インドネシア- 投 資 制 度 - 外 国 人 就 業 規 制 在 留 許 可 現 地 人 の 雇 用 外 国 人 就 業 規 制 詳 細 1. 外 国 人 の 労 働 (2003 年 3 月 25 日 付 法 律 第 13 号 ( 労 働 法 ) 第 Ⅷ 章 第 42 条 から 第 49 条 ) (1)インドネシアにおける 外 国 人 の 労 働 には 労 働 移 住 大 臣 等 の 許 可 が 必 要 である (2) 外 国 人 の 労 働 は 特 定 の 職 務 および 期 間 に 限 られ 役 職 規 定 や 能 力 基 準 を 遵 守 すること が 求 められる 外 国 人 の 労 働 を 制 限 する 特 定 の 役 職 および 期 間 外 国 人 労 働 者 が 守 るべき 役 職 規 定 や 能 力 基 準 については 労 働 移 住 大 臣 決 定 で 詳 細 を 規 定 能 力 基 準 とは 専 門 の 知 識 や 技 術 のほか インドネシア 文 化 に 対 する 理 解 も 含 む (3)2014 年 7 月 10 日 付 大 統 領 令 2014 年 第 72 号 では インドネシア 人 の 雇 用 を 優 先 す ることが 大 原 則 としつつ インドネシア 人 が 担 うことができない 特 定 の 役 職 に 限 り 特 定 の 期 間 外 国 人 を 雇 用 することができるとしており 外 国 人 の 雇 用 には 以 下 が 必 要 としている: a. 外 国 人 雇 用 計 画 書 (RPTKA)の 策 定 と 承 認 b. 外 国 人 労 働 許 可 (IMTA)の 取 得 c. 外 国 人 が 有 する 技 術 および 専 門 性 を 移 転 し 外 国 人 の 後 継 となるインドネシア 人 の 指 名 (コミサリス 取 締 役 として 就 労 予 定 の 外 国 人 を 除 く) d. c.の 後 継 インドネシア 人 への 技 術 と 専 門 性 の 移 転 を 目 的 とした 教 育 訓 練 の 実 施 (4)2015 年 6 月 29 日 付 労 働 大 臣 規 定 2015 年 第 16 号 (2015 年 10 月 23 日 付 労 働 大 臣 規 定 2015 年 第 35 号 で 変 更 )にて インドネシアで 雇 用 される 外 国 人 労 働 者 は 次 の 要 件 を 満 たすことが 義 務 付 けられている: a. 就 労 予 定 の 役 職 要 件 に 応 じた 学 歴 を 有 していること(コミサリス 取 締 役 とし て 就 労 予 定 の 外 国 人 を 除 く) b. 就 労 予 定 の 役 職 に 従 った 能 力 証 明 および/あるいは 少 なくとも 5 年 間 の 就 業 経 験 を 有 する(コミサリス 取 締 役 として 就 労 予 定 の 外 国 人 を 除 く) c. インドネシア 人 労 働 者 特 に 見 習 いに 専 門 知 識 の 移 転 を 誓 約 する 準 備 がある(イ ンドネシア 人 労 働 者 も 役 職 に 見 合 った 教 育 的 バックグラウンドを 有 すること) d. 納 税 者 番 号 を 有 する( 就 労 期 間 が 6 ヶ 月 を 超 えた 外 国 人 の 場 合 ) e. インドネシア 法 人 の 保 険 会 社 の 保 険 に 加 入 している f. 国 家 社 会 保 障 に 加 入 している( 就 労 期 間 が 6 ヶ 月 を 超 えた 外 国 人 の 場 合 ) 昨 今 大 学 卒 業 以 上 の 外 国 人 でないと1 年 以 上 の 労 働 許 可 が 認 められず 半 年 程 度 の 労 働 しか 認 められなかったが これが 上 記 の 規 定 によるととらえる 向 きがある このほ か 60 歳 以 上 の 労 働 が 認 められない 雇 用 主 がインドネシア 資 本 の 会 社 の 場 合 会 社 の 資 本 金 が100 億 ルピアを 超 えていなければ 複 数 の 外 国 人 の 就 労 を 認 めない 事 業 許 可 禁 無 断 転 載 Copyright (C) 2016 JETRO. All rights reserved. 1
未 取 得 の 企 業 ではコミサリス 取 締 役 といえども 半 年 の 労 働 ビザしか 認 められない といったルールが 適 用 されており 注 意 が 必 要 である また この 大 臣 令 により 短 期 就 労 が 認 められる 一 時 的 業 務 の 種 類 が 次 に 限 定 され た: a. 商 業 目 的 の 映 画 製 作 で 当 局 からの 許 可 を 取 得 したもの b. 講 演 c. 1 ヶ 月 超 にわたりインドネシアにある 支 社 で 監 査 製 品 品 質 管 理 検 査 d. 機 械 や 電 気 の 設 置 販 売 後 のアフターサービス 事 業 調 査 中 の 製 品 に 関 する 業 務 これにより 機 械 商 社 などのアフターサービス 業 務 のために 招 聘 された 外 国 人 労 働 者 の 雇 用 許 可 が 6 ヶ 月 に 限 られ 1 年 の 労 働 許 可 がとれない といったケースが 散 見 されている このほか 同 大 臣 令 は 国 内 投 資 (PMDN) 会 社 のコミサリス( 監 査 役 )に 外 国 人 労 働 者 を 雇 用 することを 禁 止 した 2014 年 3 月 22 日 付 法 律 2014 年 第 11 号 技 術 活 動 法 に エネルギー 土 木 エンジニア リング 工 業 天 然 資 源 保 全 農 業 海 洋 / 船 舶 技 術 といった 分 野 における 科 学 技 術 の 知 識 に 基 づき 専 門 性 を 発 揮 する 外 国 人 の 技 術 者 がインドネシアですることは 政 府 が 定 めた 国 家 発 展 のための 科 学 技 術 の 人 的 資 源 の 必 要 性 に 応 じてのみ 認 められ 認 めら れる 場 合 でも 外 国 人 労 働 者 就 労 許 可 の 取 得 が 義 務 であり これを 取 得 するためには 出 身 国 の 法 律 にのっとった 技 術 者 資 格 証 / 登 録 証 に 基 づきインドネシア 技 術 者 連 盟 (PII) が 発 行 する 技 術 者 登 録 証 の 取 得 が 必 要 とされている 本 国 の 技 術 者 資 格 証 / 登 録 証 を 持 たない 技 術 者 の 場 合 は 国 内 の 技 術 者 資 格 試 験 に 合 格 して 技 術 者 登 録 証 を 取 得 しなけ ればならないと 規 定 されている 2. 外 国 人 雇 用 計 画 書 (RPTKA) (2015 年 6 月 29 日 付 労 働 大 臣 規 定 2015 年 第 16 号 2015 年 10 月 23 日 付 労 働 大 臣 規 定 2015 年 第 35 号 で 変 更 ) インドネシアで 事 業 を 行 う 政 府 機 関 国 際 機 関 外 国 代 表 事 務 所 国 家 組 織 インドネ シアの 法 律 に 基 づき 設 立 された 法 人 社 会 教 育 文 化 宗 教 団 体 興 行 サービス 団 体 外 国 企 業 の 駐 在 員 事 務 所 が 外 国 人 労 働 者 を 雇 用 する 場 合 RPTKAの 承 認 取 得 が 必 要 RPTKAは 労 働 省 の 外 国 人 労 働 者 のオンライン(http://tka-online.depnakertrans.go.id/) を 通 じて 労 働 省 の 労 働 者 配 置 総 局 外 国 人 労 働 者 雇 用 管 理 局 長 を 通 じて 労 働 者 配 置 総 局 長 宛 て 申 請 するもので 申 請 フォームには 雇 用 主 の 名 称 住 所 代 表 者 氏 名 外 国 人 従 業 員 が 就 こうとしている 役 職 の 名 称 と 職 務 内 容 外 国 人 労 働 者 の 賃 金 雇 用 総 数 雇 用 期 間 労 働 地 雇 用 開 始 日 インドネシア 人 労 働 者 の 雇 用 人 数 と 創 出 される 雇 用 機 会 禁 無 断 転 載 Copyright (C) 2016 JETRO. All rights reserved. 2
外 国 人 従 業 員 に 付 くインドネシア 人 ( 見 習 い)の 指 名 インドネシア 人 の 教 育 訓 練 プ ログラム 計 画 等 を 記 載 する また 事 前 に 会 社 の 設 立 証 書 や 事 業 認 可 書 所 在 地 証 明 書 会 社 組 織 図 納 税 者 番 号 (NPWP) インドネシア 人 ( 見 習 い)の 指 名 書 と 見 習 い プログラム 計 画 インドネシア 人 の 教 育 訓 練 実 施 能 力 表 明 書 労 務 報 告 (Wajib Lapor) 等 をオンライン 上 にアップロードする 必 要 がある 申 請 の 外 国 人 雇 用 数 が50 人 以 上 であれば 同 総 局 長 が 50 人 未 満 であれば 同 局 長 がRPTKA の 承 認 書 を 発 行 する RPTKA 承 認 書 の 有 効 期 間 は 最 長 5 年 とされているが 現 状 は1 年 ず つしか 出 ていないケースが 多 い 国 内 労 働 市 場 の 状 況 等 により 期 間 の 延 長 が 認 められ る なお 2015 年 1 月 26 日 付 労 働 大 臣 規 定 2015 年 第 3 号 により 外 国 投 資 企 業 のRPTKAの 申 請 発 行 は インドネシア 投 資 調 整 庁 (BKPM)でも 行 える 3. 外 国 人 労 働 者 雇 用 補 償 金 (DKP-TKA) 外 国 人 を 雇 用 する 雇 用 主 は 外 国 人 労 働 者 雇 用 補 償 金 (DKPTKA)の 支 払 いを 義 務 づ けられる DKPTKAは インドネシア 人 労 働 者 の 技 術 能 力 開 発 に 活 用 されることになっ ており 外 国 人 1 人 につき 毎 月 100ドルを 政 府 に 前 払 いすることが 必 要 外 国 人 の 労 働 許 可 (IMTA) 取 得 の 条 件 の 一 つである(IMTAについては 在 留 許 可 の 記 載 参 照 ) 4. 国 家 社 会 保 障 の 加 入 義 務 2014 年 から 旧 来 の 国 家 社 会 保 障 制 度 ジャムソステックが 新 しい 国 家 社 会 保 障 に 移 行 し たが 2011 年 第 24 号 社 会 保 障 運 営 機 関 (BPJS) 法 ではインドネシア 滞 在 が6ヶ 月 を 超 え る 外 国 人 労 働 者 にも 加 入 義 務 があると 規 定 されている 加 えて2015 年 6 月 30 日 付 で 出 た 労 災 保 障 に 関 する 政 令 2015 年 第 44 号 および 老 齢 保 障 に 関 する 政 令 2015 年 第 46 号 (2015 年 8 月 12 日 付 政 令 2015 年 第 60 号 で 変 更 )では 少 なくとも6 ヶ 月 はインドネシアで 就 労 する 外 国 人 もこれら 保 障 へ 加 入 させることが 雇 用 主 に 義 務 付 けられた 一 方 で 年 金 保 障 についての2015 年 6 月 30 日 付 政 令 2015 年 第 45 号 では たとえ6ヶ 月 超 イ ンドネシアで 就 労 する 外 国 人 でも 年 金 保 障 の 加 入 を 雇 用 主 に 義 務 付 けることが 明 記 され ておらず 当 初 混 乱 したBPJSも2015 年 12 月 から 外 国 人 の 年 金 保 障 は 不 要 との 姿 勢 を 固 めて おり 外 国 人 の 年 金 保 障 は 必 要 ないということで 現 在 統 一 されている 国 家 社 会 保 障 にはこのほか 健 康 保 障 があるが インドネシア 滞 在 が6ヶ 月 を 超 える 外 国 人 労 働 者 の 加 入 は 義 務 とされている 5. 銀 行 の 外 国 人 雇 用 規 制 中 央 銀 行 (Bank Indonesia 以 下 BI)は 2007 年 6 月 13 日 付 BI 規 定 2007 年 第 9 号 (No.9/8/PBI/2007)にて 銀 行 の 外 国 人 雇 用 を 規 制 した 禁 無 断 転 載 Copyright (C) 2016 JETRO. All rights reserved. 3
< 銀 行 において 外 国 人 が 就 ける 役 職 > 1 外 資 の 出 資 が25% 以 上 の 銀 行 : 監 査 役 や 取 締 役 エグゼクティブ 専 門 家 / コンサルタント 2 外 資 の 出 資 が25% 未 満 の 銀 行 : 原 則 専 門 家 /コンサルタントに 限 る 3 外 国 銀 行 の 支 店 : 原 則 支 店 長 専 門 家 /コンサルタントに 限 る 4 外 国 銀 行 の 駐 在 員 事 務 所 : 駐 在 員 事 務 所 長 専 門 家 /コンサルタントに 限 る 銀 行 における 外 国 人 の 雇 用 期 間 は1 人 につき 最 長 3 年 一 度 に 限 り 最 長 1 年 の 延 長 が 可 能 労 働 する 分 野 の 経 験 や 知 識 を 有 すること 他 の 銀 行 や 会 社 機 関 での 役 職 を 兼 任 してい ないこと 等 の 条 件 を 満 たした 外 国 人 でなければならない また 人 事 部 門 を 外 国 人 が 担 うことは 認 められない 外 国 人 を 雇 用 する 銀 行 には 外 国 人 労 働 者 からインドネシア 人 労 働 者 への 知 識 移 転 を 保 証 することが 義 務 付 けられる 知 識 移 転 が 義 務 付 けられるのはエグゼクティブ 専 門 家 /コ ンサルタント 職 で 以 下 に 従 う 外 国 人 労 働 者 1 人 に 対 して2 人 のインドネシア 人 ( 見 習 い)を 指 名 インドネシア 人 ( 見 習 い)の 教 育 訓 練 等 外 国 人 を 雇 用 する 銀 行 には 外 国 人 の 雇 用 計 画 と 実 績 についてBIに 報 告 する 義 務 が 課 さ れる 6. 石 油 ガス 分 野 の 外 国 人 雇 用 規 制 2013 年 10 月 24 日 付 エネルギー 鉱 物 資 源 大 臣 規 定 2013 年 第 31 号 にて 石 油 ガス 事 業 に 従 事 する 企 業 の 外 国 人 雇 用 が 規 制 された コントラクター 川 下 部 門 の 事 業 者 サポート 企 業 の 石 油 ガスの 事 業 活 動 ではインドネシア 人 労 働 者 の 雇 用 が 優 先 されることが 原 則 であるが 次 の 場 合 には 外 国 人 の 雇 用 が 考 慮 される: a. 石 油 ガス 事 業 の 投 資 を 支 援 するために 取 締 役 またはコミサリスとして 登 用 する 場 合 b. 新 技 術 の 導 入 に 関 する 技 術 移 転 の 目 的 で 石 油 ガス 部 門 で 一 定 の 技 術 と 専 門 性 を 持 つプロ フェッショナルの 雇 用 c. インドネシア 人 労 働 者 が 技 能 や 供 給 の 面 でまだ 不 足 している 場 合 それを 満 たす 特 定 の 役 職 者 の 雇 用 人 事 法 務 保 健 と 環 境 保 全 調 達 や 材 料 物 流 を 含 むサプライチェーン 管 理 品 質 管 理 ( 検 査 含 む) 探 査 と 開 発 事 業 の 監 督 管 理 レベルの 行 政 職 および 同 格 の 行 政 職 への 外 国 人 の 就 労 は 禁 止 また コントラクターと 川 下 部 門 の 事 業 者 サポート 企 業 は 1 つの 役 職 に 2 人 以 上 の 外 国 人 労 働 者 を 登 用 してはならない 就 労 が 認 められる 外 国 人 の 条 件 は: a. 必 要 とされる 能 力 に 見 合 った 学 歴 を 有 すること b. 登 用 する 役 職 に 適 した 実 務 経 験 が 5 年 以 上 あること c. 年 齢 は 30 歳 から 50 歳 まで d. インドネシア 人 労 働 者 特 にカウンターパートに 対 して 知 識 と 技 能 の 移 転 を 行 う 用 意 があること 禁 無 断 転 載 Copyright (C) 2016 JETRO. All rights reserved. 4
e. 登 用 する 役 職 に 適 した 技 能 標 準 を 満 たしていること f. インドネシア 人 カウンターパートに 対 する 知 識 と 技 能 の 移 転 を 容 易 にするためにインドネシア 語 でのコミュニケーション 能 力 を 有 すること ただし 会 長 や 統 括 マネージャー 社 長 の 職 務 にある 組 織 の 最 高 責 任 者 コミサリス 国 際 的 な 労 働 者 交 換 プログラムによる 外 国 人 労 働 者 特 に 必 要 とされる 特 定 の 技 術 を 有 する 外 国 人 労 働 者 の 場 合 は 例 外 外 国 人 労 働 者 を 雇 用 する 場 合 は エネルギー 鉱 物 資 源 省 石 油 ガス 総 局 長 の 承 認 を 得 なければ ならない 同 承 認 は 外 国 人 労 働 者 雇 用 計 画 (RPTKA)と 外 国 人 労 働 許 可 (IMTA)への 推 薦 状 と して 発 行 される 7.ファイナンス 会 社 の 外 国 人 雇 用 規 制 2014 年 11 月 19 日 付 金 融 サービス 庁 (OJK) 規 則 N2014 年 第 28 号 (No.28/POJK.05/2014)にて ファイナンス 会 社 における 外 国 人 の 雇 用 は 取 締 役 会 の 直 下 に 位 置 付 けられるレベルの 専 門 家 アドバイザー コンサルタント 以 外 には 認 められないと 定 められた 雇 用 される 外 国 人 は 役 職 に 則 した 専 門 性 を 有 する 者 でなけ ればならず OJK による 能 力 審 査 に 合 格 する 必 要 がある また 外 国 人 から 技 能 を 従 業 員 に 移 転 することが 義 務 付 けられ 人 件 費 の 2.5%を 従 業 員 訓 練 開 発 費 に 充 当 するこ とも 義 務 付 けられている 以 上 禁 無 断 転 載 Copyright (C) 2016 JETRO. All rights reserved. 5