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様 式 3 論 文 内 容 の 要 旨 題 名 ネットワーク 型 まちづくりのグループ ダイナミックス 学 位 申 請 者 山 口 洋 典 印 本 研 究 は 大 阪 市 内 でも 個 性 豊 かな 歴 史 や 生 活 文 化 を 持 った 地 域 上 町 台 地 をフィールドに 取 り 組 まれた 協 働 的 実 践 である 地 域 におけるまちづくり 活 動 のネットワーキングに 取 り 組 んでいる 上 町 台 地 からまちを 考 える 会 の 参 与 観 察 をとおして そのネットワーキングの 過 程 において 集 合 体 の 動 態 にどのような 変 遷 が 見 られたかを 長 縄 跳 び のメタファーを 用 いて 検 討 した 観 察 期 間 は2001 年 11 月 から2004 年 12 月 で 組 織 の 立 ち 上 げからその 変 遷 について 参 与 観 察 を 行 った 論 文 は6 章 で 構 成 されている 第 1 章 ではまちづくりとは 何 かをグループ ダイナミックスの 立 場 か ら 整 理 し 第 2 章 ではグループ ダイナミックスにおいて 取 り 扱 う 語 り においてメタファーに 着 目 することの 可 能 性 を 概 括 した 第 3 章 からが 事 例 であり 本 研 究 が 取 り 扱 う 対 象 地 域 の 概 要 をまと めた 上 で( 第 3 章 ) 都 心 部 における 地 域 活 性 化 においてネットワーク 型 の 活 動 主 体 がどう 形 成 され るかについてエスノグラフィーをまとめた( 第 4 章 ) ネットワーク 型 のまちづくりの 実 践 においては (1) 縄 の 同 期 が 始 まる( 組 織 の 形 成 過 程 ) (2) 縄 を 連 結 する( 事 業 の 形 成 過 程 ) (3) 縄 を 交 替 でまわす( 理 事 の 役 割 分 担 ) (4) 縄 を 綯 う( 事 業 の 確 立 ) (5) 縄 の 長 さを 変 える( 事 業 と 組 織 の 再 構 築 ) (6) 跳 躍 する 場 に 注 意 を 払 う( 地 域 と 拠 点 への 関 心 )というような 変 遷 を 見 た 跳 ぶ 人 廻 す 人 短 縄 の 連 結 縄 の 長 さ 縄 の 軌 跡 跳 躍 の 場 といった 二 次 メタファーも 用 いて 組 織 化 の 各 段 階 に 意 味 を 探 ってきた 具 体 的 に その 変 遷 過 程 を 長 縄 跳 び のメタファーをもとに 理 論 的 に 考 察 してみると 次 の ようになる 第 一 段 階 は 組 織 の 命 名 をとおして 地 域 と 集 合 体 への 愛 着 を 深 める 時 期 であった 第 二 段 階 は ある 集 合 体 における 集 合 性 と 異 質 性 が 顕 在 化 し 始 める どれとどれの 親 和 性 が 高 いのか 団 体 や 専 門 家 の 組 み 合 わせによって 適 宜 二 次 モードに 至 りながら 全 体 としての 構 造 を 生 みだそうと 個 人 が 際 だつ 実 践 が 行 われていた 第 三 段 階 になると AがBに 何 かを 伝 えるという 形 式 ではなく A が 携 わる 実 践 を 巡 って BやCも 包 まれる 新 たな かや を 協 働 により 構 築 し 始 めた 第 四 段 階 では 自 分 のことは 自 分 の 経 験 世 界 の 中 にある 言 語 でしか 語 れないということを 踏 まえて さて 自 分 たちが どうするか ということを 意 識 し 始 めたのである 第 五 段 階 では 大 きな 集 合 性 Xの 存 在 に 向 き 合 い 始 めた そして 第 六 段 階 では その 集 合 性 に 包 まれない 人 々とどのように 向 き 合 うのかを 検 討 し 始 めた 以 上 のように 長 縄 跳 び のメタファーを 用 いることが 組 織 における 構 成 員 の 共 同 性 が 事 業 のあり 方 を 規 定 し 組 織 化 の 展 開 を 観 察 可 能 なものにすることを 第 5 章 にて 確 認 した これらの 考 察 をとおして 第 6 章 では 長 縄 跳 び のメタファーがグループ ダイナミックスの 理 論 としてどのような 貢 献 できたのか 以 下 の4 点 について 整 理 した リーダーとフォロワーの 共 同 性 の 承 認 の 可 否 や 有 無 が 組 織 化 プロセスを 左 右 するという (1)リーダーとフォロワーの 相 即 の 問 題 両 者 の 相 即 のタイミングを 取 り 扱 う (2)ネットワーキングの 速 度 調 整 の 問 題 共 同 性 の 相 互 承 認 における 集 合 流 の 重 視 という (3) 文 脈 拡 張 における 個 人 モデルの 廃 棄 そしてネットワーク 型 組 織 の 展 開 において 共 同 性 を 承 認 する 契 機 を 取 り 扱 うことを 異 質 性 の 現 前 の 問 題 と 名 付 けた 本 研 究 は まちづくりそのものの 概 念 を 深 めているわけでもなく NPOの 組 織 論 を 検 討 したもので はなく 外 部 参 入 者 の 内 在 化 の 過 程 をエスノグラフィーで 追 いながら その 集 合 流 の 変 化 を 長 縄 跳 び のメタファーで 理 論 化 を 試 みたものである このような 理 論 化 を 図 るなかで 現 場 では 失 敗 とは 言 わないものの 多 くの 困 難 に 向 き 合 うことになったが 長 縄 跳 び メタファーの 獲 得 によりその 局 面 毎 のセンスメーキングの 手 段 として 活 用 できた この 点 が 本 研 究 における 実 践 的 な 貢 献 であった