作 業 時 にはその 都 度 八 代 港 から 来 港 する 7

32-3 島 原 湾 有 明 海 水 先 業 務 三 池 港 や 三 角 港 等 に 入 港 する 船 舶 のほか 熊 本 県 長 洲 町 のユニバーサル 造 船 有 明 事 業 所 から 竣 工 後 出 港 する 船 舶 の 島 原 湾 におけるベイパイロット 業 務 も 行 うこともある 8

フェリーの 航 路 島 原 湾 及 び 有 明 海 を 定 期 的 に 航 行 するフ ェリーの 航 路 は 以 下 のとおりである なお 各 航 路 の 発 着 地 と 大 略 の 航 路 線 は 図 32-3-1 のとおりである 島 原 港 熊 本 港 口 之 津 港 鬼 池 港 ( 天 草 下 島 ) 長 洲 港 多 比 良 港 島 原 港 三 池 港 ( 高 速 船 [ 旅 客 のみ)) 漁 船 漁 具 の 状 況 及 び 遊 覧 船 の 航 行 状 況 図 32-3-1 有 明 海 及 び 島 原 湾 のフェリー 航 路 漁 船 は 島 原 湾 入 口 の 早 崎 瀬 戸 付 近 に 多 く 小 潮 の 潮 止 まり 時 が 特 に 多 いようである この 付 近 は 延 縄 や 一 本 釣 りによる 操 業 が 多 いが 島 原 沖 付 近 では 独 航 で 網 を 引 くものも 多 い また 湯 島 付 近 ではタイの 一 本 釣 りが 多 い 特 に 島 原 半 島 の 東 半 分 の 沖 合 では 浮 流 し 漁 場 や 支 柱 漁 場 によるノリの 養 殖 が 毎 年 10 月 から 翌 年 4 月 にかけて 行 われている 浮 流 し 漁 場 を 示 すブイには 海 図 上 に 恒 久 的 に 示 さ れているものもある 一 般 船 は 季 節 に 関 わらず これらの 漁 場 の 西 側 を 航 行 することが 望 ましい ただし 島 原 半 島 に 近 い 西 側 は 水 深 が 深 いため ノリの 養 殖 漁 場 はない また 早 崎 瀬 戸 の 西 部 ではイルカウォッチングの 遊 覧 船 が 航 行 していることがあるが 大 型 船 の 通 常 航 路 からは 外 れている (それぞれの 位 置 については 図 32-3-2 を 参 照 のこと ) 図 32-3-2 早 崎 瀬 戸 から 島 原 沖 にかけての 海 域 9

32-4 八 代 港 及 び 八 代 海 八 代 港 及 び 八 代 海 には 水 先 法 による 水 先 区 は 設 定 されていないが 島 原 海 湾 水 先 区 水 先 人 会 が 水 先 類 似 行 為 を 実 施 していることから ここで 紹 介 する なお 水 俣 港 でも 要 請 があれば 嚮 導 業 務 を 実 施 する 場 合 もあるが ここでの 紹 介 は 省 略 する 気 象 海 象 1 八 代 港 における 風 の 影 響 八 代 港 は 港 口 が 北 西 に 開 いていることから 冬 季 の 北 西 季 節 風 の 影 響 が 大 きい 2 八 代 港 における 波 の 影 響 風 の 場 合 と 同 様 に 波 の 影 響 としても 冬 季 の 北 西 風 による 風 浪 の 影 響 が 大 きい 3 台 風 台 風 の 場 合 には 早 めに 沖 出 しはするが 八 代 海 は 台 風 避 泊 地 として 適 しており 外 界 から のうねりはほとんど 入 ってこない 鹿 児 島 湾 方 面 からの 船 離 島 航 路 のフェリー 奄 美 航 路 のフェリー 及 び 小 型 内 航 船 等 も 避 難 してくる 10

漁 船 漁 具 の 状 況 八 代 海 でも 漁 業 は 盛 んであり 漁 船 や 旗 竿 には 十 分 注 意 しなければならない また 沿 岸 部 は 漁 礁 や 漁 具 等 が 多 数 設 置 されている 八 代 港 へアプローチするコース 上 にも 漁 具 の 設 置 場 所 を 示 す 旗 竿 が 存 在 するため 十 分 注 意 し なければならない また 時 期 によっては 接 近 水 路 やバース 前 で 漁 船 が 操 業 していることがある が タグボートからの 要 請 や 汽 笛 の 吹 鳴 等 を 活 用 して 移 動 してもらう 水 先 1 八 代 海 の 航 行 島 原 海 湾 水 先 区 水 先 人 会 では 八 代 海 のベイパイロット 業 務 も 行 っており 水 先 人 は 八 代 海 の 入 口 である 長 島 海 峡 の 沖 で 乗 船 する 八 代 海 を 航 行 するときは 特 に 潮 流 に 注 意 しなければならない また 島 間 に 架 け 渡 され ている 電 線 に 対 しても 注 意 する 必 要 がある 八 幡 瀬 戸 には 浅 瀬 である 大 曽 根 ( 水 深 4.4m)がある 過 去 に 貨 物 船 が 多 数 の 漁 船 を 避 航 しながら 航 行 しているうちに 大 曽 根 に 座 礁 するという 海 難 が 発 生 している (それぞれの 位 置 については 図 32-4-1 を 参 照 のこと ) 図 32-4-1 八 代 海 11

2 着 岸 外 港 地 区 の 大 型 船 のバースについては 原 則 として 入 船 右 舷 付 けとしているが 総 トン 数 15,000~20,000 トンクラスであれ ば 本 船 側 の 要 望 によって 左 舷 付 けとする 場 合 もある ただし 外 港 地 区 -7.5m 岸 壁 及 び-9.0m 岸 壁 ( 図 32-4-2 参 照 )では 潮 流 の 方 向 に よって 着 岸 舷 が 異 なる 当 該 バースには 総 トン 数 5,000~6,000 トンの 貨 物 船 が 多 く 入 出 港 し タグボート 1 隻 を 使 って 着 離 岸 する 図 32-4-2 外 港 地 区 -7.5m 岸 壁 及 び-9.0m 岸 壁 タグボート 当 港 のタグボートの 常 駐 は 1 隻 であり 大 型 船 の 入 出 港 の 都 度 追 加 のタグボートが 他 港 から 1 隻 来 航 する タグボートはすべて 3,000PS 級 の Z ペラタイプである フェリーの 航 路 八 代 海 を 定 期 的 に 航 行 す るフェリーの 航 路 は 以 下 の とおりである なお 各 航 路 の 発 着 地 と 大 略 の 航 路 線 は 図 32-4-3 のとおりである 牛 深 港 ( 天 草 下 島 ) 蔵 之 元 港 ( 長 島 ) 中 田 港 ( 天 草 下 島 ) 片 側 港 ( 獅 子 島 ) 八 代 港 合 津 港 ( 天 草 上 島 ) 図 32-4-3 八 代 海 のフェリー 航 路 12