長 崎 県 農 林 技 術 開 発 センター 干 拓 営 農 研 究 部 門 要 覧 Nagasaki Agricultural and Forestry Technical Development Center Reclaimed Land Farming Research Division 組 織 研 究 施 設 長 崎 県 農 林 技 術 開 発 センターの 組 織 研 究 施 設 の 概 要 所 長 副 所 長 管 理 部 門 研 究 企 画 部 門 農 産 園 芸 研 究 部 門 森 林 研 究 部 門 (9 名 ) 1 課 16 名 2 室 10 名 干 拓 営 農 研 究 部 門 (8 名 ) ( 部 門 長 1 研 究 員 4 現 業 職 員 1 嘱 託 職 員 2) 5 室 43 名 研 究 棟 1 棟 機 械 格 納 庫 1 棟 調 査 室 1 棟 堆 肥 舎 1 棟 ハ ウ ス 11 棟 試 験 圃 場 約 6ha 耕 作 道 路 の 両 側 に 広 がる 試 験 圃 場 環 境 研 究 部 門 2 室 13 名 果 樹 研 究 部 門 3 室 22 名 機 械 格 納 庫 と 調 査 室 堆 肥 舎 トラクター 畜 産 研 究 部 門 3 室 43 名 前 面 堤 防 干 拓 営 農 研 究 部 門 の 所 在 地 調 整 池 小 江 干 拓 地 研 究 棟 ( 営 農 支 援 センター) 中 央 干 拓 地 試 験 ほ 場 とハウス 群
沿 革 平 成 8 年 4 月 新 技 術 開 発 部 研 究 調 整 科 に 担 当 専 門 研 究 員 を 配 置 平 成 10 年 4 月 研 究 調 整 干 拓 科 発 足 ( 研 究 員 2 現 業 職 員 1 体 制 ) 小 江 干 拓 にて 栽 培 実 証 本 場 から 通 勤 平 成 11 年 4 月 研 究 員 2 現 業 職 員 2 体 制 となる 平 成 12 年 4 月 干 拓 科 発 足 ( 科 長 1 研 究 員 2 現 業 職 員 2 体 制 ) 小 江 ほ 場 で 調 査 継 続 7 月 中 央 干 拓 試 験 ほ 場 にて 試 験 研 究 を 開 始 平 成 1 月 干 拓 科 現 地 研 究 棟 の 完 成 現 地 常 勤 開 始 平 成 4 月 科 長 1 研 究 員 4 現 業 職 員 2 嘱 託 職 員 1 体 制 と なる 平 成 4 月 企 画 経 営 部 干 拓 科 となる 平 成 20 年 4 月 平 成 21 年 4 月 平 成 23 年 4 月 国 営 諫 早 湾 干 拓 事 業 の 経 緯 昭 和 61 年 12 月 事 業 計 画 の 決 定 平 成 9 年 4 月 平 成 11 年 3 月 平 成 6 月 平 成 16 年 2 月 平 成 17 年 9 月 平 成 19 年 12 月 平 成 20 年 3 月 平 成 20 年 4 月 潮 受 堤 防 の 締 め 切 り 潮 受 堤 防 の 完 成 事 業 計 画 の 変 更 営 農 意 向 調 査 の 実 施 干 拓 営 農 の 基 本 方 針 を 表 明 営 農 者 の 決 定 事 業 の 竣 工 営 農 開 始 干 拓 部 となる ( 部 長 1 研 究 員 4 現 業 職 員 2 嘱 託 職 員 1 体 制 ) 県 央 農 業 改 良 普 及 センター 諫 早 湾 干 拓 支 所 ( 現 諫 早 湾 干 拓 営 農 支 援 センター)と 営 農 支 援 センター を 新 しく 発 足 農 林 技 術 開 発 センターの 設 置 に 伴 い 干 拓 営 農 研 究 部 門 となる ( 部 門 長 1 研 究 員 4 現 業 職 員 2 嘱 託 職 員 1 体 制 ) 部 門 長 1 研 究 員 4 現 業 職 員 1 嘱 託 職 員 2 体 制 となる 主 な 出 来 事 トピックス 小 江 干 拓 地 で 栽 培 実 証 平 成 10 年 度 から 小 江 干 拓 地 で 農 作 物 の 栽 培 実 証 を 開 始 した. 干 陸 直 後 に 造 成 した 圃 場 は 降 雨 後 には 作 業 性 が 悪 かった. 本 所 から 通 勤 のうえ プ レハブ1 棟 と 借 り 受 けた 機 械 での 圃 場 管 理 には 苦 労 が 多 かったが 1 年 目 から 飼 料 作 物 やレタスなどで 栽 培 実 証 ができた. 平 成 8 月 の 試 験 圃 場 上 方 が 小 野 島 新 地 方 面 黄 色 灯 の 光 に 映 える 夜 のハウス 群 施 設 での 試 験 研 究 開 始 平 成 16 年 度 からタイプの 異 なる 耐 候 性 ハウスを 順 次 建 設 し 施 設 栽 培 の 試 験 研 究 を 開 始 した. 平 成 18 年 9 月 17 日 に 襲 来 した 台 風 13 号 は 最 大 瞬 間 風 速 57.4m/sを 記 録 した. 想 定 以 上 の 強 風 でハウスは 被 害 を 受 けた. 初 作 時 の 圃 場 管 理 作 業 中 央 干 拓 地 に 研 究 拠 点 平 成 12 年 度 には 中 央 干 拓 地 内 に 試 験 圃 場 と 現 地 研 究 棟 が 完 成 し 営 農 技 術 確 立 のため 試 験 研 究 に 本 格 的 に 取 り 組 んだ. 干 拓 地 内 への 入 場 が 制 限 される 中 職 員 一 丸 となって 試 験 を 継 続 した. 早 朝 の 作 業 や 水 たまりだらけ の 通 勤 道 路 など 臨 時 職 員 や 地 元 の 方 々の 支 援 と 協 力 が 大 きかった. 一 般 者 への 公 開 と 収 穫 体 験 飼 料 作 物 の 収 穫 作 業 ソルガムの 刈 り 取 り 全 国 の 農 業 関 係 者 の 視 察 やマスコミの 取 材 による 試 験 圃 場 や 施 設 の 公 開 を 行 っている. 平 成 18 年 度 には 年 間 約 3,000 名 を 受 け 入 れ 実 際 の 農 地 の 状 態 や 農 作 物 の 出 来 映 えを 見 てもらった. 平 成 18 年 度 からは 秋 に 施 設 の 一 般 公 開 を 平 成 20 年 度 からは 春 に 諫 早 市 内 の 児 童 を 中 心 に 農 作 物 の 収 穫 体 験 を 実 施 している. 当 時 の 新 聞 報 道 露 地 野 菜 試 験 栽 培 営 農 支 援 センター 発 足 干 拓 地 の 営 農 者 がワンス トップで 支 援 指 導 が 受 け られるよう 平 成 20 年 4 月 に 設 置 された. 普 及 と 試 験 研 究 が 一 体 となって 干 拓 営 農 の 支 援 を 行 っている. 台 風 13 号 による 被 害 説 明 を 聴 く 一 般 公 開 の 参 加 者 バレイショの 収 穫 体 験 発 足 当 時 のメンバー
試 験 研 究 課 題 農 林 技 術 開 発 センターの 試 験 研 究 技 術 開 発 の 基 本 理 念 基 本 理 念 : 農 林 業 の 生 産 から 消 費 に 至 る 農 林 業 技 術 の 研 究 開 発 による 長 崎 県 の 活 性 化 農 林 業 の 生 産 から 加 工 流 通 消 費 までの 先 導 的 な 農 林 業 技 術 に 関 する 試 験 研 究 開 発 等 を 行 い 県 内 の 農 林 業 および 関 連 産 業 の 振 興 に 貢 献 し 県 民 生 活 の 向 上 と 本 県 の 活 性 化 を 図 ります. 重 点 テーマ 1. 長 崎 ブランド オリジナル 重 点 品 目 の 戦 略 的 な 技 術 開 発 と 新 品 種 育 成 2. 環 境 保 全 型 農 林 業 技 術 の 開 発 3. 資 源 利 用 機 能 性 等 に 着 目 した 新 用 途 新 商 品 の 開 発 4. 革 新 的 技 術 開 発 へ 向 けた 基 盤 的 研 究 の 推 進 干 拓 研 究 営 農 部 門 の 試 験 研 究 開 発 の 推 進 方 針 諫 早 湾 干 拓 地 の 大 規 模 環 境 保 全 型 農 業 技 術 の 確 立 を 図 るため 特 別 栽 培 農 産 物 栽 培 技 術 体 系 の 確 立 を 基 本 とした 総 合 的 な 大 規 模 環 境 保 全 型 農 業 技 術 体 系 を 構 築 します.また 諫 早 湾 干 拓 産 農 産 物 のブランド 化 や 物 質 循 環 型 農 業 の 確 立 にも 取 り 組 みます. 重 点 項 目 : 諫 干 大 規 模 環 境 保 全 型 農 業 技 術 の 確 立 ⅰ 大 規 模 環 境 保 全 型 農 業 生 産 技 術 体 系 の 構 築 ⅱ 諫 早 湾 干 拓 農 産 物 の 品 質 加 工 適 性 等 の 科 学 的 解 明 とブランド 化 に 向 けた 高 品 質 安 定 生 産 技 術 の 確 立 ⅲ 物 質 循 環 型 農 業 の 確 立 諫 早 湾 干 拓 地 の 気 象 並 びに 土 壌 の 特 徴 気 象 の 特 徴 気 温 は 夏 は 高 温 冬 は 低 温 傾 向 が 強 く 年 格 差 日 格 差 ともに 大 きい. 年 間 積 算 降 水 量 は1,800mm 前 後 であり 周 辺 地 域 と 同 程 度 である. 年 間 積 算 日 照 時 間 は 豊 富 であり 2,200 時 間 を 超 える. 年 間 の 平 均 風 速 は 中 央 干 拓 地 が3.1m/s 小 江 干 拓 地 が 2.6m/sである. 初 霜 日 は 中 央 干 拓 地 が11 月 28 日 ±8 日 小 江 干 拓 地 が 12 月 5 日 ±11 日 である. 晩 霜 日 は 中 央 干 拓 地 が3 月 21 日 ±4 日 小 江 干 拓 地 が3 月 19 日 ±8 日 である. 土 壌 の 特 徴 粒 径 の 細 かい 粘 土 が 約 50% シルトが 約 40%の 重 粘 質 土 壌 ( 土 性 :HC)がほとんどである.2:1 型 粘 土 鉱 物 のスメクタイトの 影 響 で 陽 イオン 保 持 能 が 高 く 膨 潤 収 縮 能 の 非 常 に 富 んだ 性 質 を 示 す. 干 陸 当 初 の 化 学 性 は 陽 イオン 交 換 容 量 (CEC)が 約 40meqと 高 く 交 換 性 陽 イオンや 可 給 態 リン 酸 が 豊 富 である. 逆 に 水 溶 性 塩 素 イオンが 高 く 高 ph 高 ECを 示 す. 全 炭 素 全 窒 素 含 量 は 低 く 可 給 態 窒 素 が 約 3mg/100gと 少 ない. 物 理 性 は 仮 比 重 が0.5~0.7と 軽 く 固 相 率 は20~27% 前 後 で 下 層 ほど 気 相 率 が 低 い. 液 相 率 は50~80%と 高 いが 易 効 性 有 効 水 (pf2.7-1.5)は1~5%と 少 ない. 下 層 は 飽 和 透 水 係 数 が 低 く 透 水 性 は 劣 る. 干 陸 当 初 の 諫 早 湾 干 拓 中 央 干 拓 地 土 壌 の 理 化 学 性 ( 平 成 12(2000) 年 調 査 ) 深 さ(cm) 生 土 ph(h 2 O) EC(1:5) 水 溶 性 塩 素 イオン 可 給 態 リン 酸 CEC 諫 早 湾 干 拓 地 の 気 象 観 測 結 果 ( 平 成 14(2002) 年 から 平 成 19(2007) 年 までの 平 均 ) (1:2.5) (ms/cm) (mg/ 乾 土 1000g) (mg/ 乾 土 100g) (me/ 乾 土 100g) CaO MgO K 2 O (%) (%) (g/ml) 固 相 率 液 相 率 気 相 率 (%) (cm/sec) 0~15 8.7 0.91 2,917 55 38.5 708 326 489 1.56 0.22 0.67 26.8 53.4 19.8 1.5 2.5 10-2 15~35 8.8 1.70 8,021 58 37.8 516 331 571 1.54 0.21 0.64 26.4 66.5 7.1 2.8 8.6 10-4 35~50 9.2 2.30 12,782 51 36.5 622 309 627 1.50 0.21 0.61 25.3 73.6 1.1 2.7 8.8 10-7 50~80 9.1 2.60 19,034 53 33.6 1,009 370 625 1.44 0.19 0.48 19.7 79.8 0.6 5.8 7.2 10-7 物 理 性 の 単 位 :100mLあたり% 易 効 性 有 効 水 はpF1.5~2.7の 水 分 量 交 換 性 陽 イオン (mg/ 乾 土 100g) 注 ) 中 央 小 江 観 測 項 目 干 拓 地 干 拓 地 長 崎 島 原 佐 世 保 平 均 気 温 ( ) 16.4 16.6 17.6 17.8 17.5 最 高 気 温 ( ) 21.5 21.5 21.5 21.5 21.4 最 低 気 温 ( ) 11.5 12 14.3 14.6 14.1 降 水 量 (mm) 1,784 1,802 1,714 1,974 1,790 日 照 時 間 (hr) 2,206 2,233 1,907 2,027 1,897 平 均 風 速 (m/s) 3.1 2.6 2.3 3.3 3.2 瞬 間 最 大 風 速 (m/s) 57.4 44 43.5-49.3 平 均 地 温 ( ) 17.1 18.2 - - - 注 1) 平 均 気 温 平 均 風 速 平 均 地 温 は 日 平 均 の 平 均 最 高 気 温 最 低 気 温 は 日 極 値 の 平 均 降 水 量 日 照 時 間 は 年 間 積 算 の 平 均 瞬 間 最 大 風 速 は6ヶ 年 の 極 値 注 2) 長 崎 : 長 崎 海 洋 気 象 台 島 原 :アメダス 佐 世 保 福 江 : 測 候 所 全 炭 素 全 窒 素 仮 比 重 三 相 分 布 (%) 易 効 性 飽 和 透 水 係 数 有 効 水
これまでの 研 究 成 果 1( 平 成 12~16 年 度 ) 干 陸 後 間 もない 干 拓 土 壌 の 熟 畑 化 および 営 農 確 立 に 向 けた 露 地 作 物 の 適 応 性 と 栽 培 技 術 の 確 立 1. 諫 早 湾 干 拓 土 の 早 期 土 壌 改 良 トウモロコシ 夏 作 緑 肥 作 物 の 生 育 状 況 手 前 側 が 窒 素 無 施 用 区 マメ 科 のセスバニアでは 生 育 差 がない 平 成 12 年 7 月 : 作 付 前 ソルガム セスバニア 5 月 : 緑 肥 4 作 後 18 年 10 月 : 緑 肥 13 作 後 緑 肥 作 物 を 年 2 作 栽 培 した 試 験 圃 場 の 土 壌 断 面 の 変 化 土 壌 の 酸 化 が 進 み 作 土 の 土 色 が 黄 褐 色 を 呈 し 下 層 まで 構 造 や 亀 裂 が 発 達 全 炭 素 含 量 (%) 可 給 態 窒 素 (mg/ 乾 土 100g) 重 粘 質 で 海 水 の 影 響 を 受 けている 干 拓 土 壌 の 改 良 のため 緑 肥 作 物 の 栽 培 と 鋤 込 み 並 びに 補 助 暗 渠 等 の 営 農 排 水 対 策 を2 年 間 ( 夏 冬 計 4 作 ) 実 施 すれば 畑 作 が 可 能 なレベルまで 除 塩 が 進 み 土 壌 肥 沃 度 も 改 善 することを 明 らかにしました. 緑 肥 作 物 としては 夏 作 はトウモロコシ ソルガム セスバニア 冬 作 はイタリアンライグラス 麦 類 が 有 望 でした. 緑 肥 作 物 の 鋤 込 みに 加 え 牛 ふん 堆 肥 の2t/10a 施 用 により 早 期 に 土 壌 の 作 物 生 産 力 が 増 強 すること がわかりました. 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0.0 8.0 6.0 4.0 2.0 改 良 目 標 値 :1.74% 牛 ふん 堆 肥 20t 区 牛 ふん 堆 肥 40t 区 ハ ーク 堆 肥 20t 区 ハ ーク 堆 肥 40t 区 堆 肥 無 施 用 区 緑 肥 無 作 付 区 2 年 連 用 3 年 連 用 改 良 目 標 値 :5.0mg 0.0 牛 ふん 0t/ha 堆 肥 20t 区 40t/ha ハ ーク 20t/ha 堆 肥 20t 区 40t/ha 堆 緑 肥 無 作 施 付 用 区 緑 肥 なし 牛 ふん 堆 肥 バーク 堆 肥 堆 肥 無 施 用 堆 肥 の 施 用 による 地 力 増 強 効 果 牛 ふん 堆 肥 4t/10aではリン 酸 交 換 性 カリウムが 集 積 する 総 収 量 目 標 比 商 品 化 率 (%) 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0 12 年 2. 初 期 干 拓 地 における 農 作 物 の 適 応 性 の 評 価 露 地 野 菜 のタマネギ 春 バレイショ ニンジン ダイコンは 干 拓 地 への 適 応 性 は 高 く 秋 バレイショ レタス ブロッコ リー 等 の 露 地 野 菜 のほか 花 き 類 では 露 地 のシンテッポウユリ 施 設 のキクも 適 応 性 が 認 められました. 16 年 12 年 16 年 早 生 タマネギ 春 バレイショ ニンジン ダイコン 秋 バレイショ レタス ブロッコリー キャベツ ハクサイ 初 期 干 拓 地 における 露 地 野 菜 8 品 目 の 総 収 量 目 標 比 と 商 品 化 率 16 年 総 収 量 目 標 比 12 年 12 年 商 品 化 率 左 から 収 穫 期 のタマネギ バレイショ ニンジン ダイコン シンテッポウユリ キク
これまでの 研 究 成 果 2( 平 成 16~19 年 度 ) 施 設 野 菜 花 き 類 の 栽 培 技 術 と 露 地 野 菜 における 大 規 模 機 械 化 体 系 の 確 立 3. 施 設 野 菜 及 び 花 き 類 の 栽 培 技 術 の 確 立 施 設 野 菜 のイチゴ トマト アスパラガス メロン 花 きのキク カーネーションを 中 心 に 作 型 品 種 栽 植 密 度 施 肥 量 防 除 体 系 等 の 干 拓 地 に 適 応 した 栽 培 技 術 を 明 らかにしました. また 輪 作 体 系 や 暖 房 負 荷 等 施 設 の 利 用 条 件 に ついても 成 果 を 得 ることができました. 主 要 野 菜 花 き 類 では 干 拓 独 自 の 施 肥 窒 素 の 削 減 量 を 明 らかにし リン 酸 加 里 肥 料 の 無 施 用 栽 培 の 実 証 とともに 環 境 保 全 型 農 業 実 践 の 可 能 性 を 示 しました. 加 工 野 菜 のニンジンとタカナのほか ソラマメ スィートコーン 施 設 軟 弱 野 菜 (ホウレンソウ コマツ ナ チンゲンサイ 等 )の 栽 培 適 応 性 を 確 認 しました. 左 から 収 穫 期 のイチゴ メロン カーネーション 諫 早 湾 干 拓 地 における 野 菜 花 き 類 の 窒 素 施 肥 量 品 目 現 状 で 目 標 収 量 を 目 標 収 量 確 保 しうる 施 肥 量 (kg 本 ) 春 バレイショ N-11kg 3,200 秋 バレイショ N-11kg+ 追 肥 3kg 3,200 ニンジン N-12kg+ 追 肥 3kg 6,000 タマネギ N-18kg 6,000 年 内 どりハクサイ N-24kg 8,000 イチゴ N-20kg - シンテッポウユリ N-15kg - 夏 キク N-20kg+ 追 肥 6kg 2 回 37,920 単 位 :10aあたり ソラマメ メロン 新 規 品 目 の 適 応 性 検 討 コマツナ 施 設 の 輪 作 体 系 の 検 討 調 整 池 を 水 源 とするかんがい 用 水 の 水 質 調 査 とかん 水 試 験 により 塩 害 等 による 作 物 の 生 育 及 び 収 量 品 質 に 対 する 影 響 は 認 められませんでした また かん 水 器 具 の 利 用 上 の 問 題 点 を 明 らかにしました. 高 度 濾 過 装 置 と 露 地 野 菜 かん 水 試 験 スパイラル 式 基 礎 ハウス スパイラル 式 の 基 礎 平 成 3 月 : 栽 植 1 年 後 平 成 19 年 8 月 : 栽 植 6 年 後 耐 塩 性 樹 種 の 選 定 諫 早 湾 干 拓 地 に 導 入 可 能 な 低 コスト 耐 候 性 ハウスとして スパイラル 式 基 礎 ハウ ス 補 強 Ⅰ 型 ハウス( 松 杭 基 礎 工 法 ソイ ルセメント 工 法 ) 鉄 骨 フェンロー 型 ハウ ス 二 重 アーチパイプハウス 等 を 導 入 し 台 風 による 影 響 を 検 討 しました. 防 風 対 策 として 干 拓 地 に 適 した 防 風 緑 地 帯 樹 種 の 選 抜 を 行 い これまでの 結 果 ではクロマツ マテバシイ 等 が 有 望 でし た. 4. 大 規 模 機 械 化 体 系 の 確 立 と 経 営 評 価 長 崎 県 内 のバレイショおよびタマネギ 栽 培 では 実 績 のない 大 規 模 農 業 機 械 の 適 応 性 作 業 性 を 調 査 し 干 拓 地 での 機 械 化 体 系 への 導 入 条 件 を 明 らかにしました. 1 筆 6ha 区 画 圃 場 での 栽 培 を 想 定 した 露 地 野 菜 の 営 農 モデルとして8 品 目 11モデルを 組 み 立 て 諫 早 湾 干 拓 地 での 機 械 化 体 系 の 経 営 的 な 評 価 を 行 いました. 大 型 バレイショ 収 穫 機 タマネギピッカー 大 規 模 農 業 機 械 を 用 いた 干 拓 農 地 での 実 証 試 験 諫 早 湾 干 拓 営 農 技 術 対 策 の 指 針 を 策 定 H17 年 3 月 に 中 間 とりまとめとして 諫 早 湾 干 拓 初 期 営 農 技 術 対 策 の 指 針 を 作 成 し 入 植 増 反 希 望 者 の 意 志 決 定 の 際 に 参 考 となるよう 提 供 しました. H20 年 3 月 には これまでの 研 究 成 果 をもとに 諫 早 湾 干 拓 営 農 技 術 対 策 の 指 針 を 関 係 機 関 とともに 作 成 し 営 農 者 向 けの 技 術 資 料 として 活 用 しています.
現 在 の 研 究 課 題 ( 平 成 20~24 年 度 ) 大 規 模 農 地 における 特 別 栽 培 農 産 物 の 生 産 技 術 の 確 立 と 農 産 物 の 干 拓 ブランド 化 を 検 討 1. 大 規 模 環 境 保 全 型 農 業 の 確 立 1 特 別 栽 培 農 産 物 の 生 産 が 可 能 な 化 学 肥 料 削 減 に 向 けた 有 機 質 肥 料 等 の 施 用 技 術 の 確 立 バレイショでは 牛 ふん 堆 肥 を 使 った 成 分 調 整 成 型 堆 肥 を 使 用 するこ とで 春 バレイショでは 化 学 肥 料 使 用 量 の 削 減 と 土 壌 肥 沃 度 の 向 上 を 図 ることができました 1 ( 土 壌 肥 料 研 究 室 ). ニンジン タマネギ キャベツ ハクサイ レタス イチゴ トマト アス パラガス メロン キク 等 の 品 目 では ナタネ 油 かす 等 の 有 機 質 肥 料 や 乾 燥 鶏 ふんを 利 用 した 化 学 肥 料 削 減 施 肥 技 術 を 確 立 しました. 成 分 調 整 成 型 堆 肥 の 施 用 現 在 はカボチャ キュウリ ネギ 等 の 品 目 について 試 験 を 進 めていま す. タマネギの 有 機 質 肥 料 施 用 試 験 バンカープランツとして 有 望 なヒメイワダレソウ 2 特 別 栽 培 農 産 物 の 生 産 が 可 能 な 減 化 学 農 薬 栽 培 に 向 けた 病 害 虫 防 除 技 術 の 確 立 バレイショ 寄 生 性 アブラムシ 類 の 天 敵 としてテントウムシ 寄 生 蜂 等 が 確 認 され 1 土 着 天 敵 の 温 存 増 殖 に 適 したバンカープラント について ヒメイワダレソウを 中 心 に 調 査 を 進 めています( 病 害 虫 研 究 室 ). 高 温 多 湿 の 西 南 暖 地 におけるバレイショの 疫 病 初 発 予 測 モデ ル 1 の 改 良 を 行 っています( 病 害 虫 研 究 室 ). バレイショ 作 での 大 規 模 黄 色 灯 と スィートコーン 作 での 小 型 黄 色 灯 1ha6 灯 の 大 規 模 黄 色 灯 ( 高 圧 ナトリウムランプ 270W)によっ て キャベツではハスモンヨトウなどのヤガ 類 の 被 害 が 少 なくなり BT 剤 等 の 生 物 農 薬 を 組 み 合 わせることで 化 学 農 薬 の 使 用 を 大 きく 削 減 できます 1 ( 病 害 虫 研 究 室 ). 小 型 黄 色 灯 を 含 め 黄 色 灯 の 利 用 技 術 の 検 討 も 進 めています. アブラナ 科 根 こぶ 病 対 策 としてのおとり 作 物 ( 葉 ダイコンCR-1 ヘ イオーツ)の 作 付 体 系 化 やバレイショ 等 への 幅 10mの 幅 広 ベタ 掛 け 資 材 の 活 用 技 術 の 確 立 に 取 り 組 みました. 施 設 イチゴ メロン アスパラガスでは 生 物 農 薬 ( 天 敵 製 剤 )を 利 用 した 減 化 学 農 薬 技 術 の 開 発 を 行 っています. 施 設 における 生 物 農 薬 の 利 用 1は 平 成 19~21 年 度 に 実 用 技 術 開 発 事 業 諫 早 湾 干 拓 における 環 境 保 全 型 大 規 模 生 産 技 術 体 系 の 構 築 ( 研 究 機 関 : 九 州 沖 縄 農 業 研 究 センター 長 崎 県 農 林 技 術 開 発 センター 九 州 大 学 鋤 柄 農 機 )による 研 究 成 果 です
3 省 力 化 低 コスト 化 に 向 けた 農 業 機 械 によるシステム 化 技 術 の 開 発 ダイコンのスリットマルチ 栽 培 システムの 開 発 除 草 対 策 のため ニンジン ダイコンにおけるシーダマルチ 栽 培 や スィートコーンのマルチ 播 種 移 植 栽 培 について 機 械 化 システムの 確 立 を 目 指 しています. バレイショの 施 肥 畦 立 て 植 え 付 け 薬 剤 散 布 マルチ 張 りの5 工 程 を 一 作 業 で 行 うことのできる 多 機 能 種 イモ 植 付 機 を 開 発 しました 1.またバレイショの 収 穫 と 緑 肥 の 播 種 を 同 時 にできる 装 置 を 開 発 しまし た( 馬 鈴 薯 研 究 室 ). バレイショ 多 機 能 種 イモ 植 付 機 の 開 発 幅 広 ベタ 掛 け 資 材 の 活 用 2. 干 拓 農 産 物 のブランド 化 栽 培 技 術 の 確 立 バレイショ 収 穫 同 時 緑 肥 播 種 装 置 の 開 発 1 加 工 業 務 用 野 菜 の 栽 培 技 術 の 確 立 大 規 模 ほ 場 の 特 徴 を 活 かした 加 工 適 性 の 高 い 規 格 品 の 生 産 を 目 指 し タマネギ キャベツ ステムレタス コールラビ ザーサイ 等 の 栽 培 技 術 の 確 立 に 取 り 組 んでいます. 営 農 者 からのニーズに 合 わせ サトイモ 加 工 用 ホウレンソウ ゴボウ ユウガオ(カンピョウ)の 栽 培 技 術 の 確 立 を 目 指 していま す. 夏 野 菜 であるスィートコーン オクラ ラッカセイ 等 の 大 規 模 栽 培 技 術 の 確 立 を 検 討 しています. ステムレタス( 左 上 ) コールラビ( 右 ) ザーサイ( 左 ) 2 諫 干 ブランド 化 にむけた 高 品 質 生 産 技 術 の 確 立 干 拓 地 特 有 の 生 産 条 件 を 生 かしたニンジン ホウレンソウ 等 の 高 食 味 高 ミネラル 高 保 健 機 能 性 農 産 物 の 生 産 技 術 確 立 に 向 けて 調 査 を 実 施 しています. 施 設 イチゴ トマトでは 有 機 質 肥 料 の 施 用 による 高 品 質 化 に も 取 り 組 んでいます. ゴボウ ユウガオ(カンピョウ) オクラ ゆで 豆 用 ラッカセイ 生 産 物 の 品 質 調 査 高 糖 度 トマトの 栽 培 技 術 確 立 3. 圃 場 等 管 理 技 術 並 びに 基 礎 調 査 暗 渠 排 水 機 能 の 維 持 増 進 や 排 水 路 畦 畔 の 管 理 技 術 の 確 立 のほか 干 拓 営 農 の 基 礎 調 査 として 気 象 調 査 土 壌 調 査 野 菜 の 作 柄 調 査 等 を 実 施 し データベース 化 を 図 り 現 地 指 導 や 試 験 研 究 の 基 礎 情 報 として 活 用 しています. 気 象 調 査 土 壌 断 面 調 査 キャベツの 作 柄 調 査
4. 環 境 に 配 慮 した 農 業 技 術 の 確 立 循 環 型 次 世 代 農 業 への 取 り 組 み 長 崎 県 産 業 振 興 財 団 を 中 心 に 諫 早 湾 干 拓 地 を 循 環 型 次 世 代 農 業 のモデル 地 区 とする 取 り 組 みがなされています. その 中 で 太 陽 光 パネルにより 発 電 を 行 い 施 設 の 冷 暖 房 を 行 うシステム 化 やバッ テリー 駆 動 のソーラー 農 耕 機 の 開 発 を 行 っ ています. 周 辺 環 境 への 負 荷 軽 減 技 術 の 確 立 干 拓 地 からの 排 水 の 環 境 負 荷 を 低 減 するた めの 水 質 改 善 技 術 の 開 発 を 行 っています ( 土 壌 肥 料 研 究 室 ). 施 肥 窒 素 の 動 態 を 把 握 するため 暗 渠 排 水 や 一 酸 化 二 窒 素 ガスのモニタリング 調 査 を 実 施 しています. 太 陽 光 パネルとソーラー 農 耕 機 施 設 野 菜 の 栽 培 環 境 の 改 善 イチゴ 育 苗 時 の 炭 疽 病 発 生 抑 制 を 図 る ため 流 水 育 苗 ポットを 企 業 と 連 携 し 市 販 モデルを 開 発 しました. 採 水 装 置 開 発 した 流 水 育 苗 ポット 5. 防 風 林 帯 の 造 成 技 術 確 立 耐 塩 性 樹 種 の 選 定 と 防 風 帯 の 造 成 技 術 の 確 立 のため 18 種 類 の 樹 種 の 生 育 調 査 病 害 虫 調 査 等 を 継 続 し 干 拓 地 への 適 応 性 を 調 査 しています( 森 林 研 究 部 門 ). 造 成 した 防 風 帯 マテバシイの 生 育 状 況 大 規 模 環 境 保 全 型 農 業 技 術 の 手 引 き 書 作 成 営 農 者 の 長 崎 県 特 別 栽 培 農 産 物 に 向 けた 栽 培 技 術 を 支 援 するため 17 品 目 につい て 基 本 的 な 環 境 保 全 型 栽 培 技 術 をとりまとめ H23 年 3 月 に 諫 早 湾 干 拓 地 における 大 規 模 環 境 保 全 型 農 業 技 術 対 策 の 手 引 き を 作 成 しました. アクセス 所 要 時 間 本 所 ( 貝 津 町 )から 車 で25 分 諫 早 ICから 車 で30 分 JR 諫 早 駅 から 車 で20 分 長 崎 空 港 から 車 で60 分 排 水 機 場 揚 水 機 場 長 崎 県 農 林 技 術 開 発 センター 干 拓 営 農 研 究 部 門 中 央 ゲート 森 山 ゲート 854-0038 長 崎 県 諫 早 市 中 央 干 拓 131 長 崎 県 農 林 技 術 開 発 センター 干 拓 営 農 研 究 部 門 TEL 0957-35-1272 FAX 0957-35-1273 HP http://www.n-nourin.jp/nougi/index.html 小 江 鹿 島 方 面 国 道 207 号 線 長 田 交 差 点 諫 早 駅 大 村 方 面 JA 県 央 小 野 島 CE 干 拓 の 里 長 崎 方 面 島 原 方 面 国 道 57 号 線 尾 崎 交 差 点 12050101000