市 場 経 済 コミュニティ 離 陸 着 陸 (コミュニティや 自 然 と ( 資 本 主 義 ) つながる 経 済 =コミュニティ 経 済 ) 自 然 ( 環 境 )
今 後 求 められる 新 たなセーフティネット(=コミュニティに まで 遡 った 対 応 及 びシステムのもっとも 根 幹 に 遡 った 社 会 化 ( 人 生 前 半 の 社 会 保 障 ストックの 社 会 化 等 ) C. 雇 用 というセーフティネット (ケインズ 主 義 的 福 祉 国 家 ) B. 社 会 保 険 のセーフティ ネット A. 生 活 保 護 ( 公 的 扶 助 )のセ ーフティネット 市 場 経 済 への 介 入 修 正 の 拡 大 (システムの より 根 幹 へ)& 中 央 政 府 の 役 割 の 拡 大
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2 我が国における自然エネルギーの現状 図1 計画制度概要 出典 農林水産省 2013 加えて当該法に関しては いわゆる 植民地型発電所 を防ごうという趣旨が見える 植民 地型発電所 とは 東京や海外の大規模資本が地方において発電事業を実施するというものであ り 特段珍しいものではない 全国で200MW以上のメガソーラーを順次建設 運転しているSB 9 や2015年1月現在で全国各地に40箇所の太陽光発電事業用サイトを エナジー ソフトバンク 10 など多くの大企業が発電事業を行ってい 所有する NTTファシリティーズ NTTグループ る これらの企業は地域貢献活動を行っていることもあるが 基本的に発電事業の売電収益の大 半が本社である東京に流出している つまり 資源や土地が豊富な地方に大規模資本が落下傘的 に参画して事業開発を行い 発電による収益の多くが東京や海外に吸い上げられる 植民地経営 のような事業の形になってしまっているわけである このような形の事業では 後述するような 自然エネルギーによる地域の経済効果を大きく減少させてしまうことになってしまい 何より自 分たちの眼の前にある発電設備が自分たちの役にほとんどたたないことになってしまうわけであ る この点について農山漁村再生可能エネルギー法では基本理念に沿った協議会制度において 発電事業者と地域のステークホルダーが協議を行って地域活性や農林漁業に直結するような事業 にする あるいはそもそも地域が人 物 金を投資して事業を実施することによって売電収益の 流出を防ぐことを目指している 他にも農山漁村再生可能エネルギー法には以下のようなメリットが考えられる 9 SBエナジー ウェブサイト内 メガソーラー発電事業 http://www.sbenergy.co.jp/ja/business/solarfarm/ 2015年1月14日閲覧 10 NTTファシリティーズニュースリリース F土浦Ⅱ太陽光発電所 の竣工について http://www.ntt-f.co.jp/news/heisei26/h26-1217.html 2015年1月14日閲覧 31 全労済協会公募研究シリーズ49
Ⅱ 1 自然エネルギー コミュニティ経済的視座から見る自然エネルギーの可能性 エネルギーの実現には地域での合意形成などが不可欠であり そこには地域コミュニティの核と なる要素が求められる その役割として鎮守の森や神社は かつてのコミュニティの中心とし て あるいは自然の恵みに感謝する自然崇拝的な考え方の拠点としてうってつけなのではないか ということである このような考え方 構想の実現に向けて現在全国各地でプロジェクトを進め ているが その1つとして長野県小布施町の事例を紹介したい 長野県上高井郡小布施町は 長野県の北部に位置する面積19.07k 人口1万1,000人ほどの町 である 西は千曲川 東は雁田山に挟まれた地形となっており 町域の50 以上が田畑を中心と する農地や林野で占められている 小布施町は1980年代から歴史的な景観の修復を始めとする地 域振興事業に取り組み 現在では年間120万人を超える観光客が訪れるほどの観光地となってい る 町の主たる産業は農業であるが 特に桃 栗 ぶどうといった果樹が特産品であり 町内各 地に果樹園が分布している また 古くから北信濃の物資の集散地として商業が盛んであり 江 戸時代から 六斎市 と呼ばれる市が立っていた この六斎市とともに信仰を集めたのが町内に ある皇大神社で 伊勢神宮の御師が古くから直接小布施に出張し 伊勢信仰を広めていたという18 他にも町内には地区ごとに多くの寺社が点在しており それらがそれぞれの地域においてコミュ ニティの中心的役割を担ってきたことは想像に難くない その小布施町で現在検討を行っているのが 神社や健康福祉エリアなどの地域コミュニティ拠 点と一体となった小水力発電事業である 発電に使用する水は小布施町の南側町境を流れる信濃 川水系の松川であり 群馬県境の横手山に端を発する水流は年間を通じて豊富な水量を有してい る 町内にはこの松川から引き込んだ疏水が流れており 町内を流れる道程で里地の景観を形成 している この松川の疏水を活用し 疎水の取水口にある余水路を活用した事業用小水力発電設 備と 町内を流れる疏水とその周辺環境の景観の回復とコミュニティのシンボルとしてのマイク ロ水力発電の導入について検討を行った 図3 小布施町南東部地図 出典 国土地理院地図を一部編集 18 小布施文化観光協会ウェブサイト 小布施日和 内 平成26年 小布施の安市 由来 行事日程 http://obusekanko.jp/event/docs/h26%e5%b9%b4%e5%b0%8f%e5%b8%83%e6%96%bd%e5%ae%89%e5%b8%82 % E3% 82% B9% E3% 82% B1% E3% 82% B8% E3% 83% A5% E3% 83% BC% E3% 83% AB.pdf 平成27年4月3日閲覧 38 全労済協会公募研究シリーズ49
出 典 : 平 成 22 年 度 農 林 水 産 祭 村 づくり 部 門 天 皇 杯 受 賞 事 例 東 松 山 農 林 振 興 センター