じん 臓 機 能 障 害 (1 級 3 級 4 級 ) じん 臓 は 体 の 適 切 な 水 分 量 や 必 要 な 塩 分 量 の 調 節 老 廃 物 の 排 泄 血 圧 や 血 液 成 分 の 数 時 間 から 数 日 にわたる 比 較 的 緩 やかな 継 続 的 な 調 節 を 主 な 機 能 としてしている この 機 能 に 障 害 があると 体 内 の 水 分 量 や 塩 分 の 調 節 を 障 害 者 が 摂 取 を 調 節 して 行 う 必 要 が 生 じ また 食 事 も 老 廃 物 を 少 なくするために 調 節 する 必 要 がある 身 体 活 動 は 老 廃 物 を 多 量 に 発 生 させたり 発 汗 による 体 液 量 の 急 激 な 変 化 を 伴 う 危 険 性 をもつ また 休 養 によって 老 廃 物 を 排 泄 する 過 程 を 十 分 にもつ 必 要 がある 一 般 に 高 温 の 環 境 では 発 汗 による 脱 水 が 腎 機 能 にしばしば 悪 影 響 を 及 ぼす 一 方 寒 冷 な 環 境 も 感 冒 などにより 腎 不 全 の 進 行 の 要 因 となる 地 下 やトンネルなどの 高 気 圧 環 境 も 適 さない <1 級 > 1 級 は 本 来 は 安 静 時 にも 腎 不 全 症 状 を 引 き 起 こす 可 能 性 のある 状 態 であるが 社 会 復 帰 ( 希 望 ) 者 は 例 外 なく 透 析 治 療 を 受 けている 者 である 透 析 を 受 けると 活 動 制 限 は 大 幅 に 緩 和 され 通 常 の 社 会 活 動 には 支 障 がない 状 態 になる 体 力 的 には 必 ずしも 低 いとは 限 らないものの 病 歴 上 体 力 の 低 下 してい る 者 もおり 作 業 負 荷 や 残 業 量 は 体 力 に 応 じて 配 慮 し 過 労 にならないように 注 意 する 必 要 がある 透 析 者 であっても 交 替 勤 務 は 可 能 であるが 長 期 出 張 が 多 い 職 場 は 定 期 的 な 透 析 を 可 能 にするための 病 院 の 手 配 が 必 要 となる 鋭 利 な 刃 物 などを 扱 う 職 場 では 手 首 に 装 着 された 透 析 用 のシャントを 傷 つけない 配 慮 が 必 要 である また 腹 膜 透 析 者 では 大 気 汚 染 あるいは 塵 挨 の 多 い 環 境 は 適 さない また 腹 部 の 屈 伸 や 圧 迫 腹 筋 の 頻 用 を 要 する 職 種 も 適 さない なお 透 析 食 という 特 別 の 栄 養 管 理 が 必 要 である が これは 通 常 の 食 事 とほとんどかわりのないものである 透 析 治 療 でも 腹 膜 透 析 治 療 とそれ 以 外 の 血 液 透 析 は 治 療 に 要 する 時 間 が 大 きく 異 なる 腹 膜 透 析 以 外 の 透 析 治 療 には 一 回 あたり 5 時 間 程 度 の 治 療 を 週 に 3 回 必 要 とする これを 反 映 して じん 臓 機 能 障 害 の 1 級 では 週 2~3 回 の 治 療 のための 早 退 や 時 間 内 通 院 透 析 日 の 残 業 免 除 フレックスタイム 短 時 間 勤 務 など 検 診 や 治 療 への 配 慮 が 最 も 多 く 行 われている 一 方 腹 膜 透 析 治 療 を 受 けている 場 合 に は 本 人 による 一 日 に 3-4 回 短 時 間 の 操 作 だけが 必 要 なだけである 腹 膜 透 析 を 行 っている 者 への 配 慮 と しては 昼 休 みなどに 30-40 分 程 度 腹 膜 透 析 の 処 置 を 行 う 時 間 と 場 所 の 確 保 の 配 慮 が 行 われている 重 労 働 を 避 けたり 時 間 外 労 働 や 夜 勤 等 を 制 限 することも 事 務 職 生 産 工 ともよく 行 われている 配 慮 であった レクリエーション 懇 親 会 社 員 旅 行 クラブ 活 動 への 参 加 などの 人 間 関 係 に 関 する 配 慮 が よく 行 われており 社 員 旅 行 の 際 には 障 害 者 からの 要 望 を 聞 いたり 人 工 透 析 病 院 を 予 約 するなどの 配 慮 を 行 っている 事 業 所 もある また 事 業 所 内 での 産 業 医 産 業 保 健 婦 等 の 常 駐 健 康 管 理 室 診 察 室 等 の 設 置 や 相 談 員 などの 配 置 を 行 っている 企 業 もみられる <3 級 4 級 > 3 級 では 家 庭 内 の 極 めて 温 和 な 日 常 生 活 活 動 には 支 障 がないが 家 庭 内 の 通 常 の 活 動 や 極 めて 温 和 -261-
な 社 会 生 活 に 支 障 が 生 じる 通 勤 の 負 担 をなくし 極 めて 温 和 な 座 業 に 限 れば 就 労 の 可 能 性 もある 4 級 は 家 庭 内 の 通 常 の 活 動 や 極 めて 温 和 な 社 会 生 活 には 支 障 がないが それ 以 上 では 著 しい 制 限 がある ため 座 業 程 度 が 限 界 である 事 例 は 少 なかったが 就 労 しているケースで 企 業 が 配 慮 していることをみる と 3 級 では 重 労 働 や 時 間 外 労 働 の 制 限 短 時 間 勤 務 など 作 業 負 荷 への 配 慮 や 検 診 治 療 など 健 康 管 理 への 配 慮 が 行 われている 4 級 では 健 康 管 理 を 配 慮 して 仕 事 内 容 や 環 境 に 気 を 配 ったり 産 業 医 や 相 談 員 を 配 置 している 例 が 見 られた -262-
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呼 吸 器 機 能 障 害 (1 級 3 級 4 級 ) 呼 吸 器 には 肺 や 気 管 支 等 があり 酸 素 を 取 り 込 み 二 酸 化 炭 素 を 排 泄 する 体 内 のエネルギー 代 謝 の 維 持 の 基 本 的 な 機 能 を 担 っている 肺 疾 患 や 肺 手 術 等 によりこの 機 能 に 障 害 が 生 じると 身 体 活 動 に 必 要 な 酸 素 の 取 り 込 みと 二 酸 化 炭 素 の 排 泄 が 困 難 となる また 呼 吸 機 能 障 害 者 は 一 般 的 に 刺 激 ガス 冷 気 乾 燥 の 環 境 を 避 ける 必 要 があり 風 邪 や 肺 炎 に 注 意 する 必 要 がある <1 級 > 呼 吸 機 能 障 害 者 の 1 級 で 社 会 復 帰 をしょうとする 人 は 酸 素 療 法 か 人 工 呼 吸 器 を 装 着 する 必 要 があり 音 声 でのコミュニケーションに 不 便 がある 場 合 がある 携 帯 型 の 酸 素 ボンベが 使 用 可 能 であり 透 明 軽 量 の 鼻 チューブによって 酸 素 療 法 を 行 うことができる 携 帯 型 の 人 工 呼 吸 器 もあるが 大 部 分 は 病 院 ある いは 自 宅 での 据 置 型 である この 状 態 においても 就 労 は 座 業 程 度 の 強 度 に 限 られる また 酸 素 ボン ベや 液 体 酸 素 を 使 用 するため 火 気 厳 禁 である 今 回 就 労 事 例 はなかった <3 級 4 級 > 3 級 では 家 庭 内 の 極 めて 温 和 な 日 常 生 活 活 動 には 支 障 がないが 家 庭 内 の 通 常 の 活 動 や 極 めて 温 和 な 社 会 生 活 に 支 障 が 生 じる 通 勤 の 負 担 をなくし 極 めて 温 和 な 座 業 に 限 れば 就 労 の 可 能 性 もある 4 級 は 家 庭 内 の 通 常 の 活 動 や 極 めて 温 和 な 社 会 生 活 には 支 障 がないが それ 以 上 では 著 しい 制 限 がある ため 座 業 程 度 が 限 界 である 3 級 4 級 の 事 務 職 技 能 工 生 産 工 で 企 業 が 配 慮 していることをみると 健 康 管 理 ( 産 業 医 産 業 保 健 婦 等 の 常 駐 健 康 管 理 室 診 療 室 等 年 2 回 以 上 の 定 期 検 診 人 間 ドック など) 労 働 条 件 や 環 境 ( 時 間 外 労 働 夜 勤 等 の 制 限 マイペースな 仕 事 室 内 での 禁 煙 など) コミュ ニケーション(レクリエーション 社 員 旅 行 懇 親 会 クラブ 活 動 等 ) また 管 理 職 及 び 職 員 に 対 し ての 教 育 啓 蒙 障 害 者 への 教 育 訓 練 (OJTと 個 別 指 導 QCサークル 活 動 など) 通 勤 の 便 ( 職 住 隣 接 や 自 家 用 車 通 勤 )などが 配 慮 されている -273-
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ぼうこう 直 腸 機 能 障 害 小 腸 機 能 障 害 (1 級 3 級 4 級 ) ぼうこうと 直 腸 はそれぞれ 尿 と 便 の 貯 蔵 と 排 泄 調 節 の 機 能 をもっている 直 腸 大 腸 やぼうこうの 摘 出 手 術 等 で 障 害 者 となる 例 が 多 い 小 腸 は 栄 養 吸 収 の 機 能 をもっている この 機 能 に 障 害 があると 通 常 の 食 事 だけでは 身 体 活 動 や 精 神 活 動 に 必 要 なエネルギーや 栄 養 素 が 不 足 し 耐 久 力 等 が 低 下 する 静 脈 への 直 接 栄 養 注 入 により 栄 養 摂 取 を 補 充 することが 必 要 である <1 級 > ぼうこう 直 腸 機 能 障 害 者 の 1 級 は 起 床 しての 生 活 ができず 便 や 尿 の 排 泄 の 制 御 ができない 状 態 で あり 現 状 では 社 会 復 帰 は 非 常 に 困 難 である 小 腸 機 能 障 害 者 の 1 級 ではほぼ 常 時 中 心 静 脈 栄 養 を 受 け 続 ける 必 要 がある しかし 携 帯 型 輸 液 システムを 使 用 した 場 合 社 会 生 活 上 の 支 障 はほとんどない <3 級 > ぼうこう 直 腸 機 能 障 害 者 の 3 級 は 起 床 して 生 活 できるものの 便 や 尿 の 排 泄 の 制 御 ができない 状 態 であり 社 会 復 帰 には 極 めて 大 きな 負 担 を 必 要 とする 小 腸 機 能 障 害 者 の 3 級 では 1 日 数 時 間 をかけて 中 心 静 脈 栄 養 を 行 う 必 要 があるが 携 帯 型 輸 液 システムを 使 用 した 場 合 社 会 生 活 上 の 支 障 はほとんどな い <4 級 > ぼうこう 直 腸 機 能 障 害 者 の 4 級 は 人 工 膀 胱 ( 尿 路 変 更 ) 自 己 導 尿 人 工 肛 門 の 対 象 者 であり こ れらの 操 作 に 関 して 十 分 な 習 熟 さえあれば 能 力 的 な 障 害 はない ただし 一 種 の 人 工 臓 器 が 体 表 面 に あるため それが 破 損 しないような 最 低 限 の 条 件 が 必 要 である 小 腸 機 能 障 害 者 の 4 級 では 1 週 間 に 1 回 程 度 数 時 間 の 中 心 静 脈 から 栄 養 の 注 入 を 行 えばよく 社 会 生 活 上 の 支 障 はない 4 級 の 事 務 職 でみると 年 2 回 以 上 の 定 期 検 診 や 事 業 所 内 での 産 業 医 産 業 保 健 婦 等 の 常 駐 健 康 管 理 室 診 察 室 等 の 設 置 あるいは 外 部 の 専 門 医 や 主 治 医 による 検 診 治 療 への 配 慮 といった 健 康 管 理 へ の 配 慮 が 多 く 行 われている また 社 員 旅 行 運 動 会 盆 踊 りなどのレクリエーションの 実 施 もよく 行 われている 自 家 用 車 送 迎 車 での 通 勤 に 関 しての 配 慮 をしている 事 業 所 もあるが 体 表 面 にある 人 工 臓 器 が 破 損 しないように 交 通 機 関 の 混 雑 を 避 けるために 有 効 であろう 障 害 者 への 教 育 訓 練 はOJT ( 現 場 指 導 )と 個 別 指 導 によって 配 慮 されていた また 4 級 の 技 能 工 の 例 でみると 事 務 職 と 同 様 や はり 健 康 管 理 やコミュニケーションに 配 慮 しているほか 重 労 働 時 間 外 労 働 等 を 避 ける( 制 限 する) という 回 答 が 多 くなっている -278-
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