平 成 27 年 度 琉 球 大 学 法 科 大 学 院 C 日 程 法 学 既 修 者 コース 法 律 試 験 問 題 冊 子 1 民 法 商 法 全 450 点 中 200 点 平 成 27 年 1 月 31 日 ( 土 曜 日 ) 9 時 30 分 ~11 時 30 分 (120 分 ) 注 意 事 項 試 験 開 始 の 合 図 があるまでに, 次 の 注 意 をよく 読 んで, 間 違 いのないように 受 験 してください 1 試 験 開 始 の 合 図 があるまで, 問 題 冊 子 を 開 いてはいけません 2 試 験 開 始 後, 問 題 の 部 分 に 印 刷 不 鮮 明, 汚 損 等 があれば 直 ちに 申 し 出 てください 3 この 試 験 では, 問 題 冊 子 1 部, 解 答 用 紙 8 枚, 下 書 用 紙 2 枚 を 配 布 します 六 法 は, 貸 与 します 4 解 答 用 紙 の 冒 頭 欄 に 印 刷 されている 試 験 科 目 名 の 文 字 を 丸 で 囲 み, また 空 欄 に 数 字 を 記 入 して,その 解 答 用 紙 が 何 法 に 関 する 答 案 の 何 枚 目 であるか を 示 してください また, 答 案 に 用 いたすべての 解 答 用 紙 の 所 定 欄 に, 受 験 番 号 と 氏 名 を 記 入 してください 5 解 答 用 紙 が 足 りない 場 合 は, 適 宜 配 布 するので 手 をあげてください 6 黒 色 または 青 色 であれば, 筆 記 用 具 は 問 いません ただし, 鉛 筆 書 きの 場 合 は 文 字 が 薄 くならないように 十 分 注 意 してください 7 試 験 開 始 後 は, 途 中 退 席 できません 用 便 を 希 望 する 際 は 手 をあげ てください 8 試 験 終 了 後, 解 答 用 紙 と 貸 与 した 六 法 を 回 収 するので, 指 示 がある まで 席 を 立 たないでください 配 布 した 解 答 用 紙 は, 書 き 損 じや 未 使 用 のものも 含 めて,すべて 回 収 します 問 題 冊 子 と 下 書 用 紙 は 持 ち 帰 ってください 9 その 他 は,すべて 監 督 者 の 指 示 に 従 ってください - 1 -
問 題 1( 民 法 150 点 ) 次 の 事 例 を 読 んで 設 問 1 に, 判 例 1 及 び 判 例 2 を 読 んで 設 問 2 にそれぞれ 答 えなさい 事 例 1 Yは, 平 成 26 年 5 月 1 日,A 建 設 会 社 との 間 で, 請 負 代 金 を 2,000 万 円 ( 支 払 時 期 は, 契 約 時 に 1,000 万 円, 工 事 完 成 時 に 1,000 万 円 ), 工 事 完 成 時 期 を 同 年 9 月 末 日 とする 住 宅 建 築 の 請 負 契 約 ( 以 下 本 件 契 約 とい う )を 締 結 した 2 Aは, 会 社 の 運 転 資 金 を 捻 出 するために, 工 期 の 途 中 である 同 年 7 月 末 日,Xに 対 し, 工 事 完 成 時 に 支 払 われるべき 1,000 万 円 の 請 負 代 金 債 権 を 800 万 円 で 売 却 し, 同 日,Yは,Xに 対 し, 特 に 留 保 を 付 することなくこ の 債 権 譲 渡 を 認 める 旨 述 べた なお,Xは,この 債 権 譲 渡 の 際, 本 件 契 約 は 工 期 の 途 中 であり, 自 らが 譲 り 受 けた 債 権 が 未 完 成 工 事 部 分 に 係 る 請 負 代 金 債 権 であることを 知 って いた 3 その 後,Aは, 同 年 8 月 中 旬 頃,それまでは 工 期 を 守 っていたが, 会 社 の 経 営 に 行 き 詰 まり, 約 半 分 の 工 事 が 未 完 成 な 状 態 で 工 事 を 中 止 するに 至 った 4 そこで,Yは, 同 年 9 月 20 日,Aの 債 務 不 履 行 を 理 由 に, 本 件 契 約 を 解 除 した 5 Xは, 同 年 10 月 1 日,Yに 対 し,Aから 譲 り 受 けた 1,000 万 円 の 請 負 代 金 債 権 の 支 払 いを 請 求 した 設 問 1 (75 点 ) Yは, 事 例 の5のXから 請 求 に 対 し, 事 例 の4の 本 件 契 約 の 解 除 をもって 対 抗 することができるかという 問 題 について, 次 の(1) から(3)に 答 えなさい (1) 事 例 の2の 下 線 の 事 実 は, 民 法 468 条 1 項 にいう 異 議 をとど めない 承 諾 に 該 当 するかについて, 簡 潔 な 理 由 を 付 して 結 論 - 2 -
を 述 べなさい (10 点 ) (2) 事 例 の2の 下 線 の 事 実 の 前 に 譲 渡 人 に 対 抗 することができた 事 由 ( 民 法 468 条 1 項 )があったといえるか(いえる 場 合 にはその 内 容 は 何 か),なぜ 問 題 となるのか 問 題 の 所 在 を 指 摘 しつつ, 事 案 に 即 して 論 じなさい (30 点 ) (3)Yは,Xからの 請 求 に 対 し, 本 件 契 約 の 解 除 をもって 対 抗 できるか, (1) 及 び(2)の 検 討 を 前 提 とし,かつ, 民 法 468 条 1 項 の 趣 旨 を 踏 まえつつ, 事 案 に 即 して 論 じなさい (35 点 ) 判 例 1 ( 最 判 昭 35 6 17 民 集 14 巻 8 号 1396 頁 ) < 事 案 の 概 要 > 1 Y1は, 未 登 記 の 本 件 建 物 を 所 有 してX1 所 有 の 本 件 土 地 を 不 法 に 占 拠 していたが, 本 件 建 物 を 未 登 記 のまま 第 三 者 に 譲 渡 し,その 第 三 者 が 本 件 建 物 の 所 有 者 となった 2 その 後,X1は,Y1に 対 し, 本 件 建 物 につき 処 分 禁 止 の 仮 処 分 命 令 を 得,その 登 記 のため 裁 判 所 の 嘱 託 により(Y1が 関 知 することな く), 本 件 建 物 につきY1 名 義 の 所 有 権 保 存 登 記 がなされた 3 そして,X1は,Y1に 対 し, 土 地 所 有 権 に 基 づき, 建 物 収 去 土 地 明 渡 等 請 求 訴 訟 を 提 起 した < 判 旨 > Y1は 現 実 に 土 地 を 占 拠 してXの 土 地 所 有 権 を 侵 害 しているものと いうことはできず,X1は,かかるY1に 対 して, 物 上 請 求 権 を 行 使 し て 地 上 建 物 の 収 去 をもとめることは 許 されない 判 例 2 ( 最 判 平 6 2 8 民 集 48 巻 2 号 373 頁 ) < 事 案 の 概 要 > 1 Aが 所 有 していた 本 件 建 物 は,Aの 死 亡 によりその 妻 Y2が 相 続 し,その 後,Y2からBに 売 り 渡 された しかし, 相 続 を 原 因 とする - 3 -
Y2への 所 有 権 移 転 登 記 はなされたものの,Y2からBへの 移 転 登 記 はなされず, 本 件 建 物 はY2 名 義 のままとなっていた 2 その 後,X2が 本 件 建 物 の 敷 地 である 本 件 土 地 を 競 売 により 取 得 し た(X2に 対 抗 できる 敷 地 利 用 権 はなかった ) 3 そこで,X2は, 建 物 所 有 名 義 人 Y2に 対 し, 土 地 所 有 権 に 基 づき, 建 物 収 去 土 地 明 渡 請 求 訴 訟 を 提 起 した < 判 旨 > 他 人 の 土 地 上 の 建 物 の 所 有 権 を 取 得 した 者 が 自 らの 意 思 に 基 づいて 所 有 権 取 得 の 登 記 を 経 由 した 場 合 には,たとい 建 物 を 他 に 譲 渡 したとし ても, 引 き 続 き 登 記 名 義 を 保 有 する 限 り, 土 地 所 有 者 に 対 し, 譲 渡 によ る 建 物 所 有 権 の 喪 失 を 主 張 して 建 物 収 去 土 地 明 渡 しの 義 務 を 免 れるこ とはできない 設 問 2 (75 点 ) (1) 判 例 1 において X1は Y1に 対 して, 物 上 請 求 権 を 行 使 して 地 上 建 物 の 収 去 をもとめることは 許 されない とされている 理 由 を, 所 有 権 に 基 づく 建 物 収 去 土 地 明 渡 請 求 権 の 相 手 方 は 誰 にすべき かという 一 般 論 にも 言 及 しつつ, 述 べなさい (30 点 ) (2) 判 例 2 は, 判 例 1 と 逆 に, 結 論 として 地 上 建 物 の 譲 渡 人 を 相 手 方 とする 所 有 権 に 基 づく 建 物 収 去 土 地 明 渡 請 求 を 認 めている 判 例 1 と 判 例 2 との 整 合 性 についても 検 討 しつつ, 判 例 2 のように 解 すべき 実 質 的 な 根 拠 ( 必 要 性 )と 理 論 的 な 根 拠 ( 許 容 性 ) を 検 討 して 述 べなさい (45 点 ) 以 上 - 4 -
問 題 2( 商 法 50 点 ) 次 の 事 例 を 読 んで, 設 問 に 答 えなさい 事 例 1.A 株 式 会 社 ( 以 下 A 社 という )は スポーツクラブミナコ と いう 会 員 制 スポーツクラブ( 以 下 SCM という )を 全 国 各 地 におい て 運 営 していた 2.X 株 式 会 社 ( 以 下 X 社 という )は A 社 との 間 で SCMの 法 人 会 員 となる 旨 の 会 員 契 約 を 締 結 し A 社 に 対 し 会 員 保 証 金 の 5,000 万 円 ( 以 下 本 件 預 託 金 という )を 預 託 した 本 件 預 託 金 については A 社 よ りその 据 置 期 間 の 延 長 が 告 知 されていたが これは 裁 判 上 認 められるもので はなく X 社 がSCMを 退 会 しその 返 還 をA 社 に 請 求 すれば 返 還 されるべき ものであった 3.A 社 はSCMの 施 設 の 建 設 等 に 伴 う 多 額 の 債 務 負 担 に 加 え 経 済 不 況 の 影 響 から 新 規 会 員 数 の 増 加 がほとんど 見 込 めず かえって 退 会 する 会 員 が 増 加 していたことから 債 務 超 過 の 状 態 に 陥 っていた そこで A 社 は 下 記 の 分 割 契 約 に 従 い 適 法 な 手 続 きを 経 て 受 皿 会 社 とするべく 新 たに 設 立 され ていたY 株 式 会 社 ( 以 下 Y 社 という )を 承 継 会 社 とする 会 社 分 割 ( 以 下 本 件 会 社 分 割 という )を 実 施 した 記 (1)Y 社 は 平 成 26 年 10 月 27 日 付 で A 社 からSCMの 事 業 を 承 継 する (2)SCMの 会 員 に 対 するA 社 の 預 託 金 返 還 債 務 は Y 社 がA 社 から 承 継 する 権 利 義 務 の 中 に 含 まれないものとする (3) 本 件 会 社 分 割 によりA 社 はY 社 の 発 行 済 株 式 全 部 の 交 付 を 受 ける (4)Y 社 は A 社 が 本 件 会 社 分 割 前 にSCMの 事 業 主 体 を 表 示 する 名 称 と して 使 用 していた スポーツクラブミナコ の 名 称 を 引 き 続 き 使 用 し SCMを 経 営 する 4.A 社 及 びY 社 は 平 成 26 年 11 月 28 日 X 社 を 含 むSCMの 会 員 全 員 に 対 して 本 件 会 社 分 割 によりY 社 がSCMの 事 業 を 承 継 することになった こと 及 び SCMの 会 員 権 をY 社 の 発 行 する 株 式 へと 転 換 することによ り SCMを 株 主 会 員 制 のスポーツクラブに 改 組 する 方 針 である 旨 を 記 載 - 5 -
した 書 面 ( 以 下 本 件 書 面 という )を 送 付 し SCMの 会 員 権 をY 社 株 式 に 転 換 するように 推 奨 した もっとも 本 件 書 面 に 添 付 された 改 正 SCM 会 則 には 改 正 前 の 会 則 により 会 員 である 者 は Y 社 の 株 主 と して 会 員 になるまでの 間 も 改 正 前 の 会 則 に 基 づいて 会 員 資 格 を 有 し 全 国 各 地 のSCM 施 設 の 利 用 権 を 引 き 続 き 保 有 する 旨 の 定 めが 設 けられてい る 設 問 (50 点 ) X 社 は 平 成 26 年 12 月 5 日 本 件 会 社 分 割 による 事 業 の 承 継 に 不 満 を 抱 いていたことから Y 社 に 対 し SCMを 退 会 する 旨 の 意 思 表 示 を 行 った 上 で Y 社 に 対 し 本 件 預 託 金 の 返 還 を 請 求 した X 社 の 請 求 が 認 められるか について 会 社 法 22 条 の 規 定 を 踏 まえて 論 じなさい なお 詐 害 行 為 取 消 権 の 主 張 及 び 法 人 格 否 認 の 法 理 の 主 張 については 検 討 しなくてよい 以 上 - 6 -
平 成 27 年 度 琉 球 大 学 法 科 大 学 院 C 日 程 法 学 既 修 者 コース 法 律 試 験 問 題 冊 子 2 刑 法 刑 事 訴 訟 法 全 450 点 中 150 点 平 成 27 年 1 月 31 日 ( 土 曜 日 ) 12 時 45 分 ~14 時 15 分 (90 分 ) 注 意 事 項 試 験 開 始 の 合 図 があるまでに, 次 の 注 意 をよく 読 んで, 間 違 いのないように 受 験 してください 1 試 験 開 始 の 合 図 があるまで, 問 題 冊 子 を 開 いてはいけません 2 試 験 開 始 後, 問 題 の 部 分 に 印 刷 不 鮮 明, 汚 損 等 があれば 直 ちに 申 し 出 てください 3 この 試 験 では, 問 題 冊 子 1 部, 解 答 用 紙 6 枚, 下 書 用 紙 2 枚 を 配 布 します 六 法 は, 貸 与 します 4 解 答 用 紙 の 冒 頭 欄 に 印 刷 されている 試 験 科 目 名 の 文 字 を 丸 で 囲 み, また 空 欄 に 数 字 を 記 入 して,その 解 答 用 紙 が 何 法 に 関 する 答 案 の 何 枚 目 であるか を 示 してください また, 答 案 に 用 いたすべての 解 答 用 紙 の 所 定 欄 に, 受 験 番 号 と 氏 名 を 記 入 してください 5 解 答 用 紙 が 足 りない 場 合 は, 適 宜 配 布 するので 手 をあげてください 6 黒 色 または 青 色 であれば, 筆 記 用 具 は 問 いません ただし, 鉛 筆 書 きの 場 合 は 文 字 が 薄 くならないように 十 分 注 意 してください 7 試 験 開 始 後 は, 途 中 退 席 できません 用 便 を 希 望 する 際 は 手 をあげ てください 8 試 験 終 了 後, 解 答 用 紙 と 貸 与 した 六 法 を 回 収 するので, 指 示 がある まで 席 を 立 たないでください 配 布 した 解 答 用 紙 は, 書 き 損 じや 未 使 用 のものも 含 めて,すべて 回 収 します 問 題 冊 子 と 下 書 用 紙 は 持 ち 帰 ってください 9 その 他 は,すべて 監 督 者 の 指 示 に 従 ってください - 1 -
問 題 1( 刑 法 100 点 ) 次 の 事 例 を 読 んで, 設 問 に 答 えなさい 事 例 1. 同 棲 中 のX 男 とY 子 は, 遊 興 費 欲 しさから,スナックの 経 営 者 に 睡 眠 薬 を 飲 ませて 眠 らせ 金 品 を 盗 み 取 ることを 計 画 し,Yが 睡 眠 薬 を 用 意 した 2. 二 人 は, 犯 行 を 容 易 に 実 行 できそうな 店 を 探 すため 数 軒 のスナックを 覗 いて 回 り, 午 前 3 時 過 ぎころ,Vの 経 営 するスナックに 入 り,カウンターに 腰 掛 けた やがて 他 の 客 が 帰 り, 店 内 にはXらとVの3 名 がいるだけとな ったのを 機 に,XらはVにもビールを 飲 むように 勧 め,Yの 誕 生 日 だなど と 嘘 を 言 っていわゆる 一 気 飲 みを 何 度 もさせ,Vを 酔 わせるように 仕 向 け た その 間,Yは 隙 を 見 てビールグラスに 睡 眠 薬 を 入 れ,これをVに 飲 ませ た しかし,Vは 意 識 がもうろうとし 始 めたものの, 眠 り 込 むには 至 らなか った 3.しびれを 切 らしたXは, 同 人 に 暴 行 を 加 えて 気 絶 させた 上 で 金 品 を 奪 取 しようと 思 い 立 ち,いきなり 立 ち 上 がってカウンターの 中 に 押 し 入 り, こ の 野 郎,まだくたばらないのか などと 言 ってVの 顔 面 を 手 拳 で 数 回 殴 打 し, 倒 れたVの 頭 部 を 足 蹴 りしたため, 同 人 は 顔 面 や 頭 部 に 傷 害 を 負 い,つ いに 気 絶 した 一 方,Yは, 被 害 者 が 眠 らなかった 場 合 に 暴 行 脅 迫 を 加 えてでも 財 物 を 奪 取 するかどうかまでXと 事 前 に 話 し 合 っておらず,あくまでも 計 画 の 範 囲 内 で 犯 行 が 行 われることしか 予 測 していなかったため,Xが 突 然 Vを 殴 り 始 めたのを 見 て,あっけにとられ,ただ 事 の 成 り 行 きを 見 守 っていた 4.Xは,Vが 気 絶 したのを 確 かめると,レジの 中 から 現 金 約 5 万 円 を 抜 き 出 して 自 己 のポケットに 収 めた そしてYに 向 かって 見 ていないでお 前 も 一 緒 に 手 伝 え と 申 し 向 けた これを 聞 いたYは 我 に 返 り,Xが 金 品 強 奪 の 目 的 でVに 暴 行 を 加 えたのだと 気 づくとともに, 当 初 の 目 的 を 思 い 出 して, カウンターの 中 に 入 って 引 き 出 しを 物 色 し,Vの 財 布 (Vの 運 転 免 許 証 とA - 2 -
銀 行 発 行 のV 名 義 のキャッシュカードが 入 っていた )を 発 見 してこれを 奪 った 5.その 後,XとYは, 店 を 出 て 時 間 を 潰 した 後,コンビニに 行 き, 同 店 内 に 設 置 されていたA 銀 行 の 現 金 自 動 払 い 戻 し 機 (ATM)に 前 記 キャッシュカ ードを 差 し 入 れ, 前 記 運 転 免 許 証 記 載 のVの 誕 生 日 や 住 所 の 数 字 などを 手 がかりに4 桁 の 暗 証 番 号 を 推 測 して 入 力 したが,いずれも 正 しい 番 号 では なかったために 現 金 を 得 ることはできなかった 設 問 XおよびYの 刑 事 責 任 を 論 じなさい ただし, 特 別 法 上 の 犯 罪 には 触 れな いでよい - 3 -
問 題 2( 刑 事 訴 訟 法 50 点 ) 次 の 事 例 を 読 んで, 設 問 に 答 えなさい 事 例 警 察 官 PとQは,ある 日 の 深 夜, 薬 物 の 取 引 が 頻 繁 に 行 われていることで 有 名 な 甲 公 園 付 近 をパトロールしていたところ,Pらの 姿 を 見 るや,あわて て 方 向 を 変 えて 足 早 に 立 ち 去 ろうとする 一 人 の 男 (あとでXと 判 明 以 下, X という )を 見 つけた そこで,Pらは, ちょっと 待 ってください と 声 を 掛 けながらXを 追 いかけ,Xに 追 いついた Pらは,Xに 対 する 職 務 質 問 を 実 施 し, 氏 名, 行 き 先 等 を 確 認 しようとしたが,Xは, 質 問 には 答 えよ うとせずに, 隙 をみて 逃 げ 出 そうとした そこで,Pが, 待 ちなさい と 言 いながら,Xの 腕 を 掴 んでその 場 に 引 き 留 めようとしたところ,Xは,P の 腕 を 振 り 払 い,いきなりPに 殴 りかかってきたため,Pらは, 公 務 執 行 妨 害 の 罪 でXを 現 行 犯 逮 捕 した 設 問 警 察 官 Pの 行 った 下 線 部 の 行 為 の 適 法 性 について 論 じなさい 以 上 - 4 -
平 成 27 年 度 琉 球 大 学 法 科 大 学 院 C 日 程 法 学 既 修 者 コース 法 律 試 験 問 題 冊 子 3 憲 法 全 450 点 中 100 点 平 成 27 年 1 月 31 日 ( 土 曜 日 ) 14 時 30 分 ~15 時 30 分 (60 分 ) 注 意 事 項 試 験 開 始 の 合 図 があるまでに, 次 の 注 意 をよく 読 んで, 間 違 いのないように 受 験 してください 1 試 験 開 始 の 合 図 があるまで, 問 題 冊 子 を 開 いてはいけません 2 試 験 開 始 後, 問 題 の 部 分 に 印 刷 不 鮮 明, 汚 損 等 があれば 直 ちに 申 し 出 てください 3 この 試 験 では, 問 題 冊 子 1 部, 解 答 用 紙 4 枚, 下 書 用 紙 1 枚 を 配 布 します 六 法 は, 貸 与 します 4 解 答 用 紙 の 冒 頭 欄 に 印 刷 されている 試 験 科 目 名 の 文 字 を 丸 で 囲 み, また 空 欄 に 数 字 を 記 入 して,その 解 答 用 紙 が 何 法 に 関 する 答 案 の 何 枚 目 であるか を 示 してください また, 答 案 に 用 いたすべての 解 答 用 紙 の 所 定 欄 に, 受 験 番 号 と 氏 名 を 記 入 してください 5 解 答 用 紙 が 足 りない 場 合 は, 適 宜 配 布 するので 手 をあげてください 6 黒 色 または 青 色 であれば, 筆 記 用 具 は 問 いません ただし, 鉛 筆 書 きの 場 合 は 文 字 が 薄 くならないように 十 分 注 意 してください 7 試 験 開 始 後 は, 途 中 退 席 できません 用 便 を 希 望 する 際 は 手 をあげ てください 8 試 験 終 了 後, 解 答 用 紙 と 貸 与 した 六 法 を 回 収 するので, 指 示 がある まで 席 を 立 たないでください 配 布 した 解 答 用 紙 は, 書 き 損 じや 未 使 用 のものも 含 めて,すべて 回 収 します 問 題 冊 子 と 下 書 用 紙 は 持 ち 帰 ってください 9 その 他 は,すべて 監 督 者 の 指 示 に 従 ってください - 1 -
問 題 ( 憲 法 100 点 ) 次 の 事 例 を 読 んで, 設 問 に 答 えなさい 事 例 Aは, 天 皇 と 原 爆 をコラージュにした 作 品 ( 天 皇 コラージュ)の 制 作 者 であ る ニューヨークと 東 京 で 天 皇 と 憲 法 9 条 をテーマにした 芸 術 展 を 開 催 し た 経 緯 があり,O 県 でも 是 非 開 催 したいと,O 県 立 美 術 館 のキュレーター( 美 術 館 専 門 職 員 )に 話 を 持 ちかけた キュレーターの 間 では 好 意 的 に 受 け 止 め られ, 開 催 に 向 けて 詰 める 段 階 にまで 来 ていた 開 催 に 向 けて 話 が 進 んでいる 中 で 新 しくO 県 立 美 術 館 館 長 に 就 任 したYは 保 守 系 の 元 政 治 家 で 特 に 美 術 に 対 する 造 詣 が 深 い 訳 ではなかった O 県 立 美 術 館 の 企 画 運 営 会 議 ( 議 長 として 館 長 が 主 宰 し, 法 人 Bの 執 行 役 員 および1 人 のキュレーター 主 任 で 構 成 されている)の 際,Yから 天 皇 コラージュは 美 術 作 品 としていかがなものか, 天 皇 の 象 徴 としての 尊 厳 を 侵 すものではない かとの 強 い 意 見 が 出 された 結 局,Yの 強 硬 な 意 見 に 基 づき, 作 品 数 点 を 指 定 した 上 で,これら 作 品 の 非 展 示 を 条 件 に 芸 術 展 開 催 を 許 可 することとなった Yから, 同 コラージュの 作 者 であり,かつ 天 皇 と 憲 法 9 条 芸 術 展 開 催 実 行 委 員 会 委 員 のAに 対 して, 指 定 作 品 の 非 展 示 の 条 件 を 受 け 入 れないなら, 同 芸 術 展 開 催 を 見 送 るとの 口 頭 連 絡 がなされた Aは, 芸 術 展 の 開 催 そのもの ができなくなることをおそれて, 渋 々 承 諾 し, 同 芸 術 祭 は, 天 皇 コラージュ 作 品 数 点 が 展 示 されずに 開 催 された XはO 県 立 芸 術 大 学 の 学 生 で, 近 代 美 術 を 専 攻 し, 特 に 写 真 芸 術 系 に 興 味 を 持 っていた Xは, 同 芸 術 展 を 楽 しみにして, 初 日 から 鑑 賞 に 訪 れたが,お 目 当 ての 天 皇 コラージュ 作 品 を 見 ることができなかった Xは 非 展 示 となったAの 作 品 に ついて, 自 己 の 芸 術 家 としての 将 来 の 見 本 にもなるものと 位 置 づけていただ けに 精 神 的 にもショックを 受 けていた Xはなぜ, 芸 術 展 そのものに 反 対 す る 動 きがあるわけでもなく, 猥 せつでもない 芸 術 作 品 を 鑑 賞 できないのか, どうしても 合 点 がいかなかった 設 問 本 件 における 憲 法 上 の 問 題 について 論 じなさい 以 上 - 2 -