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はじめに 神 奈 川 県 予 防 接 種 研 究 会 ( 以 下 研 究 会 という )では ヒトパピローマ ウイルス 感 染 症 予 防 ワクチンの 副 反 応 問 題 を 受 け 予 防 接 種 による 健 康 被 害 者 が 速 やかに 救 済 されるよう 予 防 接 種 制 度 における 健 康 被 害 救 済 制 度 のあり 方 をテーマに 平 成 26 年 8 月 5 日 から3 回 にわたり 協 議 を 行 ってきた 本 来 予 防 接 種 後 の 健 康 被 害 については 国 の 制 度 に 基 づき 迅 速 に 救 済 され るべきである 研 究 会 では 国 の 制 度 改 善 により 一 層 迅 速 な 救 済 に 結 びつくことが 重 要 だ と 考 え 米 国 型 インジュリーテーブルの 導 入 申 請 者 の 負 担 軽 減 につながる 申 請 窓 口 の 改 善 等 について 検 討 を 行 ってきた こうした 制 度 改 善 に 関 する 事 項 については 今 後 さらに 検 討 を 深 め 研 究 会 として 改 善 策 を 取 りまとめていく 予 定 である しかしながら 今 回 の 協 議 のきっかけとなったヒトパピローマウイルス 感 染 症 予 防 接 種 については 平 成 25 年 4 月 の 定 期 接 種 化 前 後 から 副 反 応 問 題 が 顕 在 化 し 6 月 の 積 極 的 な 接 種 勧 奨 の 一 時 差 し 控 えが 勧 告 されてから2 年 が 経 過 しようとしているが 国 による 健 康 被 害 認 定 が 遅 々として 進 まず 接 種 後 に 何 らかの 症 状 に 苦 しむ 方 に 対 する 支 援 は 何 もない 状 況 にある このような 状 況 にある 方 々に 対 しては 国 の 救 済 制 度 の 枠 組 みに 認 定 を 受 けるまでの 負 担 を 軽 減 する 支 援 策 を 追 加 すべきであると 考 えるが 現 状 におい て 国 にそのような 動 きはない 仮 に 国 の 制 度 改 善 を 求 めても 相 当 な 時 間 を 要 すると 思 われるし これまで の 症 例 データの 蓄 積 が 十 分 でない 場 合 迅 速 な 被 害 認 定 も 見 込 めないものと 推 測 される 研 究 会 としては 接 種 後 に 何 らかの 症 状 に 苦 しむ 方 に 対 し 当 面 のつなぎ 支 援 が 必 要 であるとの 結 論 に 至 った そこで 自 治 体 独 自 の 支 援 制 度 を 創 設 に 向 け 他 の 協 議 に 先 んじて 中 間 報 告 を 取 りまとめ 提 言 を 行 うものである 平 成 27 年 5 月 29 日 神 奈 川 県 予 防 接 種 研 究 会 会 長 横 田 俊 一 郎 1

神 奈 川 県 予 防 接 種 研 究 会 委 員 名 簿 役 職 主 な 職 名 氏 名 会 長 神 奈 川 県 小 児 科 医 会 会 長 横 田 俊 一 郎 委 員 かたおか 小 児 科 クリニック 院 長 片 岡 正 委 員 ナビスタクリニック 川 崎 内 科 医 師 久 住 英 二 委 員 横 浜 市 健 康 福 祉 局 健 康 安 全 医 務 監 岩 田 眞 美 委 員 ポリオの 会 代 表 小 山 万 里 子 委 員 +Action for n 代 表 childre 高 畑 紀 一 委 員 特 定 非 営 利 活 動 法 人 シャーロックホームズ 理 事 長 東 恵 子 委 員 ロハス メディカル 発 行 人 川 口 恭 2

Ⅰ 提 案 について 1 提 案 項 目 ヒトパピローマウイルス 感 染 症 予 防 接 種 後 に 何 らかの 症 状 に 苦 しむ 方 への 自 治 体 支 援 の 実 施 2 提 案 内 容 ヒトパピローマウイルス 感 染 症 予 防 接 種 後 に 何 らかの 症 状 に 苦 しむ 方 が 国 の 救 済 制 度 により 被 害 認 定 がなされ 救 済 を 受 けることのできるようにな るまでの 間 医 療 費 等 の 負 担 が 大 きいので 負 担 軽 減 のため 緊 急 的 な 支 援 を 実 施 する 3 提 案 理 由 (1) 国 の 状 況 予 防 接 種 後 の 健 康 被 害 に 対 する 救 済 については 国 の 制 度 に 基 づき 救 済 さ れることになっているが 国 の 制 度 では 予 防 接 種 との 因 果 関 係 が 認 定 され ることが 前 提 となっている ヒトパピローマウイルス 感 染 症 予 防 接 種 後 に 何 らかの 症 状 に 苦 しむ 方 の 救 済 は 国 の 副 反 応 検 討 部 会 で 審 議 が 継 続 中 のため 救 済 が 進 まない 状 況 にあ る (2)ヒトパピローマウイルス 感 染 症 予 防 接 種 後 の 症 状 に 苦 しむ 方 の 状 況 このように ヒトパピローマウイルス 感 染 症 予 防 接 種 後 に 何 らかの 症 状 に 苦 しむ 方 にとって 被 害 認 定 がなされないうちは 何 の 支 援 もない しかし 継 続 的 に 医 療 機 関 にかからざるを 得 ない 方 も 多 く 医 療 費 通 院 費 用 等 の 負 担 は 相 当 なものになっている (3) 自 治 体 による 緊 急 支 援 の 必 要 性 本 来 は 国 の 救 済 制 度 は 迅 速 に 判 断 すべきであるが 現 在 国 の 判 断 が 遅 れており 接 種 後 に 何 らかの 症 状 に 苦 しむ 方 には 自 治 体 が 緊 急 的 に 支 援 を 実 施 せざるを 得 なくなっている 3

(4) 自 治 体 の 支 援 にあたっての 留 意 点 予 防 接 種 制 度 は 国 が 制 度 を 構 築 し 市 町 村 が 実 施 主 体 として 事 業 を 担 っ ているが 市 町 村 が 支 援 を 実 施 することになると 支 援 の 可 否 を 決 定 するこ とになり 医 学 的 観 点 が 求 められるが 医 師 職 が 必 置 となっていない 市 町 村 の 場 合 その 対 応 に 限 界 が 生 じる また 県 が 支 援 を 実 施 することになると 予 防 接 種 の 実 施 主 体 ではないの で 副 反 応 報 告 や 保 護 者 報 告 に 係 る 相 談 情 報 を 共 有 している 市 町 村 と 連 携 し なければ 支 援 を 実 施 することはできない さらに 国 の 原 因 究 明 が 進 まない 中 にあっては 予 防 接 種 に 因 るものでな い 者 を 認 定 してしまういわゆる 紛 れ 込 み を 防 止 することは 出 来 ない 恐 れ はあるが 現 にヒトパピローマウイルス 感 染 症 予 防 接 種 後 に 何 らかの 症 状 に 苦 しむ 方 を 救 済 するという 観 点 から 県 が 市 町 村 と 連 携 の 上 広 域 自 治 体 という 立 場 で 緊 急 対 策 としての 支 援 を 提 言 するものである 4

Ⅱ ヒトパピローマウイルス 感 染 症 予 防 接 種 にかかる 状 況 1 国 の 動 向 ヒトパピローマウイルス 感 染 症 予 防 接 種 については 子 宮 頸 がん 等 ワクチ ン 接 種 緊 急 促 進 事 業 ( 国 庫 1/2 市 町 村 1/2)として 都 道 府 県 に 基 金 を 設 置 し 平 成 22 年 度 から 24 年 度 までの3 年 間 市 町 村 事 業 として 実 施 してきた この 事 業 の 終 了 後 予 防 接 種 法 の 改 正 により 平 成 25 年 4 月 1 日 から 定 期 接 種 化 された 平 成 25 年 6 月 14 日 に ワクチンの 因 果 関 係 を 否 定 できない 持 続 的 な 疼 痛 がワクチン 接 種 後 に 特 異 的 に 見 られたことから 厚 生 労 働 省 は 副 反 応 の 発 生 頻 度 等 がより 明 らかになり 国 民 に 適 切 な 情 報 提 供 ができるまでの 間 定 期 接 種 を 積 極 的 に 勧 奨 すべきではないと 判 断 し 積 極 的 な 接 種 勧 奨 の 一 時 差 し 控 えを 自 治 体 等 へ 通 知 した 積 極 的 な 接 種 勧 奨 の 一 時 差 し 控 え 以 後 国 の 副 反 応 検 討 部 会 において 積 極 的 な 接 種 勧 奨 の 再 開 について 審 議 されているが 再 開 の 是 非 については 現 在 も 継 続 審 議 となっている 2 国 の 健 康 被 害 救 済 制 度 (1) 予 防 接 種 後 健 康 被 害 救 済 制 度 ( 定 期 接 種 の 場 合 ) ワクチン 接 種 による 健 康 被 害 であったかどうかを 個 別 に 審 査 し ワクチ ン 接 種 による 健 康 被 害 と 認 められた 場 合 に 給 付 を 行 う 制 度 ( 国 から 給 付 ) 給 付 の 種 類 医 療 費 ( 自 己 負 担 分 ) 及 び 医 療 を 受 けるために 要 した 諸 費 用 障 害 児 養 育 年 金 (18 歳 以 上 の 場 合 は 障 害 年 金 ) 葬 祭 料 死 亡 一 時 金 遺 族 年 金 遺 族 一 時 金 (2) 医 薬 品 副 作 用 被 害 救 済 制 度 ( 任 意 接 種 の 場 合 ) 医 薬 品 を 適 正 に 使 用 したにもかかわらず 医 薬 品 が 原 因 となって 発 生 した 副 作 用 による 入 院 治 療 が 必 要 な 程 度 の 疾 病 や 日 常 生 活 が 著 しく 制 限 される 程 度 の 障 害 などの 健 康 被 害 について 救 済 給 付 を 行 う 制 度 ( 独 立 法 人 医 薬 品 医 療 機 器 総 合 機 構 から 給 付 ) 給 付 の 種 類 医 療 費 ( 自 己 負 担 分 ) 及 び 医 療 を 受 けるために 要 した 諸 費 用 障 害 児 養 育 年 金 (18 歳 以 上 の 場 合 は 障 害 年 金 ) 葬 祭 料 遺 族 年 金 遺 族 一 時 金 5

3 県 内 の 副 反 応 報 告 等 神 奈 川 県 の 副 反 応 報 告 等 の 状 況 ( 実 人 数 : 平 成 27 年 4 月 末 現 在 ) 副 反 応 報 告 保 護 者 報 告 合 計 32 80 112 ( 参 考 ) 全 国 の 副 反 応 報 告 数 2,47 5 件 ( 平 成 26 年 3 月 末 現 在 ) 国 への 副 反 応 報 告 は 医 療 機 関 からとワクチンメーカーからの2ルート があるが 県 は 定 期 接 種 前 の 医 療 機 関 の 報 告 及 びワクチンメーカーからの 報 告 は 把 握 できないため 全 国 の 報 告 に 比 べ 数 が 少 なくなっている なお 国 の 保 護 者 報 告 数 は 未 発 表 6

Ⅲ 予 防 接 種 研 究 会 での 検 討 内 容 県 予 防 接 種 研 究 会 では 横 浜 市 の 実 施 している 医 療 支 援 事 業 を 参 考 に 国 の 救 済 制 度 が 適 用 されるまでの 自 治 体 での 独 自 支 援 について 協 議 を 行 った 主 な 意 見 は 次 のとおりである ( 自 治 体 による 支 援 の 現 状 ) 都 道 府 県 で 独 自 支 援 を 行 っている 自 治 体 はない 横 浜 市 以 外 に 支 援 を 実 施 している 市 町 村 では 茨 城 県 牛 久 市 がある その 後 事 務 局 で 確 認 したところ 東 京 都 杉 並 区 東 京 都 武 蔵 野 市 北 海 道 美 唄 市 北 海 道 恵 庭 市 が 実 施 している ( 予 防 接 種 法 による 救 済 制 度 について) 予 防 接 種 法 による 国 の 救 済 は 時 間 をかけながら 実 施 している ( 横 浜 市 の 医 療 支 援 事 業 について) 国 の 議 論 の 結 論 が 出 るまでの 間 横 浜 市 のように 二 段 構 えで 救 済 を 行 うと いうのも 一 つのアイデアである 導 入 から 歴 史 の 浅 いワクチンであって データベースが 十 分 に 蓄 積 されて いないものについては このような 支 援 は 必 要 である 一 方 導 入 してから すでに 歴 史 があり データベースの 蓄 積 があるワクチンについては 敢 えて 必 要 ない 横 浜 市 に 相 談 するという 前 提 があるが 支 援 に 関 しては 個 々の 症 例 に 関 して 判 断 していくしかないという 難 しさがある 横 浜 市 のように 判 断 の 厳 密 さにこだわらず 目 の 前 の 住 民 が 困 っているの を 住 民 の 総 意 で 助 けようという 考 え 方 もある ( 自 治 体 における 支 援 制 度 の 導 入 について) 全 ての 因 果 関 係 がすぐにわかるわけではないので その 間 困 っていて 医 療 機 関 に 通 わなくてはならない 人 がいるなら それを 支 援 する 制 度 があ ってもおかしくない 支 援 制 度 としては あくまで 予 防 接 種 による 健 康 被 害 の 救 済 制 度 にアプ ローチする 場 合 で その 結 果 が 出 るまでの 間 の 支 援 であるべきである 住 民 の 立 場 からすると こういう 支 援 制 度 があることは 行 政 がちゃんと 向 き 合 ってくれて 解 決 に 協 力 してくれていると 感 じる 支 援 に 際 しては 支 給 要 件 などを 定 める 必 要 があるが 国 が 因 果 関 係 を 認 めていない 段 階 では 基 準 が 明 確 でなく 支 給 の 可 否 についての 判 断 が 難 しい 横 浜 市 の 支 援 のように 持 続 的 な 痛 みやしびれ 脱 力 不 随 意 運 動 等 の 7

症 状 を 有 し 日 常 生 活 に 支 障 が 生 じている 方 で 市 に 相 談 された 方 という ような 条 件 に 限 定 すれば ある 程 度 可 能 になるのではないか 支 援 によって 専 門 の 医 療 機 関 に 通 いやすくなれば 統 計 的 なデータも 収 集 できるようになるのではないか 患 者 さんにとっては メリットのある 方 法 だと 思 うが どう 運 用 していく かは 難 しいと 思 う 8

( 参 考 ) 横 浜 市 の 子 宮 頸 がん 予 防 ワクチン 接 種 後 の 症 状 に 対 する 医 療 支 援 について 1 目 的 横 浜 市 が 実 施 した 子 宮 頸 がん 予 防 ワクチンの 接 種 後 に 原 因 が 明 らかと ならない 持 続 的 な 痛 みやしびれ 脱 力 不 随 意 運 動 等 の 症 状 を 有 し 日 常 生 活 に 支 障 が 生 じている 市 民 の 方 が 症 状 や 接 種 との 因 果 関 係 が 明 らかと ならない 段 階 においても 現 に 症 状 を 有 している 実 態 に 即 して 適 切 な 医 療 が 受 けられるよう 支 援 するもの 2 医 療 支 援 の 内 容 (1) 対 象 者 次 の 全 ての 項 目 に 該 当 する 方 を 対 象 とする ア 横 浜 市 が 実 施 する 子 宮 頸 がん 予 防 ワクチンの 接 種 を 受 けた 方 イ 接 種 後 に 原 因 が 明 らかとならない 持 続 的 な 痛 みやしびれ 脱 力 不 随 意 運 動 等 の 症 状 を 有 し 日 常 生 活 に 支 障 が 生 じている 方 ウ 接 種 後 の 症 状 について 横 浜 市 に 相 談 された 方 (2) 対 象 医 療 機 関 医 療 費 及 び 医 療 手 当 の 給 付 は 次 の 医 療 機 関 での 医 療 を 対 象 とする ア 横 浜 市 立 大 学 附 属 病 院 イ 厚 生 労 働 省 慢 性 の 痛 み 対 策 研 究 事 業 の 研 究 班 に 属 する 医 療 機 関 ウ その 他 の 専 門 医 療 機 関 (3) 給 付 額 ア 医 療 費 の 自 己 負 担 分 イ 医 療 手 当 ( 医 療 を 受 けた 月 に 限 り 月 額 で 給 付 する) 通 院 (3 日 未 満 )34,000 円 (3 日 以 上 )36,000 円 入 院 (8 日 未 満 )34,000 円 (8 日 以 上 )36,000 円 同 一 月 に 通 院 入 院 36,000 円 なお 独 立 行 政 法 人 医 薬 品 医 療 機 器 総 合 機 構 による 健 康 被 害 救 済 制 度 や 特 定 疾 患 医 療 給 付 等 他 の 制 度 により 給 付 を 受 けた 分 は 控 除 す る (4) 給 付 対 象 期 間 接 種 後 の 症 状 に 対 する 医 療 を 受 けた 日 から 平 成 28 年 3 月 31 日 まで (5) 事 業 開 始 平 成 26 年 6 月 1 日 9