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Transcription:

2015 年 度 税 制 改 正 大 綱 資 産 税 関 連 の 主 な 改 正 点 Issue 15, January 2015 In brief 自 由 民 主 党 公 明 党 両 党 は 2014 年 12 月 30 日 に 平 成 27 年 度 税 制 改 正 大 綱 ( 以 下 2015 年 度 税 制 改 正 大 綱 )を 決 定 しました 企 業 オーナー 及 び 富 裕 層 に 関 連 する 主 な 項 目 として 受 取 配 当 等 の 益 金 不 算 入 の 見 直 し いわゆる 出 国 税 の 創 設 事 業 承 継 税 制 ( 非 上 場 株 式 に 係 る 納 税 猶 予 制 度 )の 拡 充 非 居 住 者 の 金 融 口 座 情 報 の 自 動 的 交 換 のための 報 告 制 度 の 整 備 財 産 債 務 明 細 書 の 改 正 タックスヘイブン 対 策 税 制 におけ るトリガー 税 率 の 改 正 住 宅 取 得 資 金 贈 与 の 見 直 し 結 婚 育 児 資 金 一 括 贈 与 制 度 の 創 設 教 育 資 金 一 括 贈 与 の 拡 充 があります 今 後 は 改 正 法 案 が2015 年 1 月 に 開 催 が 予 定 される 国 会 に 提 出 され 2015 年 度 税 制 改 正 の 内 容 が 確 定 することになります なお 今 後 の 審 議 等 の 状 況 によっては 内 容 に 変 更 がある 可 能 性 があ りますのでご 留 意 ください In detail 自 由 民 主 党 公 明 党 両 党 は 2014 年 12 月 30 日 に 2015 年 度 税 制 改 正 大 綱 を 決 定 しました 2015 年 度 税 制 改 正 大 綱 は 2014 年 12 月 27 日 に 閣 議 決 定 された 地 方 への 好 循 環 拡 大 に 向 けた 緊 急 経 済 対 策 を 踏 まえたものとなっています 以 下 では 2015 年 度 税 制 改 正 大 綱 のうち 企 業 オーナー 及 び 富 裕 層 に 影 響 のある 改 正 項 目 を 中 心 に 解 説 します 1. 受 取 配 当 等 の 益 金 不 算 入 制 度 の 見 直 し 2. 出 国 税 ( 国 外 転 出 をする 場 合 の 譲 渡 所 得 等 の 特 例 )の 創 設 3. 事 業 承 継 税 制 ( 非 上 場 株 式 に 係 る 納 税 猶 予 制 度 )の 拡 充 4. 非 居 住 者 に 係 る 金 融 口 座 情 報 の 自 動 的 交 換 のための 報 告 制 度 の 整 備 5. 財 産 債 務 明 細 書 の 改 正 6. タックスヘイブン 対 策 税 制 におけるトリガー 税 率 の 改 正 7. 住 宅 取 得 資 金 贈 与 の 見 直 し 8. 結 婚 子 育 て 資 金 の 一 括 贈 与 制 度 の 創 設 9. 教 育 資 金 一 括 贈 与 の 拡 充 10. その 他 の 改 正 項 目 www.pwc.com/jp/tax

1. 受 取 配 当 等 の 益 金 不 算 入 制 度 の 見 直 し 会 社 法 上 の 株 主 の 権 利 に 係 る 議 決 権 保 有 割 合 や 諸 外 国 の 制 度 を 参 考 に 益 金 不 算 入 割 合 を 係 る 持 株 割 合 を 100% 1/3 超 100% 未 満 5% 超 1/3 以 下 5% 以 下 の 4 区 分 に 分 類 し それぞれの 区 分 に 応 じて 受 取 配 当 等 の 益 金 不 算 入 額 を 計 算 する ことになります なお 持 分 割 合 が 1/3 以 下 の 場 合 益 金 不 算 入 割 合 が 縮 小 されるため 負 債 利 子 控 除 を 廃 止 することで 課 税 強 化 を 緩 和 しています 証 券 投 資 信 託 の 収 益 分 配 金 は これまでその 運 用 形 態 に 応 じて 収 入 額 の 1/2 の 50% あるいは 1/4 の 50%の 益 金 不 算 入 が 認 められてきましたが 2015 年 度 税 制 改 正 により 全 額 益 金 算 入 とされます ただし 特 定 株 式 投 資 信 託 の 収 益 の 分 配 の 額 に ついては その 受 益 権 を 株 式 等 と 同 様 に 扱 い 20%の 益 金 不 算 入 が 認 められています 現 行 改 正 案 株 式 等 の 分 類 持 株 割 合 益 金 不 算 入 額 株 式 等 の 分 類 持 株 割 合 益 金 不 算 入 額 完 全 子 法 人 等 株 式 等 100% 配 当 等 の 全 額 完 全 子 法 人 等 株 式 等 100% 配 当 等 の 全 額 関 係 法 人 等 株 式 等 25% 以 上 配 当 等 の 額 ( 負 債 利 子 控 除 あり) 関 係 法 人 等 株 式 等 1/3 超 100% 未 満 配 当 等 の 額 ( 負 債 利 子 控 除 あり)( 注 1) その 他 の 株 式 等 5% 超 1/3 以 下 配 当 等 の 額 50% 上 記 以 外 の 株 式 等 25% 配 当 等 の 額 50% ( 負 債 利 子 控 除 なし) ( 負 債 利 子 控 除 あり) 非 支 配 目 的 株 式 等 5% 以 下 配 当 等 の 額 20% ( 負 債 利 子 控 除 なし) 証 券 投 資 信 託 ( 注 2) 配 当 等 の 額 50% ( 負 債 利 子 控 除 あり) 特 定 株 式 投 資 信 託 収 益 の 分 配 の 額 20% ( 負 債 利 子 控 除 なし) 特 定 株 式 投 資 信 託 外 貨 建 等 投 資 信 託 上 記 以 外 の 投 資 信 託 配 当 等 の 額 = 収 入 額 の100% 配 当 等 の 額 = 収 入 額 の25% 配 当 等 の 額 = 収 入 額 の50% 上 記 以 外 の 証 券 投 資 信 託 配 当 等 の 額 0% ( 全 額 益 金 算 入 ) ( 注 1) 負 債 利 子 控 除 額 の 計 算 の 簡 便 法 の 基 準 年 度 を 2015 年 4 月 1 日 から 2017 年 3 月 31 日 までの 間 に 開 始 する 事 業 年 度 とする ( 注 2) 公 社 債 投 資 信 託 外 国 投 資 信 託 及 び 特 定 外 貨 建 等 証 券 投 資 信 託 を 除 く なお 与 党 の 税 制 改 正 大 綱 では 本 改 正 の 適 用 開 始 時 期 については 明 確 には 触 れられていません 2. 出 国 税 ( 国 外 転 出 をする 場 合 の 譲 渡 所 得 等 の 特 例 )の 創 設 大 綱 では 国 外 転 出 をする 場 合 の 譲 渡 所 得 等 の 特 例 の 創 設 が 盛 り 込 まれました 諸 外 国 の 例 を 参 考 に 国 外 転 出 ( 国 内 に 住 所 及 び 居 所 を 有 しないこととなること 以 下 同 じ)をする 居 住 者 の 有 する 有 価 証 券 若 しくは 匿 名 組 合 出 資 持 分 未 決 済 デリバ ティブ 取 引 等 の 含 み 損 益 について 国 外 転 出 時 に 有 価 証 券 等 の 譲 渡 ないし 未 決 済 デリバティブ 取 引 等 の 決 済 があったものと みなして 所 得 課 税 を 行 う( 納 税 猶 予 の 適 用 を 受 ける 場 合 を 除 く) 特 例 制 度 が 創 設 されます なお 個 人 住 民 税 に 係 る 譲 渡 所 得 課 税 の 特 例 の 導 入 については 引 き 続 き 検 討 を 行 うこととされています 上 記 の 特 例 は 2015 年 7 月 1 日 以 後 に 国 外 転 出 をする 場 合 又 は 同 日 以 後 の 非 居 住 者 への 贈 与 相 続 若 しくは 遺 贈 について 適 用 されます 対 象 者 以 下 の 要 件 をいずれも 満 たす 居 住 者 1 国 外 転 出 時 等 における 有 価 証 券 匿 名 組 合 出 資 持 分 ( 以 下 有 価 証 券 等 といいます)の 価 額 及 び 未 決 済 デ リバティブの 決 済 にかかる 利 益 の 額 (もしくは 損 失 の 額 )の 合 計 額 が1 億 円 以 上 である 者 2 国 外 転 出 の 日 前 10 年 以 内 に 国 内 に 住 所 又 は 居 所 を 有 していた 期 間 ( 本 件 に 係 る 納 税 猶 予 を 受 けている 期 間 を 含 み 一 定 の 在 留 資 格 により 在 留 していた 期 間 を 除 く)の 合 計 が5 年 超 である 者 ( 国 籍 は 問 わない) 対 象 資 産 有 価 証 券 等 及 び 未 決 済 デリバティブ 取 引 等 ( 未 決 済 のデリバティブ 取 引 信 用 取 引 発 行 日 取 引 ) 申 告 及 び 申 告 額 等 1 国 外 転 出 年 分 の 確 定 申 告 までに 納 税 管 理 人 の 届 出 を 行 った 場 合 上 記 対 象 者 1の 国 外 転 出 の 時 における 金 額 で 譲 渡 又 は 決 済 を 行 ったものとみなして 計 算 した 所 得 2 1 以 外 の 場 合 国 外 転 出 の 予 定 日 の3か 月 前 の 日 における 上 記 対 象 者 1の 金 額 で 譲 渡 又 は 決 済 を 行 ったものとみな して 計 算 した 所 得 帰 国 による 課 税 の 取 り 消 し 国 外 転 出 後 5 年 を 経 過 する 日 までに 帰 国 をした 場 合 において 国 外 転 出 時 から 引 き 続 き 有 していた 有 価 証 券 等 又 は 未 決 済 デリバティブ 取 引 等 については 更 正 の 請 求 ( 帰 国 の 日 から4 月 を 経 過 する 日 までに 行 う)により 課 税 の 取 り 消 しを 受 けることができる( 注 1) PwC 2

納 税 猶 予 の 概 要 納 税 猶 予 の 要 件 納 税 猶 予 の 期 限 延 長 毎 年 の 届 出 義 務 納 税 猶 予 を 適 用 した 場 合 には みなし 譲 渡 とされた 所 得 に 係 る 所 得 税 については 国 外 転 出 の 日 から5 年 を 経 過 する 日 まで 納 税 が 猶 予 される その 日 前 に 帰 国 する 場 合 には 納 税 猶 予 は 当 該 その 経 過 する 日 と 帰 国 の 日 から4 月 を 経 過 する 日 のいずれか 早 い 日 までとされている 確 定 申 告 書 にその 旨 を 記 載 し 確 定 申 告 書 の 提 出 期 限 までに 納 税 猶 予 分 の 所 得 税 相 当 の 担 保 を 提 供 し か つ 納 税 管 理 人 の 届 出 をした 場 合 に 適 用 される 納 税 猶 予 の 期 限 は 申 請 により 国 外 転 出 の 日 から10 年 を 経 過 する 日 までとすることが 可 能 ( 上 記 帰 国 による 課 税 の 取 り 消 しも 可 能 ) 納 税 猶 予 適 用 者 は 猶 予 の 期 限 までの 各 年 の12 月 31 日 における 申 告 対 象 資 産 の 所 有 に 関 する 届 出 書 を 翌 年 3 月 15 日 までに 税 務 署 長 へ 提 出 しなければならない その 期 限 までに 提 出 しなかった 場 合 には 提 出 期 限 の 翌 日 から4 月 を 経 過 する 日 が 納 税 猶 予 の 期 限 となる 利 子 税 納 税 猶 予 の 期 限 到 来 により 所 得 税 を 納 付 する 場 合 には 納 税 猶 予 がされた 期 間 に 係 る 利 子 税 を 支 払 う 譲 渡 等 があった 場 合 当 時 の 時 価 を 下 回 っ て 譲 渡 した 場 合 期 限 到 来 時 に 当 時 の 時 価 を 下 回 ってい る 場 合 二 重 課 税 の 調 整 相 手 国 において 出 国 税 がある 場 合 の 所 得 計 算 更 正 の 期 間 制 限 の 特 例 期 限 延 長 した 場 合 の 相 続 税 等 の 納 税 義 務 の 判 定 非 居 住 者 への 有 価 証 券 等 の 移 転 納 税 猶 予 期 限 までに 申 告 対 象 資 産 の 譲 渡 又 は 決 済 を 行 った 場 合 には その 部 分 に 対 応 する 所 得 税 について は 譲 渡 等 があった 日 から4 月 を 経 過 する 日 が 納 税 猶 予 の 期 限 となる 納 税 猶 予 期 限 までに 譲 渡 等 した 場 合 で その 譲 渡 価 額 が 国 外 転 出 時 の 時 価 を 下 回 るとき 等 は 譲 渡 等 があっ た 日 から4 月 を 経 過 する 日 までに 更 正 の 請 求 により その 国 外 転 出 の 日 の 属 する 年 分 の 所 得 税 額 の 減 額 等 を することができる 期 限 到 来 時 の 時 価 が 国 外 転 出 時 の 時 価 を 下 回 る 場 合 には その 期 限 到 来 の 日 から4 月 を 経 過 する 日 までに 更 正 の 請 求 により 国 外 転 出 時 の 年 分 の 所 得 税 額 の 減 額 等 をすることができる この 出 国 税 の 適 用 を 受 け かつ 納 税 猶 予 を 受 けている 場 合 において 納 税 猶 予 の 期 限 までに 申 告 対 象 財 産 の 譲 渡 決 済 等 をし 外 国 所 得 税 を 納 付 した 場 合 その 外 国 所 得 税 の 計 算 上 二 重 課 税 が 調 整 されないときは 日 本 における 所 得 税 の 更 正 の 請 求 により 国 外 転 出 時 の 年 において 外 国 所 得 税 を 納 付 するものとみなして 外 国 税 額 控 除 の 適 用 を 受 けることができる( 当 該 譲 渡 決 済 等 により 生 じる 所 得 が 国 内 源 泉 所 得 に 該 当 する 等 の 一 定 の 場 合 は 対 象 外 ) この 出 国 税 に 相 当 する 外 国 の 法 令 の 規 定 により 外 国 所 得 税 が 課 された 場 合 で 申 告 対 象 資 産 を 譲 渡 等 した 場 合 には その 所 得 の 計 算 上 の 必 要 経 費 又 は 取 得 費 とする 金 額 は その 外 国 の 法 令 の 規 定 における 収 入 金 額 に 算 入 された 金 額 とされる この 出 国 税 にかかる 所 得 税 の 更 正 の 期 間 制 限 (いわゆる 時 効 )は7 年 とされる ただし 確 定 申 告 書 の 提 出 期 限 までに 納 税 管 理 人 届 及 び 税 務 代 理 権 限 証 書 の 提 出 がある 場 合 として 定 める 一 定 の 場 合 には 現 行 通 り5 年 申 請 により 猶 予 期 限 を 延 長 する 場 合 相 続 税 又 は 贈 与 税 の 納 税 義 務 の 判 定 においては 納 税 猶 予 がされた 期 間 中 は 相 続 もしくは 遺 贈 又 は 贈 与 前 5 年 以 内 のいずれかの 時 において 国 内 に 住 所 を 有 していた 場 合 と 同 様 の 取 り 扱 いとされる 贈 与 相 続 又 は 遺 贈 により 非 居 住 者 に 有 価 証 券 等 が 移 転 する 場 合 には 当 該 贈 与 相 続 又 は 遺 贈 の 時 の 価 額 により 譲 渡 又 は 決 済 したものとして 所 得 を 計 算 する ( 注 1) 帰 国 の 日 までの 間 に 所 得 の 計 算 につきその 計 算 の 基 礎 となるべき 事 実 の 全 部 又 は 一 部 の 隠 ぺい 又 は 仮 装 があった 場 合 には そ の 事 実 に 基 づく 所 得 については 課 税 を 取 り 消 すことはできない 3. 事 業 承 継 税 制 ( 非 上 場 株 式 に 係 る 納 税 猶 予 制 度 )の 拡 充 非 上 場 株 式 等 に 係 る 贈 与 税 相 続 税 の 納 税 猶 予 制 度 について 次 の 見 直 しが 行 われ 贈 与 者 が 生 存 中 に 受 贈 者 は 次 の 後 継 者 へバトンタッチがしやすくなります 現 行 改 正 案 ( 注 1) 贈 与 者 の 生 存 中 に 受 贈 者 が 次 の 後 継 者 に 贈 与 した 場 合 の 取 り 扱 い 納 税 猶 予 税 額 は 免 除 されない 経 営 贈 与 承 継 期 間 経 過 後 において 経 営 承 継 受 贈 者 が 後 継 者 へ 特 例 受 贈 非 上 場 株 式 等 を 贈 与 した 場 合 において その 後 継 者 が 贈 与 税 の 納 税 猶 予 制 度 の 適 用 をうけるときは その 適 用 を 受 ける 特 例 受 贈 非 上 場 株 式 等 に 係 る 猶 予 税 額 を 免 除 する( 注 1) ( 注 1) 身 体 障 害 等 のやむを 得 ない 理 由 により 経 営 承 継 受 贈 者 が 認 定 贈 与 承 継 会 社 の 代 表 者 でなくなった 場 合 には 経 営 贈 与 承 継 期 内 の 後 継 者 への 贈 与 であっても 猶 予 税 額 が 免 除 されます( 相 続 税 の 納 税 猶 予 制 度 についても 同 様 ) PwC 3

4. 非 居 住 者 に 係 る 金 融 口 座 情 報 の 自 動 的 交 換 のための 報 告 制 度 の 整 備 国 際 的 な 脱 税 及 び 租 税 回 避 を 防 止 するべく 金 融 口 座 情 報 に 関 する 自 動 的 情 報 交 換 基 準 のコメンタリー 等 が 2014 年 7 月 21 日 に OECD 租 税 委 員 会 から 公 表 されました 同 基 準 に 沿 った 自 動 的 情 報 交 換 については 2015 年 末 までに G20 諸 国 間 で 開 始 されることが 推 奨 されており これを 受 けて 2015 年 度 の 税 制 改 正 において 報 告 制 度 の 整 備 が 盛 り 込 まれました 創 設 される 報 告 制 度 では 2017 年 1 月 1 日 以 後 に 銀 行 等 の 一 定 の 金 融 機 関 との 間 でその 国 内 にある 営 業 所 等 を 通 じて 預 金 又 は 貯 金 の 受 入 れを 内 容 とする 契 約 の 締 結 等 の 一 定 の 取 引 ( 以 下 特 定 取 引 )を 行 う 者 は その 者 に 係 る 所 定 の 事 項 ( 注 )を 記 載 した 届 出 書 を その 特 定 取 引 を 行 う 際 当 該 報 告 金 融 機 関 の 営 業 所 等 の 長 に 提 出 する 義 務 を 課 せられます ( 注 )その 者 の 氏 名 又 は 名 称 住 所 生 年 月 日 居 住 地 国 居 住 地 国 が 外 国 の 場 合 にあっては 当 該 居 住 地 国 における 納 税 者 番 号 その 者 の 居 住 地 国 が 住 所 に 係 る 国 又 は 地 域 と 異 なる 場 合 にはその 異 なる 事 情 の 詳 細 その 他 必 要 な 事 項 5. 財 産 債 務 明 細 書 の 改 正 上 記 2. に 記 載 した 出 国 税 の 創 設 に 合 わせて 現 行 の 財 産 債 務 明 細 書 について 所 得 税 相 続 税 の 申 告 の 適 正 性 を 確 保 する ため 記 載 内 容 を 充 実 するなどの 見 直 しが 行 われます 現 行 改 正 案 名 称 財 産 及 び 債 務 の 明 細 書 財 産 債 務 調 書 適 用 要 件 ( 提 出 基 準 ) その 年 分 の 所 得 金 額 が2 千 万 円 超 その 年 分 の 所 得 金 額 が2 千 万 円 超 かつ その 年 の12 月 31 日 において 有 する 財 産 の 価 額 の 合 計 額 が3 億 円 以 上 であるこ と 又 は 同 日 において 有 する 国 外 転 出 をする 場 合 の 譲 渡 所 得 等 の 特 例 の 対 象 資 産 の 価 額 の 合 計 額 が1 億 円 以 上 であ ること 記 載 事 項 の 見 直 し 財 産 の 種 類 数 量 及 び 価 額 国 外 財 産 調 書 の 記 載 事 項 と 同 様 の 事 項 とする( 財 産 の 種 類 数 量 及 び 価 額 財 産 の 所 在 有 価 証 券 の 銘 柄 等 ) 財 産 の 評 価 額 ( 記 載 すべき 額 ) 例 えば 土 地 建 物 は 課 税 標 準 額 も 可 で あり 株 式 ( 市 場 価 額 がなく 計 算 が 困 難 なもの)は 取 得 価 額 原 則 として 時 価 ただし 見 積 価 額 とすることも 可 また 有 価 証 券 等 につい ては 時 価 とは 別 に 取 得 価 額 の 記 載 も 要 することとする 提 出 しない 場 合 のペナルティ なし 財 産 債 務 調 書 の 提 出 の 有 無 等 により 所 得 税 又 は 相 続 税 に 係 る 過 少 申 告 加 算 税 等 を 加 減 算 する 特 例 措 置 あり 上 記 の 特 例 は 2016 年 1 月 1 日 以 後 に 提 出 すべき 財 産 債 務 調 書 について 適 用 されます 6. タックスヘイブン 対 策 税 制 におけるトリガー 税 率 の 改 正 現 行 の 外 国 子 会 社 合 算 税 制 (タックスヘイブン 対 策 税 制 )では 英 国 (2015 年 4 月 から 20%)で 事 業 を 行 っている 外 国 子 会 社 ま でが 合 算 課 税 の 対 象 となりうること 等 も 踏 まえて 2015 年 度 税 制 改 正 ではトリガー 税 率 の 引 下 げ( 現 行 20% 以 下 改 正 後 20% 未 満 )の 改 正 が 行 われます この 改 正 は 特 定 外 国 子 会 社 等 の 2015 年 4 月 1 日 以 後 に 開 始 する 事 業 年 度 から 適 用 されます PwC 4

7. 住 宅 取 得 資 金 贈 与 の 見 直 し 高 齢 者 から 若 年 層 への 資 産 の 早 期 移 転 を 通 じた 住 宅 市 場 の 活 性 化 を 目 的 として 2015 年 度 税 制 改 正 では 住 宅 取 得 資 金 に 係 る 贈 与 税 の 非 課 税 措 置 について 適 用 期 限 が2019 年 6 月 30 日 まで 延 長 され 内 容 が 拡 充 されます 対 価 又 は 費 用 の 額 に 含 まれる 消 費 税 の 税 率 が10%である 場 合 住 宅 用 家 屋 の 取 得 等 に 係 る 契 約 の 締 結 期 間 良 質 な 住 宅 用 家 屋 ( 注 1) 左 記 以 外 の 住 宅 用 家 屋 2016 年 10 月 ~2017 年 9 月 3,000 万 円 2,500 万 円 2017 年 10 月 ~2018 年 9 月 1,500 万 円 1,000 万 円 2018 年 10 月 ~2019 年 6 月 1,200 万 円 700 万 円 対 価 又 は 費 用 の 額 に 含 まれる 消 費 税 の 税 率 が10% 以 外 である 場 合 住 宅 用 家 屋 の 取 得 等 に 係 る 契 約 の 締 結 期 間 良 質 な 住 宅 用 家 屋 ( 注 1) 左 記 以 外 の 住 宅 用 家 屋 ~2015 年 12 月 1,500 万 円 1,000 万 円 2016 年 1 月 ~2017 年 9 月 1,200 万 円 700 万 円 2017 年 10 月 ~2018 年 9 月 1,000 万 円 500 万 円 2018 年 10 月 ~2019 年 6 月 800 万 円 300 万 円 ( 注 1) 良 質 な 住 宅 用 家 屋 とは 省 エネルギー 対 策 等 級 4(2015 年 4 月 以 降 は 断 熱 等 性 能 等 級 4) 以 上 耐 震 等 級 2 以 上 もしくは 免 震 建 築 物 一 次 エネルギー 消 費 量 等 級 4 以 上 又 は 高 齢 者 等 配 慮 対 策 等 級 3 以 上 に 該 当 する 住 宅 用 家 屋 をいいます 上 記 の 改 正 は 2015 年 1 月 1 日 以 後 に 贈 与 により 取 得 する 住 宅 取 得 等 資 金 に 係 る 贈 与 税 について 適 用 されます 8. 結 婚 子 育 て 資 金 の 一 括 贈 与 制 度 の 創 設 将 来 の 経 済 的 不 安 が 若 年 層 に 結 婚 出 産 を 躊 躇 させる 大 きな 要 因 の 一 つとなっていることを 踏 まえ 祖 父 母 や 両 親 の 資 産 を 早 期 に 移 転 することを 通 じて 子 や 孫 の 結 婚 出 産 育 児 を 後 押 しするため これらに 要 する 一 括 贈 与 に 係 る 非 課 税 措 置 が 創 設 さ れます 受 贈 者 20 歳 以 上 50 歳 未 満 の 者 に 限 る 贈 与 者 受 贈 者 の 直 系 尊 属 (つまり 祖 父 母 父 母 等 ) 目 的 結 婚 子 育 て 資 金 ( 注 1)の 支 払 いに 充 てるため 金 銭 の 拠 出 方 法 贈 与 者 が 金 銭 等 を 拠 出 し 金 融 機 関 ( 注 2)に 信 託 等 をした 場 合 非 課 税 限 度 額 信 託 受 益 権 の 価 額 又 は 拠 出 された 金 銭 等 の 額 のうち 受 贈 者 1 人 につき 1,000 万 円 ( 注 3)まで 適 用 期 間 2015 年 4 月 1 日 から 2019 年 3 月 31 日 までの 間 に 拠 出 されるものに 限 る 申 告 の 方 法 受 贈 者 が 非 課 税 申 告 書 を 金 融 機 関 を 経 由 し 受 贈 者 の 納 税 地 の 所 轄 税 務 署 長 に 提 出 払 出 しの 確 認 受 贈 者 は 払 い 出 した 金 銭 を 結 婚 子 育 て 資 金 の 支 払 に 充 当 したことを 証 する 書 類 を 金 融 機 関 に 提 出 結 婚 子 育 て 資 金 管 理 契 約 の 終 了 次 に 掲 げる 事 由 に 該 当 した 場 合 には 結 婚 子 育 て 資 金 管 理 契 約 は 終 了 し 1 又 は2の 場 合 において 残 額 があるときは 次 に 掲 げる 事 由 に 該 当 した 日 にその 残 額 の 贈 与 があったものとして 受 贈 者 に 贈 与 税 課 税 (2の 場 合 には 残 額 につき 贈 与 税 は 課 されない) 1 受 贈 者 が 50 歳 に 達 した 場 合 2 受 贈 者 が 死 亡 した 場 合 3 信 託 財 産 等 の 価 額 が0となった 場 合 において 終 了 の 合 意 があったとき 贈 与 者 の 死 亡 契 約 の 途 中 で 贈 与 者 が 死 亡 した 場 合 には 死 亡 の 日 における 残 額 については 受 贈 者 が 相 続 又 は 遺 贈 により 取 得 したものとみなして 贈 与 者 の 死 亡 に 係 る 相 続 税 の 課 税 価 格 に 加 算 する(ただし 2 割 加 算 の 対 象 にはならない) ( 注 1) 結 婚 子 育 て 資 金 とは 内 閣 総 理 大 臣 が 定 める 次 に 掲 げる 費 用 に 充 てるための 金 銭 をいう 1 結 婚 に 際 して 支 出 する 婚 礼 ( 結 婚 披 露 を 含 む)に 要 する 費 用 住 居 に 要 する 費 用 及 び 引 っ 越 しに 要 する 費 用 のうち 一 定 のもの 2 妊 娠 に 要 する 費 用 出 産 に 要 する 費 用 子 の 医 療 費 及 び 子 の 保 育 料 のうち 一 定 のもの ( 注 2) 信 託 会 社 ( 信 託 銀 行 を 含 む) 銀 行 等 及 び 金 融 商 品 取 引 業 者 ( 第 一 種 金 融 商 品 取 引 業 を 行 う 者 に 限 る) ( 注 3) 結 婚 に 際 して 支 出 する 費 用 については 300 万 円 まで PwC 5

9. 教 育 資 金 一 括 贈 与 の 拡 充 直 系 尊 属 からの 教 育 資 金 の 一 括 贈 与 制 度 につき 次 の 見 直 しが 行 われたうえで 適 用 期 限 が 2019 年 3 月 31 日 まで 延 長 され ます (1) 対 象 となる 教 育 資 金 の 使 途 の 範 囲 に 通 勤 定 期 券 代 留 学 渡 航 費 等 が 追 加 される (2) 金 融 機 関 への 領 収 書 等 の 提 出 について 領 収 書 等 に 記 載 された 支 払 金 額 が 1 万 円 以 下 で かつ その 年 中 の 合 計 支 払 金 額 が 24 万 円 に 達 するまでのものについては 領 収 書 等 に 代 えて 支 払 先 支 払 金 額 等 の 明 細 を 記 載 した 書 類 を 提 出 するこ とができることとされます(2016 年 1 月 1 日 以 後 提 出 分 より 適 用 ) 10. その 他 の 改 正 項 目 特 定 の 資 産 の 買 換 えの 場 合 等 の 課 税 の 特 例 については その 延 長 の 当 否 が 注 目 されていましたが 所 得 税 法 人 税 ともに 適 用 期 限 が 2 年 3 か 月 延 長 されます 政 策 税 制 名 特 定 の 資 産 の 買 換 えの 場 合 等 の 課 税 の 特 例 ( 長 期 所 有 の 土 地 建 物 等 から 国 内 にある 土 地 建 物 機 械 装 置 等 への 買 換 え) 改 正 案 適 用 期 限 につき 2 年 3 か 月 延 長 PwC 6

Let's talk より 詳 しい 情 報 または 個 別 案 件 への 取 り 組 みにつきましては 当 法 人 の 貴 社 担 当 者 もしくは 下 記 までお 問 い 合 わせください 税 理 士 法 人 プライスウォーターハウスクーパース 100-6015 東 京 都 千 代 田 区 霞 が 関 3 丁 目 2 番 5 号 霞 が 関 ビル15 階 電 話 : 03-5251-2400( 代 表 ) www.pwc.com/jp/tax パートナー 小 林 和 也 03-5251-2752 kazuya.kobayashi@jp.pwc.com 佐 々 木 真 美 080-3592-6111 mami.sasaki@jp.pwc.com 山 内 良 080-4104-5423 ryo.yamauchi@jp.pwc.com 濱 岡 佳 孝 06-7670-0952 yoshitaka.hamaoka@jp.pwc.com パートナー 遠 藤 浩 二 郎 03-5251-2443 kojiro.endo@jp.pwc.com 塩 谷 洋 子 080-3592-6068 yoko.shionoya@jp.pwc.com 蒲 地 正 英 080-4104-5421 masahide.kamachi@jp.pwc.com シニア 望 月 文 太 080-3592-6071 bunta.b.mochizuki@jp.pwc.com 深 田 かおり 080-4104-5412 kaori.fukada@jp.pwc.com 林 雄 高 080-4104-5418 yutaka.y.hayashi@jp.pwc.com 税 理 士 法 人 プライスウォーターハウスクーパースは PwCのメンバーファームです 公 認 会 計 士 税 理 士 など 約 520 人 を 有 する 日 本 最 大 級 のタックスアドバイザーとして 法 人 個 人 の 申 告 をはじめ 金 融 不 動 産 関 連 移 転 価 格 M&A 事 業 再 編 国 際 税 務 連 結 納 税 制 度 など 幅 広 い 分 野 において 税 務 コンサルティングを 提 供 しています PwCは 世 界 157カ 国 におよぶグローバルネットワークに195,000 人 以 上 のスタッフを 有 し 高 品 質 な 監 査 税 務 アドバイザリーサービスの 提 供 を 通 じて 企 業 団 体 や 個 人 の 価 値 創 造 を 支 援 しています 詳 細 はwww.pwc.com をご 覧 ください 本 書 は 概 略 的 な 内 容 を 紹 介 する 目 的 のみで 作 成 していますので プロフェッショナルによるコンサルティングの 代 替 となるものではありません 2015 税 理 士 法 人 プライスウォーターハウスクーパース 無 断 複 写 転 載 を 禁 じます PwCとはメンバーファームである 税 理 士 法 人 プライスウォーターハウスクーパース またはPwCのネットワークを 指 しています 各 メンバーファームは 別 組 織 となっています 詳 細 は www.pwc.com/structureをご 覧 ください